2022年10月29日
浅野忠信さんは、1973年、神奈川県のお生まれ。
1990年に松岡錠司監督の「バタアシ金魚」でスクリーンデビュー。
以降、映画を中心に、ご活躍されていらっしゃいます。
俳優の傍ら、1999年には初の絵画個展の開催や、画集『error』を上梓されるなど、
芸術の分野でも才能を発揮されていらっしゃいます。
その浅野さんが、11月1日に、若芽舎より、
言葉でのコミュニケーションをゼロにした絵本『845』を発売されます。
──時限爆弾のような絵本
茂木:なんと、スタジオに、写真家、映画監督、そして若芽舎の代表でいらっしゃいます、若木信吾さんが来てくださいました!
若木さん、若芽舎という会社は、どういう会社なんですか?
若木:元々、ヤングトゥリープレスという出版社をやっていたんですけれども、8年前ぐらいに僕に子供ができまして、自分で絵本の読み聞かせをしていたら、自分でも作ろうかなと思ってしまったので、作り始めたんです。その時に、若芽舎というタイトルで作ったんですけど、その頃は2歳向けの本を10冊ぐらい出していました。
そこからちょっとだけ上の、幼稚園の上の子や小学校低学年ぐらい向けにスライドさせようと思った時に、僕もずっと浅野さんを知っていて、Instagramの絵を見てすごく好きだったので…(笑)。ずっと頼みたいと思っていたんですよ。でも忙しいから、これだけ大御所になってしまっていると、頼めるのかな、と思ったんですけども、ちょっと頑張って話してみたら、あっさりやってくれるということで(笑)。
茂木:若木さんから見て、浅野忠信さんの絵というのは、どういうところが魅力ですか?
若木:この、描かれていない“空間”というのが、僕にとってはものすごく強くて。その自由度と言うか、記憶の奥の方に入り込んでくる感じなんですよね。Instagramを見ていてもそうなんですけど、空間的にすごく奥行きがある絵なんですよ。
僕は子供の頃に、空間恐怖症のようなものがあって、すごく広い所に自分がちっちゃくいる、みたいな感覚になることがよくあったんですよ。今思えば、それがすごく懐かしい感じなんです。
茂木:この若芽舎から発売される、文字なし、色なしの筆線画絵本『845』ですが、どういう方に届いてほしいですか?
若木:子供さん…小さい子でも大きい子でもそうなんですけど、絵のビジュアルインパクトと言うか、何も説明がないそのもの自体が記憶の奥に入って、いつか大人になった時に、「あ、あれはこういう意味だったのか!」と気付いてほしいんです。その為の、時限爆弾のような…(笑)。
茂木:非常に仲のいいお二人なんですけど、喧嘩とかをしたことはないんですか?
浅野:ないですね(笑)。
茂木:芸術性の違いで対立した、とか。
若木:実はこの本をお願いしたのはちょっと前で、1年ぐらい前なんですよ。浅野さんはすぐ描いてくれて送ってくれたんですが、でも僕が出版するまでに、ほぼ1年弱ぐらい、ずっと置いておいて…。
茂木:その間は何が?
若木:色々考えたりとか、出すタイミングを計ったりとか。改めて出そうと思った時に、もう1回だけ聞いたんですよ。「色、どうですか?」って(笑)。一応「これ、色なしでいいですか?」と言ったら、「なしです!」と答えて(笑)。
茂木:浅野さんは、意外と頑固な所は頑固なんですか?
浅野:めちゃくちゃ頑固ですね! (相手が)若木さんだからだと思います。他の人だと、「色を付けてください」と言われたら、「わかりました」で付けるんですけど、「若木さんだったら絶対に分かってくれる」と思って。だから、好きな人には頑固になるということですね(笑)。面倒でしょうけど(笑)。
茂木:今回、そういう意味では、浅野さんのやり方を貫いた本ができたということで。
若木:そのお陰で、最後に見えてきたものが、記憶の奥に入っていく時限爆弾になり得るんだな、というのは、後々気が付いたので。その頑固さから届いた感じがします。だから、そのやり取りの1年間は良かったと思っています(笑)。
浅野:ありがとうございます(笑)。
茂木:写真家、映画監督の若木信吾さんにも加わって頂きました。若木さん、ありがとうございました!
若木:ありがとうございました。
──浅野忠信さんの夢と挑戦
茂木:浅野忠信さんのこれからの“夢と挑戦”と言えば、なんでしょうか。
浅野:コロナ禍で考えた時に、「これ以上夢を持つことはもういらないんじゃないか」と思ってしまったんですよね。すごくネガティブに聞こえると思うんですけど、そういうことではなくて。僕は、若い頃からそうでしたけど、あまり自分が主体となって何かを動かすタイプではなかったんです。自分にやってくる波に乗ってきただけでしかないので。
やっぱり具体的な夢を持つと、のめり込んだ時に疲れちゃうんですよね(笑)。でもそうじゃなくて、やって来ることにただひたすら乗っかっていくとなれば、僕はその方が慣れているので、より面白いことが起きそうだな、と思っています。
茂木:それはそれで、すごいことですね。
浅野:若い時は夢があった方がやりやすかったんですけど、「子供も成人したから、もう自由にやっていいのかな」となった時に、余計な夢とかで制限するよりは…(笑)。
茂木:(笑)。余計な夢がない方が、自由になれる?
浅野:そうですね。それを楽しみにしたいなと思っています。
茂木:今回の絵本『845』の、余計な字がない方が、想像が自由になることと同じようなことですか。
浅野:はい。犠牲を伴わないような気がするんです。
茂木:今まで聞いた夢の話の中で、一番オリジナリティの高い夢でした。“余計な夢がない方が自由になれる”!
浅野:本当ですか? ありがとうございます(笑)
茂木:浅野さんのご本、11月1日に若芽舎から、字がない、色がないという線画絵本『845』を発売されるんですけれども。現在、若芽舎のホームページで予約受付中です。達人・浅野忠信の自然体の全てがこもっている、素晴らしい本なので、気になった方は是非チェックしてみてください。
●浅野忠信 公式サイト
●浅野忠信 (@asano_tadanobu) Twitter
●浅野忠信(@tadanobu_asano) Instagram
●若芽舎 公式ホームページ
↑浅野忠信さんによる絵本「845」は、
こちらのサイトからご予約・ご購入が出来ます!
●若芽舎(@wakamesha)Twitter
●若木信吾(@kinyawakagi)Twitter
●若木信吾(@shingowakagi) Instagram
1990年に松岡錠司監督の「バタアシ金魚」でスクリーンデビュー。
以降、映画を中心に、ご活躍されていらっしゃいます。
俳優の傍ら、1999年には初の絵画個展の開催や、画集『error』を上梓されるなど、
芸術の分野でも才能を発揮されていらっしゃいます。
その浅野さんが、11月1日に、若芽舎より、
言葉でのコミュニケーションをゼロにした絵本『845』を発売されます。
──時限爆弾のような絵本
茂木:なんと、スタジオに、写真家、映画監督、そして若芽舎の代表でいらっしゃいます、若木信吾さんが来てくださいました!
若木さん、若芽舎という会社は、どういう会社なんですか?
若木:元々、ヤングトゥリープレスという出版社をやっていたんですけれども、8年前ぐらいに僕に子供ができまして、自分で絵本の読み聞かせをしていたら、自分でも作ろうかなと思ってしまったので、作り始めたんです。その時に、若芽舎というタイトルで作ったんですけど、その頃は2歳向けの本を10冊ぐらい出していました。
そこからちょっとだけ上の、幼稚園の上の子や小学校低学年ぐらい向けにスライドさせようと思った時に、僕もずっと浅野さんを知っていて、Instagramの絵を見てすごく好きだったので…(笑)。ずっと頼みたいと思っていたんですよ。でも忙しいから、これだけ大御所になってしまっていると、頼めるのかな、と思ったんですけども、ちょっと頑張って話してみたら、あっさりやってくれるということで(笑)。
茂木:若木さんから見て、浅野忠信さんの絵というのは、どういうところが魅力ですか?
若木:この、描かれていない“空間”というのが、僕にとってはものすごく強くて。その自由度と言うか、記憶の奥の方に入り込んでくる感じなんですよね。Instagramを見ていてもそうなんですけど、空間的にすごく奥行きがある絵なんですよ。
僕は子供の頃に、空間恐怖症のようなものがあって、すごく広い所に自分がちっちゃくいる、みたいな感覚になることがよくあったんですよ。今思えば、それがすごく懐かしい感じなんです。
茂木:この若芽舎から発売される、文字なし、色なしの筆線画絵本『845』ですが、どういう方に届いてほしいですか?
若木:子供さん…小さい子でも大きい子でもそうなんですけど、絵のビジュアルインパクトと言うか、何も説明がないそのもの自体が記憶の奥に入って、いつか大人になった時に、「あ、あれはこういう意味だったのか!」と気付いてほしいんです。その為の、時限爆弾のような…(笑)。
茂木:非常に仲のいいお二人なんですけど、喧嘩とかをしたことはないんですか?
浅野:ないですね(笑)。
茂木:芸術性の違いで対立した、とか。
若木:実はこの本をお願いしたのはちょっと前で、1年ぐらい前なんですよ。浅野さんはすぐ描いてくれて送ってくれたんですが、でも僕が出版するまでに、ほぼ1年弱ぐらい、ずっと置いておいて…。
茂木:その間は何が?
若木:色々考えたりとか、出すタイミングを計ったりとか。改めて出そうと思った時に、もう1回だけ聞いたんですよ。「色、どうですか?」って(笑)。一応「これ、色なしでいいですか?」と言ったら、「なしです!」と答えて(笑)。
茂木:浅野さんは、意外と頑固な所は頑固なんですか?
浅野:めちゃくちゃ頑固ですね! (相手が)若木さんだからだと思います。他の人だと、「色を付けてください」と言われたら、「わかりました」で付けるんですけど、「若木さんだったら絶対に分かってくれる」と思って。だから、好きな人には頑固になるということですね(笑)。面倒でしょうけど(笑)。
茂木:今回、そういう意味では、浅野さんのやり方を貫いた本ができたということで。
若木:そのお陰で、最後に見えてきたものが、記憶の奥に入っていく時限爆弾になり得るんだな、というのは、後々気が付いたので。その頑固さから届いた感じがします。だから、そのやり取りの1年間は良かったと思っています(笑)。
浅野:ありがとうございます(笑)。
茂木:写真家、映画監督の若木信吾さんにも加わって頂きました。若木さん、ありがとうございました!
若木:ありがとうございました。
──浅野忠信さんの夢と挑戦
茂木:浅野忠信さんのこれからの“夢と挑戦”と言えば、なんでしょうか。
浅野:コロナ禍で考えた時に、「これ以上夢を持つことはもういらないんじゃないか」と思ってしまったんですよね。すごくネガティブに聞こえると思うんですけど、そういうことではなくて。僕は、若い頃からそうでしたけど、あまり自分が主体となって何かを動かすタイプではなかったんです。自分にやってくる波に乗ってきただけでしかないので。
やっぱり具体的な夢を持つと、のめり込んだ時に疲れちゃうんですよね(笑)。でもそうじゃなくて、やって来ることにただひたすら乗っかっていくとなれば、僕はその方が慣れているので、より面白いことが起きそうだな、と思っています。
茂木:それはそれで、すごいことですね。
浅野:若い時は夢があった方がやりやすかったんですけど、「子供も成人したから、もう自由にやっていいのかな」となった時に、余計な夢とかで制限するよりは…(笑)。
茂木:(笑)。余計な夢がない方が、自由になれる?
浅野:そうですね。それを楽しみにしたいなと思っています。
茂木:今回の絵本『845』の、余計な字がない方が、想像が自由になることと同じようなことですか。
浅野:はい。犠牲を伴わないような気がするんです。
茂木:今まで聞いた夢の話の中で、一番オリジナリティの高い夢でした。“余計な夢がない方が自由になれる”!
浅野:本当ですか? ありがとうございます(笑)
茂木:浅野さんのご本、11月1日に若芽舎から、字がない、色がないという線画絵本『845』を発売されるんですけれども。現在、若芽舎のホームページで予約受付中です。達人・浅野忠信の自然体の全てがこもっている、素晴らしい本なので、気になった方は是非チェックしてみてください。
●浅野忠信 公式サイト
●浅野忠信 (@asano_tadanobu) Twitter
●浅野忠信(@tadanobu_asano) Instagram
●若芽舎 公式ホームページ
↑浅野忠信さんによる絵本「845」は、
こちらのサイトからご予約・ご購入が出来ます!
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