2023年06月10日
ひろゆき(西村博之)さんは、1976年、神奈川県のお生まれ。
中央大学在学中の、1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設、
管理人となり、かつては日本最大級の匿名掲示板として、話題を集めました。
2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開設。
東京プラス代表取締役、未来検索ブラジル取締役など多くの企業に携わり、
サービス運営やプログラマーとしてもご活躍されていらっしゃいます。
2015年からは、パリに移住され、英語圏最大の匿名掲示板
「4chan」の管理人となり、活動を続けていらっしゃいます。
また、日本においては、インフルエンサーとして、広く人気を集めていらっしゃいます。
──AIの進化によって人が余る流れは加速する
茂木:今回、ひろゆきさんと、世界中で注目を集めているChatGPTについて議論したいと思うんですが…。『教育とChatGPT』についてはいかがですか?
ひろゆき:僕は「ChatGPTを学校で子供に使わせるべきではない」みたいなことを「正論である」というような風潮が社会にできるのはすごく拙いと思っていました。なので、要は「間違った論だよね」というのを、ちゃんと見てる側がわかるようにしないといけない、というのが僕は重要だと思ってたんですよ。
茂木:なるほど。
ひろゆき:なので、「ChatGPTを使うのは良くないよね」と言うような人が現れた時に、他の人でも「いやいや、こうだよ」と、僕と同じような論理で多分反論できると思うんですよ。
そういうのもあるし、後は、調べもしないで「禁止すべきだ」と言う人が血祭りに合う、というのを作って置くと、他の人も言いたがらないじゃないですか。(ChatGPTを禁止すべきと)言う人がいたら「じゃあひろゆきを連れてくるぞ」、みたいになるので、必要かなと思ったんです。
茂木:(笑)。「いざとなったら、ひろゆきを連れてくぞ」と。
ひろゆき:そうなると、他の人は言いづらいじゃないですか。
茂木:なるほど。
ChatGPTは、お悩み相談からアプリ開発まで様々なことに答えてくれるという、今非常に話題の対話型AIですけれども…。昨年2022年11月30日に公開されて、この半年ほどで世界の注目を集めました。リリース2ヶ月で、月間アクセス数が1億回を超えたということなんですよね。
ひろゆきさん、ざっくり言うと、ChatGPTはこれからどうすればいいんですか?
ひろゆき:ChatGPT界隈は進化が速すぎるので、多分、今話したものが半年後には全然違う可能性があるんですよね(笑)。なので、「こうなるよね」みたいな予測はあんまり意味がないと思っていて、「こうするべきだよね」みたいなものも、一般の人たちが言うと足枷になることが多いので…。“研究者が自由にやっていって、出来上がった結果をいかに社会が利用するか”、というぐらいしかやりようがないんじゃないかなと思うんです。
とは言え、ChatGPT周りだったりとか、大規模言語モデル周りでは、お金を集め始めていたりするので、詐欺に引っ掛からないようにして頂きたいな、と思っております。
茂木:ひろゆきさん自身は、ChatGPTを使っていますか?
ひろゆき:ちょこちょこですけど…ごく偶にですね。
茂木:どんな風に使っていますか?
ひろゆき:本当にごく偶にで、あんまり役に立たないんですよね。
茂木:(笑)。それはどうしてですか?
ひろゆき:元々、「こういう単語が来たら、次にこういう単語が来る確率が高いよね」というもので…。例えば、『私はリンゴが』だったら、大体次は、確率的に『好きだ』とか『嫌いだ』とか来るじゃないですか。…という、言語として来やすいものを出してるだけなので、面白いんですけど、情報を調べるのには役に立たないんですよね。面白いだけだったら、別に漫画とかを読んでる方がよっぽど面白いので。
茂木:なるほど(笑)。
日本では、ある出版社が“AIで作られたグラビアアイドルの本”を出したりしていますけど、ああいう動きはどうでしょう?
ひろゆき:それは全然有りだと思いますよ。昔も、CGでできた人がタレントとして活動する、みたいなので大失敗したとかありますけど…。
茂木:大失敗した(笑)?
ひろゆき:はい。なので、話題性に則ってビジネスやるというのは、全然あると思うんです。
茂木:ということは、皆騒いでるけど、ひろゆきさん的にはそこまでまだ面白くなってないんじゃないか、ということですか。
ひろゆき:「AIとかPCで、ここまでできるのはすごいよね」ということになるんですけど、あくまで「ここまでできるのはすごいよね」というハンデ戦みたいな話で、実態として、「じゃあそれで本当にお金を稼いでるの?」というレベルまでは、もうちょっとかかるんじゃないかなと思うんですよね。
茂木:可能性はある?
ひろゆき:可能性は全然あると思います。なので、「『CGが作ったグラビアの写真集』だから面白いでしょ。買ってください」という下駄を履いている状態で、「単純にめちゃくちゃ可愛いCGを作りました。これ買ってください」と言って、超儲けてるという人はまだそんなにいないんですよね。
茂木:そうか。だから“AIが作った付加価値”という下駄を履いてるから、まだフェアな競争じゃないということですか。
ひろゆき:そうです。そんなもの誰でも作れるので、それがぼろ儲けすることもないんですよね。「こうやって作る人がいるんだ」、で、ちょっと儲けたら「じゃあ俺も真似しよう」ということがすぐにできちゃうんで。
茂木:コストダウンと言えば、企業からすると、例えば絵とか、デザインとか、イラストの発注は人間より安く済むということで、「人が余るんじゃないか」とか「失業するんじゃないか」という予測については、どう考えますか?
ひろゆき:元々デスクワークがいろいろ機械化していって、どんどん必要なくなってるよね、という流れがあるので、多分、人が余るかどうかはChatGPTとか関係なくて。ChatGPTより前に、生命保険の会社とかがそこら辺の計算をする“アクチュアリー”の人たちを解雇する、みたいなことが既にあったので、その流れは止まらないだろうな、ということです。
ただそれが加速するだろうな、という部分で言えば、多分実質的に影響が出てくるのが、今年の夏ぐらい。Microsoftがプログラムの開発環境の中にCopilot(コパイロット)と言う、ある程度の自然言語で入れるとそれっぽい行動を書いてくれるというAI製品を、MicrosoftであったりGitHubだったりが始めています。それでプログラマーの生産性がやたらに上がるものが、多分今年の夏ぐらいからどんどん出始めることなるんじゃないかな、と思っています。
●ひろゆきさん Twitter (@hirox246)
●ひろゆきさん 公式YouTubeチャンネル
●1%の努力 / ひろゆき(著)
(Amazon)
中央大学在学中の、1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設、
管理人となり、かつては日本最大級の匿名掲示板として、話題を集めました。
2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開設。
東京プラス代表取締役、未来検索ブラジル取締役など多くの企業に携わり、
サービス運営やプログラマーとしてもご活躍されていらっしゃいます。
2015年からは、パリに移住され、英語圏最大の匿名掲示板
「4chan」の管理人となり、活動を続けていらっしゃいます。
また、日本においては、インフルエンサーとして、広く人気を集めていらっしゃいます。
──AIの進化によって人が余る流れは加速する
茂木:今回、ひろゆきさんと、世界中で注目を集めているChatGPTについて議論したいと思うんですが…。『教育とChatGPT』についてはいかがですか?
ひろゆき:僕は「ChatGPTを学校で子供に使わせるべきではない」みたいなことを「正論である」というような風潮が社会にできるのはすごく拙いと思っていました。なので、要は「間違った論だよね」というのを、ちゃんと見てる側がわかるようにしないといけない、というのが僕は重要だと思ってたんですよ。
茂木:なるほど。
ひろゆき:なので、「ChatGPTを使うのは良くないよね」と言うような人が現れた時に、他の人でも「いやいや、こうだよ」と、僕と同じような論理で多分反論できると思うんですよ。
そういうのもあるし、後は、調べもしないで「禁止すべきだ」と言う人が血祭りに合う、というのを作って置くと、他の人も言いたがらないじゃないですか。(ChatGPTを禁止すべきと)言う人がいたら「じゃあひろゆきを連れてくるぞ」、みたいになるので、必要かなと思ったんです。
茂木:(笑)。「いざとなったら、ひろゆきを連れてくぞ」と。
ひろゆき:そうなると、他の人は言いづらいじゃないですか。
茂木:なるほど。
ChatGPTは、お悩み相談からアプリ開発まで様々なことに答えてくれるという、今非常に話題の対話型AIですけれども…。昨年2022年11月30日に公開されて、この半年ほどで世界の注目を集めました。リリース2ヶ月で、月間アクセス数が1億回を超えたということなんですよね。
ひろゆきさん、ざっくり言うと、ChatGPTはこれからどうすればいいんですか?
ひろゆき:ChatGPT界隈は進化が速すぎるので、多分、今話したものが半年後には全然違う可能性があるんですよね(笑)。なので、「こうなるよね」みたいな予測はあんまり意味がないと思っていて、「こうするべきだよね」みたいなものも、一般の人たちが言うと足枷になることが多いので…。“研究者が自由にやっていって、出来上がった結果をいかに社会が利用するか”、というぐらいしかやりようがないんじゃないかなと思うんです。
とは言え、ChatGPT周りだったりとか、大規模言語モデル周りでは、お金を集め始めていたりするので、詐欺に引っ掛からないようにして頂きたいな、と思っております。
茂木:ひろゆきさん自身は、ChatGPTを使っていますか?
ひろゆき:ちょこちょこですけど…ごく偶にですね。
茂木:どんな風に使っていますか?
ひろゆき:本当にごく偶にで、あんまり役に立たないんですよね。
茂木:(笑)。それはどうしてですか?
ひろゆき:元々、「こういう単語が来たら、次にこういう単語が来る確率が高いよね」というもので…。例えば、『私はリンゴが』だったら、大体次は、確率的に『好きだ』とか『嫌いだ』とか来るじゃないですか。…という、言語として来やすいものを出してるだけなので、面白いんですけど、情報を調べるのには役に立たないんですよね。面白いだけだったら、別に漫画とかを読んでる方がよっぽど面白いので。
茂木:なるほど(笑)。
日本では、ある出版社が“AIで作られたグラビアアイドルの本”を出したりしていますけど、ああいう動きはどうでしょう?
ひろゆき:それは全然有りだと思いますよ。昔も、CGでできた人がタレントとして活動する、みたいなので大失敗したとかありますけど…。
茂木:大失敗した(笑)?
ひろゆき:はい。なので、話題性に則ってビジネスやるというのは、全然あると思うんです。
茂木:ということは、皆騒いでるけど、ひろゆきさん的にはそこまでまだ面白くなってないんじゃないか、ということですか。
ひろゆき:「AIとかPCで、ここまでできるのはすごいよね」ということになるんですけど、あくまで「ここまでできるのはすごいよね」というハンデ戦みたいな話で、実態として、「じゃあそれで本当にお金を稼いでるの?」というレベルまでは、もうちょっとかかるんじゃないかなと思うんですよね。
茂木:可能性はある?
ひろゆき:可能性は全然あると思います。なので、「『CGが作ったグラビアの写真集』だから面白いでしょ。買ってください」という下駄を履いている状態で、「単純にめちゃくちゃ可愛いCGを作りました。これ買ってください」と言って、超儲けてるという人はまだそんなにいないんですよね。
茂木:そうか。だから“AIが作った付加価値”という下駄を履いてるから、まだフェアな競争じゃないということですか。
ひろゆき:そうです。そんなもの誰でも作れるので、それがぼろ儲けすることもないんですよね。「こうやって作る人がいるんだ」、で、ちょっと儲けたら「じゃあ俺も真似しよう」ということがすぐにできちゃうんで。
茂木:コストダウンと言えば、企業からすると、例えば絵とか、デザインとか、イラストの発注は人間より安く済むということで、「人が余るんじゃないか」とか「失業するんじゃないか」という予測については、どう考えますか?
ひろゆき:元々デスクワークがいろいろ機械化していって、どんどん必要なくなってるよね、という流れがあるので、多分、人が余るかどうかはChatGPTとか関係なくて。ChatGPTより前に、生命保険の会社とかがそこら辺の計算をする“アクチュアリー”の人たちを解雇する、みたいなことが既にあったので、その流れは止まらないだろうな、ということです。
ただそれが加速するだろうな、という部分で言えば、多分実質的に影響が出てくるのが、今年の夏ぐらい。Microsoftがプログラムの開発環境の中にCopilot(コパイロット)と言う、ある程度の自然言語で入れるとそれっぽい行動を書いてくれるというAI製品を、MicrosoftであったりGitHubだったりが始めています。それでプログラマーの生産性がやたらに上がるものが、多分今年の夏ぐらいからどんどん出始めることなるんじゃないかな、と思っています。
●ひろゆきさん Twitter (@hirox246)
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