2023年09月16日
稲田俊輔さんは、鹿児島県のお生まれです。
京都大学をご卒業後、飲料メーカー勤務を経て、
円相フードサービスの設立に参加し、居酒屋、和食店、洋食店、フレンチなど
様々なジャンルの業態開発やメニューの監修、店舗プロデュースを手掛けてこられました。
そして2011年、東京駅八重洲地下街に、南インド料理店「エリックサウス」を開店。
南インド料理とミールスブームの火付け役となります。
また、食べ物にまつわるエッセイや小説を執筆する文筆家としての顔も持ち、
イナダシュンスケの名で発信するX(Twitter)も人気で、
様々な切り口で、「食の世界」を発信していらっしゃいます。
──日本の食文化のこれから
茂木:稲田さんは、新しい食文化を生み出されているんですけど、稲田さんが見ている未来が色々あると思います。日本の食文化は、これからどうなっていくと思われますか?
稲田:正直、今ブームになるものは全部レトロと言うか、安心感があるものしか流行らないと言う、停滞期だと思うんですけれども。どっちにしても、食だけに限らず、今の状況からは脱していかなきゃいけないし、そうなった時に、また新しいものがどんどん生まれていくような、そういう世の中になることを祈っています。そこにちょっとでも自分が力になれれば、みたいなのはありますね。
茂木:一方で、稲田さんは最近もX(Twitter)で書かれてましたけども、イギリスのwagamamaのカツカレー? そもそもカツカレーは日本発祥ですけど、イギリスもそうですね。世界的に影響を与えていて。日本の食文化が外国に与える影響というのは、どうですか?
稲田:はい。ラーメンがほぼそうなり始めてますし、ある種のコンテンツビジネスになりうると思います。
ラーメンはちょっと今先行してますけど、カレーにもやっぱり同じことができると思いますし。それこそ、アニメが日本の重要な産業なのかどうかわかりませんが、文化となったように、日本発の食べ物が、単にそのインバウンド「そこで食べさせます」だけじゃなくて、文化として広がっていくというような未来は、もう全然、思い浮かべることができるんじゃないかと思っています。
茂木:そういう意味で言うと、やっぱりスープカレーは大事ですよね(笑)。
稲田:スープカレーは大事かもしれないですね。
茂木:ネタバレしたくないので、『食いしん坊のお悩み相談』を読んで頂かないとね。
稲田:スープカレーは、割と世界的に普遍性みたいなものがある食べ物だと思いますしね。
茂木:「なんでスープカレーがそんなに鍵なのか?」というのは、この『食いしん坊のお悩み相談』を読んで頂かないと分からないんですが。
──皆が推し活をする
さっき、「今の世の中は停滞している」と仰いましたけども、日本人が元気になる為には、どういうことをすればいいんでしょうか?
稲田:僕は、皆が『推し活』をすればいいと思います。
茂木:それは素晴らしいですね。「自分はこれが好きなんだ!」と言う。
稲田:僕は料理とか食べることが好きだからそれに夢中になって、同じような人たちも周りにいるし、そんな感じで、それぞれ「自分はこれが好きなんだから、これに向かって突っ走る」みたいなことを皆がやってくれたら、いいんじゃないかな、と。
茂木:一億総推し活(笑)。
茂木:今、稲田さんが推したい食、「この料理がすごい!」というのはありますか?
稲田:難しいんですけど…。一つは、前にお蕎麦屋さんの手抜きの話をしましたけど、僕、蕎麦そのものじゃなくて、“お蕎麦屋さん文化”的なものが、これからの時代に合ってるんじゃないかということをぼやっと考えてました。
と言うのが、“お蕎麦屋さんの自由さ”みたいなものがあって。昔ながらのお蕎麦屋さんに行くと、家族連れで来てパパーッと蕎麦だけ食べて帰る人たちもいるし、かと思うと、奥の方では常連のおじいちゃんがお酒飲みながらダラダラ2時間ぐらいそこにいたりとか、かと思えば、忙しいビジネスマンが来て“お蕎麦と丼のセット”みたいなものをパワフルにかき込んで、みたいな。同じ場で、同じものを食べつつも、色んな使い方をしていて、尚且つでも、そこに共通して、昔からの伝統がその全てを支えているという、あれは理想的なモデルなんじゃないかな、と。
茂木:確かにね。
稲田:今、“個”の時代みたいなものが食に関してもどんどん進んでて、昔みたいに「皆で宴会しましょう」「皆で同じものを食べましょう」みたいな世の中じゃない時にあって、そういう食べるものだけじゃなく、食べる時間軸みたいなことも含めて、“個”がそれぞれのやり方で、その蕎麦屋さんを、言うなら推し活をしてるわけですよね。
茂木:確かに、フランス料理とかだとそういうわけにいかないんですけど、蕎麦屋だったら、もう本当に名門のところでも、ゆっくりお酒を飲んでから最後に…という人もいるし、来て、もう蕎麦だけ食べて…という人もいるし。
稲田:はい。全然自然じゃないですか。そういう意味では、フランス料理もそうなってもいいわけなんですよ。コースもあるんだけど、オニオングラタンスープだけちょっとビールと一緒にすすって、「あ〜、温まった」と出て行く、みたいな(笑)。それが共存している。同じ空間、同じお店の中にいる。同じ文化の先に、それがある。というようなことが、何かヒントにならないかな、ということを思います。
茂木:今、稲田俊輔さんが注目されているのは、色々何かを見てらっしゃるからですね。稲田さんが注目してることに注目すると、少し先に行けるんじゃないかな、と思ってるから注目されてると思うんですけど。
そんな稲田さんの最新エッセイです。『食いしん坊のお悩み相談』、リトルモアブックスから発売されています。
この番組のテーマは『夢と挑戦』なんですけども、今後の夢、挑戦は何でしょうか?
稲田:正直、色んな本を書きたいし、まだまだやりたい色んな飲食のお店がありますし、一つずつ実現させていきたいなと思ってます。
■プレゼントのお知らせ
番組でご紹介してきました、現在発売中の
稲田俊輔さんのご著書『食いしん坊のお悩み相談』に
稲田さんの直筆サインを入れて、3名の方にプレゼントいたします。
ご希望の方は、お名前やご住所、電話番号など、必要事項を明記の上、
メッセージフォームより、ご応募ください。
私、茂木に聞きたい事や相談したい事など、
メッセージを添えていただけると嬉しいです。
尚、当選者の発表は、商品の発送をもってかえさせていただきます。
たくさんのご応募、お待ちしております。
●イナダシュンスケ(@inadashunsuke)さん 公式アカウント / X(旧Twitter)
●リトルモアブックス 公式サイト
●『食いしん坊のお悩み相談』/ 稲田俊輔(著)
(Amazon)
京都大学をご卒業後、飲料メーカー勤務を経て、
円相フードサービスの設立に参加し、居酒屋、和食店、洋食店、フレンチなど
様々なジャンルの業態開発やメニューの監修、店舗プロデュースを手掛けてこられました。
そして2011年、東京駅八重洲地下街に、南インド料理店「エリックサウス」を開店。
南インド料理とミールスブームの火付け役となります。
また、食べ物にまつわるエッセイや小説を執筆する文筆家としての顔も持ち、
イナダシュンスケの名で発信するX(Twitter)も人気で、
様々な切り口で、「食の世界」を発信していらっしゃいます。
──日本の食文化のこれから
茂木:稲田さんは、新しい食文化を生み出されているんですけど、稲田さんが見ている未来が色々あると思います。日本の食文化は、これからどうなっていくと思われますか?
稲田:正直、今ブームになるものは全部レトロと言うか、安心感があるものしか流行らないと言う、停滞期だと思うんですけれども。どっちにしても、食だけに限らず、今の状況からは脱していかなきゃいけないし、そうなった時に、また新しいものがどんどん生まれていくような、そういう世の中になることを祈っています。そこにちょっとでも自分が力になれれば、みたいなのはありますね。
茂木:一方で、稲田さんは最近もX(Twitter)で書かれてましたけども、イギリスのwagamamaのカツカレー? そもそもカツカレーは日本発祥ですけど、イギリスもそうですね。世界的に影響を与えていて。日本の食文化が外国に与える影響というのは、どうですか?
稲田:はい。ラーメンがほぼそうなり始めてますし、ある種のコンテンツビジネスになりうると思います。
ラーメンはちょっと今先行してますけど、カレーにもやっぱり同じことができると思いますし。それこそ、アニメが日本の重要な産業なのかどうかわかりませんが、文化となったように、日本発の食べ物が、単にそのインバウンド「そこで食べさせます」だけじゃなくて、文化として広がっていくというような未来は、もう全然、思い浮かべることができるんじゃないかと思っています。
茂木:そういう意味で言うと、やっぱりスープカレーは大事ですよね(笑)。
稲田:スープカレーは大事かもしれないですね。
茂木:ネタバレしたくないので、『食いしん坊のお悩み相談』を読んで頂かないとね。
稲田:スープカレーは、割と世界的に普遍性みたいなものがある食べ物だと思いますしね。
茂木:「なんでスープカレーがそんなに鍵なのか?」というのは、この『食いしん坊のお悩み相談』を読んで頂かないと分からないんですが。
──皆が推し活をする
さっき、「今の世の中は停滞している」と仰いましたけども、日本人が元気になる為には、どういうことをすればいいんでしょうか?
稲田:僕は、皆が『推し活』をすればいいと思います。
茂木:それは素晴らしいですね。「自分はこれが好きなんだ!」と言う。
稲田:僕は料理とか食べることが好きだからそれに夢中になって、同じような人たちも周りにいるし、そんな感じで、それぞれ「自分はこれが好きなんだから、これに向かって突っ走る」みたいなことを皆がやってくれたら、いいんじゃないかな、と。
茂木:一億総推し活(笑)。
茂木:今、稲田さんが推したい食、「この料理がすごい!」というのはありますか?
稲田:難しいんですけど…。一つは、前にお蕎麦屋さんの手抜きの話をしましたけど、僕、蕎麦そのものじゃなくて、“お蕎麦屋さん文化”的なものが、これからの時代に合ってるんじゃないかということをぼやっと考えてました。
と言うのが、“お蕎麦屋さんの自由さ”みたいなものがあって。昔ながらのお蕎麦屋さんに行くと、家族連れで来てパパーッと蕎麦だけ食べて帰る人たちもいるし、かと思うと、奥の方では常連のおじいちゃんがお酒飲みながらダラダラ2時間ぐらいそこにいたりとか、かと思えば、忙しいビジネスマンが来て“お蕎麦と丼のセット”みたいなものをパワフルにかき込んで、みたいな。同じ場で、同じものを食べつつも、色んな使い方をしていて、尚且つでも、そこに共通して、昔からの伝統がその全てを支えているという、あれは理想的なモデルなんじゃないかな、と。
茂木:確かにね。
稲田:今、“個”の時代みたいなものが食に関してもどんどん進んでて、昔みたいに「皆で宴会しましょう」「皆で同じものを食べましょう」みたいな世の中じゃない時にあって、そういう食べるものだけじゃなく、食べる時間軸みたいなことも含めて、“個”がそれぞれのやり方で、その蕎麦屋さんを、言うなら推し活をしてるわけですよね。
茂木:確かに、フランス料理とかだとそういうわけにいかないんですけど、蕎麦屋だったら、もう本当に名門のところでも、ゆっくりお酒を飲んでから最後に…という人もいるし、来て、もう蕎麦だけ食べて…という人もいるし。
稲田:はい。全然自然じゃないですか。そういう意味では、フランス料理もそうなってもいいわけなんですよ。コースもあるんだけど、オニオングラタンスープだけちょっとビールと一緒にすすって、「あ〜、温まった」と出て行く、みたいな(笑)。それが共存している。同じ空間、同じお店の中にいる。同じ文化の先に、それがある。というようなことが、何かヒントにならないかな、ということを思います。
茂木:今、稲田俊輔さんが注目されているのは、色々何かを見てらっしゃるからですね。稲田さんが注目してることに注目すると、少し先に行けるんじゃないかな、と思ってるから注目されてると思うんですけど。
そんな稲田さんの最新エッセイです。『食いしん坊のお悩み相談』、リトルモアブックスから発売されています。
この番組のテーマは『夢と挑戦』なんですけども、今後の夢、挑戦は何でしょうか?
稲田:正直、色んな本を書きたいし、まだまだやりたい色んな飲食のお店がありますし、一つずつ実現させていきたいなと思ってます。
■プレゼントのお知らせ
番組でご紹介してきました、現在発売中の
稲田俊輔さんのご著書『食いしん坊のお悩み相談』に
稲田さんの直筆サインを入れて、3名の方にプレゼントいたします。
ご希望の方は、お名前やご住所、電話番号など、必要事項を明記の上、
メッセージフォームより、ご応募ください。
私、茂木に聞きたい事や相談したい事など、
メッセージを添えていただけると嬉しいです。
尚、当選者の発表は、商品の発送をもってかえさせていただきます。
たくさんのご応募、お待ちしております。
●イナダシュンスケ(@inadashunsuke)さん 公式アカウント / X(旧Twitter)
●リトルモアブックス 公式サイト
●『食いしん坊のお悩み相談』/ 稲田俊輔(著)
(Amazon)