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放送後記〜チェリー清水さんの後ろの席から〜

放送後記〜チェリー清水さんの後ろの席から〜

2016/05/26 update
こんにちは!
5月21日、前回お知らせしたとおり、
是枝裕和監督をお招きしてお送りしました。
福山さんは『そして父になる』やCMで、
ご一緒したこともある是枝監督、
今回はクリエイターどうし、
様々な角度から、創ることについてトークを繰り広げました!

ちょうどこの日5月21日に公開になった
是枝監督の最新作『海よりもまだ深く』。
バツイチ男性の主人公・良多(阿部寛さん)と
その母親・淑子(樹木希林さん)が団地で暮らしている中、
あるトラブルから別れた妻(真木よう子さん)も加わった
”元家族”のストーリー。
「なりたかった大人になれた?」という問いかけがテーマです。
是枝監督に伺いました。

福: 是枝さんは、ご自分で大人だなあ、
   大人になったよって思うことありますか?

是: ・・・大人になり切れてないなあと思っているのは、
   しょうがないなあとも思っているんですが、
   叱れないことでしょうかね。
   人をきちんと叱れないのはダメだなあと思いながら。

福: それはスタッフ、お子様、奥様に対して…?

是: はい。

福: 「叱れない、ダメだなあ」
   と思うっていうのは、なぜなんでしょう?
   叱るということに自分が責任は持てない、
   って思われたりしているからなんですか?

是: うーん、愛情が足りないからなのかな、と(笑)
   年齢的に若い世代を育てるとか
   考えなければいけない年齢に差し掛かっているにもかかわらず、
   アドバイスはするんですけど、
   叱れないってのは愛が足りないからって言われたんですよね。
   で、それに反論できない自分がいるんですよね。

福: 逆に是枝さんはどなたかに叱られたり
   育ててもらったりっていう感覚は?

是: ないんですよ(笑)

福: ・・・だからですよね(笑)
   勝手に育っていくし、みたいな感覚がおありだったり?

是: それはあります。
   自分も誰かの薫陶を受けてこうなったわけではないんです。
   でも僕が勝手に私淑した(手本にした)、
   お会いしたこともないような監督・演出家、脚本家はいます。
   そういう風な形でおこがましいですけど
   僕の何かを受け継いでいく、
   そういう影響関係っていうのは、直接接しなくても、
   あると思うんですよね。

あなたは夢見た未来と今、どのくらい同じで、どのくらい違っていますか?
なりたかった大人になれていますか?
是枝監督のお話は、そんな問いについて考え、
未来を見据えるきっかけをくれました。
最後に、是枝監督には福山さんのナンバーで、
聴きたい一曲、選んでいただきました。

是: はい。じゃあ、『最愛』を。

福: 意外でしたね。『クスノキ』で来るのかなと。

是:『クスノキ』も大好きなんですけどね。
   福山さんが女性の詩を歌うの結構好きなんですよ。

福: 嬉しいですね。
   ドラマ『ラヴソング』では女性目線の曲、
   3曲書いたんですよ。
   去年、Charさんの還暦のアルバムに
   参加した時に書いた歌も女性が主人公の歌で。。
   この1年くらい女性の歌しか書いてないんですよ。
   ずいぶん今回煮詰まるなあと思っていたら、
   そりゃそうだよ!
   こんなに女性の歌を書いていたらそうなだっていう(笑)
   是枝さんは、脚本お書きになるとき、
   女性のセリフってどうしてます?

是: 難しいですよね。

福: やっぱり女性スタッフに聞かれたりします?

是: そうですね。必ず確認します。
   あとは現場で聞いて、メモとって使いますね。

福: そうだそうだ、是枝メモがあるんだ!(笑)

是: 女の人の言葉はやっぱり難しいです。
   放っておくと古い言葉になっちゃうし。
   
福: あと、言葉が割と感情と直結している気がしますね。
   男はどこかで感情から頭脳に行って、
   もうちょっと文語化して、ちゃんと説明をしよう、
   取扱説明書みたいに説明をしよう!
   みたいな言葉遣いをする話術が多いと思うんですけど、
   女性は、
   「気持ちいい〜」
   とか
   「温泉最高!幸せ〜」
   みたいに、幸せとか簡単に言うじゃないですか。
   あの感じがやっぱり全然違うなって思うんですよね。

女性言葉は難しいとおっしゃるお二人。
『海よりもまだ深く』では、
樹木希林さん演じるお母さんは
ぐっと来て、そして考えさせられる言葉を贈り届けてくれています。
ぜひ、その言葉、感じてみてください!


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