2022年12月24日
和田秀樹さんは、1960年、大阪府のお生まれ。
1985年、東京大学医学部をご卒業後、東京大学医学部付属病院精神神経科助手、
アメリカのカール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、
現在は、ルネクリニック東京院の院長を務めていらっしゃいます。
また、高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたり、
高齢者医療の現場に携わっていらっしゃいます。
──認知症でもできることに目を向ける
茂木:和田先生は、精神科医として活躍されている一方、受験のアドバイザーとして仲間と一緒に塾を作ったりとか、受験生向けの本も書かれていたりするんですよね。一部では“受験の神様”と言われているということなんですけども、和田先生の書いた本で合格したという学生さん、僕の周りでも随分いるんですよ。改めて、和田先生が指導されていた受験の方法では、何が一番のポイントだったんですか?
和田:これが今の私の考え方に通じていて、「人間は専門分化型医療よりも、トータルで考えた総合診療の方が大事」と考えています。
“和田式受験勉強”の一番の肝というのは、「どこの学校でも、合格者の最低点を取れば受かる」。その時に、例えば、国語ができないんだったら数学で滅茶苦茶点を取ればいい、と。逆に、数学ができないんだったら、国語で滅茶苦茶点を取ればいいわけだから。
所謂、子供達の勉強のやる気を失くさせる一番大きなポイントは、たぶん、「苦手科目を何とかしろ」と言われて、イヤイヤ苦手科目をやらされることだと、僕は思っているんですね。
だから、「得意科目を思い切り伸ばして、苦手科目の負担を減らして、合計点で受かろうよ」という考え方です。
茂木:これは、人生そうなんですかね。皆、人生で得意なこと、不得意なことがあると思うんですけど、得意なことだけ頑張ってやってもいいんですかね。
和田:私は、そうだと思っているんですよね。例えば、認知症になった患者さんのお子さんとかが、「うちの親は5分前のことも忘れるんですよ」とか、「〇〇ができなくなったんですよ」と、できなくなったことばかり言うんです。「でも、まだこんなにお話しできてますよ」とか、「ちゃんと買い物に行って、道に迷ってないじゃないですか」とか、「まだできることに目を向けてくださいね」と、僕は言うんですよ。
だから、できないことを見てても落ち込むばかりだし、やっぱり「できることがまだあるんだよ」と。つまり、すごい誤解だと思うんだけど、認知症になったら何もできなくなると思っている人が多いですよね。でも、いざ自分の親とかが認知症になられたら分かると思うんだけど、できることもちゃんと残っているわけですよ。その色んなことができるうちに、なるべく色んなことをやってもらった方がいい、と、私は信じています。
茂木:だから、できないことも1つの個性みたいなもので、それをうまく活かして生きて行けばいいということなんですかね。
和田:それはあると思います。認知症はよく、都合のいい病気だと言われるんだけど、嫌なことを忘れることができるんですよ。だから、施設とかを見学されると分かると思うんだけど、認知症になって特に重くなってからは、皆にこにこしてるんですよ。それは、「できなくなった」と見るのか、「忘れる能力がついた」と見るのかは、これはまた哲学の問題だと思いますけどね。
茂木:この番組は若い世代の方も聴いているんですけど、その若い世代の方が、将来認知症になる可能性をなるべく少なくするために、心掛けられることは何ですか?
和田:どうなんですかね? たぶん、“なるべく頭を使い続ける”ということは大事だと思うんですけど…。ただ一方で、残念ながら脳の老化現象だから、避けることが出来ないこともあります。
例えば、日本人はがん検診とかを受けて、がんの早期発見をしようと考えるわけだけども、そうやって一生懸命予防をするわりには、「自分ががんになった時にどこの医者に行こう」と決めている人はほとんどいないんです。
茂木:確かにそうですね。
和田:認知症も同じで、「もし認知症になったら、介護保険はどうやって使うのか」とか、或いは「どういうホームに入ったらいいか、有料老人ホームの見学に行く」とか、これは自分の親にも役に立つことですから、余り“(認知症に)ならない”ということを前提に考え過ぎないように、“なった時にどうするか”ということを考えることも大事なことだと思います。
茂木:そういう色んなことを考えるきっかけとしても、1月4日に発売されます、和田秀樹先生の新刊『ぼけの壁』を、是非皆さん、お読みください。
──和田秀樹さんの夢・挑戦
茂木:和田秀樹さんが、今後挑戦したいこと、今後の夢、何でしょうか?
和田:どうですかね? 分からないですよね。だから、すごく地味に「人に喜ばれるようなことをしよう」という気になるかもしれないし…。その時に、誘いが掛かったら、割りと僕は乗るタイプなんです。だから、これからも運任せで生きて行きたいなと思っています(笑)。
■プレゼントのお知らせ
番組でご紹介しました、幻冬舎より発売中の
2022年の年間ベストセラー第1位となりました、
『80歳の壁』に、著者・和田秀樹さんの直筆サインを入れて
3名の方にプレゼントいたします。
ご希望の方は、お名前やご住所、電話番号など、必要事項を明記の上、
メッセージフォームより、ご応募ください。
私、茂木に聞きたい事や相談したい事など、
メッセージを添えていただけると嬉しいです。
尚、当選者の発表は、商品の発送をもってかえさせていただきます。
たくさんのご応募、お待ちしております。
●80歳の壁 (幻冬舎新書) / 和田秀樹
(Amazon)
↑2022年年間ベストセラー第1位!
●和田秀樹 公式ホームページ
●和田秀樹 (@wadahideki_ch) Twitter
●和田秀樹チャンネル(@wadahideki_ch) YouTube
●幻冬舎新書 (@gentoshas)Twitter
●株式会社幻冬舎 公式ホームページ
●ぼけの壁 (幻冬舎新書) / 和田秀樹
(Amazon)
↑和田さんの新刊は、2023年1月4日発売です!
1985年、東京大学医学部をご卒業後、東京大学医学部付属病院精神神経科助手、
アメリカのカール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、
現在は、ルネクリニック東京院の院長を務めていらっしゃいます。
また、高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたり、
高齢者医療の現場に携わっていらっしゃいます。
──認知症でもできることに目を向ける
茂木:和田先生は、精神科医として活躍されている一方、受験のアドバイザーとして仲間と一緒に塾を作ったりとか、受験生向けの本も書かれていたりするんですよね。一部では“受験の神様”と言われているということなんですけども、和田先生の書いた本で合格したという学生さん、僕の周りでも随分いるんですよ。改めて、和田先生が指導されていた受験の方法では、何が一番のポイントだったんですか?
和田:これが今の私の考え方に通じていて、「人間は専門分化型医療よりも、トータルで考えた総合診療の方が大事」と考えています。
“和田式受験勉強”の一番の肝というのは、「どこの学校でも、合格者の最低点を取れば受かる」。その時に、例えば、国語ができないんだったら数学で滅茶苦茶点を取ればいい、と。逆に、数学ができないんだったら、国語で滅茶苦茶点を取ればいいわけだから。
所謂、子供達の勉強のやる気を失くさせる一番大きなポイントは、たぶん、「苦手科目を何とかしろ」と言われて、イヤイヤ苦手科目をやらされることだと、僕は思っているんですね。
だから、「得意科目を思い切り伸ばして、苦手科目の負担を減らして、合計点で受かろうよ」という考え方です。
茂木:これは、人生そうなんですかね。皆、人生で得意なこと、不得意なことがあると思うんですけど、得意なことだけ頑張ってやってもいいんですかね。
和田:私は、そうだと思っているんですよね。例えば、認知症になった患者さんのお子さんとかが、「うちの親は5分前のことも忘れるんですよ」とか、「〇〇ができなくなったんですよ」と、できなくなったことばかり言うんです。「でも、まだこんなにお話しできてますよ」とか、「ちゃんと買い物に行って、道に迷ってないじゃないですか」とか、「まだできることに目を向けてくださいね」と、僕は言うんですよ。
だから、できないことを見てても落ち込むばかりだし、やっぱり「できることがまだあるんだよ」と。つまり、すごい誤解だと思うんだけど、認知症になったら何もできなくなると思っている人が多いですよね。でも、いざ自分の親とかが認知症になられたら分かると思うんだけど、できることもちゃんと残っているわけですよ。その色んなことができるうちに、なるべく色んなことをやってもらった方がいい、と、私は信じています。
茂木:だから、できないことも1つの個性みたいなもので、それをうまく活かして生きて行けばいいということなんですかね。
和田:それはあると思います。認知症はよく、都合のいい病気だと言われるんだけど、嫌なことを忘れることができるんですよ。だから、施設とかを見学されると分かると思うんだけど、認知症になって特に重くなってからは、皆にこにこしてるんですよ。それは、「できなくなった」と見るのか、「忘れる能力がついた」と見るのかは、これはまた哲学の問題だと思いますけどね。
茂木:この番組は若い世代の方も聴いているんですけど、その若い世代の方が、将来認知症になる可能性をなるべく少なくするために、心掛けられることは何ですか?
和田:どうなんですかね? たぶん、“なるべく頭を使い続ける”ということは大事だと思うんですけど…。ただ一方で、残念ながら脳の老化現象だから、避けることが出来ないこともあります。
例えば、日本人はがん検診とかを受けて、がんの早期発見をしようと考えるわけだけども、そうやって一生懸命予防をするわりには、「自分ががんになった時にどこの医者に行こう」と決めている人はほとんどいないんです。
茂木:確かにそうですね。
和田:認知症も同じで、「もし認知症になったら、介護保険はどうやって使うのか」とか、或いは「どういうホームに入ったらいいか、有料老人ホームの見学に行く」とか、これは自分の親にも役に立つことですから、余り“(認知症に)ならない”ということを前提に考え過ぎないように、“なった時にどうするか”ということを考えることも大事なことだと思います。
茂木:そういう色んなことを考えるきっかけとしても、1月4日に発売されます、和田秀樹先生の新刊『ぼけの壁』を、是非皆さん、お読みください。
──和田秀樹さんの夢・挑戦
茂木:和田秀樹さんが、今後挑戦したいこと、今後の夢、何でしょうか?
和田:どうですかね? 分からないですよね。だから、すごく地味に「人に喜ばれるようなことをしよう」という気になるかもしれないし…。その時に、誘いが掛かったら、割りと僕は乗るタイプなんです。だから、これからも運任せで生きて行きたいなと思っています(笑)。
■プレゼントのお知らせ
番組でご紹介しました、幻冬舎より発売中の
2022年の年間ベストセラー第1位となりました、
『80歳の壁』に、著者・和田秀樹さんの直筆サインを入れて
3名の方にプレゼントいたします。
ご希望の方は、お名前やご住所、電話番号など、必要事項を明記の上、
メッセージフォームより、ご応募ください。
私、茂木に聞きたい事や相談したい事など、
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尚、当選者の発表は、商品の発送をもってかえさせていただきます。
たくさんのご応募、お待ちしております。
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↑2022年年間ベストセラー第1位!
●和田秀樹 公式ホームページ
●和田秀樹 (@wadahideki_ch) Twitter
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↑和田さんの新刊は、2023年1月4日発売です!