Dream Heart(ドリームハート)

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Dream HEART vol.560 シンガーソングライター さかいゆうさん 「誰にも作れない、自分だけの音日記を作りたい」

2023年12月23日

さかいゆうさんは、1979年、高知県のお生まれです。

高校卒業後、18歳の時に音楽に目覚め、20歳で上京。
22歳で単身ロサンゼルスに渡り、独学でピアノを始められます。

2009年、『ストーリー』でメジャーデビュー。
自身の楽曲だけでなく、小泉今日子さんや坂本真綾さん、Da-iCEやDISH//など、
数多くのアーティストに楽曲提供も行っていらっしゃいます。
また、2018年からは、世界中を旅しながら、John Scofieldや、Ray Parker Jr.など、
世界的なプレイヤーとのレコーディングも実現。

唯一無二の歌声と、SOUL・R&B・JAZZ・ゴスペル・ROCKなど、
幅広い音楽的バックグラウンドを、ポップスへと昇華させる、
サウンドが魅力のシンガーソングライターでいらっしゃいます。


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──イントロで心を掴まれたい

茂木:さかいゆうさんの初の2枚組のベスト盤、『さかいゆうのプレイリスト [白と黒]』、12月13日にリリースされました。こちらに収録されている『ストーリー』は、デビュー曲ですよね。

さかい:曲を作る人は、結論を言うとどっちも大事なんですけど、“サビ派か”、“イントロ派か”がいて。僕は楽器を弾くので、イントロで掴まれたいんですよ。イントロの5秒間で掴まれたくて、その後1分聴くかどうかを判断して、その後全部聴くかどうかを判断して、その後アルバムを聴くかどうか判断するので。
このイントロが出来た時、「やった!」と思いましたね。何か始まりを予感するようなイントロが出来たな、と思って。僕デビューだし、何か始まりを予感するようなピアノのフレーズはないかな、と思って探ってたわけじゃないんですけど、そういう自分の中で合わさる、バチッといく時があるんですよね。あ、面白いな、と思いますね。

茂木:やっぱり、デビューとはいいものでしたか?

さかい:それ、ちょっといい質問ですね(笑)。考えたことはなかったです。なんか、デビューという段になったので、デビューさせてもらいました(笑)。デビューしたくてキャリア積んでいたわけじゃないんです。僕はもうはっきり言って、デビューを諦めるところからスタートですから。

茂木:え、どういうことですか?

さかい:22歳でピアノを弾き始めて、23歳で帰ってきて。その時は「25歳までにデビューしないと駄目だ」と言われていた時期で、僕は25歳ぐらいから曲を書き始めてるので。だからもう全部諦めて、もう無心の状態ですね。ただただ音楽を楽しく、食べていければいいなと思って、自分の思う音楽をやっていたので、「え!? 30歳でデビューさせてくれる人たちって、ちょっと大丈夫?」みたいな感じが(笑)。新人とも言えないし、フレッシュさも意外となかったし(笑)。でも親に「俺は仕事してるよ」というのをアピールできてよかったと思いました。

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茂木:今、NHKの朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の歌も歌っているというのは、これは親にかなりアピールできているんじゃないですか?

さかい:そうですね。うちの父とかは、あんまり喜びを表に出してくれないんですけど、陰では喜んでくれているみたいです。

茂木:良かったなぁ。
さかいさんは、22歳でピアノを始めて、耳コピーで弾けるようになったという、すごい奇跡のような話を伺ったんですけど。ぜひ伺いたいと思ったのは、シンガーソングライター、曲作り、これはどうやって独学でやってきたんですか?

さかい:曲を作るのは、もう長い積み重ねの音楽の歴史があるじゃないですか。シンガーソングライターは自分の声で歌えるので、ある意味、新しくなりやすいんですよね。

茂木:どういうことですか?

さかい:自分の声は唯一無二じゃないですか。もう結構メロディーは飽和状態だし、ハーモニーとか、ジャズのハーモニーとか、どれだけ難しくするとか、どれだけかっこよくするとか、子守唄みたいなものにするとか、色んなノウハウに溢れていて。自分が最後に下せるところは、多分5%とか3%ぐらいなんじゃないかな、と思うぐらい、どんなに素晴らしい曲でも、どこかの曲には似てますから。だから不思議な気分になりますね。
誰だか忘れたんですけど、面白いこと言っていた人がいて、「個性というのは、あるものをコピーして、何をコピーしたのか忘れること」(笑)。

茂木:なるほど(笑)!

さかい:だから、そのぐらい色んなものを吸収して、ここから拝借しては、そこから拝借しては、こっから拝借して…。要するに、シンガーソングライターは、何を聴いて、何でそのメロディーに至ったのか、というのを忘れて、もう「俺の曲だ!」と言っちゃってる人間になりやすいじゃないですか。自分のキャラもあって。実際、『I Love you』という、もう言い古された言葉でも、尾崎豊さんが歌うとあんなに新しく響いたわけですよ。そういう意識ですると、シンガーソングライターとは、レゲエとかロックとかヒップホップとかみたいにジャンルに守られているわけじゃないですけど、新しいものを作りやすいのかな、とは思ったりすることがありますね。

茂木:すごい、作曲というものの秘密を教えて頂いたような気がするんですけど…。
さかいゆうさんは、現在、初のベストアルバム『さかいゆうのプレイリスト [白と黒]』をリリースされていらっしゃいます。そして、来年2024年3月14日から、全国4都市でのホールツアーの開催も決定されたということで、来年のホールツアーの詳しい情報や今後の活動については、さかいさんの公式サイト、SNSなどでご確認ください。

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──さかいゆうさんの『夢・挑戦』

茂木:ということで、この番組、実は『夢と挑戦』がテーマなんですが、今後の夢・挑戦、何でしょうか?

さかい:特にないです(笑)。…というのは、僕は目標派じゃないんですよね。本当に『want』が尽きなくて、もう最初から、「なんかこの音、楽しい!」、「じゃあ次、知りたい!」という感じなんです。強い『want』があると、成果を求めていないので挫折もしないんですよね。だから、今まで通り純粋に音楽に埋没し、音楽探検家として、色んな音楽をディグりながら、さっき話した「残りの5%しかオリジナリティがない」というのを、6%、7%、誰にも作れない、僕だけの音日記を作って…、なんかそういうのがいいですね(笑)。

茂木:格好いいなぁ。

さかい:もっと分かりやすい方がいいよね! 「グラミー賞獲りたい」(笑)!

茂木:いやいや、獲るとは思うんですけど。いや、でも、5%、6・7・8(%)とやっていって、グラミー賞行くでしょう。ねぇ?

さかい:その結果ですか?

茂木:結果ですもんね。別にそれを目指して、という意味じゃないですもんね。

さかい:そうです。

茂木:ぜひ、グラミー賞にノミネートされた段階で、我が番組に来て頂くということで(笑)。

さかい:どうせなら獲っちゃいましょう(笑)!

茂木:分かりました! 凱旋のご出演、お待ちしています!

さかい:いいですね(笑)。

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さかいゆう 公式サイト

↑デビュー15周年に突入のさかいゆうさんは、
 来年、2024年3月14日から、
 全国4都市でホールツアーの開催が決定!
 詳しくは…公式サイトでチェックです!


さかいゆう(@Sakai_Official)さん 公式アカウント / X(旧Twitter)


さかいゆう(@sakai_yu0920)さん 公式Instagram


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