2023年07月15日
黒木さんは、1957年北海道のお生まれ。
早稲田大学法学部をご卒業後、大手銀行に入行し、
海外派遣制度で、カイロ・アメリカン大学に留学され、
中東研究科で修士号を取得されます。
その後、都市銀行、証券会社、総合商社勤務を経て、
2000年、国際協調融資をめぐる攻防を描いた『トップ・レフト』で作家デビュー。
現在は、ロンドンに生活拠点をおき、創作活動を続けていらっしゃいます。
早稲田大学時代は、箱根駅伝に2度出場する一方で、
20kmのレースでも北海道記録を塗り替えた経験をお持ちで、
ランナーとしての半生は、2008年に発売された、
『冬の喝采』に綴られていらっしゃいます。
──日本の経済状況は厳しい
茂木:日本は今、30年間経済停滞していて、黒木先生は日本の雑誌でもオンラインの記事とかでも連載されていて、非常に鋭い分析をされているんですけど、ズバリ、日本経済の処方箋と言うか、どうすればいいですか?
黒木:いや、かなり厳しいと思います。処方箋は中々難しいとは思いますけれども。私自身は、政府がお金をどんどんどんどん刷って、公的債務を膨らませていることがすごく心配です。いつか破綻するんじゃないかと思うんですけれども。
茂木:これは、デフォルトの状態になる可能性もあるんですか。
黒木:デフォルトと言うか、今すごく色んな意味で悪くなってきていますよね。年金の支給年齢が上がるとか、年取っても働かなきゃいけないとか、医療費の負担が上がる…。だから実際に、ガターンと来ているんじゃなくて、もうじわじわ悪くなっている、と。
ただ、逆にインバウンドの観光なんかは、日本がすごく認知されてきて外国人気が出て来てますから、全く悪いところだけでもない。
茂木:黒木さんはあるところで、「日本はもう観光立国になっちゃうのかな」というようなこともおっしゃっていましたが。
黒木:そうですね。悪いことじゃないと思うんですよね。僕らがイギリスに行った1988年頃は、日本はもう黄色いエコノミックアニマルな変な人種だと思われていたので、「どうして日本のことを分かってくれないのかな」と思っていたんですけど、今はすごく認知されていて、高く評価されて。それはすごく良かったなと思っているんですけどね。
茂木:あと、個人として生活防衛する為には、どうすればいいですか?
黒木:資産があれば、外貨に換えておいた方がいいんじゃないでしょうかね。そんな気がします。
茂木:ちょっと待ってください。日本よりも、外貨に換えておいた方がいい?
黒木:日本円はやっぱりファンダメンタル的に不安ですよね。
茂木:分散しておいた方がいいということですか? お勧めの外貨はどのあたりですかね?
黒木:僕は個人的には、絶対じゃないですが、政府債務が少ないカナダドルとかオーストラリアドルとか、その辺りがいいかなと思っています。
茂木:だから、その辺を分散しておくといい、と。もし分散して持っているとするならば、政府債務が少ない通貨がいい、と。これはどういうことですか?
黒木:政府債務が多いと通貨の価値が下がる…インフレになりますから、そうすると通貨の価値が下がってきます。それはもう、ムーディーズとかスタンダード&プアーズの格付け会社の格付けなんかはネットで手に入ると思うんですけど、そういうのを見ても、格付けが高い国のものを持っていた方がいいですよね。日本はもう20年ぐらい前から『A(シングルA)』なので、かなり格付けが低いです。
茂木:低くなっちゃっているということですね。アメリカなんかはどうなんですか?
黒木:アメリカは今、はっきり覚えていないですけども『AA(ダブルエー)』か何かだと思いますが。
茂木:なるほど。比較的客観的に評価しているわけだから、通貨の格付けを見る、と。
黒木:国の信用状態を評価していますから。アメリカは、格付け会社によって『AAA(トリプルエー)』か『AA』かどっちかだと思いますけれど。
茂木:恐らくリスナーの皆さんの中では、黒木さんの生活スタイルにちょっと関心があるとか憧れるという方も多いと思うんですけど、まず外国で暮らすコツのような、「こういうことを気をつけといた方がいいよ」ということはありますか?
黒木:イギリスは、日本と違って事務がすごくいい加減ですから。政府のポリシーなんかははっきりしていてリーダーシップはすごくあるんですけど、現場は日本とは比較にならない程いい加減です。年金の支払い記録が間違っているのが発覚して、直すのに1年ぐらいかかるとか、もうありとあらゆる大変なことが起きますので、1人で暮らすのはなかなか大変ですよね。
私は家内がいて、家内も英語が達者で、事務能力も高いので、色んなことがあると2人で手分けしてやっているんですけども。なかなか暮らすのは大変です。暮らしはいいんですけど色んなことが起きますから、まず事務処理能力ありきじゃないですかね。事務をためると、本来やるべきことができなくなっちゃいますから。
茂木:と言うことは、イギリスでもどこでも外国で暮らそうと思っている人は、ちょっと事務処理能力を考えた方がいいんですね。
黒木:(事務処理能力が)ないと駄目だと思いますね。でも、ないなりに「全然気にしない」、みたいな性格の人だったらいいと思いますけれども、そうじゃない人はやっぱり実務能力が必要とされますね。
──黒木亮さんの夢・挑戦
茂木:そんな黒木さんから見て、今の日本、これからの日本人に何か思うことはありますか?
黒木:“人生は生きることが競争だ”と思うんですけれども、今の教育は“競争させない”みたいなことをやる人がいるので、僕はこれは良くないなと思っているんですけどね。茂木さんもおっしゃっているけど、やっぱり“生物というのは生きていくことが競争で、雄は力強く美しくあって、メスを獲得できないと死んでしまう”、と。そういう動物の本能に逆行するような教育というのは、僕は良くないんじゃないかと思うんです。
茂木:じゃあ、それぞれの人がそれぞれの可能性を思いっきり伸ばせるような教育を。
黒木:はい。そうだと思います。
茂木:今日は黒木さんのお話を聞いて色々インスパイアされてきたと思うんですけど、黒木さんにとってのこれからの夢とか挑戦は、何でしょうか?
黒木:やっぱりいい作品を書くということが一番なんですけれども。私はまだ100万部売れた本を書いたことないので、ぜひ100万部を売れる本を書いてみたいです。今まで行ったのは20万部ぐらいなんで。
茂木:いやいや、20万部はベストセラーですよ(笑)。
黒木:いや、それは文庫を合わせてですから(笑)。とりあえず100万部ですね。
茂木:とりあえず、ですか(笑)?
黒木:その先は1,000万部とかですね。上には上がいますから。
茂木:『窓際のトットちゃん』! 待ってろよ! いやでも、本当に黒木さんのその頭脳と情熱があったら実現できるような気がするので。
100万部が出る前の黒木さんの本当に素晴らしい本です。集英社より『メイク・バンカブル! イギリス国際金融浪漫』を発売されているのですが、ぜひ皆さん、本当に世界の動きのど真ん中に触れようと思ったら、このご著書を。これはノンフィクションなんですよね?
黒木:ノンフィクションです。
茂木:元手としては、黒木さんの今までの人生の全てが掛かっているような。
黒木:そうですね、書かれて怒っている人もいると思うんですけど(笑)。
茂木:(笑)。そう言われると、皆さんますます読みたくなるのではないかと思います。
ということで黒木さん、改めましてなんですけど、『メイクバンカブル!』の読者、そしてもう黒木亮ファンもたくさんいると思うんですけど、ぜひ最後に、読者の方にメッセージをお願い致します。
黒木:自分の成功も失敗もありのままに書いたので、ビジネスマンの方とか学生の方とかは、これをいい意味でも悪い意味でも参考にして頂ければ、とても嬉しいなと思います。
■プレゼントのお知らせ
番組でご紹介してきました、集英社より発売中!
黒木亮さんのご著書『メイク・バンカブル! イギリス国際金融浪漫』に
黒木さんの直筆サインを入れて、3名の方にプレゼントいたします。
ご希望の方は、お名前やご住所、電話番号など、必要事項を明記の上、
メッセージフォームより、ご応募ください。
私、茂木に聞きたい事や相談したい事など、
メッセージを添えていただけると嬉しいです。
尚、当選者の発表は、商品の発送をもってかえさせていただきます。
たくさんのご応募、お待ちしております。
●集英社 公式サイト
●集英社 公式Twitter(@SHUEISHA_PR)
●「メイク・バンカブル! イギリス国際金融浪漫」 / 黒木亮(著)
(Amazon)
早稲田大学法学部をご卒業後、大手銀行に入行し、
海外派遣制度で、カイロ・アメリカン大学に留学され、
中東研究科で修士号を取得されます。
その後、都市銀行、証券会社、総合商社勤務を経て、
2000年、国際協調融資をめぐる攻防を描いた『トップ・レフト』で作家デビュー。
現在は、ロンドンに生活拠点をおき、創作活動を続けていらっしゃいます。
早稲田大学時代は、箱根駅伝に2度出場する一方で、
20kmのレースでも北海道記録を塗り替えた経験をお持ちで、
ランナーとしての半生は、2008年に発売された、
『冬の喝采』に綴られていらっしゃいます。
──日本の経済状況は厳しい
茂木:日本は今、30年間経済停滞していて、黒木先生は日本の雑誌でもオンラインの記事とかでも連載されていて、非常に鋭い分析をされているんですけど、ズバリ、日本経済の処方箋と言うか、どうすればいいですか?
黒木:いや、かなり厳しいと思います。処方箋は中々難しいとは思いますけれども。私自身は、政府がお金をどんどんどんどん刷って、公的債務を膨らませていることがすごく心配です。いつか破綻するんじゃないかと思うんですけれども。
茂木:これは、デフォルトの状態になる可能性もあるんですか。
黒木:デフォルトと言うか、今すごく色んな意味で悪くなってきていますよね。年金の支給年齢が上がるとか、年取っても働かなきゃいけないとか、医療費の負担が上がる…。だから実際に、ガターンと来ているんじゃなくて、もうじわじわ悪くなっている、と。
ただ、逆にインバウンドの観光なんかは、日本がすごく認知されてきて外国人気が出て来てますから、全く悪いところだけでもない。
茂木:黒木さんはあるところで、「日本はもう観光立国になっちゃうのかな」というようなこともおっしゃっていましたが。
黒木:そうですね。悪いことじゃないと思うんですよね。僕らがイギリスに行った1988年頃は、日本はもう黄色いエコノミックアニマルな変な人種だと思われていたので、「どうして日本のことを分かってくれないのかな」と思っていたんですけど、今はすごく認知されていて、高く評価されて。それはすごく良かったなと思っているんですけどね。
茂木:あと、個人として生活防衛する為には、どうすればいいですか?
黒木:資産があれば、外貨に換えておいた方がいいんじゃないでしょうかね。そんな気がします。
茂木:ちょっと待ってください。日本よりも、外貨に換えておいた方がいい?
黒木:日本円はやっぱりファンダメンタル的に不安ですよね。
茂木:分散しておいた方がいいということですか? お勧めの外貨はどのあたりですかね?
黒木:僕は個人的には、絶対じゃないですが、政府債務が少ないカナダドルとかオーストラリアドルとか、その辺りがいいかなと思っています。
茂木:だから、その辺を分散しておくといい、と。もし分散して持っているとするならば、政府債務が少ない通貨がいい、と。これはどういうことですか?
黒木:政府債務が多いと通貨の価値が下がる…インフレになりますから、そうすると通貨の価値が下がってきます。それはもう、ムーディーズとかスタンダード&プアーズの格付け会社の格付けなんかはネットで手に入ると思うんですけど、そういうのを見ても、格付けが高い国のものを持っていた方がいいですよね。日本はもう20年ぐらい前から『A(シングルA)』なので、かなり格付けが低いです。
茂木:低くなっちゃっているということですね。アメリカなんかはどうなんですか?
黒木:アメリカは今、はっきり覚えていないですけども『AA(ダブルエー)』か何かだと思いますが。
茂木:なるほど。比較的客観的に評価しているわけだから、通貨の格付けを見る、と。
黒木:国の信用状態を評価していますから。アメリカは、格付け会社によって『AAA(トリプルエー)』か『AA』かどっちかだと思いますけれど。
茂木:恐らくリスナーの皆さんの中では、黒木さんの生活スタイルにちょっと関心があるとか憧れるという方も多いと思うんですけど、まず外国で暮らすコツのような、「こういうことを気をつけといた方がいいよ」ということはありますか?
黒木:イギリスは、日本と違って事務がすごくいい加減ですから。政府のポリシーなんかははっきりしていてリーダーシップはすごくあるんですけど、現場は日本とは比較にならない程いい加減です。年金の支払い記録が間違っているのが発覚して、直すのに1年ぐらいかかるとか、もうありとあらゆる大変なことが起きますので、1人で暮らすのはなかなか大変ですよね。
私は家内がいて、家内も英語が達者で、事務能力も高いので、色んなことがあると2人で手分けしてやっているんですけども。なかなか暮らすのは大変です。暮らしはいいんですけど色んなことが起きますから、まず事務処理能力ありきじゃないですかね。事務をためると、本来やるべきことができなくなっちゃいますから。
茂木:と言うことは、イギリスでもどこでも外国で暮らそうと思っている人は、ちょっと事務処理能力を考えた方がいいんですね。
黒木:(事務処理能力が)ないと駄目だと思いますね。でも、ないなりに「全然気にしない」、みたいな性格の人だったらいいと思いますけれども、そうじゃない人はやっぱり実務能力が必要とされますね。
──黒木亮さんの夢・挑戦
茂木:そんな黒木さんから見て、今の日本、これからの日本人に何か思うことはありますか?
黒木:“人生は生きることが競争だ”と思うんですけれども、今の教育は“競争させない”みたいなことをやる人がいるので、僕はこれは良くないなと思っているんですけどね。茂木さんもおっしゃっているけど、やっぱり“生物というのは生きていくことが競争で、雄は力強く美しくあって、メスを獲得できないと死んでしまう”、と。そういう動物の本能に逆行するような教育というのは、僕は良くないんじゃないかと思うんです。
茂木:じゃあ、それぞれの人がそれぞれの可能性を思いっきり伸ばせるような教育を。
黒木:はい。そうだと思います。
茂木:今日は黒木さんのお話を聞いて色々インスパイアされてきたと思うんですけど、黒木さんにとってのこれからの夢とか挑戦は、何でしょうか?
黒木:やっぱりいい作品を書くということが一番なんですけれども。私はまだ100万部売れた本を書いたことないので、ぜひ100万部を売れる本を書いてみたいです。今まで行ったのは20万部ぐらいなんで。
茂木:いやいや、20万部はベストセラーですよ(笑)。
黒木:いや、それは文庫を合わせてですから(笑)。とりあえず100万部ですね。
茂木:とりあえず、ですか(笑)?
黒木:その先は1,000万部とかですね。上には上がいますから。
茂木:『窓際のトットちゃん』! 待ってろよ! いやでも、本当に黒木さんのその頭脳と情熱があったら実現できるような気がするので。
100万部が出る前の黒木さんの本当に素晴らしい本です。集英社より『メイク・バンカブル! イギリス国際金融浪漫』を発売されているのですが、ぜひ皆さん、本当に世界の動きのど真ん中に触れようと思ったら、このご著書を。これはノンフィクションなんですよね?
黒木:ノンフィクションです。
茂木:元手としては、黒木さんの今までの人生の全てが掛かっているような。
黒木:そうですね、書かれて怒っている人もいると思うんですけど(笑)。
茂木:(笑)。そう言われると、皆さんますます読みたくなるのではないかと思います。
ということで黒木さん、改めましてなんですけど、『メイクバンカブル!』の読者、そしてもう黒木亮ファンもたくさんいると思うんですけど、ぜひ最後に、読者の方にメッセージをお願い致します。
黒木:自分の成功も失敗もありのままに書いたので、ビジネスマンの方とか学生の方とかは、これをいい意味でも悪い意味でも参考にして頂ければ、とても嬉しいなと思います。
■プレゼントのお知らせ
番組でご紹介してきました、集英社より発売中!
黒木亮さんのご著書『メイク・バンカブル! イギリス国際金融浪漫』に
黒木さんの直筆サインを入れて、3名の方にプレゼントいたします。
ご希望の方は、お名前やご住所、電話番号など、必要事項を明記の上、
メッセージフォームより、ご応募ください。
私、茂木に聞きたい事や相談したい事など、
メッセージを添えていただけると嬉しいです。
尚、当選者の発表は、商品の発送をもってかえさせていただきます。
たくさんのご応募、お待ちしております。
●集英社 公式サイト
●集英社 公式Twitter(@SHUEISHA_PR)
●「メイク・バンカブル! イギリス国際金融浪漫」 / 黒木亮(著)
(Amazon)