Dream Heart(ドリームハート)

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REPORT 最新のオンエアレポート

Dream HEART vol.559 シンガーソングライター さかいゆうさん ベストアルバム「さかいゆうのプレイリスト [白と黒]」

2023年12月16日

さかいゆうさんは、1979年、高知県のお生まれです。

高校卒業後、18歳の時に音楽に目覚め、20歳で上京。
22歳で単身ロサンゼルスに渡り、独学でピアノを始められます。

2009年、『ストーリー』でメジャーデビューされ、
自身の楽曲だけでなく、小泉今日子さんや坂本真綾さん、Da-iCEやDISH//など、
数多くのアーティストに楽曲提供も行っていらっしゃいます。
また、2018年からは、世界中を旅しながら、John Scofieldや、Ray Parker Jr.など、
世界的なプレイヤーとのレコーディングも実現。

唯一無二の歌声と、SOUL・R&B・JAZZ・ゴスペル・ROCKなど、
幅広い音楽的バックグラウンドを、ポップスへと昇華させる、
サウンドが魅力のシンガーソングライターでいらっしゃいます。


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──ポップス寄りの[白]と、ビートの効いた[黒]

茂木:まずは、今週水曜日、12月13日にリリースされたばかりのベストアルバム『さかいゆうのプレイリスト [白と黒]』について伺いたいのですが、この[白と黒]というタイトルはどこから来ているんですか?

さかい:うちのスタッフが僕の楽曲を表現する時に、「白さかい」という、割りとポップス寄りの、メロディーがちょっと綺麗な、言葉もそんなにエッジ効いていない、サラッと聴ける感じのイメージの楽曲と、「黒」という、もうちょっとビートの効いた、ディープな、ビートの強い楽曲が主体の曲…というイメージをしていたみたいですけど。僕はそういう分け方じゃなくて、ただ作ってるだけなので。でも、そう言われてみればそうかもしれないなと思って。
僕は主に鍵盤弾きなので、ファンキーな曲やファンキーなリフとかを作る時に、黒鍵を結構使うんですよ。それはスティーヴィー・ワンダーとかもそうで、あの88鍵の中で、白鍵を弾かずに上の黒鍵だけを「drrrrr…」とやると、“ペンタトニック”という4・7(ヨナ)抜きのスケールになるんですよ。それが、結構世界的に使われているスケールで、すごくファンキーな音楽にも使われるし、優しい音楽にも、ドビュッシーみたいな音楽にも使われるし、みたいなので。僕ら鍵盤弾きがその黒鍵をよく使う時は、結構ファンキーでアグレッシブな曲を作りがちなんですけど、そこから来てるのかな? とは思ったんですけど(笑)。

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茂木:面白いなぁ。
僕が今日ぜひお伺いしたいと思ったのは、さかいさんは、公開情報によると、高校で音楽をやろうと思うまでは楽器を触ったこともなかったそうで。

さかい:そうです。高校と言うか、22歳からピアノを…。

茂木:22歳までピアノに触ったことがないんですか?

さかい:ないですね。

茂木:それがすごく謎なのは、僕みたいな素人が聴いても上手いんですが、プロも「さかいゆうのピアノはすごい!」となっているじゃないですか。何が起こったんですか?

さかい:僕はとにかく、自分の好きな音楽を耳でコピーしていましたね。

茂木:音楽教育を受けてらっしゃらなかったんですか?

さかい:はい。アメリカから帰って来た時はコードも読めなかったんです。それで、プロの現場はやっぱりちゃんとそれがあるわけじゃないですか。だからもう、僕だけ居残りですよ。ちょっと音だけ教えてもらって覚える、とか。

茂木:いわゆる耳コピでやるというのは、本当に音楽の才能に溢れている皆さんが意外とやる方法だと思うんですけど、それを22歳でやったというのは、遅いですよね。

さかい:そうですね。僕は、向こう(ロサンゼルス)に行った9月ぐらいからピアノを弾き始めて、次の年の4月ぐらいには、日本のソウルバンドで鍵盤を弾いていました。そこでソウルとかヒップホップとか、ちょっとジャズのプレイが上手だったので、他のところのバンドから引き抜こうとしてくれて。で、そこに連れて行かれるんですけど、クラシックとかやったことないし、コードも読めないし、玉譜も読めないから全く仕事にならず、自分から辞めたりしてました。けど、その“ある特定の音楽の枠の中”は、すごく上手になりましたね。

茂木:さかいさんの脳を調べると、それは本当に意外と面白いかな、と思いますね。あと、音程の幅が広いですよね。

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さかい:それは、キャリア初期の頃から恵まれてはいたんですかね。

茂木:やっぱり、声はもう天性のものなんですか。

さかい:声ってやっぱり、確かにボイトレで磨くことはできますけど、声自体は楽器なので変わらないんです。僕がキャリアの初期の時にすごい運が良かったのは、マイルス・デイヴィスとかに嵌まったことなんですよ。マイルス・デイヴィスは、「トーンが全てだ」と言うんです。

茂木:かっこいいなぁ〜。

さかい:結局、良い曲を作っても、良いジャズスタンダードを作っても、声が良くなかったら聴く気にならないけど、トーンが良かったら、どんな曲をやっても、トーンがいいわけだから皆聴きたくなるわけじゃないですか。「トーンか…」と思って。
それでマイルス・デイヴィスが最初に言ったのは、その時は皆、ビブラートをかまして、「どうだ俺はすごいだろう!」という音楽が流行ってたんですよ。でも、マイルスはそれができなかったから、逆にその喧騒の中でも「マイルスだ!」と分かるためのトーンを、彼は若くして頑張って探したらしいんです。僕もそうしようと思って。
だんだんトーンを大事にするようになって、「このキーの時はこういう音なんだ」とか色々試していって、自分の鍵盤の音が混ざるように練習していったら、雇ってくれた、という感じですね(笑)。

茂木:すごい高度なことを、軽々とおっしゃってますよね(笑)。すごいですよね。それは独学なんですよね?

さかい:独学ですね。だから、あんまり誰にも見に行けない感じになったから、そんなに上手くなくても注目されたのかな、とは思ったんですけど。

茂木:そんなさかいゆうさんの初のベスト2枚組ということで、『さかいゆうのプレイリスト [白と黒]』。ですからこの[白と黒]というのは、ピアノの鍵盤のことなのかな、と。

さかい:はい、それもかかってますね。

茂木:それも入ってるんですよね。1枚目がどっちかと言うと[白]なんですかね。そして2枚目が[黒]という。これはいいですよね。[白]は皆さんがヘビロテできると思うんですけど、[黒]は本当に音楽好きの為というか…。

さかい:そうですね。[黒]は、僕らもフォーマットだけ決まってるんですけど。
昔、ビル・エヴァンスがジャズを表現する時に言っていたらしいんですけど、「ジャズは、4分の曲を4分で作曲することだ。そして、ジャズのアドリブというのは、日本の書道だ」と。日本の書道は、例えば『希望』だったら『希望』と書くじゃないですか。でも、頭をどうやって押さえようかというのは、筆とか空気とかそういうので、打ってしまったらもうその打った力で書いて。その次の〆るところに行くまでに、もしかしたら墨汁がどこかに垂れるかもしれないじゃないですか。それも含めて、垂れたんだからその垂れたものを成立させる為に、次の〆るところをぱっと押さえる、みたいな。でも、ミュージシャンたちが『希望』というものを書こうというのは、もう決まっている、と。

茂木:面白いですね…!

さかい:[黒]の方は、そういう曲たちが多いんですよ(笑)。

茂木:今回のベストアルバム『さかいゆうのプレイリスト [白と黒]』は、さかいさんがデビュー15周年イヤーに突入されたということで、これを機会に出されたわけなんですけれども。
来年2024年3月14日からは、全国4都市でのホールツアーの開催が決定したということで。今日のお話を伺うと、さかいゆうさんのホールツアーは聴き逃せないな、と思いますよね。この来年のホールツアーの詳しい情報なんですが、さかいさんの公式サイト、SNSなどでご確認ください。

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■プレゼントのお知らせ

今週は、図書カード3,000円分を3名さまにプレゼントします!

ご希望の方は、お名前やご住所、電話番号など、必要事項を明記の上、
メッセージフォームより、ご応募ください。

私、茂木に聞きたい事や相談したい事など、
メッセージを添えていただけると嬉しいです。

尚、当選者の発表は、商品の発送をもってかえさせていただきます。
たくさんのご応募、お待ちしております。



さかいゆう 公式サイト

↑デビュー15周年に突入のさかいゆうさんは、
 来年、2024年3月14日から、
 全国4都市でホールツアーの開催が決定!
 詳しくは…公式サイトでチェックです!


さかいゆう(@Sakai_Official)さん 公式アカウント / X(旧Twitter)


さかいゆう(@sakai_yu0920)さん 公式Instagram


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