2023年04月01日
宅見将典さんは、1978年、大阪府のお生まれです。
2001年、ロックバンド「siren」でメジャーデビュー。
2004年、バンド解散後は、作曲家・プロデューサーとして活動をスタートされ、
第53回日本レコード大賞にて、AAAの『CALL』で、優秀作品賞を受賞。
また、2014年から3年間、バンドメンバーとして参加された、ジャマイカのバンド
「Sly and Robbie」のアルバムが、グラミー賞にノミネートされるなど、
作曲・編曲家、プロデューサー、マルチ・インストゥルメンタル・アーティストとして、
国内外でグローバルな音楽活動を続けて来られました。
2019年には、第61回日本レコード大賞にて、DA PUMPの
『P.A.R.T.Y 〜ユニバースフェスティバル〜』の作曲、編曲にて優秀作品賞を受賞。
そして、2022年、Masa Takumi名義でリリースしたアルバム『Sakura』が、
第65回グラミー賞の最優秀グローバル・ミュージックアルバム賞を受賞され、
話題を集めていらっしゃいます。
──音楽的よりも音響的な部分が大切な時代
茂木:グラミー賞の授賞式の雰囲気を、最初に経験したのはいつなんですか?
宅見:それは2011年ですね。第53回だったんですけども、人生が変わっちゃいまして。
茂木:ということは、そこから12年ですか。
宅見:そこから、日本に帰るや否や、英語のテキストブックを買って、英会話スクールに通い始めた、というのが第一歩でしたね。
茂木:それから12年。今回(受賞されたのは)やっぱり嬉しいですよね!
宅見:嬉しいんですけど、辛いことの方が多かったですし、自分の中で12年は長かったので。だからただ嬉しいと言うよりは、もう感慨深い。そして、もしかしたら、本当に噛み締めるのに12年かかるかもしれないです。
茂木:12年後ぐらいに「グラミー賞を獲って良かったな」と(笑)。
宅見:(笑)。「獲れたんだ」と。まだ自分でもよく分かってないんですよ。余りにもことが大きすぎて、ずっとそれを目指してたのにいざそれが叶ってしまうと、まだふわふわしてると言うんですか。現実じゃないような感覚がありますね。
茂木:今回リリースされたアルバム『Sakura』なんですけれども、いわゆる日本の楽器も使っているんですけど、他にも色んなグローバルな楽器を使っていて。しかも、音楽的にかなり高度なことをされてらっしゃいますよね?
宅見:そう言っていただけると嬉しいです。
茂木:もちろん日本的なんだけど、アメリカのここ数年のトラップミュージックなんかも…?
宅見:まさに混ぜつつ。あとは、音楽的な転調ができる曲は、もうできるだけしています。やっぱりタイトルソングはシンプルじゃないと伝わらなかったりするので、メインのテーマのところはキャッチーにしてるんですけど、部分的には、トランジションと言うんでしょうか、結構自分は転調が好きなので、そういう音楽の作りにしてますね。
茂木:やっぱり、かなり高度なことやっていかないと、アメリカのマーケットだと通用しないんですか?
宅見:“高度”ということはないんでしょうけど、やっぱり今は、一番アメリカで受け入れられるポイントは、音響的な部分だと思うんです。それはトラップビートだったり、ヒップポップのリズムを入れた時の、低音の作り方ですか。そこが今回勝因だったのかなと思っています。音響的な部分の方が今は強い時代なので、どっちかと言ったら音楽的よりも音響的な部分が大切な時代かなと。
茂木:深い! 音楽的よりも、音響的な方が大事?
宅見:今は、そういうトレンドになってしまっているので。でも自分は音楽家として、オーケストラも書きますしピアノも弾くので、そこを大切にしながら、そういうトラップビートみたいな部分を強調した、ブレンド術だったのかな、という。
茂木:グラミーは、プロが投票しているわけじゃないですか。もちろんポピュラーであるということも大事ですけど、プロに評価されたということは、ある意味では別の嬉しさがありますよね。
宅見:そうですね。レコーディング・アカデミーの会員は約14000人ぐらいと言われているんですけど、その方たちが認めてくれたというのはすごく名誉ですよね。
──和楽器を世界に広める
茂木:今回の『Sakura』というこのアルバムの曲の名前がすごく印象的なんですが、これはタイトルが先なんですか? それとも曲を作ってからタイトルを付けたんですか?
宅見:『Sakura』なんかはあったんですけど、ものによっては、後で変えたものがありますね。
茂木:『Sakura』『Katana』『Shizuku』『Kaze』…この『Yuzu Doll』というのは?
宅見:元々これは『Yuujo』(遊女)というタイトルだったんです。花魁的な悲しみを表現しようかなと思っていたんですけど、やっぱりなるべくアメリカの人たちがわかる日本語に寄せた方がいいんじゃないか、ということで。『Yuzu』というのは、ジャパニーズ・シトラスというので和食屋さんに行く人はギリギリ知っている人もいるので、日本人形みたいなイメージで「ゆず人形」みたいにして。ほとんど日本語のタイトルにしてみたんですよね。
茂木:そして、『Kotodama』『Tamashii』『Inochi』で終わるんですけれども、この日本語の字面というか、それがそのまま音楽シーンの最先端で…なんかすごいですね。
宅見:そうですね。アメリカで知られている言葉をリサーチしまして、実は「魂」とかちょっと知ってる人もいたりして。“魂ラーメン”というラーメン屋があったりするんですよ(笑)。そういうので知っていたりとか。
茂木:ええ〜!
宅見:分からなくても、まあ50〜60%ぐらい知っていたら、あとは調べてくれるかなとか。だから、ちょっと興味を持ってもらいつつ、『Katana』とか、ある程度知ってる日本語のタイトルにしてみたんですよね。
茂木:それにしても、AAAとかDA PUMPに提供していた楽曲とは、全く違う世界ですけども。
宅見:そうなんです(笑)。だから、どっちも自分で、自分はあんまりそれは違うと思わないんですけど、きっと人には違うと思われるだろうな、と思いながら。でも色んなタイプの音楽を作るので…実は全部自分なんですけどね」
茂木:このピアノ・ソロもやってらっしゃいますしね。これは今回このように形にしましたけど、今後どうなるかというのは、分からないですもんね。
宅見:はい。でもやっぱり一つ、「和楽器を、日本人として世界に広める」という役目を担わせて頂いているような気もするので、和楽器を取り入れたり、はたまた、ピアノという伝統的で大好きな楽器をメインにしたり、という、その辺のブレンドになっていくのかなと思うんですけどね。
茂木:先日のグラミー賞で、最優秀グローバル・ミュージックアルバム賞を受賞されました『Sakura』。こちらのCDは、ボーナストラック2曲入りで、全国のCDショップ、オンラインショップで購入できます。これは、“ジャケ買い”したくなる美しい写真ですね。
宅見:夜桜にしたかったので、「黒バックでいって」とデザイナーにお願いしました。ありがとうございます。
茂木:そして、宅見さんの今後のご活動なんですけれども、『第65回グラミー賞 "最優秀グローバルミュージックアルバム賞" 受賞記念ライブ』が、ビルボードライブ東京で来月5月13日に行われます。2ステージあるんですけども2ndステージは生配信も行われるということで…。これは楽しみですね!
宅見:そうですね。コロナ前にライブをやってから4年振りのライブなので、そういう意味でもすごく楽しみしています。ぜひお越しください。
●Sakura / Masa_Takumi(宅見将典)
(Amazon)
●宅見将典(Masa Takumi)さん 公式サイト
↑グラミー賞 「最優秀グローバル・ミュージックアルバム賞」
受賞記念ライブが、Billboard Live TOKYOで、5/13(土)に行われます。
2ステージありますが、2ndステージでは生配信も行われます。
ご興味ある方は、ぜひ!!
詳しくは、宅見将典さんの公式サイトでチェックください!
●宅見将典(Masa Takumi)さん Twitter (@masanoritakumi)
●フジパシフィックミュージック 公式サイト
2001年、ロックバンド「siren」でメジャーデビュー。
2004年、バンド解散後は、作曲家・プロデューサーとして活動をスタートされ、
第53回日本レコード大賞にて、AAAの『CALL』で、優秀作品賞を受賞。
また、2014年から3年間、バンドメンバーとして参加された、ジャマイカのバンド
「Sly and Robbie」のアルバムが、グラミー賞にノミネートされるなど、
作曲・編曲家、プロデューサー、マルチ・インストゥルメンタル・アーティストとして、
国内外でグローバルな音楽活動を続けて来られました。
2019年には、第61回日本レコード大賞にて、DA PUMPの
『P.A.R.T.Y 〜ユニバースフェスティバル〜』の作曲、編曲にて優秀作品賞を受賞。
そして、2022年、Masa Takumi名義でリリースしたアルバム『Sakura』が、
第65回グラミー賞の最優秀グローバル・ミュージックアルバム賞を受賞され、
話題を集めていらっしゃいます。
──音楽的よりも音響的な部分が大切な時代
茂木:グラミー賞の授賞式の雰囲気を、最初に経験したのはいつなんですか?
宅見:それは2011年ですね。第53回だったんですけども、人生が変わっちゃいまして。
茂木:ということは、そこから12年ですか。
宅見:そこから、日本に帰るや否や、英語のテキストブックを買って、英会話スクールに通い始めた、というのが第一歩でしたね。
茂木:それから12年。今回(受賞されたのは)やっぱり嬉しいですよね!
宅見:嬉しいんですけど、辛いことの方が多かったですし、自分の中で12年は長かったので。だからただ嬉しいと言うよりは、もう感慨深い。そして、もしかしたら、本当に噛み締めるのに12年かかるかもしれないです。
茂木:12年後ぐらいに「グラミー賞を獲って良かったな」と(笑)。
宅見:(笑)。「獲れたんだ」と。まだ自分でもよく分かってないんですよ。余りにもことが大きすぎて、ずっとそれを目指してたのにいざそれが叶ってしまうと、まだふわふわしてると言うんですか。現実じゃないような感覚がありますね。
茂木:今回リリースされたアルバム『Sakura』なんですけれども、いわゆる日本の楽器も使っているんですけど、他にも色んなグローバルな楽器を使っていて。しかも、音楽的にかなり高度なことをされてらっしゃいますよね?
宅見:そう言っていただけると嬉しいです。
茂木:もちろん日本的なんだけど、アメリカのここ数年のトラップミュージックなんかも…?
宅見:まさに混ぜつつ。あとは、音楽的な転調ができる曲は、もうできるだけしています。やっぱりタイトルソングはシンプルじゃないと伝わらなかったりするので、メインのテーマのところはキャッチーにしてるんですけど、部分的には、トランジションと言うんでしょうか、結構自分は転調が好きなので、そういう音楽の作りにしてますね。
茂木:やっぱり、かなり高度なことやっていかないと、アメリカのマーケットだと通用しないんですか?
宅見:“高度”ということはないんでしょうけど、やっぱり今は、一番アメリカで受け入れられるポイントは、音響的な部分だと思うんです。それはトラップビートだったり、ヒップポップのリズムを入れた時の、低音の作り方ですか。そこが今回勝因だったのかなと思っています。音響的な部分の方が今は強い時代なので、どっちかと言ったら音楽的よりも音響的な部分が大切な時代かなと。
茂木:深い! 音楽的よりも、音響的な方が大事?
宅見:今は、そういうトレンドになってしまっているので。でも自分は音楽家として、オーケストラも書きますしピアノも弾くので、そこを大切にしながら、そういうトラップビートみたいな部分を強調した、ブレンド術だったのかな、という。
茂木:グラミーは、プロが投票しているわけじゃないですか。もちろんポピュラーであるということも大事ですけど、プロに評価されたということは、ある意味では別の嬉しさがありますよね。
宅見:そうですね。レコーディング・アカデミーの会員は約14000人ぐらいと言われているんですけど、その方たちが認めてくれたというのはすごく名誉ですよね。
──和楽器を世界に広める
茂木:今回の『Sakura』というこのアルバムの曲の名前がすごく印象的なんですが、これはタイトルが先なんですか? それとも曲を作ってからタイトルを付けたんですか?
宅見:『Sakura』なんかはあったんですけど、ものによっては、後で変えたものがありますね。
茂木:『Sakura』『Katana』『Shizuku』『Kaze』…この『Yuzu Doll』というのは?
宅見:元々これは『Yuujo』(遊女)というタイトルだったんです。花魁的な悲しみを表現しようかなと思っていたんですけど、やっぱりなるべくアメリカの人たちがわかる日本語に寄せた方がいいんじゃないか、ということで。『Yuzu』というのは、ジャパニーズ・シトラスというので和食屋さんに行く人はギリギリ知っている人もいるので、日本人形みたいなイメージで「ゆず人形」みたいにして。ほとんど日本語のタイトルにしてみたんですよね。
茂木:そして、『Kotodama』『Tamashii』『Inochi』で終わるんですけれども、この日本語の字面というか、それがそのまま音楽シーンの最先端で…なんかすごいですね。
宅見:そうですね。アメリカで知られている言葉をリサーチしまして、実は「魂」とかちょっと知ってる人もいたりして。“魂ラーメン”というラーメン屋があったりするんですよ(笑)。そういうので知っていたりとか。
茂木:ええ〜!
宅見:分からなくても、まあ50〜60%ぐらい知っていたら、あとは調べてくれるかなとか。だから、ちょっと興味を持ってもらいつつ、『Katana』とか、ある程度知ってる日本語のタイトルにしてみたんですよね。
茂木:それにしても、AAAとかDA PUMPに提供していた楽曲とは、全く違う世界ですけども。
宅見:そうなんです(笑)。だから、どっちも自分で、自分はあんまりそれは違うと思わないんですけど、きっと人には違うと思われるだろうな、と思いながら。でも色んなタイプの音楽を作るので…実は全部自分なんですけどね」
茂木:このピアノ・ソロもやってらっしゃいますしね。これは今回このように形にしましたけど、今後どうなるかというのは、分からないですもんね。
宅見:はい。でもやっぱり一つ、「和楽器を、日本人として世界に広める」という役目を担わせて頂いているような気もするので、和楽器を取り入れたり、はたまた、ピアノという伝統的で大好きな楽器をメインにしたり、という、その辺のブレンドになっていくのかなと思うんですけどね。
茂木:先日のグラミー賞で、最優秀グローバル・ミュージックアルバム賞を受賞されました『Sakura』。こちらのCDは、ボーナストラック2曲入りで、全国のCDショップ、オンラインショップで購入できます。これは、“ジャケ買い”したくなる美しい写真ですね。
宅見:夜桜にしたかったので、「黒バックでいって」とデザイナーにお願いしました。ありがとうございます。
茂木:そして、宅見さんの今後のご活動なんですけれども、『第65回グラミー賞 "最優秀グローバルミュージックアルバム賞" 受賞記念ライブ』が、ビルボードライブ東京で来月5月13日に行われます。2ステージあるんですけども2ndステージは生配信も行われるということで…。これは楽しみですね!
宅見:そうですね。コロナ前にライブをやってから4年振りのライブなので、そういう意味でもすごく楽しみしています。ぜひお越しください。
●Sakura / Masa_Takumi(宅見将典)
(Amazon)
●宅見将典(Masa Takumi)さん 公式サイト
↑グラミー賞 「最優秀グローバル・ミュージックアルバム賞」
受賞記念ライブが、Billboard Live TOKYOで、5/13(土)に行われます。
2ステージありますが、2ndステージでは生配信も行われます。
ご興味ある方は、ぜひ!!
詳しくは、宅見将典さんの公式サイトでチェックください!
●宅見将典(Masa Takumi)さん Twitter (@masanoritakumi)
●フジパシフィックミュージック 公式サイト