2022年11月12日
ケンモチ ヒデフミさんは、1981年、埼玉のお生まれで、
音楽ユニット水曜日のカンパネラの音楽を担当されていらっしゃいます。
学生時代に、音響専門学校に通いながらも違和感を覚え、トラックメイカーに転向。
クラブジャズ系のシーンで活動し、Nujabes主催のHydeout Productionsより
アルバムをリリースされました。
2012年より、ポップユニット「水曜日のカンパネラ」を始動。
それまでのクールなイメージとは一線を画した路線で、
作詞作曲を含めサンドプロデュース兼メンバーとして所属。
2021年、水曜日のカンパネラの2代目主演/歌唱担当として、
詩羽さんをメンバーに加え、新体制での活動がスタート。
先月、10月19日に、両A面シングル『ティンカーベル / 鍋奉行』を
配信リリースされました。
──J-POPに世界のベースミュージックを含ませて
茂木:水曜日のカンパネラの音楽世界は、所謂“J-POP”と言われているものとはかなり違う感じもするんですけど。自分達の位置づけはどのようになっていますか。
ケンモチ:自分達がいる場所は、J-POPフィールドだとは思っているんですが、毎回自分の中では、そこに何か1つ違う要素を持ち込むようにしています。“ベースミュージック”と言って、色んな世界の民族音楽とか、クラブとかで聴かれている、音楽の何か1つの要素を、無理やり水曜日のカンパネラに含ませて、それで騙したままお茶の間に届ける、というのをいつも僕はやっています。
茂木:ということは、やっぱりベースはワールドミュージックと言うか、色んな音楽を参照していて。インタビューなどでも、世界の音楽トレンドを色々見てらっしゃいますもんね。
ケンモチ:それを気付かれないように混ぜることが…。
茂木:ああ、ブレンドして、気付かれないようにポップにしてるということですか(笑)?
ケンモチ:そうですね。気付かれないように毒を食らわせたら、こっちの勝ちだ、みたいなところはあるかもしれないですね。
茂木:コムアイさんや詩羽さんの、ボーカリストとしての起用をどう思われますか? ある意味では、お茶の間層を突き詰めるとは少し違う価値観じゃないですか。やっぱりそこに、日本の可能性があるんでしょうか。
ケンモチ:それこそ、さっき言っていた“ブレンド”みたいなことかな、と思っています。色んな日本の良さと、他の国の良さをちょっとずつ配合していって、一番“水曜日のカンパネラらしいもの”、“詩羽らしいもの”“コムアイらしいもの”を作れたらいいのかな、と思っているんですよね。
0・1(ゼロかイチか)で、僕が全く新しいものを作ることは、ない、かどうかは分からないですけど、たぶん、僕が作る前に世の中のどこかに存在していて。それよりも、僕は“ブレンドする”というセンスで、この世の中を勝って行こうかな、ということを思っていますね。
茂木:オリジナリティとは何なんですかね?
ケンモチ:確かに難しいですね。全く情報を取らないで全部自分で音楽を作りました、という人はいないわけじゃないですか。たぶん、自分で考えたと思っているメロディであっても、どこかで聴いたりとか、街中で流れて来たりしたものが、頭の中で再構築されて、「あ、今いいメロディが浮かんだ!」と出て来ているだけだ、と聞いたことがあるので。そうであれば、「とてもいいメロディが浮かんでいるけど、どこかで出来てるものだろうな」と知った上で、更に上手く自分でブレンドして、考えたことがないメロディや誰もやってないものを探して作った方が、より0・1(ゼロイチ)っぽく、新しいものになるんじゃないかなと思っています。
茂木:“今っぽさ”はずっと進化していくんですかね。
今回、アニメ『魔入りました! 入間くん』のエンディングテーマが『鍋奉行』という…。これは原作があるんですけど、この楽曲世界は何なんでしょうか。
ケンモチ:ここでやろうとしていたのは、“ハイパーポップ”という音楽のジャンルがありまして。このハイパーポップは、昔のグランジロックと、最近の若者達がやっている“トラップのヒップホップ”みたいなものを合体させて、更に、遊び心溢れるハチャメチャなエディットとかエフェクトをかまして、一瞬で終わっちゃう曲、みたいなもので(笑)。若い子達がすごく楽しんで作っているんですよね。それをやりたいなと思って。
茂木:やっぱり、音楽作りの最先端は、そういうところに行ってしまっているんですね。
ケンモチ:でも、最先端を求めることが正しいわけでもないので、「円熟していくアーティストを見たい」という方もいらっしゃるじゃないですか。だから、そこは色んな魅力を引き出せればいいんじゃないかな、と思いますけどね。
──ケンモチ ヒデフミさんの夢・挑戦
茂木:既に色んなことを成し遂げていらっしゃいますが、“水曜日のカンパネラ”としての、これからのチャレンジとは何でしょうか。
ケンモチ:今までJ-POPとして世に出てなかった要素を持って、お茶の間でポップな人気を博したいな、というところが一つですかね。
茂木:今回『エジソン』でやりましたからね。
ケンモチ:そうですね。あと、世界に羽ばたいてみたい、というところは大いにありますね。
茂木:お! 音楽的には、もう完全にワールドミュージックの中に入っていますもんね。
そして、“ケンモチ ヒデフミさん”としては、どういう挑戦がしたいですか?
ケンモチ:もう、本当に現金な話になりますけど…不労所得だけで生活できるようになりたいです(笑)。
茂木:(笑)。
ケンモチ:毎回、頑張って曲を書かないとちゃんと生活費を賄えないので。
茂木:当分、10年ぐらい曲を作らなくてもいい、みたいな。
ケンモチ:そうなんですよ。昔、“ヒット曲を出したら印税生活できる”と噂に聞いていたんですけど、全然そんなことないから、厳しい世の中ではあります。
茂木:世界で、水曜日のカンパネラとケンモチさんの曲が聴かれるようになって、より色んな人と出会ったら、きっとそうなるんでしょうね。
ケンモチ:勝手にそういうふうになっていたらいいな、と。それを目指して突き進むわけではないんですけど…。
茂木:自分の音楽を作っていたら、いつの間にかそうなってた、という。
ケンモチ:そうです。色んな人に聴いてもらう過程で、「いつの間にか、ちゃんと生活できるようになったなぁ」みたいなところまで行ければハッピーですね。
茂木:12月にライブがあるんですよね。「水曜日のカンパネラRELEASE PARTY〜LET’S PARTY3〜 supported by JBL」、皆さんもお待ちかねだと思うんですけど、このスケジュールはどうなっているんでしょうか。
ケンモチ:はい。12月の7日から、渋谷・広島・名古屋・梅田のCLUB QUATTRO、4か所を周らせて頂きます。
茂木:ぜひ皆さんもお出かけ下さい。
●ケンモチヒデフミ@水曜日 (@h_kenmochi) Twitter
●水曜日のカンパネラ OFFICIAL SITE
↑「水曜日のカンパネラRELEASE PARTY〜LET’S PARTY3〜 supported by JBL」
公演情報は、こちらからチェックしてください!
●水曜日のカンパネラ/wednesday(@wed_camp) Twitter
●WEDNESDAY CAMPANELLA - 水曜日のカンパネラ - YouTube
音楽ユニット水曜日のカンパネラの音楽を担当されていらっしゃいます。
学生時代に、音響専門学校に通いながらも違和感を覚え、トラックメイカーに転向。
クラブジャズ系のシーンで活動し、Nujabes主催のHydeout Productionsより
アルバムをリリースされました。
2012年より、ポップユニット「水曜日のカンパネラ」を始動。
それまでのクールなイメージとは一線を画した路線で、
作詞作曲を含めサンドプロデュース兼メンバーとして所属。
2021年、水曜日のカンパネラの2代目主演/歌唱担当として、
詩羽さんをメンバーに加え、新体制での活動がスタート。
先月、10月19日に、両A面シングル『ティンカーベル / 鍋奉行』を
配信リリースされました。
──J-POPに世界のベースミュージックを含ませて
茂木:水曜日のカンパネラの音楽世界は、所謂“J-POP”と言われているものとはかなり違う感じもするんですけど。自分達の位置づけはどのようになっていますか。
ケンモチ:自分達がいる場所は、J-POPフィールドだとは思っているんですが、毎回自分の中では、そこに何か1つ違う要素を持ち込むようにしています。“ベースミュージック”と言って、色んな世界の民族音楽とか、クラブとかで聴かれている、音楽の何か1つの要素を、無理やり水曜日のカンパネラに含ませて、それで騙したままお茶の間に届ける、というのをいつも僕はやっています。
茂木:ということは、やっぱりベースはワールドミュージックと言うか、色んな音楽を参照していて。インタビューなどでも、世界の音楽トレンドを色々見てらっしゃいますもんね。
ケンモチ:それを気付かれないように混ぜることが…。
茂木:ああ、ブレンドして、気付かれないようにポップにしてるということですか(笑)?
ケンモチ:そうですね。気付かれないように毒を食らわせたら、こっちの勝ちだ、みたいなところはあるかもしれないですね。
茂木:コムアイさんや詩羽さんの、ボーカリストとしての起用をどう思われますか? ある意味では、お茶の間層を突き詰めるとは少し違う価値観じゃないですか。やっぱりそこに、日本の可能性があるんでしょうか。
ケンモチ:それこそ、さっき言っていた“ブレンド”みたいなことかな、と思っています。色んな日本の良さと、他の国の良さをちょっとずつ配合していって、一番“水曜日のカンパネラらしいもの”、“詩羽らしいもの”“コムアイらしいもの”を作れたらいいのかな、と思っているんですよね。
0・1(ゼロかイチか)で、僕が全く新しいものを作ることは、ない、かどうかは分からないですけど、たぶん、僕が作る前に世の中のどこかに存在していて。それよりも、僕は“ブレンドする”というセンスで、この世の中を勝って行こうかな、ということを思っていますね。
茂木:オリジナリティとは何なんですかね?
ケンモチ:確かに難しいですね。全く情報を取らないで全部自分で音楽を作りました、という人はいないわけじゃないですか。たぶん、自分で考えたと思っているメロディであっても、どこかで聴いたりとか、街中で流れて来たりしたものが、頭の中で再構築されて、「あ、今いいメロディが浮かんだ!」と出て来ているだけだ、と聞いたことがあるので。そうであれば、「とてもいいメロディが浮かんでいるけど、どこかで出来てるものだろうな」と知った上で、更に上手く自分でブレンドして、考えたことがないメロディや誰もやってないものを探して作った方が、より0・1(ゼロイチ)っぽく、新しいものになるんじゃないかなと思っています。
茂木:“今っぽさ”はずっと進化していくんですかね。
今回、アニメ『魔入りました! 入間くん』のエンディングテーマが『鍋奉行』という…。これは原作があるんですけど、この楽曲世界は何なんでしょうか。
ケンモチ:ここでやろうとしていたのは、“ハイパーポップ”という音楽のジャンルがありまして。このハイパーポップは、昔のグランジロックと、最近の若者達がやっている“トラップのヒップホップ”みたいなものを合体させて、更に、遊び心溢れるハチャメチャなエディットとかエフェクトをかまして、一瞬で終わっちゃう曲、みたいなもので(笑)。若い子達がすごく楽しんで作っているんですよね。それをやりたいなと思って。
茂木:やっぱり、音楽作りの最先端は、そういうところに行ってしまっているんですね。
ケンモチ:でも、最先端を求めることが正しいわけでもないので、「円熟していくアーティストを見たい」という方もいらっしゃるじゃないですか。だから、そこは色んな魅力を引き出せればいいんじゃないかな、と思いますけどね。
──ケンモチ ヒデフミさんの夢・挑戦
茂木:既に色んなことを成し遂げていらっしゃいますが、“水曜日のカンパネラ”としての、これからのチャレンジとは何でしょうか。
ケンモチ:今までJ-POPとして世に出てなかった要素を持って、お茶の間でポップな人気を博したいな、というところが一つですかね。
茂木:今回『エジソン』でやりましたからね。
ケンモチ:そうですね。あと、世界に羽ばたいてみたい、というところは大いにありますね。
茂木:お! 音楽的には、もう完全にワールドミュージックの中に入っていますもんね。
そして、“ケンモチ ヒデフミさん”としては、どういう挑戦がしたいですか?
ケンモチ:もう、本当に現金な話になりますけど…不労所得だけで生活できるようになりたいです(笑)。
茂木:(笑)。
ケンモチ:毎回、頑張って曲を書かないとちゃんと生活費を賄えないので。
茂木:当分、10年ぐらい曲を作らなくてもいい、みたいな。
ケンモチ:そうなんですよ。昔、“ヒット曲を出したら印税生活できる”と噂に聞いていたんですけど、全然そんなことないから、厳しい世の中ではあります。
茂木:世界で、水曜日のカンパネラとケンモチさんの曲が聴かれるようになって、より色んな人と出会ったら、きっとそうなるんでしょうね。
ケンモチ:勝手にそういうふうになっていたらいいな、と。それを目指して突き進むわけではないんですけど…。
茂木:自分の音楽を作っていたら、いつの間にかそうなってた、という。
ケンモチ:そうです。色んな人に聴いてもらう過程で、「いつの間にか、ちゃんと生活できるようになったなぁ」みたいなところまで行ければハッピーですね。
茂木:12月にライブがあるんですよね。「水曜日のカンパネラRELEASE PARTY〜LET’S PARTY3〜 supported by JBL」、皆さんもお待ちかねだと思うんですけど、このスケジュールはどうなっているんでしょうか。
ケンモチ:はい。12月の7日から、渋谷・広島・名古屋・梅田のCLUB QUATTRO、4か所を周らせて頂きます。
茂木:ぜひ皆さんもお出かけ下さい。
●ケンモチヒデフミ@水曜日 (@h_kenmochi) Twitter
●水曜日のカンパネラ OFFICIAL SITE
↑「水曜日のカンパネラRELEASE PARTY〜LET’S PARTY3〜 supported by JBL」
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●水曜日のカンパネラ/wednesday(@wed_camp) Twitter
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