2023年05月27日
倉本美津留さんは、1959年、広島県のご出身。
放送作家として、NHK Eテレの子ども番組『シャキーン!』や、
『ダウンタウンDX』『M-1グランプリ』『浦沢直樹の漫勉neo』など、
数々の人気番組を手掛けていらっしゃいます。
また、コメンテーター、MC、ラジオパーソナリティー、ナレーション、ミュージシャンなど、
放送作家の活動にとどまらず、タレントとしても、ご活躍でいらっしゃいます。
ご著書も多数出版されており、『笑い論 24時間をおもしろくする』や、
『倉本美津留の超国語辞典』、『ことば絵本 明日のカルタ』等々、
おもしろポップな自己啓発本を上梓していらっしゃいます。
そして、先日、ポプラ社より、『はじめての大喜利えほん ぱんだ』を発売されました。
──脳には面白い発想が詰まっている
茂木:『はじめての大喜利えほん ぱんだ』ということで、僕はものすごく面白かったんですけど、こういうのは子供とか大好きですよね。
倉本:そのつもりで作って、シミュレーションで大笑いしてくれたところを抽出して、完成まで持ってきました。
茂木:パンダが来るんだけど、それが実は…“色んなもの”なんですよね。
倉本:そうですね(笑)。向こうから影が見えるから「あ、パンダが来るのかな?」、「友達来るのかな?」と思って待ってたら、ちょっと違うものが来てびっくりするという(笑)。
だから、思ってたものと違うものが登場して笑えるという、本当に大喜利なんですよね。お題からそんな答えが出るのか、という。
茂木:この本の読み方としては、これで大笑いして、例えば、面白かったから他の人にも見せたくなるじゃないですか。自分でも、何かやりたくなるんですかね?
倉本:そうです。やっぱりそれを、難しい言葉で言うと、啓発したいんです。「僕だったら、誰が来たら面白いかな?」、「どんなものが来たら面白いかな?」ということを考えてほしいなと思っていて。
実はこの本の中にはハガキが入っています。「『あなたもファンだと思ったら、何か違うもんが来たぞ』というのを、絵と言葉でくださいね」というのを皆さんでやるんですよ。
茂木:なるほど。だから、最後に『おしまい』と書いてあるけど、おしまいではないということですね。
倉本:そうです。みんなも考えて、と。そういうことを考えていいんだということを、一番最初に気づいてもらいたいな…そういう本なんですね。
茂木:こういう本を構想される時、この『パンダ』というモチーフは突然降ってくるんですか?
倉本:(笑)。いや、やっぱり“大喜利は芸人さんがやる遊びで、それを一般の人が見て笑う”みたいに限定されている感じがあるんですけども。でも、そうじゃないと僕はずっと思ってまして、日常的に皆がやって遊ぶゲームにして欲しいな、とずっと思ってたんですよ。
その感覚はずっとあったので、番組でレギュラーがしたかったんですけども、残念ながらできなかった。NHKで『お笑い脳自慢』という特番をやったことがあるんですけども、それは小学生、お母さん、そしておじいちゃん・おばあちゃんに大喜利のテストをやってもらって、それで面白い答えを担当芸人さんが持って、代理で出して、どのチームが勝つか、みたいなことをやったんです。
茂木:芸人さんが代理で出すんですか。ちょっとそれは嬉しいですね。
倉本:そうです。やっぱりタイミングとか声の張り方とか大事なんで。
その特番をやって、その時も年齢・職業関係なく、本当に面白い発想が脳に詰まってるということが明らかになったので、やっぱり皆、これをどんどん日常的にやってほしいなと思ったんですね。
茂木:それがこの絵本になった、と。
倉本:はい。だから、一番最初に脳のそういうことが面白いと思うスタートを切ってほしいなと。
茂木:なるほど。
倉本:まぁ、脳科学者に言うのもなんですけど、本当ににそうなんですよ。
茂木:いえいえ! 色々番組などを作った中で『シャキーン!』もありますけど、作品を作る側としては、子供というのはどうなんですか?
倉本:自由な発想をどこまで褒めてあげるか、そしてそれが本当に自由な発想であるかどうか、というのを吟味して言ってあげることも大事なんですね。
だから、世の中で流行ってることを平気で言ってしまう子もいるじゃないですか。「でも、自分が思ってることが人と違ったら恥ずかしいかな?」とかね。
内気な子ほど、面白い発想を言わないことが多いと思うんです。『シャキーン!』でも、「そんなの大丈夫だよ」、「全然人と違うことの方が面白いよ」という風に番組を作ってたつもりですし、その辺が大事だなと思うんですよね。
茂木:個性を発揮することはいいんだよ、というか。自己肯定感ですね。
倉本:めちゃめちゃそうですよね。
茂木:そう言えば、倉本さんもかなり変わり者ですもんね!
倉本:はい。子供の時から人と馴染めなくて、でも「こいつ、ちょっと人と違うことが面白いな」ということをアピールすることで、何とか生き永らえてきたんです(笑)。
茂木:じゃあ、自分の辿って来た道でもあるということなんですね。
倉本:本当にそうですね。人と同じようなことができなかったことを逆手に取って、頑張ってきた、みたいなところですね。
茂木:今回、天才・倉本三津留さんが書きました、『はじめての大喜利えほん ぱんだ』。まだお読みになっていない方もいらっしゃると思うので、リスナーの方に絵本について一言、どうですか?
倉本:お子さんのいる方はもちろん、いない方でも、周りの人にこれを読み聞かせることで、大人も子供も絶対に笑うと思います。読み聞かせる方も読み聞かせのテクニックを練習できて、笑いの空気を作ることが学べるような、“シンプル・イズ・ストロング”の本だと思うので、ぜひお買い上げ頂ければ、色々助かります(笑)。
●はじめての大喜利えほん ぱんだ / 倉本三津留 (著)
(Amazon)
●倉本三津留さん Twitter(@kuramotomitsuru)
●倉本三津留さん 公式サイト「ninpop –nipponをもっとpopに」
●ポプラ社 公式サイト
放送作家として、NHK Eテレの子ども番組『シャキーン!』や、
『ダウンタウンDX』『M-1グランプリ』『浦沢直樹の漫勉neo』など、
数々の人気番組を手掛けていらっしゃいます。
また、コメンテーター、MC、ラジオパーソナリティー、ナレーション、ミュージシャンなど、
放送作家の活動にとどまらず、タレントとしても、ご活躍でいらっしゃいます。
ご著書も多数出版されており、『笑い論 24時間をおもしろくする』や、
『倉本美津留の超国語辞典』、『ことば絵本 明日のカルタ』等々、
おもしろポップな自己啓発本を上梓していらっしゃいます。
そして、先日、ポプラ社より、『はじめての大喜利えほん ぱんだ』を発売されました。
──脳には面白い発想が詰まっている
茂木:『はじめての大喜利えほん ぱんだ』ということで、僕はものすごく面白かったんですけど、こういうのは子供とか大好きですよね。
倉本:そのつもりで作って、シミュレーションで大笑いしてくれたところを抽出して、完成まで持ってきました。
茂木:パンダが来るんだけど、それが実は…“色んなもの”なんですよね。
倉本:そうですね(笑)。向こうから影が見えるから「あ、パンダが来るのかな?」、「友達来るのかな?」と思って待ってたら、ちょっと違うものが来てびっくりするという(笑)。
だから、思ってたものと違うものが登場して笑えるという、本当に大喜利なんですよね。お題からそんな答えが出るのか、という。
茂木:この本の読み方としては、これで大笑いして、例えば、面白かったから他の人にも見せたくなるじゃないですか。自分でも、何かやりたくなるんですかね?
倉本:そうです。やっぱりそれを、難しい言葉で言うと、啓発したいんです。「僕だったら、誰が来たら面白いかな?」、「どんなものが来たら面白いかな?」ということを考えてほしいなと思っていて。
実はこの本の中にはハガキが入っています。「『あなたもファンだと思ったら、何か違うもんが来たぞ』というのを、絵と言葉でくださいね」というのを皆さんでやるんですよ。
茂木:なるほど。だから、最後に『おしまい』と書いてあるけど、おしまいではないということですね。
倉本:そうです。みんなも考えて、と。そういうことを考えていいんだということを、一番最初に気づいてもらいたいな…そういう本なんですね。
茂木:こういう本を構想される時、この『パンダ』というモチーフは突然降ってくるんですか?
倉本:(笑)。いや、やっぱり“大喜利は芸人さんがやる遊びで、それを一般の人が見て笑う”みたいに限定されている感じがあるんですけども。でも、そうじゃないと僕はずっと思ってまして、日常的に皆がやって遊ぶゲームにして欲しいな、とずっと思ってたんですよ。
その感覚はずっとあったので、番組でレギュラーがしたかったんですけども、残念ながらできなかった。NHKで『お笑い脳自慢』という特番をやったことがあるんですけども、それは小学生、お母さん、そしておじいちゃん・おばあちゃんに大喜利のテストをやってもらって、それで面白い答えを担当芸人さんが持って、代理で出して、どのチームが勝つか、みたいなことをやったんです。
茂木:芸人さんが代理で出すんですか。ちょっとそれは嬉しいですね。
倉本:そうです。やっぱりタイミングとか声の張り方とか大事なんで。
その特番をやって、その時も年齢・職業関係なく、本当に面白い発想が脳に詰まってるということが明らかになったので、やっぱり皆、これをどんどん日常的にやってほしいなと思ったんですね。
茂木:それがこの絵本になった、と。
倉本:はい。だから、一番最初に脳のそういうことが面白いと思うスタートを切ってほしいなと。
茂木:なるほど。
倉本:まぁ、脳科学者に言うのもなんですけど、本当ににそうなんですよ。
茂木:いえいえ! 色々番組などを作った中で『シャキーン!』もありますけど、作品を作る側としては、子供というのはどうなんですか?
倉本:自由な発想をどこまで褒めてあげるか、そしてそれが本当に自由な発想であるかどうか、というのを吟味して言ってあげることも大事なんですね。
だから、世の中で流行ってることを平気で言ってしまう子もいるじゃないですか。「でも、自分が思ってることが人と違ったら恥ずかしいかな?」とかね。
内気な子ほど、面白い発想を言わないことが多いと思うんです。『シャキーン!』でも、「そんなの大丈夫だよ」、「全然人と違うことの方が面白いよ」という風に番組を作ってたつもりですし、その辺が大事だなと思うんですよね。
茂木:個性を発揮することはいいんだよ、というか。自己肯定感ですね。
倉本:めちゃめちゃそうですよね。
茂木:そう言えば、倉本さんもかなり変わり者ですもんね!
倉本:はい。子供の時から人と馴染めなくて、でも「こいつ、ちょっと人と違うことが面白いな」ということをアピールすることで、何とか生き永らえてきたんです(笑)。
茂木:じゃあ、自分の辿って来た道でもあるということなんですね。
倉本:本当にそうですね。人と同じようなことができなかったことを逆手に取って、頑張ってきた、みたいなところですね。
茂木:今回、天才・倉本三津留さんが書きました、『はじめての大喜利えほん ぱんだ』。まだお読みになっていない方もいらっしゃると思うので、リスナーの方に絵本について一言、どうですか?
倉本:お子さんのいる方はもちろん、いない方でも、周りの人にこれを読み聞かせることで、大人も子供も絶対に笑うと思います。読み聞かせる方も読み聞かせのテクニックを練習できて、笑いの空気を作ることが学べるような、“シンプル・イズ・ストロング”の本だと思うので、ぜひお買い上げ頂ければ、色々助かります(笑)。
●はじめての大喜利えほん ぱんだ / 倉本三津留 (著)
(Amazon)
●倉本三津留さん Twitter(@kuramotomitsuru)
●倉本三津留さん 公式サイト「ninpop –nipponをもっとpopに」
●ポプラ社 公式サイト