2023年03月04日
南果歩さんは、兵庫県のお生まれ。
桐朋学園短期大学在学中に、映画『伽椰子のために』の
ヒロインオーディションに応募し、主役に抜擢され
デビューされました。
以降、国内外で、舞台や映画、テレビなど、幅広くご活躍中でいらっしゃいます。
映画『夢見通りの人々』で、第32回 ブルーリボン賞 助演女優賞、
第2回 日刊スポーツ映画大賞 助演女優賞、エランドール新人賞を
受賞されていらっしゃいます。
現在、AppleTV+で配信中のアメリカのドラマ『Pachinko パチンコ』に
出演されていらっしゃいます。
また、エッセイ『乙女オバさん』など、著書も多数出版されており、
現在、講談社より、絵本『一生ぶんの だっこ』を発売中でいらっしゃいます。
──言葉を耳から入れる読み聞かせは大人にも必要
茂木:この講談社より発売中の絵本『一生ぶんの だっこ』を出す前に、読み聞かせを始められたということなんですが、そのきっかけは何だったんですか?
南:元々、息子にすごく読み聞かせをしていたんです。毎晩3冊ぐらい読むのが習慣で。それで息子の小学校とかそういう場所でも、ボランティアで子どもたちに読んでいました。そして、3.11の震災後、以降は避難所をよく回っていたんですけれども、少し落ち着かれた時に、「次に何ができるかな」と思って。私にできることは限られているんですが、読み聞かせだったら、いつでもどこでも、絵本を抱えて色んな場所で色んな方とお会いできるな、と思って、それで被災地限定で行くようになったんですよね。
茂木:元々ご著書でも書かれていましたけれども、言葉による表現というものが非常に好きだった、と。
南:好きですね。言葉で自分が勇気づけられたり、自分の支えになったりしていると、自分の中では、誰かからかけてもらった言葉や、そういうものが生きているので、心が弱っていたり、自分が何か前向きなことを考えられなくなっている時は、やっぱり人からの言葉が必要なんじゃないかなと。そう思っていたので、読み聞かせのボランティアを被災地でやろうと思いました。
茂木:そして、ダンクウェルさんは本当に素晴らしい絵なんですけど、どうしてダンクウェルさんにしようと思ったんですか?
南:彼の絵を以前から知っていて、すごく躍動感のある絵を描かれる方なんですよ。絵本は、言葉から入っていく部分と、目から入って来るイメージと両方が大事だと思ったので、ダンクウェルさんはもの凄くイメージが膨らむ様な、文字には入っていない小さな動物だとか色んなものを描き込んでくださる方なので、そう言う点では、飛び出さないですけど「飛び出す絵本」のような躍動感を望んでいました。それ以上の絵を描いて頂いたので、本当に世界が広がりましたね。
茂木:これはデジタルなんですよね。
南:そうなんです。iPadで描かれているんですよ。
茂木:でも、それにしても、ニュアンスの表現が素晴らしいですね。そして、この1ページ1ページの構図もすごいですね。
南:そうなんですよね。視点も変わっていきますし、俯瞰から見た絵だったり、引いた絵だったり、絵本には珍しいカメラワーク…と言ったらおかしいですけど、本当に動いている映像が感じられるような絵ですね。
茂木:実際に読み聞かせをなさっていて、反響はどうですか?
南:大人の方がちょっと涙ぐまれる方が多くて。
茂木:“ちょっと”と言うか、これは号泣ですよね。
南:(笑)。『3歳児以上』という対象年齢はあるんですけれど、3歳以上ということは大人も含まれてると思うんですよ(笑)。大人になったら誰かに読み聞かせしてもらう機会はなかなかないじゃないですか。でもやっぱり言葉を耳から入れるというのは、とても別の作用があって。黙読するのと耳から入ったものを想像するのは、また違う広がりがあって、大人にも必要じゃないかなと思っています。
茂木:今、AppleTV+で配信されているドラマ『Pachinko パチンコ』に出演して、その現場で英語・韓国語・日本語が飛び交っている中で、今回の『一生ぶんの だっこ』もそうですけど、日本語の音としての魅力などを、改めて見直したりしますか?
南:思いますよ。日本語の表現力の豊かさを感じます。リズムや音の使い方というのはどの言語も個性的で、それぞれの文化のバックグラウンドを表しているなと思うんです。日本語はとても間合いが大事だなと思うので、ちょっとした余白がすごく魅力的になっているし、詩や百人一首に関しても、独特のリズムを持っているので、日本語が好きな外国の方もたくさんいらっしゃいますし、そう言う意味では、日本語は本当に魅力があるなと思います。
でも、この絵本に関しては、今後は英語訳を出したいと思っていまして…。
茂木:あ、そうなんですね。
南:今ちょっと英語と格闘をしています。
茂木:ご自身で英語訳もされる、ということなんですね。
南:はい、やりたいなと思っています。
茂木:じゃあ、本当に微妙なニュアンスとか、また磨いて…。
南:そうなんです。「ここだとどういう表現になるかな」というのも楽しみですね。
茂木:もし英語で出版されたら、外国の読者で「日本語の音で聴いてみたいな」と改めて思われる方もいらっしゃるかもしれないですね。
南:はい。自分に権利があるので、読み聞かせなんていくらでもOK(笑)! 日本でもそうやって読み聞かせを配信したり、今後、英語版も作りたいなと思っています。
茂木:是非皆さんも、この絵本『一生ぶんの だっこ』をお読みください。
●南果歩さん 公式ブログ
●南果歩さんTwitter(@kahominami)
●南 果歩さん Instagram(@kaho_minami)
●南果歩さん 公式ホームページ
●乙女オバさん / 南果歩 (著)
(Amazon)
●一生ぶんの だっこ / 南果歩 (文) ダンクウェル (絵)
(Amazon)
●講談社 公式ホームページ
桐朋学園短期大学在学中に、映画『伽椰子のために』の
ヒロインオーディションに応募し、主役に抜擢され
デビューされました。
以降、国内外で、舞台や映画、テレビなど、幅広くご活躍中でいらっしゃいます。
映画『夢見通りの人々』で、第32回 ブルーリボン賞 助演女優賞、
第2回 日刊スポーツ映画大賞 助演女優賞、エランドール新人賞を
受賞されていらっしゃいます。
現在、AppleTV+で配信中のアメリカのドラマ『Pachinko パチンコ』に
出演されていらっしゃいます。
また、エッセイ『乙女オバさん』など、著書も多数出版されており、
現在、講談社より、絵本『一生ぶんの だっこ』を発売中でいらっしゃいます。
──言葉を耳から入れる読み聞かせは大人にも必要
茂木:この講談社より発売中の絵本『一生ぶんの だっこ』を出す前に、読み聞かせを始められたということなんですが、そのきっかけは何だったんですか?
南:元々、息子にすごく読み聞かせをしていたんです。毎晩3冊ぐらい読むのが習慣で。それで息子の小学校とかそういう場所でも、ボランティアで子どもたちに読んでいました。そして、3.11の震災後、以降は避難所をよく回っていたんですけれども、少し落ち着かれた時に、「次に何ができるかな」と思って。私にできることは限られているんですが、読み聞かせだったら、いつでもどこでも、絵本を抱えて色んな場所で色んな方とお会いできるな、と思って、それで被災地限定で行くようになったんですよね。
茂木:元々ご著書でも書かれていましたけれども、言葉による表現というものが非常に好きだった、と。
南:好きですね。言葉で自分が勇気づけられたり、自分の支えになったりしていると、自分の中では、誰かからかけてもらった言葉や、そういうものが生きているので、心が弱っていたり、自分が何か前向きなことを考えられなくなっている時は、やっぱり人からの言葉が必要なんじゃないかなと。そう思っていたので、読み聞かせのボランティアを被災地でやろうと思いました。
茂木:そして、ダンクウェルさんは本当に素晴らしい絵なんですけど、どうしてダンクウェルさんにしようと思ったんですか?
南:彼の絵を以前から知っていて、すごく躍動感のある絵を描かれる方なんですよ。絵本は、言葉から入っていく部分と、目から入って来るイメージと両方が大事だと思ったので、ダンクウェルさんはもの凄くイメージが膨らむ様な、文字には入っていない小さな動物だとか色んなものを描き込んでくださる方なので、そう言う点では、飛び出さないですけど「飛び出す絵本」のような躍動感を望んでいました。それ以上の絵を描いて頂いたので、本当に世界が広がりましたね。
茂木:これはデジタルなんですよね。
南:そうなんです。iPadで描かれているんですよ。
茂木:でも、それにしても、ニュアンスの表現が素晴らしいですね。そして、この1ページ1ページの構図もすごいですね。
南:そうなんですよね。視点も変わっていきますし、俯瞰から見た絵だったり、引いた絵だったり、絵本には珍しいカメラワーク…と言ったらおかしいですけど、本当に動いている映像が感じられるような絵ですね。
茂木:実際に読み聞かせをなさっていて、反響はどうですか?
南:大人の方がちょっと涙ぐまれる方が多くて。
茂木:“ちょっと”と言うか、これは号泣ですよね。
南:(笑)。『3歳児以上』という対象年齢はあるんですけれど、3歳以上ということは大人も含まれてると思うんですよ(笑)。大人になったら誰かに読み聞かせしてもらう機会はなかなかないじゃないですか。でもやっぱり言葉を耳から入れるというのは、とても別の作用があって。黙読するのと耳から入ったものを想像するのは、また違う広がりがあって、大人にも必要じゃないかなと思っています。
茂木:今、AppleTV+で配信されているドラマ『Pachinko パチンコ』に出演して、その現場で英語・韓国語・日本語が飛び交っている中で、今回の『一生ぶんの だっこ』もそうですけど、日本語の音としての魅力などを、改めて見直したりしますか?
南:思いますよ。日本語の表現力の豊かさを感じます。リズムや音の使い方というのはどの言語も個性的で、それぞれの文化のバックグラウンドを表しているなと思うんです。日本語はとても間合いが大事だなと思うので、ちょっとした余白がすごく魅力的になっているし、詩や百人一首に関しても、独特のリズムを持っているので、日本語が好きな外国の方もたくさんいらっしゃいますし、そう言う意味では、日本語は本当に魅力があるなと思います。
でも、この絵本に関しては、今後は英語訳を出したいと思っていまして…。
茂木:あ、そうなんですね。
南:今ちょっと英語と格闘をしています。
茂木:ご自身で英語訳もされる、ということなんですね。
南:はい、やりたいなと思っています。
茂木:じゃあ、本当に微妙なニュアンスとか、また磨いて…。
南:そうなんです。「ここだとどういう表現になるかな」というのも楽しみですね。
茂木:もし英語で出版されたら、外国の読者で「日本語の音で聴いてみたいな」と改めて思われる方もいらっしゃるかもしれないですね。
南:はい。自分に権利があるので、読み聞かせなんていくらでもOK(笑)! 日本でもそうやって読み聞かせを配信したり、今後、英語版も作りたいなと思っています。
茂木:是非皆さんも、この絵本『一生ぶんの だっこ』をお読みください。
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●乙女オバさん / 南果歩 (著)
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●一生ぶんの だっこ / 南果歩 (文) ダンクウェル (絵)
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