2024年11月16日
今週ゲストにお迎えしたのは、講談社より発売中の小説『バリ山行』で第171回芥川賞を受賞されました、松永K三蔵さんです。
松永さんは、1980年、茨城県のお生まれです。
関西学院大学文学部卒業後、2021年、第64回群像新人文学賞優秀作『カメオ』で、作家デビュー。
そして、2024年には『バリ山行』で、第171回芥川龍之介賞受賞されました。
──オモロイ純文運動
茂木:今回芥川賞を受けた『バリ山行』、その前に新人文学賞優秀賞を獲られていて、そこだけ見ていると本当にもう順調にいっているように見えるんですけど、ご本人の中ではどうなんですか?
松永:2作目で芥川賞を頂けたというのは本当にありがたいです。10代の頃に小説を書き始めて、小説自体は20年以上ずっと書いていますので、このタイミングで頂けて本当に良かったなと思いますね。
茂木:今まで、作品としてはかなり書いてきていたんですか。
松永:はい。
茂木:自分の中で「成長した」と言うか、「これは上手くなってきたな」というのは、どれぐらいの時からなんですか?
松永:そうですね…。確かに、自分の中である程度納得できるようなものを書き始めたのは、やっぱり30代ぐらいからですかね。それまでは、書いても迷いがあったりしたんですけれども。
茂木:それはどういう修行をして、そういうふうになったんですか?
松永:本当に私はただ楽しんで書いてきただけなんですけれども、色々書く中でふと思ったのが、ある意味「力を抜いて」と言いますか。「これは文学的にどう評価されるのかな?」とか、そういうことではなく、本当に書きたいことを素直に表現できれば、自分の中に納得感と言いますか、そういう心地よさみたいなのが感じられた時に、自分でも満足できるような作品が書けるのかな、というのは思います。
茂木:そしてこの『オモロイ純文運動』に繋がるわけですけど。このスローガンと言うのか、これはいつ着想されたんですか。
松永:2021年にデビューさせて頂いた時にホームページを作ったんですけれども、その中で自分の小説の個性を示すものとして、何かキャッチコピーをつけようかな、というところで、面白く読める純文学ということで、且つ、あまりハードルが高くなく、色んな人に開かれた、というのを意識して、『オモロイ純文』というのをスローガンにしたんです。
その後、読書離れや書店閉店のニュースが流れる中で、面白い純文を広めてそういうのに抵抗できればな、という思いでこれを「運動」にしました(笑)。
茂木:こうやって自分自身を客観的に見て、セルフプロデュースというのも変ですけども、「こういうイメージにしよう」というのは、どの辺りで身に付けられたんでしょうか。
松永:今の時代、色々表現して、読者の方…小説が好きでよく読まれる方であったり、あんまり小説というものを読んだことないという方にも、何か訴えかけるチャンスはないのかな、というところで、ちょっと目立つかなと思ってやっています(笑)。
茂木:(笑)。とにかく、今回の芥川賞の会見とか写真のビジュアルのインパクトが非常に強かったので、既に皆さんの心に刻まれていると思います。
松永:ありがとうございます(笑)。
茂木:でも、この『バリ山行』の反響を受けて、今のお気持ちはどうですか?
松永:本当にありがたいですね。芥川賞をきっかけに多くの方に読んで頂いていますので。本当に、先ほど紹介頂いた『オモロイ純文』、「まさに『オモロイ純文』だと思います」というような声も頂きながら…。
茂木:あ、それは一番嬉しいですね。
松永:はい。まさに、という形で、そう読んで頂ければもうそれ以上のことはないので。
茂木:刊行の順番としては逆になるんですけども、新人賞を受けた『カメオ』、こちらが12月に発売ということで。こちらの作品は犬が出てくるんですよね。
松永:はい。これは「犬とロードバイク」の小説という形で、これもちょっと体を動かすような話なんですけれども(笑)。
茂木:これも、読者にどう受け止められるか。
松永:そうですね。
茂木:何となく松永さんの中には、そういう文明生活の中で生きる我々の人生のあり方と、山とかの野生と言うか、衝動と言うか、そこら辺のバランスというのが、きっとずっとテーマであり続けるのかな、と思うんですが。
松永:どうしても、山に登ったり、ロードバイクで外に走りに行ったり、そういう衝動が私の中にあるのかもしれないです(笑)。
──松永K三蔵さんの『夢・挑戦』
茂木:色々お話を伺ってきたんですけど、松永さん、この番組のテーマは『夢と挑戦』なんです。もう芥川賞受賞ということで本当にめでたいんですけど、これからの作家としての『夢・挑戦』は何でしょうか?
松永:はい。やっぱり海外の街とか人とかに出会って、触れて、そういったものをテーマにした作品を書いていきたいなと思っています。
茂木:色々どこかに行きたくないですか?
松永:そうですね。学生の頃はインド行ったりとか、ちょっとタイに行ったりとか、していたんですけども。今の目で見てみたいな、というのがあります。
茂木:ノンフィクションもいい作品を書かれそうですよね。
松永:ありがとうございます。
茂木:それがまたフィクションに生きてたりしますもんね。
松永:はい。現場を見るということは、本当に重要だと思います。
茂木:「松永K三蔵、海外に行く。」ということで。そういう番組も見られそうですけど(笑)。
ということで、この『バリ山行』は本当に素晴らしい小説で、心の底からお勧めしますが、これから読むという方もいらっしゃると思うので、読者の方にメッセージを頂いてよろしいでしょうか?
松永:はい、ありがとうございます。本当に、芥川賞作品と言いますと、「純文学で難しいんじゃないかな?」、「読めるかな?」というようにちょっと構えられる方もいるかもしれないんですけれども、いわゆる山岳小説と言ったら…これもちょっと固いかもしれないんですけど、山を登るお話です。読みやすく、面白く書いたと思っていますので、是非どうぞご読んで頂ければと思います。
茂木:僕、これは普通にエンタメ小説でもあると思いますよ。芥川賞受賞作にエンタメ小説なんて言っては失礼だなと思いますけど…。
松永:いいえ、光栄です(笑)。
茂木:妻鹿さんが余りにも魅力的すぎて。妻鹿さんの後についていきたくなりますよね。
松永:本当にそう仰って頂く方、「妻鹿さんに会いたい」と仰って頂く方もおられたりします(笑)。
茂木:どこかにいるんじゃないかな? 今週も六甲に登っているんじゃないかな、と思っているんですが。
松永:登っていると思いますね。
■プレゼントのお知らせ
番組でご紹介してきました、松永K三蔵さんのご著書『バリ山行』に、松永さんの直筆サインを入れて3名の方にプレゼント致します。
ご希望の方は、お名前やご住所、電話番号など、必要事項を明記の上、メッセージフォームより、ご応募ください。
私、茂木に聞きたい事や相談したい事など、メッセージを添えていただけると嬉しいです。
尚、当選者の発表は、商品の発送をもってかえさせて頂きます。
たくさんのご応募、お待ちしております。
●松永K三蔵さん 公式サイト
●松永K三蔵さん (@M_K_SANZO) / X(旧Twitter)公式アカウント
●松永K三蔵さん (@m.k.sanzo) 公式 Instagram
●松永K三蔵さん 公式 note
●「バリ山行」 / 松永K三蔵 (著)
(Amazon)
●講談社 公式サイト
松永さんは、1980年、茨城県のお生まれです。
関西学院大学文学部卒業後、2021年、第64回群像新人文学賞優秀作『カメオ』で、作家デビュー。
そして、2024年には『バリ山行』で、第171回芥川龍之介賞受賞されました。
──オモロイ純文運動
茂木:今回芥川賞を受けた『バリ山行』、その前に新人文学賞優秀賞を獲られていて、そこだけ見ていると本当にもう順調にいっているように見えるんですけど、ご本人の中ではどうなんですか?
松永:2作目で芥川賞を頂けたというのは本当にありがたいです。10代の頃に小説を書き始めて、小説自体は20年以上ずっと書いていますので、このタイミングで頂けて本当に良かったなと思いますね。
茂木:今まで、作品としてはかなり書いてきていたんですか。
松永:はい。
茂木:自分の中で「成長した」と言うか、「これは上手くなってきたな」というのは、どれぐらいの時からなんですか?
松永:そうですね…。確かに、自分の中である程度納得できるようなものを書き始めたのは、やっぱり30代ぐらいからですかね。それまでは、書いても迷いがあったりしたんですけれども。
茂木:それはどういう修行をして、そういうふうになったんですか?
松永:本当に私はただ楽しんで書いてきただけなんですけれども、色々書く中でふと思ったのが、ある意味「力を抜いて」と言いますか。「これは文学的にどう評価されるのかな?」とか、そういうことではなく、本当に書きたいことを素直に表現できれば、自分の中に納得感と言いますか、そういう心地よさみたいなのが感じられた時に、自分でも満足できるような作品が書けるのかな、というのは思います。
茂木:そしてこの『オモロイ純文運動』に繋がるわけですけど。このスローガンと言うのか、これはいつ着想されたんですか。
松永:2021年にデビューさせて頂いた時にホームページを作ったんですけれども、その中で自分の小説の個性を示すものとして、何かキャッチコピーをつけようかな、というところで、面白く読める純文学ということで、且つ、あまりハードルが高くなく、色んな人に開かれた、というのを意識して、『オモロイ純文』というのをスローガンにしたんです。
その後、読書離れや書店閉店のニュースが流れる中で、面白い純文を広めてそういうのに抵抗できればな、という思いでこれを「運動」にしました(笑)。
茂木:こうやって自分自身を客観的に見て、セルフプロデュースというのも変ですけども、「こういうイメージにしよう」というのは、どの辺りで身に付けられたんでしょうか。
松永:今の時代、色々表現して、読者の方…小説が好きでよく読まれる方であったり、あんまり小説というものを読んだことないという方にも、何か訴えかけるチャンスはないのかな、というところで、ちょっと目立つかなと思ってやっています(笑)。
茂木:(笑)。とにかく、今回の芥川賞の会見とか写真のビジュアルのインパクトが非常に強かったので、既に皆さんの心に刻まれていると思います。
松永:ありがとうございます(笑)。
茂木:でも、この『バリ山行』の反響を受けて、今のお気持ちはどうですか?
松永:本当にありがたいですね。芥川賞をきっかけに多くの方に読んで頂いていますので。本当に、先ほど紹介頂いた『オモロイ純文』、「まさに『オモロイ純文』だと思います」というような声も頂きながら…。
茂木:あ、それは一番嬉しいですね。
松永:はい。まさに、という形で、そう読んで頂ければもうそれ以上のことはないので。
茂木:刊行の順番としては逆になるんですけども、新人賞を受けた『カメオ』、こちらが12月に発売ということで。こちらの作品は犬が出てくるんですよね。
松永:はい。これは「犬とロードバイク」の小説という形で、これもちょっと体を動かすような話なんですけれども(笑)。
茂木:これも、読者にどう受け止められるか。
松永:そうですね。
茂木:何となく松永さんの中には、そういう文明生活の中で生きる我々の人生のあり方と、山とかの野生と言うか、衝動と言うか、そこら辺のバランスというのが、きっとずっとテーマであり続けるのかな、と思うんですが。
松永:どうしても、山に登ったり、ロードバイクで外に走りに行ったり、そういう衝動が私の中にあるのかもしれないです(笑)。
──松永K三蔵さんの『夢・挑戦』
茂木:色々お話を伺ってきたんですけど、松永さん、この番組のテーマは『夢と挑戦』なんです。もう芥川賞受賞ということで本当にめでたいんですけど、これからの作家としての『夢・挑戦』は何でしょうか?
松永:はい。やっぱり海外の街とか人とかに出会って、触れて、そういったものをテーマにした作品を書いていきたいなと思っています。
茂木:色々どこかに行きたくないですか?
松永:そうですね。学生の頃はインド行ったりとか、ちょっとタイに行ったりとか、していたんですけども。今の目で見てみたいな、というのがあります。
茂木:ノンフィクションもいい作品を書かれそうですよね。
松永:ありがとうございます。
茂木:それがまたフィクションに生きてたりしますもんね。
松永:はい。現場を見るということは、本当に重要だと思います。
茂木:「松永K三蔵、海外に行く。」ということで。そういう番組も見られそうですけど(笑)。
ということで、この『バリ山行』は本当に素晴らしい小説で、心の底からお勧めしますが、これから読むという方もいらっしゃると思うので、読者の方にメッセージを頂いてよろしいでしょうか?
松永:はい、ありがとうございます。本当に、芥川賞作品と言いますと、「純文学で難しいんじゃないかな?」、「読めるかな?」というようにちょっと構えられる方もいるかもしれないんですけれども、いわゆる山岳小説と言ったら…これもちょっと固いかもしれないんですけど、山を登るお話です。読みやすく、面白く書いたと思っていますので、是非どうぞご読んで頂ければと思います。
茂木:僕、これは普通にエンタメ小説でもあると思いますよ。芥川賞受賞作にエンタメ小説なんて言っては失礼だなと思いますけど…。
松永:いいえ、光栄です(笑)。
茂木:妻鹿さんが余りにも魅力的すぎて。妻鹿さんの後についていきたくなりますよね。
松永:本当にそう仰って頂く方、「妻鹿さんに会いたい」と仰って頂く方もおられたりします(笑)。
茂木:どこかにいるんじゃないかな? 今週も六甲に登っているんじゃないかな、と思っているんですが。
松永:登っていると思いますね。
■プレゼントのお知らせ
番組でご紹介してきました、松永K三蔵さんのご著書『バリ山行』に、松永さんの直筆サインを入れて3名の方にプレゼント致します。
ご希望の方は、お名前やご住所、電話番号など、必要事項を明記の上、メッセージフォームより、ご応募ください。
私、茂木に聞きたい事や相談したい事など、メッセージを添えていただけると嬉しいです。
尚、当選者の発表は、商品の発送をもってかえさせて頂きます。
たくさんのご応募、お待ちしております。
●松永K三蔵さん 公式サイト
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●「バリ山行」 / 松永K三蔵 (著)
(Amazon)
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