Dream Heart(ドリームハート)

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REPORT 最新のオンエアレポート

Dream HEART vol.551 俳優・イッセー尾形さん 映画「火の鳥 エデンの花」

2023年10月21日

イッセー尾形さんは、1952年、福岡県のお生まれです。

1971年に演劇活動をスタートされ、80年代にはじめた『一人芝居』で、
日本における一人芝居の第一人者と呼ばれていらっしゃいます。

森田芳光監督作『それから』で映画初出演以降、多数のTVドラマ、映画にご出演され、
映画『ヤンヤン夏の思い出』では、海外映画に初出演を果たされました。
マーティン・スコセッシ監督作品『沈黙 サイレンス』では、長崎奉行のを演じ、
第42回ロサンゼルス映画批評家協会賞 助演男優賞次点を受賞。

近年では、映画『泣き虫しょったんの奇跡』や、『ONODA 一万夜を越えて』などがあり、
現在も、第一線でご活躍中でいらっしゃいます。


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──ズダーバンは「一般化の肥大化」した人物

茂木:イッセー尾形さんは、日本が誇る天才漫画作家の手塚治虫さんの代表作、『火の鳥』に出られましたが、出られてみてどうでしたか? 手塚治虫さんについては、前から色々お考えになっていたと思うんですが…。

イッセー:漠然と、手塚さんの作る世界と自分の庶民の世界、ちまちまと描いてる日常…ちょっと遠いかな、と思ってたんですね(笑)。ところがこのズダーバンという役は、割と自分のフィールドからそう遠くないところにいるんじゃないかと、勝手に思い込んで。できるかもしれないということで、それでOKしたんですけれども。

茂木:なるほど。11月3日から全国で公開される、アニメ映画『火の鳥 エデンの花』のあらすじをご紹介したいと思います。
地球から遠く離れた辺境の惑星、「エデン17」に降り立った主人公・ロミが、1300年の時空を超え、数奇な運命をたどる、壮大な愛と冒険の物語となっています。
この中で尾形さんは、怪しげな宇宙のよろず屋「スダーバン」を担当されてるということで。今回、僕拝見していて、このズダーバンのセリフで、「エデンが綺麗すぎる」と。「人間の文明とかが発展するためには、もっと何か色んなものがなくちゃいけない」というふうに言うじゃないですか。あれはいいです。しびれますね。

イッセー:一人の発言としては、どっかのじいさんがどっかでブツブツ言ってるのと大して差はないと思うんです。そういうふうに「綺麗すぎるよ」と言いたくなりますよね(笑)。

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(c)Beyond C.


茂木:ちょっとネタバレになると良くないんですけど、それで実際に何か色々売り始めたりするわけじゃないですか。でもあれはいい役ですよね。

イッセー:そうですね。究極の人間の部分も、十分あるかなと思いますね。あの人、味方はいないですからね。

茂木:確かに!

イッセー:一人ですからね。

茂木:そうですね。でも、イッセー尾形さん。考えてみると、ひとりの人物をずっと演じてきてますもんね。“孤独”という。

イッセー:そうですね、見掛けは孤独ですね(笑)。
皆いなくなっちゃったとかね、物理的な理由で『一人芝居』を始めたんですが。一人でやると、自分が信じるものだけがお客さんに通じるということに、若いうちに気がついたんです。早い話が、「ここに誰かいる」と。「お前が信じないで、お客さんが信じるものか」みたいなね。だから、原因は全部自分にあるんだ。

茂木:じゃあそれで、イッセー尾形さんの芝居というのはグーッと入ってくるんですかね? なんか本当に“憑依してる”と言うか、入ってますよね。

イッセー:だからお客さんにも、その世界を信じて欲しいというのがありますね。「ここにいるのか」と。かと言って、槍ヶ岳のてっぺん近くで「俺はここにいるんだ」と言う芝居をやったことがあるんですが、お客さんが皆離れたんですよ。シーンとして。「そりゃそうだな」と思って(笑)。「言えばいいってもんじゃないな」、ということがありました(笑)。

茂木:たくさん場数を踏んできてらっしゃるからなぁ…。
そんな尾形さんから見て、今回、ズダーバンを演ずる中で、僕なんかが拝見すると、尾形さんの人間の捉え方と手塚治虫さんの人間の捉え方は、何か近いところもあるような気がするんですが。その辺りはいかがですか?

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イッセー:それはもう光栄ですね。ただ、手塚さんは、非常に特殊な人を作ります。一般的な人も作ります。その時の一般的なところで、自分の分を掻き集めてチャレンジできるんじゃないかと思うんですね。

茂木:なるほど。

イッセー:例えば、今回のロミとかジョージとかは、普通の人だけど、特殊と言えば特殊ですよね。でも、「ズダーバンは特殊か?」と言ったら、普通の人が大きくなっただけで、よろず屋になって、それが地球規模から宇宙規模になっただけの話で。特殊と言うよりも、「一般化の肥大化」(笑)。

茂木:深いことを仰るなぁ。「一般化の肥大化」か。現代人は「一般化の肥大化」した人が多いかもしれませんね(笑)。だから僕、今お話を伺っていて思ったんですけど、ズダーバンのところは、イッセー尾形さんの一人芝居を観てるような感じで観ていたことに気づきました。入っってしまってましたね。

イッセー:嬉しいです(笑)。

──イッセー尾形さんの夢・挑戦

茂木:この番組のテーマは『夢と挑戦』なんですが、イッセー尾形さんの今後の夢・挑戦はなんでしょうか。

イッセー:できないだろうな、という夢は、宇宙旅行。もう何十年と、生まれてからずっと見てるオリオン座があるんです。もうそんな季節になりますけども。ずっと見てるのは平面だけでしょ? 横から見たら、絶対離れてるはず。

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茂木:そうですね(笑)。

イッセー:でしょ? 何かの本で読んだんですけども、「ははーん」てなもんで、自分の目で見てみて…。

茂木:オリオン座の形が変わるのを見たい?

イッセー:そう。そして可能かもしれない夢が、トランペットでバラードを吹きたい(笑)。

茂木:ちょっと待ってください(笑)。それは、今取り組んでらっしゃる?

イッセー:やってます。

茂木:「バラードはこの曲!」というのはあるんですか?

イッセー:ないですけれども。ただ、のんべんだらりとした曲です(笑)。

茂木:いいですね。今、夜空にトランペットの音が聞こえたような気がします(笑)。
イッセー尾形さんの『一人芝居』の公演スケジュールですが、11月25日(土)・26日(日)が、神戸朝日ホール。そして、12月1日(金)・12月2日(土)・12月3日(日)が、有楽町朝日ホールでございます。詳しくはイッセー尾形さんの公式ホームページをご覧ください。

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『火の鳥 エデンの花』
11月3日(祝・金)新宿バルト9他 全国ロードショー
配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ

(c)Beyond C.


■プレゼントのお知らせ

番組でご紹介してきました、来月、11月3日から全国で公開されます、
アニメ映画『火の鳥 エデンの花』の劇場鑑賞券を
2組4名の方にプレゼントいたします。

ご希望の方は、お名前やご住所、電話番号など、必要事項を明記の上、
メッセージフォームより、ご応募ください。

私、茂木に聞きたい事や相談したい事など、
メッセージを添えていただけると嬉しいです。

尚、当選者の発表は、商品の発送をもってかえさせていただきます。
たくさんのご応募、お待ちしております。



映画『火の鳥エデンの花』 公式サイト


映画『火の鳥 エデンの花』(@hinotori_eden) 公式アカウント / X(旧Twitter)


イッセー尾形さん 公式サイト

↑イッセー尾形さんの『一人芝居』の詳しい公演情報は、
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