2023年11月18日
ウェイウェイ・ウーさんは、中国・上海のお生まれです。
5歳からヴァイオリンを始められ、上海音楽学院付属小学校を経て、
上海戯曲学校で、二胡とヴァイオリンを専攻し、その後、1991年に来日。
新たな二胡の可能性を開拓すべく、
さまざまなジャンルのミュージシャンとコラボレーションを精力的に行い、
その過程で、従来座って演奏する二胡のスタンディング奏法の考案など、
独自の演奏スタイルを確立されました。
ロック、ジャズ、フュージョン、クラシックなど、どのジャンルとも共演を可能にした、
現代二胡のパイオニア的存在でいらっしゃいます。
──メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を二胡で弾きたい
茂木:ウェイウェイ・ウーさんは、最初はバイオリンを習っていらっしゃったということで、二胡とバイオリンを両方一緒にやってらしたんですか?
ウェイウェイ・ウー:最初に私がバイオリンを始めたのが5歳だったんですね。実は当時、文化大革命で西洋の音楽がまだ禁じられている時代の中で生まれたから、父がヴァイオリンを作られたんですよ。そこから勉強して、それで上海音楽学院の奨学生に入って。それからもうずっとヴァイオリニストになる道だと思っていたんですが、ある時にメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲(コンチェルト)を聴いて、すごく東洋的と感じて、この東洋の二胡で弾きたいと思ったのがきっかけでした。
茂木:やっぱり天才なんですね。
ウェイウェイ・ウー:いえいえ、とんでもないです。
茂木:メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を聴いて二胡に行くとは、すごい独創的と言うか、「あ、これは二胡だな」と皆がそう思わないですよね。
ウェイウェイ・ウー:第二楽章がすごく哀愁的で…。
茂木:はい、わかります! あれから二胡に?
ウェイウェイ・ウー:はい。あれで、バイオリンよりは二胡の音色で弾きたいと思ったんです。二胡は簡単だと思って手にしてみたら、実際に弦が宙に浮いているところがバイオリンと違って、すごく面白くて。二胡も勉強したいと思って、後に両方の楽器が勉強できる学校に移りました。
茂木:凄いですね。じゃあ二胡との出会いというのは、西洋音楽を経由して出会われたということですね。
ウェイウェイ・ウー:そうですね。
──弦の抑え具合で哀愁のある音色に
茂木:今スタジオでこの二胡を拝見していると、いわゆるフレットと言うんですかね? 押さえる所がないんですけど、音程はどうやっているんですか?
ウェイウェイ・ウー:実は、バイオリンの真ん中の二本の弦と同じチューニングで、DとAですね。指で二本だけ同時に押さえれば、二つの音が出ます。フレットはないんですが、実は見えないだけで、あるんですね。
茂木:見えないんだけど、ウェイウェイ・ウーさんには見えてるんですか。
ウェイウェイ・ウー:私には見えてる(笑)。鍵盤みたいな位置がちゃんとあるんです。フレットみたいに位置がちゃんとある。ただ、書いてない。バイオリンと違うのは、指板が二胡にはないんですね。二胡の場合は弦が宙に浮いてるので、力を入れ過ぎるとシャープになる。だから、よくこれを生かすと、すごい哀愁的な音色になるんですね。
茂木:いや奥の深い楽器ですね。
ウェイウェイ・ウー:そうです。シンプルだけど、奥が深いというのが魅力ですね。
茂木:今お使いになってる二胡は、どれぐらい使ってらっしゃるんですか?
ウェイウェイ・ウー:もう25年超ですね。私の分身のように、ずっと離さないです。
茂木:弦は張り替えてらっしゃるんですか?
ウェイウェイ・ウー:そうですね。弦は、二、三年に一度ですね。実は、すごい経済的な楽器なんですよ。ギターとかは、毎回演奏の前に替える方が多いんですけど、二胡の場合は、あんまり変えないんです。時間が経っている方が、伸びやかな音がいいんです。
茂木:そして、何故か、弓が二つの弦の間に挟まってるんですよね。
ウェイウェイ・ウー:そうなんです。シルクロードからの楽器で、馬に乗りながら、弓を失くさないようにと考えられてるので、二本の弦の間に入って抜けないんです。
茂木:そして、何かの皮が張ってありますが、これは何ですか?
ウェイウェイ・ウー:これはニシキヘビの皮です。タヌキの皮を使ったりとかしてる方がいるんですが、やっぱり全然音色が違うんです。ニシキヘビの皮はいい音色が出ます。
茂木:ウェイウェイ・ウーさんは日本に二胡の文化を広げられたと思うんですけど、その中で、“スタンディング奏法”というのは、何がきっかけで考えられたんですか?
ウェイウェイ・ウー:私のきっかけはクラシックの音楽だったので、日本に来ても、ジャズとかロックとかにすごく興味があって。二胡でそういうのにチャレンジしてるうちに、ロックバンドを組みました。座ってロックはないじゃないですか(笑)。二胡を弾く時は座るんだけど、バイオリンみたいにスタンディングしたいなと思って。当時は本当に誰もスタンディングしてないので、東急ハンズに行って、針金を買って、ベルトも買って帰って、針金で二胡を乗せられるように…ベルトにホルダーがあれば、ちゃんと二胡の台になるんですね。
でも、だんだん弾いてるうちに、この針金がちょっと伸びてしまうんですよね。そうすると、せっかくの台も台無しに(笑)…なってしまいました。
茂木:(笑)。ウェイウェイ・ウーさん、余りにも演奏が素敵で、しかもこんなお人柄だから、ウェイウェイ・ウーさんに二胡を習ってる生徒さんはいいですね。
ウェイウェイ・ウー:いえ(笑)。ぜひ、茂木さんも習ってください(笑)。
茂木:習っちゃおうかな(笑)。
茂木:さぁ皆さん! この二胡の素晴らしい演奏を聴きたいという方、ウェイウェイ・ウーさんのライブがございますよ! 12月16日土曜日、ウェイウェイ・ウーさんのコンサート、「〜無限の調べ〜 LOVE SONGS from SHINAGAWA」ということで。会場は東京・品川にあります、きゅりあん大ホールです。
これはどんなライブコンサートになりそうですか?
ウェイウェイ・ウー:そうですね。実は毎年、年末コンサートを行っていて、今年は特に品川きゅりあんというのが私の地元でもありまして、もう大編成でやります。もちろんいつものパンドと、バイオリンとチェロも加えてやります。
茂木:やっぱりこの季節は、とてもしっとりとした音楽を聴くのに一番いいですよね。
ウェイウェイ・ウー:はい。外は寒いんですけど、会場に来てくださって聴くと、体も心も温かくなれたらいいな、というプログラムです。
茂木:ぜひ皆さん、きゅりあん大ホールで…。生演奏の良さがありますね!
ウェイウェイ・ウー:はい。二胡が生で届く時に、その空間が生でしか感じられないものがありますので。また今回は、LOVE SONGSをたくさん、皆さんが知ってる曲も奏でます。
茂木:ウェイウェイ・ウーさんと言えば、カバーもすごいんですけど、オリジナルの曲もたくさん素敵なのがあって。
ウェイウェイ・ウー:ありがとうございます。
茂木:どっちも聴きたいですけど、ライブコンサートではどっちも?
ウェイウェイ・ウー:どっちもあります。
茂木:これはちょっと見逃せませんね! ぜひ皆さんお出かけください。
ということで、12月16日土曜日、ウェイウェイ・ウーさんのコンサート、「〜無限の調べ〜 LOVE SONGS from SHINAGAWA」、現在チケット発売中です。詳しくはウェイウェイ・ウーさんの公式サイトやSNSなどでご確認ください。
ウェイウェイ・ウーさん、このライブコンサートに向けて、何かファンの方に一言お願いできますでしょうか?
ウェイウェイ・ウー:ぜひ皆さん、生の二胡の音色、そしてバンドとの呼吸を会場で感じて頂いて、そしてその時にアルバムもたくさん皆さんに紹介できるので、ぜひ、生ならではの音楽を楽しみに来てください。
●ウェイウェイ・ウー (@WeiWei_Wuu) さん 公式アカウント / X(旧Twitter)
●ウェイウェイ・ウーさん 公式サイト
↑番組でお届けした、デビュー20周年記念アルバム「∞インフィニティ∞」も、
公式サイトからご購入出来ます。
●きゅりあん 公式サイト
↑【現在、チケット発売中です!】
12月16日(土)ウェイウェイ・ウー二胡コンサート
〜無限の調べ〜 LOVE SONGS from SHINAGAWA
5歳からヴァイオリンを始められ、上海音楽学院付属小学校を経て、
上海戯曲学校で、二胡とヴァイオリンを専攻し、その後、1991年に来日。
新たな二胡の可能性を開拓すべく、
さまざまなジャンルのミュージシャンとコラボレーションを精力的に行い、
その過程で、従来座って演奏する二胡のスタンディング奏法の考案など、
独自の演奏スタイルを確立されました。
ロック、ジャズ、フュージョン、クラシックなど、どのジャンルとも共演を可能にした、
現代二胡のパイオニア的存在でいらっしゃいます。
──メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を二胡で弾きたい
茂木:ウェイウェイ・ウーさんは、最初はバイオリンを習っていらっしゃったということで、二胡とバイオリンを両方一緒にやってらしたんですか?
ウェイウェイ・ウー:最初に私がバイオリンを始めたのが5歳だったんですね。実は当時、文化大革命で西洋の音楽がまだ禁じられている時代の中で生まれたから、父がヴァイオリンを作られたんですよ。そこから勉強して、それで上海音楽学院の奨学生に入って。それからもうずっとヴァイオリニストになる道だと思っていたんですが、ある時にメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲(コンチェルト)を聴いて、すごく東洋的と感じて、この東洋の二胡で弾きたいと思ったのがきっかけでした。
茂木:やっぱり天才なんですね。
ウェイウェイ・ウー:いえいえ、とんでもないです。
茂木:メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を聴いて二胡に行くとは、すごい独創的と言うか、「あ、これは二胡だな」と皆がそう思わないですよね。
ウェイウェイ・ウー:第二楽章がすごく哀愁的で…。
茂木:はい、わかります! あれから二胡に?
ウェイウェイ・ウー:はい。あれで、バイオリンよりは二胡の音色で弾きたいと思ったんです。二胡は簡単だと思って手にしてみたら、実際に弦が宙に浮いているところがバイオリンと違って、すごく面白くて。二胡も勉強したいと思って、後に両方の楽器が勉強できる学校に移りました。
茂木:凄いですね。じゃあ二胡との出会いというのは、西洋音楽を経由して出会われたということですね。
ウェイウェイ・ウー:そうですね。
──弦の抑え具合で哀愁のある音色に
茂木:今スタジオでこの二胡を拝見していると、いわゆるフレットと言うんですかね? 押さえる所がないんですけど、音程はどうやっているんですか?
ウェイウェイ・ウー:実は、バイオリンの真ん中の二本の弦と同じチューニングで、DとAですね。指で二本だけ同時に押さえれば、二つの音が出ます。フレットはないんですが、実は見えないだけで、あるんですね。
茂木:見えないんだけど、ウェイウェイ・ウーさんには見えてるんですか。
ウェイウェイ・ウー:私には見えてる(笑)。鍵盤みたいな位置がちゃんとあるんです。フレットみたいに位置がちゃんとある。ただ、書いてない。バイオリンと違うのは、指板が二胡にはないんですね。二胡の場合は弦が宙に浮いてるので、力を入れ過ぎるとシャープになる。だから、よくこれを生かすと、すごい哀愁的な音色になるんですね。
茂木:いや奥の深い楽器ですね。
ウェイウェイ・ウー:そうです。シンプルだけど、奥が深いというのが魅力ですね。
茂木:今お使いになってる二胡は、どれぐらい使ってらっしゃるんですか?
ウェイウェイ・ウー:もう25年超ですね。私の分身のように、ずっと離さないです。
茂木:弦は張り替えてらっしゃるんですか?
ウェイウェイ・ウー:そうですね。弦は、二、三年に一度ですね。実は、すごい経済的な楽器なんですよ。ギターとかは、毎回演奏の前に替える方が多いんですけど、二胡の場合は、あんまり変えないんです。時間が経っている方が、伸びやかな音がいいんです。
茂木:そして、何故か、弓が二つの弦の間に挟まってるんですよね。
ウェイウェイ・ウー:そうなんです。シルクロードからの楽器で、馬に乗りながら、弓を失くさないようにと考えられてるので、二本の弦の間に入って抜けないんです。
茂木:そして、何かの皮が張ってありますが、これは何ですか?
ウェイウェイ・ウー:これはニシキヘビの皮です。タヌキの皮を使ったりとかしてる方がいるんですが、やっぱり全然音色が違うんです。ニシキヘビの皮はいい音色が出ます。
茂木:ウェイウェイ・ウーさんは日本に二胡の文化を広げられたと思うんですけど、その中で、“スタンディング奏法”というのは、何がきっかけで考えられたんですか?
ウェイウェイ・ウー:私のきっかけはクラシックの音楽だったので、日本に来ても、ジャズとかロックとかにすごく興味があって。二胡でそういうのにチャレンジしてるうちに、ロックバンドを組みました。座ってロックはないじゃないですか(笑)。二胡を弾く時は座るんだけど、バイオリンみたいにスタンディングしたいなと思って。当時は本当に誰もスタンディングしてないので、東急ハンズに行って、針金を買って、ベルトも買って帰って、針金で二胡を乗せられるように…ベルトにホルダーがあれば、ちゃんと二胡の台になるんですね。
でも、だんだん弾いてるうちに、この針金がちょっと伸びてしまうんですよね。そうすると、せっかくの台も台無しに(笑)…なってしまいました。
茂木:(笑)。ウェイウェイ・ウーさん、余りにも演奏が素敵で、しかもこんなお人柄だから、ウェイウェイ・ウーさんに二胡を習ってる生徒さんはいいですね。
ウェイウェイ・ウー:いえ(笑)。ぜひ、茂木さんも習ってください(笑)。
茂木:習っちゃおうかな(笑)。
茂木:さぁ皆さん! この二胡の素晴らしい演奏を聴きたいという方、ウェイウェイ・ウーさんのライブがございますよ! 12月16日土曜日、ウェイウェイ・ウーさんのコンサート、「〜無限の調べ〜 LOVE SONGS from SHINAGAWA」ということで。会場は東京・品川にあります、きゅりあん大ホールです。
これはどんなライブコンサートになりそうですか?
ウェイウェイ・ウー:そうですね。実は毎年、年末コンサートを行っていて、今年は特に品川きゅりあんというのが私の地元でもありまして、もう大編成でやります。もちろんいつものパンドと、バイオリンとチェロも加えてやります。
茂木:やっぱりこの季節は、とてもしっとりとした音楽を聴くのに一番いいですよね。
ウェイウェイ・ウー:はい。外は寒いんですけど、会場に来てくださって聴くと、体も心も温かくなれたらいいな、というプログラムです。
茂木:ぜひ皆さん、きゅりあん大ホールで…。生演奏の良さがありますね!
ウェイウェイ・ウー:はい。二胡が生で届く時に、その空間が生でしか感じられないものがありますので。また今回は、LOVE SONGSをたくさん、皆さんが知ってる曲も奏でます。
茂木:ウェイウェイ・ウーさんと言えば、カバーもすごいんですけど、オリジナルの曲もたくさん素敵なのがあって。
ウェイウェイ・ウー:ありがとうございます。
茂木:どっちも聴きたいですけど、ライブコンサートではどっちも?
ウェイウェイ・ウー:どっちもあります。
茂木:これはちょっと見逃せませんね! ぜひ皆さんお出かけください。
ということで、12月16日土曜日、ウェイウェイ・ウーさんのコンサート、「〜無限の調べ〜 LOVE SONGS from SHINAGAWA」、現在チケット発売中です。詳しくはウェイウェイ・ウーさんの公式サイトやSNSなどでご確認ください。
ウェイウェイ・ウーさん、このライブコンサートに向けて、何かファンの方に一言お願いできますでしょうか?
ウェイウェイ・ウー:ぜひ皆さん、生の二胡の音色、そしてバンドとの呼吸を会場で感じて頂いて、そしてその時にアルバムもたくさん皆さんに紹介できるので、ぜひ、生ならではの音楽を楽しみに来てください。
●ウェイウェイ・ウー (@WeiWei_Wuu) さん 公式アカウント / X(旧Twitter)
●ウェイウェイ・ウーさん 公式サイト
↑番組でお届けした、デビュー20周年記念アルバム「∞インフィニティ∞」も、
公式サイトからご購入出来ます。
●きゅりあん 公式サイト
↑【現在、チケット発売中です!】
12月16日(土)ウェイウェイ・ウー二胡コンサート
〜無限の調べ〜 LOVE SONGS from SHINAGAWA