2024年06月08日
福田淳さんは、1965年、大阪府のお生まれ。
株式会社ソニー・ピクチャーズエンタテインメント、バイスプレジデントを経て、
2007年に、株式会社ソニー・デジタルエンタテインメントを起業し、
主に、IT分野のコンテンツのブランディングや知的財産管理の事業を行われました。
2018年、株式会社スピーディを起業され、タレントエージェント事業、
アメリカ・ロサンゼルスでのアートギャラリー経営、
カリフォルニア全域と沖縄におけるリゾート施設展開や、
無農薬農場開発、世界19カ国での出版事業、その他M&Aと出資、
スタートアップ投資など、多岐にわたり、ご活躍中でいらっしゃいます。
──タレントに寄り添う
茂木:福田さんが特に全国的に注目されている理由の一つは、やっぱりエンタメだと思うんですけど…。僕は福田さんとお付き合いさせて頂いてしばらく経つんですけれども、フロントの人にも見えるじゃないですか。つまり、自分が出る側と言うか。一方では、タレントさんとかアイドルさんの気持ちも分かると思いますが、やっぱり日大芸術学部で映画を撮ろうとしていたとか、そういうことにも関係するんですかね?
福田:元々目立ちたがり屋なんです。なのに、裏方一筋みたいな仕事が多いので、矛盾しているんですけど(笑)。
茂木:でもね、もちろんマネージャーさんとかそういうエージェントの方というのは、色々全体の様子を見なくちゃいけないと思うんですけど、フロントに立っているタレントさんとかにとったら、自分たちの気持ちを分かってくれる人というのは嬉しいと思うんですよね。
福田:色んな商売がありますけども、人を商品にしている商売と言うとこの芸能が一番じゃないですか。なので、ファンももちろんそうなんですけども、タレントの方と寄り添って、どちらかと言うと指導して何かをするという仕事じゃなく、徹底してフォローワー、サポーターとしてやると決めているんです。ですからこの分野では、あまり自分にそんなイノベーションはないですね。タレントエージェンシーだと、「その人の特性をどう活かすか」ということなので。
茂木:変にイノベーションと言うよりも、王道と言うか、人間として寄り添う、と。
福田:そうですね。しかも仕事としてやっていかなきゃいけないので、そのタレントの人たちの長所を伸ばしていくとか、悪かったとしても「もしかしたら、それって見せ方によってはいいんじゃないの?」というふうに、本人がなかなか気が付かないことをフォロワーとしてアドバイスしています。
茂木:じゃあアスリートにとってのコーチとかのような存在なんですね。
福田:はい、コーチングだと思います。
茂木:そして、ご著書『好きな人が、好きなことは、好きになる』の中でも、エンタメは本当に人間にとって大切なものだと仰っているんですけど、ファンの存在が大きいと思うんです。福田さんのようなお仕事をされていて、ファンというのはどういう感じなんでしょう?
福田:それがこの本の趣旨なんですよ。今は“推し”とか色々言いますけど、「ファンの心理は何かな?」と思ったら、もう好きで好きでたまらないことが生きがいになる、ということですよね。それは自分の人生じゃないかと思ったんです。
好きなことばっかり追求していると、僕なんか昭和40年生まれですから、意味もなく大人から怒られるわけですよ。
茂木:(笑)。
福田:「嫌なことが三つあったら好きなこと一つする」とかね。「好きなことばっかり追求してたら生きていけないよ」と大人に怒られたんですよ。
茂木:言われたんですか(笑)。
福田:親からは言われませんでしたけど、近所の人から言われていましたね(笑)。
──アップデートしている人は魅力的
茂木:そんな福田さんがタレントさんとかを見て、「何かこの人来るな」とか「今人気が来てるな」と思うことがあるじゃないですか。人気が出る人にはどんな秘密があるんですか?
福田:「アップデートしている人」です。
例えば、会社なんかで分かりやすいのは、後輩に説教ばっかりしている先輩とか上司は、世の中のことが結構分かってないから、皆言うこと聞かないじゃないですか。説得力があったら、上司に怒られた時に「なるほど、そうですよね」となることがあるんですけど、「お前、作法がなってない」とか「3年は我慢だ」とか言われたりすると、何か退屈じゃないですか。だから、夜遊びして、旅行に行って、恋をして、色んなトラフィックがあって、悩んだり、打ち負かされたり、楽しいことがあったりする人は、外の空気を知っているから、アップデートされたように見えますよね。
茂木:なるほど…!
福田:それがさっきのファン心理の質問の答えにもなるんですけど、「好きなことが多い人」というのは魅力的ですよね。
茂木:どんどんアップデートされるから。
福田:外に居ないと。
茂木:今の「アップデートする人は人気が出る」という話は本当に感動したんですけど、その方自身がそう動いているんですかね?
福田:テイラー・スウィフトさんがこの間ドームで公演をやって、すぐ恋人に会いたいからとそのまま帰りましたよね。「ああ、幸せなのね」という感じなんですけど、日本の芸能人とかミュージシャンはなかなかそうできないじゃないですか。それは可哀そうだなと思うんですよ。
日本だと、やっぱりちょっと周りを気遣ってしまってタレントさんの自由度がなくて可哀そうなので、僕はもっと自由でいいと思っているんです。
茂木:ということは、日本のスターとかエンタメを更に世界に届けるには、皆もっと自由に人間らしくする、と。
福田:そうなんです。
●株式会社スピーディ 福田さん 公式サイト
●好きな人が、好きなことは、好きになる / 福田淳 (著)
(Amazon)
株式会社ソニー・ピクチャーズエンタテインメント、バイスプレジデントを経て、
2007年に、株式会社ソニー・デジタルエンタテインメントを起業し、
主に、IT分野のコンテンツのブランディングや知的財産管理の事業を行われました。
2018年、株式会社スピーディを起業され、タレントエージェント事業、
アメリカ・ロサンゼルスでのアートギャラリー経営、
カリフォルニア全域と沖縄におけるリゾート施設展開や、
無農薬農場開発、世界19カ国での出版事業、その他M&Aと出資、
スタートアップ投資など、多岐にわたり、ご活躍中でいらっしゃいます。
──タレントに寄り添う
茂木:福田さんが特に全国的に注目されている理由の一つは、やっぱりエンタメだと思うんですけど…。僕は福田さんとお付き合いさせて頂いてしばらく経つんですけれども、フロントの人にも見えるじゃないですか。つまり、自分が出る側と言うか。一方では、タレントさんとかアイドルさんの気持ちも分かると思いますが、やっぱり日大芸術学部で映画を撮ろうとしていたとか、そういうことにも関係するんですかね?
福田:元々目立ちたがり屋なんです。なのに、裏方一筋みたいな仕事が多いので、矛盾しているんですけど(笑)。
茂木:でもね、もちろんマネージャーさんとかそういうエージェントの方というのは、色々全体の様子を見なくちゃいけないと思うんですけど、フロントに立っているタレントさんとかにとったら、自分たちの気持ちを分かってくれる人というのは嬉しいと思うんですよね。
福田:色んな商売がありますけども、人を商品にしている商売と言うとこの芸能が一番じゃないですか。なので、ファンももちろんそうなんですけども、タレントの方と寄り添って、どちらかと言うと指導して何かをするという仕事じゃなく、徹底してフォローワー、サポーターとしてやると決めているんです。ですからこの分野では、あまり自分にそんなイノベーションはないですね。タレントエージェンシーだと、「その人の特性をどう活かすか」ということなので。
茂木:変にイノベーションと言うよりも、王道と言うか、人間として寄り添う、と。
福田:そうですね。しかも仕事としてやっていかなきゃいけないので、そのタレントの人たちの長所を伸ばしていくとか、悪かったとしても「もしかしたら、それって見せ方によってはいいんじゃないの?」というふうに、本人がなかなか気が付かないことをフォロワーとしてアドバイスしています。
茂木:じゃあアスリートにとってのコーチとかのような存在なんですね。
福田:はい、コーチングだと思います。
茂木:そして、ご著書『好きな人が、好きなことは、好きになる』の中でも、エンタメは本当に人間にとって大切なものだと仰っているんですけど、ファンの存在が大きいと思うんです。福田さんのようなお仕事をされていて、ファンというのはどういう感じなんでしょう?
福田:それがこの本の趣旨なんですよ。今は“推し”とか色々言いますけど、「ファンの心理は何かな?」と思ったら、もう好きで好きでたまらないことが生きがいになる、ということですよね。それは自分の人生じゃないかと思ったんです。
好きなことばっかり追求していると、僕なんか昭和40年生まれですから、意味もなく大人から怒られるわけですよ。
茂木:(笑)。
福田:「嫌なことが三つあったら好きなこと一つする」とかね。「好きなことばっかり追求してたら生きていけないよ」と大人に怒られたんですよ。
茂木:言われたんですか(笑)。
福田:親からは言われませんでしたけど、近所の人から言われていましたね(笑)。
──アップデートしている人は魅力的
茂木:そんな福田さんがタレントさんとかを見て、「何かこの人来るな」とか「今人気が来てるな」と思うことがあるじゃないですか。人気が出る人にはどんな秘密があるんですか?
福田:「アップデートしている人」です。
例えば、会社なんかで分かりやすいのは、後輩に説教ばっかりしている先輩とか上司は、世の中のことが結構分かってないから、皆言うこと聞かないじゃないですか。説得力があったら、上司に怒られた時に「なるほど、そうですよね」となることがあるんですけど、「お前、作法がなってない」とか「3年は我慢だ」とか言われたりすると、何か退屈じゃないですか。だから、夜遊びして、旅行に行って、恋をして、色んなトラフィックがあって、悩んだり、打ち負かされたり、楽しいことがあったりする人は、外の空気を知っているから、アップデートされたように見えますよね。
茂木:なるほど…!
福田:それがさっきのファン心理の質問の答えにもなるんですけど、「好きなことが多い人」というのは魅力的ですよね。
茂木:どんどんアップデートされるから。
福田:外に居ないと。
茂木:今の「アップデートする人は人気が出る」という話は本当に感動したんですけど、その方自身がそう動いているんですかね?
福田:テイラー・スウィフトさんがこの間ドームで公演をやって、すぐ恋人に会いたいからとそのまま帰りましたよね。「ああ、幸せなのね」という感じなんですけど、日本の芸能人とかミュージシャンはなかなかそうできないじゃないですか。それは可哀そうだなと思うんですよ。
日本だと、やっぱりちょっと周りを気遣ってしまってタレントさんの自由度がなくて可哀そうなので、僕はもっと自由でいいと思っているんです。
茂木:ということは、日本のスターとかエンタメを更に世界に届けるには、皆もっと自由に人間らしくする、と。
福田:そうなんです。
●株式会社スピーディ 福田さん 公式サイト
●好きな人が、好きなことは、好きになる / 福田淳 (著)
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