2022年10月22日
浅野忠信さんは、1973年、神奈川県のお生まれ。
1990年に松岡錠司監督の「バタアシ金魚」でスクリーンデビュー。
以降、映画を中心に、ご活躍されていらっしゃいます。
俳優の傍ら、1999年には初の絵画個展の開催や、画集『error』を上梓されるなど、
芸術の分野でも才能を発揮されていらっしゃいます。
その浅野さんが、11月1日に、若芽舎より、
言葉でのコミュニケーションをゼロにした絵本『845』を発売されます。
──字のない“絵本”
茂木:今回、浅野さんは『845(ハシゴ)』という、文字なし、色なしの線画だけで描かれた絵本を11月1日に出されるということですが…。僕は大好きなんですが、これはどういうことなんですかね?
浅野:実は昔、文字のない、いわゆるストーリーが書かれていない絵本を貰ったことがありまして。その時に、「“絵本”と言うからには“絵の本”だよな」と思ったんです。
その後に何個か作品を作ったことがあったんですが、それは本当に個人的なものだったので、映画の現場にいたスタッフにお見せするぐらいしかなかったんですけど。でもやっぱり、絵本に対する自分の中での一つの憧れとして、“字抜き”というのがあったんです。
茂木:浅野さんのクリエイティブのエネルギーは…Instagramのあの絵の数は半端ないですもんね!
浅野:そうですね、もう毎日描いちゃってるので(笑)。
茂木:僕は、浅野さんの描かれる人物…特に身体の表現がものすごく好きなんですけど、今回の『845』も体の表情が非常に印象的ですね。
浅野:動きがある人の体を描くのが好きなんですよね。この“梯子を登っている人”というのは持ってこいと言うか(笑)。
茂木:(笑)。この主人公なんですが、梯子を登りつつもちょっと迷ったりとか、途中で女性が出て来たりとか…。ちょっと人生を感じさせるようなものがありますが、これはどういうところからこの発想が出てくるんですか?
浅野:本当に何も考えてないんですよね。まず、絵本を書こうと思った時に、「梯子に登ってる人を描きたいな」と思って書き出したんです。でも、ストーリーを全く考えていないので、描いて動きをやっていくうちに、「この人は何をやっている人なんだろう?」と自分でも考えながら描いていました。それで、最後の方に「あ、もしかしたら、こう行ってこう行って、降りて、こうやって誰かが来て、実はこうなのかも…」というような、描きながら内容が思い浮かぶ感じですかね。
茂木:ちょっとネタバレになるので詳細は言えないんですけど、ラストのあの感じとか、描いているうちに…?
浅野:そうですね。他の人だったり何かが出てきたら、意外と見えるのは早かったですね。
茂木:そうなんですか。
浅野:「絵が描きたい」ということが優先されて、それを描いていくうちに、やっぱり俳優をやっているからか分からないですけど、勝手に想像力が膨らんで来るんです。
いつも台本を読んで、物語に書かれてることもそうなんですけど、どうしても役というのは、書かれている以外のことを考えないと表現できないということがあるので、ここの想像力が上手く絵本にも活かされてると思います。
茂木:今回『845』で色んな人物の絵を描かれているんですけど、映画俳優としての経験というものも活かされてるんですかね?
浅野:はい。絵もそうですし、こういう絵本というのはかなり活かされているような気はしますね。
茂木:アクション的な映画も随分出演されていますよね。
浅野:多いですね。現場でスタントの練習とかをするので、色んな人の“格好いい動き”も見られるんですよね。そうすると、やっぱり人の動きが描きたいので(笑)、部屋に帰って描いたりしていますね。
茂木:今回の『845』を出すきっかけは、写真家の若木信吾さんなんですか。
浅野:そうですね。若木さんがチャンスをくれて。僕は日々絵を描いていたので、「じゃあお願いします」ということで出すことになりました。
茂木:若木信吾さんは、浅野忠信さんの絵が大好きみたいですね。
浅野:本当にありがとうございます(笑)。若木さんとの関係性でなければ、こんな風にすんなり作品はできなかったかもしれないですけどね。やっぱりもっとかしこまって「絵本を出してください」となると、字を求められるような気がするので…。若木さんじゃないと絵だけで許してくれないんじゃないかと(笑)。
茂木:浅野さんとしては、今回はあくまでも字がないのがいいな、と?
浅野:やっぱり字がない方がいいですね。
茂木:それはどうしてなんですかね(笑)?
浅野:まず、子供に絵本を買ってきたり色んなところから届いたりして読んだ時に、字を読んで「違うだろ」と思うことが多かったんです。
茂木:それはすごいな! 「これは違うだろう」と。
浅野:どうしても子供に向けて『ワンちゃんがニッコリ笑って…』みたいになると…。子供が見た時に、結構素直に大人と同じものに反応する時があるじゃないですか。そうすると、『ワンちゃんがニッコリ…』という世界じゃないことの方が、反応しているんじゃないかと思ったんです。
ということは、ズタボロの犬が歩いてきて寂し気にいる方が、自然と子供は何かを想像すると思うんです。
茂木:やっぱり文字がないということは、脳の想像力…イマジネーションを一番最大限に掻き立てますもんね。あと、どんな解釈をしてもいいので、自由ですもんね。
浅野:そうですね。
茂木:ご紹介してきました、線画絵本『845』は、11月1日に若芽舎から出版されます。現在若芽舎のホームページで予約受付中ということで、気になった方は是非チェックして頂きたいです。
浅野さん、『845』を読む方に、メッセージをお願いできますか。
浅野:本当に聞いて頂いて分かると思うんですけど、何しろ字がないので、好きに想像して頂いて、読んで欲しいなと思います。
■プレゼントのお知らせ
番組でご紹介してきました、11月1日に若芽舎より発売の、
浅野さんによる、文字なし、色なしの筆線画絵本「845」を、
3名の方にプレゼントいたします。
ご希望の方は、お名前やご住所、電話番号など、必要事項を明記の上、
メッセージフォームより、ご応募ください。
私、茂木に聞きたい事や相談したい事など、
一緒にを添えていただけると嬉しいです。
尚、当選者の発表は、商品の発送をもってかえさせていただきます。
たくさんのご応募、お待ちしております。
※こちらのプレゼントは、本の発売後、
11月1日以降の発送となります。ご了承くださいませ。
●浅野忠信 公式サイト
●浅野忠信 (@asano_tadanobu) Twitter
●浅野忠信(@tadanobu_asano) Instagram
●若芽舎 公式ホームページ
↑浅野忠信さんによる絵本「845」は、
こちらのサイトからご予約・ご購入が出来ます!
●若芽舎(@wakamesha)Twitter
●若木信吾(@kinyawakagi)Twitter
●若木信吾(@shingowakagi) Instagram
1990年に松岡錠司監督の「バタアシ金魚」でスクリーンデビュー。
以降、映画を中心に、ご活躍されていらっしゃいます。
俳優の傍ら、1999年には初の絵画個展の開催や、画集『error』を上梓されるなど、
芸術の分野でも才能を発揮されていらっしゃいます。
その浅野さんが、11月1日に、若芽舎より、
言葉でのコミュニケーションをゼロにした絵本『845』を発売されます。
──字のない“絵本”
茂木:今回、浅野さんは『845(ハシゴ)』という、文字なし、色なしの線画だけで描かれた絵本を11月1日に出されるということですが…。僕は大好きなんですが、これはどういうことなんですかね?
浅野:実は昔、文字のない、いわゆるストーリーが書かれていない絵本を貰ったことがありまして。その時に、「“絵本”と言うからには“絵の本”だよな」と思ったんです。
その後に何個か作品を作ったことがあったんですが、それは本当に個人的なものだったので、映画の現場にいたスタッフにお見せするぐらいしかなかったんですけど。でもやっぱり、絵本に対する自分の中での一つの憧れとして、“字抜き”というのがあったんです。
茂木:浅野さんのクリエイティブのエネルギーは…Instagramのあの絵の数は半端ないですもんね!
浅野:そうですね、もう毎日描いちゃってるので(笑)。
茂木:僕は、浅野さんの描かれる人物…特に身体の表現がものすごく好きなんですけど、今回の『845』も体の表情が非常に印象的ですね。
浅野:動きがある人の体を描くのが好きなんですよね。この“梯子を登っている人”というのは持ってこいと言うか(笑)。
茂木:(笑)。この主人公なんですが、梯子を登りつつもちょっと迷ったりとか、途中で女性が出て来たりとか…。ちょっと人生を感じさせるようなものがありますが、これはどういうところからこの発想が出てくるんですか?
浅野:本当に何も考えてないんですよね。まず、絵本を書こうと思った時に、「梯子に登ってる人を描きたいな」と思って書き出したんです。でも、ストーリーを全く考えていないので、描いて動きをやっていくうちに、「この人は何をやっている人なんだろう?」と自分でも考えながら描いていました。それで、最後の方に「あ、もしかしたら、こう行ってこう行って、降りて、こうやって誰かが来て、実はこうなのかも…」というような、描きながら内容が思い浮かぶ感じですかね。
茂木:ちょっとネタバレになるので詳細は言えないんですけど、ラストのあの感じとか、描いているうちに…?
浅野:そうですね。他の人だったり何かが出てきたら、意外と見えるのは早かったですね。
茂木:そうなんですか。
浅野:「絵が描きたい」ということが優先されて、それを描いていくうちに、やっぱり俳優をやっているからか分からないですけど、勝手に想像力が膨らんで来るんです。
いつも台本を読んで、物語に書かれてることもそうなんですけど、どうしても役というのは、書かれている以外のことを考えないと表現できないということがあるので、ここの想像力が上手く絵本にも活かされてると思います。
茂木:今回『845』で色んな人物の絵を描かれているんですけど、映画俳優としての経験というものも活かされてるんですかね?
浅野:はい。絵もそうですし、こういう絵本というのはかなり活かされているような気はしますね。
茂木:アクション的な映画も随分出演されていますよね。
浅野:多いですね。現場でスタントの練習とかをするので、色んな人の“格好いい動き”も見られるんですよね。そうすると、やっぱり人の動きが描きたいので(笑)、部屋に帰って描いたりしていますね。
茂木:今回の『845』を出すきっかけは、写真家の若木信吾さんなんですか。
浅野:そうですね。若木さんがチャンスをくれて。僕は日々絵を描いていたので、「じゃあお願いします」ということで出すことになりました。
茂木:若木信吾さんは、浅野忠信さんの絵が大好きみたいですね。
浅野:本当にありがとうございます(笑)。若木さんとの関係性でなければ、こんな風にすんなり作品はできなかったかもしれないですけどね。やっぱりもっとかしこまって「絵本を出してください」となると、字を求められるような気がするので…。若木さんじゃないと絵だけで許してくれないんじゃないかと(笑)。
茂木:浅野さんとしては、今回はあくまでも字がないのがいいな、と?
浅野:やっぱり字がない方がいいですね。
茂木:それはどうしてなんですかね(笑)?
浅野:まず、子供に絵本を買ってきたり色んなところから届いたりして読んだ時に、字を読んで「違うだろ」と思うことが多かったんです。
茂木:それはすごいな! 「これは違うだろう」と。
浅野:どうしても子供に向けて『ワンちゃんがニッコリ笑って…』みたいになると…。子供が見た時に、結構素直に大人と同じものに反応する時があるじゃないですか。そうすると、『ワンちゃんがニッコリ…』という世界じゃないことの方が、反応しているんじゃないかと思ったんです。
ということは、ズタボロの犬が歩いてきて寂し気にいる方が、自然と子供は何かを想像すると思うんです。
茂木:やっぱり文字がないということは、脳の想像力…イマジネーションを一番最大限に掻き立てますもんね。あと、どんな解釈をしてもいいので、自由ですもんね。
浅野:そうですね。
茂木:ご紹介してきました、線画絵本『845』は、11月1日に若芽舎から出版されます。現在若芽舎のホームページで予約受付中ということで、気になった方は是非チェックして頂きたいです。
浅野さん、『845』を読む方に、メッセージをお願いできますか。
浅野:本当に聞いて頂いて分かると思うんですけど、何しろ字がないので、好きに想像して頂いて、読んで欲しいなと思います。
■プレゼントのお知らせ
番組でご紹介してきました、11月1日に若芽舎より発売の、
浅野さんによる、文字なし、色なしの筆線画絵本「845」を、
3名の方にプレゼントいたします。
ご希望の方は、お名前やご住所、電話番号など、必要事項を明記の上、
メッセージフォームより、ご応募ください。
私、茂木に聞きたい事や相談したい事など、
一緒にを添えていただけると嬉しいです。
尚、当選者の発表は、商品の発送をもってかえさせていただきます。
たくさんのご応募、お待ちしております。
※こちらのプレゼントは、本の発売後、
11月1日以降の発送となります。ご了承くださいませ。
●浅野忠信 公式サイト
●浅野忠信 (@asano_tadanobu) Twitter
●浅野忠信(@tadanobu_asano) Instagram
●若芽舎 公式ホームページ
↑浅野忠信さんによる絵本「845」は、
こちらのサイトからご予約・ご購入が出来ます!
●若芽舎(@wakamesha)Twitter
●若木信吾(@kinyawakagi)Twitter
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