01/31中村 中さんにとっての「歌」と「お芝居」
早いもので1月は今日でおしまいです。1月ってバタバタしてしまい、そう思っているうちにツアーが始まって…という感じで、いつも忙しくしている平原さん。「一度きりの人生、世界遺産はちゃんと見ておきたい!」スタジオに掛けてある、綺麗な写真のカレンダーを見て、ふとそう思ったそう。屋久杉に行ってパワーをもらいたいと話していました。
今日のオープニングの選曲は、サラ・マクラクラン『オーディナリー・ミラクル』でした。「ありふれているようで、奇跡だなと思う、瞬間や場面っていうのが必ずあると思うんです。雨が降るのもありふれているけれど、実は奇跡のような出来事で、雨が降らないとわたしたちも大変なことになってしまうし。日常にいろいろなすばらしい、ありふれた奇跡があるんだなと考えさせられる大好きな曲です。」と紹介してくれました。メロディーも美しい曲ですので、ぜひもう一度聴いてみてくださいね。
ヴィーナス・ラウンジのゲストは中村 中さん
中村 中さんをお迎えしてのファイナルウィークです!今日は今後の活動について、いろいろ伺ってみました。
2月13日と14日に東京 日本橋三井ホールで開催されるライブがありますね。「LIVE 2016 生まれ変わろう、そして」と題して行われますが、この話から聞きたいな!
「アルバムのジャケットが繭に包まれていたんで、ライブのポスターは繭から生まれ変わろうとしているイメージです。10年目に入る前に一回繭に入って、さらなる飛躍をという願掛けもあって、そんなジャケットとライブのキービジュアルにしたんです。撮影した時にセットリストをどうしようかという段階だったから、どんなライブにしようというのは考えられてなくて。まさに今、リハーサルやっている真っ最中だから、どんなライブになるのかというのは実はわたしもまだ掴みきれてないんです。アルバムは恋の歌を歌っていて、わたしは女性として生きているけど、まぁ男性の気持ちもわかるっていうか…。男性も女性も持っているとよく言われるんですけど、その女性の部分が多いライブになるんじゃないかなって思っています。」
伝える形態として今回はバンドのスタイル、(ギター弾き語りのアコースティックスタイルとは)また違った感覚になるのかな?
「音量が違うよね。わたしの中で分けているのが、アコースティックライブは自分で演奏もするから、よりミュージシャンになっているんだなと思う。楽器から離れるとエンターテイナーになっているなという気持ちになるかな。なんかね、アコースティックの方が、職人ぽくなるの。楽器から離れると、動けるし、演じられるし、可能性が広がるから、身振り手振りもできるようになるじゃない?ショーマンになる感じがあるかな。」
ギター弾き語りの人を見ると羨ましいなと思うのが、歌ってないラフさというものがあって、“歌、命!”に見えないように表現している人がいるのね。マイクだけ持っていると“入魂!”って感じがするんだけど、弾き語りをしていると、すごく余裕を感じるのね。それがすごくかっこいい!自分はいま好きだから歌っているんだというように見えてかっこいい!
「あーやが言う、マイクだけのスタイルとギターのスタイルというのは、歌だけだとこの歌の使命感や背負うものが多いように見えるんだね。ギターを持っていると、純粋に歌を楽しんでいるように見えるというニュアンスかな。」
歌だけだと捧げるようなイメージなんだけど、弾き語りは良いラフさがあって、かっこいい!
「かっこいいと思うのは、あーやがしてないからかもね。自分ができないことをやっている人を見ると素敵に見えるよね。あーやが言う、歌の神様に捧げる、聴きに来てくれる人に捧げるというのは、感覚としては、普段、街を歩いている自分じゃない自分になるじゃない?そういう何かになって歌うっていうのが、わたしにとってはエンターテイナーになるっていう言い方をしているんだよね。それ、思うよ、わたしも。」
役者としての中さんへの質問です。CDデビューした直後から、舞台やドラマなど、役者としても活躍しています。お芝居をやろうと思ったきっかけは?
「やろうと思ったことはないんです!」
じゃあ、オファーが来てから?
「そうなの。デビューの年からオファーがあって。初めて、人の前で歌ったのが舞台だったの。”こういうお芝居があるんですけど、そこで歌いませんかと。このシーンの解釈で歌ってくれませんか?”って言われて。わたし、本当は嫌だと思ったの。だって、その時の自分の気持ちで書いているのに、解釈を変えて歌わなきゃいけないんだって思ったんだけど、でも、“デビューしたてなんだし、いろんな人に見られなきゃいけないでしょ!やりましょう!”ってなって。」
でも、今はとても心地いいもの?
「そうね!実は、舞台は違うと思ってから、お断りしていたの。断ってもオファーが続けて来ていて、これならできるかなというのはトライしていたんだけど、まだなんかモヤモヤしているわけ。芝居一本でやっている人たちから見たら、正直、ふざけんなと思うだろうなというのもあって、ネガティブだったんだ。でも、断り続けたら、別のチャンスも逃しているんじゃないかなと。断った芝居を観に行ったら、すばらしくてさ!これ、出とけばよかったかなと思ったこともあったわけ。歌い始めた理由が、不器用でも人と繋がりたいと思ったんじゃないのって自分にも問いかけ、“よしやろう。ちゃんとやってみよう。でもやるからには歌がないものがやりたい”と思うようになったの。」
お芝居で、何が一番大事だと思った?
「それは、自分を出さないことかな。何かの役になるって、自分で曲を書く人たちって苦手だと思う。自分を書いているんだから。その自分をなくすことが大事かな。そうすると、(歌と芝居は)自分があるものと自分がないもの、全然違うものに見えるじゃん。でも、ある時からひとつのことをしているって気がついたのね。結局、自分探しをしているんだな。自分は何者なのかというのをやっていると気がついたの。本当のわたしは何なのかと思っているのが歌。自分じゃないものになりたいというのが役者。それがわかったら、急に辛くなくなったの。
これに気付くまでは“二足のわらじで”とか、“こういうことやっていると、どっちも失いますよ”と言ってくる人もいて、悔しいと思ったこともあるんだけど。」
歌以外に、お芝居にもご自身の情熱をぶつけている中村 中さん。ひとつひとつの質問に本当に丁寧に答えてくださいました。
3月4日〜17日まで、赤坂ACTシアターで上演される三島由紀夫さん作、宮本亜門さん演出の舞台「ライ王のテラス」に出演されます。鈴木亮平さん演じる『ライ王』の第1王妃の役をやります。中村 中さんのニューアルバム「去年も、今年も、来年も、」絶賛発売中!中村 中さんの最新情報はオフィシャルサイトをご覧ください。