2022年10月01日
キリーロバ・ナージャさんは、ソ連のレニングラード、
現在の、ロシア、サンクトペテルブルクのお生まれ。
数学者のお父さまと物理学者のお母さまの転勤とともに、
ロシア、日本、イギリス、フランス、アメリカ、カナダと6ヵ国それぞれの現地校で、
さまざまな教育を受けた、幼少時代を過ごされます。
その後、株式会社電通に入社。
さまざまな広告を企画され、世界の広告賞を総ナメにし、
2015年の世界コピーライターランキング1位に。
国内外の広告やデザインアワードの審査員歴を持つ、
電通のクリエイティブディレクターとして、現在もご活躍中でいらっしゃいます。
──日本の教育の魅力とは
茂木:ナージャさんのようにクリエイティブになる為には、色んな国の小学校を経験したり、特別なことがあったりしないと駄目なのかな、と思ってしまうと勿体ないので…。ズバリ、「日本の小学校のこういうところがいい!」、どうでしょうか?
ナージャ:先週、各国の机の話を話しましたが、日本の小学校が、実は一番いいかもしれないと思っているんですよ。
茂木:日本の小学校は1人ずつ座っているけど、例えば、イギリスなんかは6人でチームを組んでいる、とか。
ナージャ:そうです。アメリカはソファがある。フランスは向かい合って議会方式。ロシアは2人掛け…とかあるけど、日本の1人掛けの机は動くじゃないですか。だから何の形にでもなれるんです。
茂木:なるほど!
ナージャ:他の国では、床にくっついていて動かせなかったりもするし、そんなに動く場所もないけれど、(日本の机は)掃除の時間に後ろに引いたり、給食では皆で座ったりとかするじゃないですか。実は“何でも試せる国”が、日本の魅力の一つです。
そこに加えて、日本の小学校はすごく色んなことを教えて、科目も色々あるじゃないですか。例えば、算数や国語もあるけれど、リコーダーを吹くとか、ピアニカとか、鉄棒とか、水泳の授業とか、裁縫もすれば、料理も作るなど、ものすごく色んなことが試せるんですよ。
他の国だとそこまでの幅がなくて、みんな親がお金を払って、塾とか習い事をさせるけれど、日本ではそれを何でも体験できるし、“皆で一緒にやる”ということが、すごく素晴らしいなと思っています。
それで、「自分にどういう才能があるか」とか、「何に向いているか」とかを、見つけようと思えば見つけられるんですけど…。皆、「面倒くさい」とか言って、あんまりその良さを見出していないんです。でも、実は、色んなことをいっぱい試せたりもするし、あとは、運動会や学芸会のクオリティがとても高いな、と思うんです。
茂木:練習しますもんね。
ナージャ:そうなんです。“そこで皆チームになって、何かを一緒に作り上げる”ということを教えてくれるのも、日本の学校が一番素晴らしかったので。その“幅”ということが、私が行った国の中では一番あるんですよね。
茂木:皆さんいかがですか? 今回ナージャさんは、集英社インターナショナルから『6ヵ国転校生 ナージャの発見』という素晴らしい本を出されています。色んな国の小学校を経験していますが、“それぞれいい”んですよね?
ナージャ:はい。それぞれいいところがあります。
茂木:そんなナージャさんが「日本の小学校はこういういいところがあるよ」とおっしゃるのは、勇気になりますね。
ナージャ:はい。私も日本の小学校で色々いっぱい試したからこそ、気付きがたくさんありましたね(笑)。
茂木:日本のクリエイティブ、あるいは教育は、これからグローバル化の中で、すぐに「グローバルスタンダード」なんて言うんですけど、日本はどうしたらいいですか?
ナージャ:どうしたらいいか、私にも答えはないですけど…。グローバルは、もちろん英語とか言語ができるに越したことはないですが、でも、実は日本もすごいグローバルな気がするんです。
と言うのは、色んな方がいて色んな考え方もありますが、「皆同じ方がいい」みたいなことをずっと思っている。でもそうではなくて、“自分の違い”とか、“他の人との考え方の違い”とか、そういうことに目を向ければ、日本の中でもじゅうぶん、小さいグローバルが体験できると思うんです。もっとそこに気付いていった方が、個性が見えてくるような気がするので、もっと自由にできるようになるといいなと思います。
茂木:その一つのきっかけが、今回の『6ヵ国転校生 ナージャの発見』なのかな、と思うんですが。これだけ具体的に各国の小学校の教育を比較して、しかも、「どれもいいんだよ」とちょっと優しい目で見ていて、今までにない教育本ですね。
ナージャ:本当に、どれもいいですよ。どれもいいところもあるし、どれも“絶対的にいい”というのはない。だって、人見知りの子供に向いている教育と、自己主張する子供に向いている教育は違うから。日本の教室にフランスの議会方式を持って来て「今から議論するぞ」と言っても、たぶんいきなりは無理じゃないですか。そうやってキャラクターとかも違うから、それぞれの人が、色んな種類を体験したり知ると、「あ、自分はこれが向いているかも」と、初めて気づくことができると思うんですよ。
だから、“教室が違う”とか、色んな思い出話ですけど、「こういうやり方もあるんだ」ということに気付くと、それを変えれば自分に教育も合ってくるし、選べるようになると思うんですよね。親が子供に「これ向いてるんじゃない?」と思うことと、子供が向いてることは違うかもしれないし、そういうところにもう一回立ち還って、「本当にベストとは何だろう?」と個人それぞれが考えられるようになるといいんじゃないかな、とは思います。
茂木:ある意味では、こういう本を書いたことで、ナージャさんの特別な経験を我々にシェアしてくれている、と言うのかな? あたかも、僕も6か国の転校生を経験したような気持ちにちょっとなれるので、そういう意味では本当に素晴らしい本ですね。
ナージャ:学問的なことはわからないですが、でも、自分から見た体験をお伝えできればと思っています。
■プレゼントのお知らせ
番組でご紹介してきました、集英社インターナショナルより発売中!
ナージャさんのご著書『6カ国転校生 ナージャの発見』に、
ナージャさんの直筆サインを入れて、3名の方にプレゼントいたします。
ご希望の方は、お名前やご住所、電話番号など、必要事項を明記の上、
メッセージフォームより、ご応募ください。
茂木さんに聞きたい事や相談したい事など、
一緒にを添えていただけると嬉しいです。
尚、当選者の発表は、商品の発送をもってかえさせていただきます。
たくさんのご応募、お待ちしております。
●ウェブ電通報 | キリーロバ ナージャさん 公式ページ
●キリーロバ ナージャさん(@naaadyaaa) Twitter
●集英社インターナショナル 公式サイト
●6ヵ国転校生 ナージャの発見 / キリーロバ・ナージャ (著)
(Amazon)
現在の、ロシア、サンクトペテルブルクのお生まれ。
数学者のお父さまと物理学者のお母さまの転勤とともに、
ロシア、日本、イギリス、フランス、アメリカ、カナダと6ヵ国それぞれの現地校で、
さまざまな教育を受けた、幼少時代を過ごされます。
その後、株式会社電通に入社。
さまざまな広告を企画され、世界の広告賞を総ナメにし、
2015年の世界コピーライターランキング1位に。
国内外の広告やデザインアワードの審査員歴を持つ、
電通のクリエイティブディレクターとして、現在もご活躍中でいらっしゃいます。
──日本の教育の魅力とは
茂木:ナージャさんのようにクリエイティブになる為には、色んな国の小学校を経験したり、特別なことがあったりしないと駄目なのかな、と思ってしまうと勿体ないので…。ズバリ、「日本の小学校のこういうところがいい!」、どうでしょうか?
ナージャ:先週、各国の机の話を話しましたが、日本の小学校が、実は一番いいかもしれないと思っているんですよ。
茂木:日本の小学校は1人ずつ座っているけど、例えば、イギリスなんかは6人でチームを組んでいる、とか。
ナージャ:そうです。アメリカはソファがある。フランスは向かい合って議会方式。ロシアは2人掛け…とかあるけど、日本の1人掛けの机は動くじゃないですか。だから何の形にでもなれるんです。
茂木:なるほど!
ナージャ:他の国では、床にくっついていて動かせなかったりもするし、そんなに動く場所もないけれど、(日本の机は)掃除の時間に後ろに引いたり、給食では皆で座ったりとかするじゃないですか。実は“何でも試せる国”が、日本の魅力の一つです。
そこに加えて、日本の小学校はすごく色んなことを教えて、科目も色々あるじゃないですか。例えば、算数や国語もあるけれど、リコーダーを吹くとか、ピアニカとか、鉄棒とか、水泳の授業とか、裁縫もすれば、料理も作るなど、ものすごく色んなことが試せるんですよ。
他の国だとそこまでの幅がなくて、みんな親がお金を払って、塾とか習い事をさせるけれど、日本ではそれを何でも体験できるし、“皆で一緒にやる”ということが、すごく素晴らしいなと思っています。
それで、「自分にどういう才能があるか」とか、「何に向いているか」とかを、見つけようと思えば見つけられるんですけど…。皆、「面倒くさい」とか言って、あんまりその良さを見出していないんです。でも、実は、色んなことをいっぱい試せたりもするし、あとは、運動会や学芸会のクオリティがとても高いな、と思うんです。
茂木:練習しますもんね。
ナージャ:そうなんです。“そこで皆チームになって、何かを一緒に作り上げる”ということを教えてくれるのも、日本の学校が一番素晴らしかったので。その“幅”ということが、私が行った国の中では一番あるんですよね。
茂木:皆さんいかがですか? 今回ナージャさんは、集英社インターナショナルから『6ヵ国転校生 ナージャの発見』という素晴らしい本を出されています。色んな国の小学校を経験していますが、“それぞれいい”んですよね?
ナージャ:はい。それぞれいいところがあります。
茂木:そんなナージャさんが「日本の小学校はこういういいところがあるよ」とおっしゃるのは、勇気になりますね。
ナージャ:はい。私も日本の小学校で色々いっぱい試したからこそ、気付きがたくさんありましたね(笑)。
茂木:日本のクリエイティブ、あるいは教育は、これからグローバル化の中で、すぐに「グローバルスタンダード」なんて言うんですけど、日本はどうしたらいいですか?
ナージャ:どうしたらいいか、私にも答えはないですけど…。グローバルは、もちろん英語とか言語ができるに越したことはないですが、でも、実は日本もすごいグローバルな気がするんです。
と言うのは、色んな方がいて色んな考え方もありますが、「皆同じ方がいい」みたいなことをずっと思っている。でもそうではなくて、“自分の違い”とか、“他の人との考え方の違い”とか、そういうことに目を向ければ、日本の中でもじゅうぶん、小さいグローバルが体験できると思うんです。もっとそこに気付いていった方が、個性が見えてくるような気がするので、もっと自由にできるようになるといいなと思います。
茂木:その一つのきっかけが、今回の『6ヵ国転校生 ナージャの発見』なのかな、と思うんですが。これだけ具体的に各国の小学校の教育を比較して、しかも、「どれもいいんだよ」とちょっと優しい目で見ていて、今までにない教育本ですね。
ナージャ:本当に、どれもいいですよ。どれもいいところもあるし、どれも“絶対的にいい”というのはない。だって、人見知りの子供に向いている教育と、自己主張する子供に向いている教育は違うから。日本の教室にフランスの議会方式を持って来て「今から議論するぞ」と言っても、たぶんいきなりは無理じゃないですか。そうやってキャラクターとかも違うから、それぞれの人が、色んな種類を体験したり知ると、「あ、自分はこれが向いているかも」と、初めて気づくことができると思うんですよ。
だから、“教室が違う”とか、色んな思い出話ですけど、「こういうやり方もあるんだ」ということに気付くと、それを変えれば自分に教育も合ってくるし、選べるようになると思うんですよね。親が子供に「これ向いてるんじゃない?」と思うことと、子供が向いてることは違うかもしれないし、そういうところにもう一回立ち還って、「本当にベストとは何だろう?」と個人それぞれが考えられるようになるといいんじゃないかな、とは思います。
茂木:ある意味では、こういう本を書いたことで、ナージャさんの特別な経験を我々にシェアしてくれている、と言うのかな? あたかも、僕も6か国の転校生を経験したような気持ちにちょっとなれるので、そういう意味では本当に素晴らしい本ですね。
ナージャ:学問的なことはわからないですが、でも、自分から見た体験をお伝えできればと思っています。
■プレゼントのお知らせ
番組でご紹介してきました、集英社インターナショナルより発売中!
ナージャさんのご著書『6カ国転校生 ナージャの発見』に、
ナージャさんの直筆サインを入れて、3名の方にプレゼントいたします。
ご希望の方は、お名前やご住所、電話番号など、必要事項を明記の上、
メッセージフォームより、ご応募ください。
茂木さんに聞きたい事や相談したい事など、
一緒にを添えていただけると嬉しいです。
尚、当選者の発表は、商品の発送をもってかえさせていただきます。
たくさんのご応募、お待ちしております。
●ウェブ電通報 | キリーロバ ナージャさん 公式ページ
●キリーロバ ナージャさん(@naaadyaaa) Twitter
●集英社インターナショナル 公式サイト
●6ヵ国転校生 ナージャの発見 / キリーロバ・ナージャ (著)
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