2022年08月20日
「Dream Heart」は日本、そして世界で、挑戦をテーマにチャレンジしている人々を毎週ゲストに迎え、その挑戦に迫っていきますが、今週はスペシャルバージョン!
みなさんからお送りいただいたメッセージを、番組パーソナリティの茂木健一郎が、脳科学者として答えていきます!
──本を集中して読む方法
茂木:ではまずは、こちらのメッセージから。東京都 ラジオネーム <あさがお>さんです。
初めてメッセージ送らせていただきます。
私は本を読む時に、その時々によって集中できる時と、文章は追っているのに、頭では別のことを考えてしまうことがあって、内容が頭に入ってこない事があります。
内容が難しい時や、自分の身近にない言葉が使われている時に多い気がします。
これは集中力のせいでしょうか、理解力のせいでしょうか、それとも別のことによるものでしょうか。
どうすれば、内容がちゃんと頭に入ってくるように本を読むことができるでしょうか。
お聴きしたいです。
茂木:とてもとても分かります。僕もよく本を読んでいる時に、専門的には「マインドワンダリング」と言うんですけれど、まさに、脳が色々な連想をしたり周りのことが気になったりとかして、他のことを考えるという現象はあるんです。
これは僕もあります。脳の働きとしては自然なことなんですけど、ただ、せっかく読んでいる本なので、集中して読みたいという気持ちももちろんあると思います。
まず、僕がやっているとても凄いソリューションと言うか、やり方は、実はね、“お風呂で本を読む”んですよ…!
ちょうど今、夏の季節、お水のように冷ためのお風呂で、夏目漱石『坊ちゃん』を読んでるんですけど、お風呂だと本以外に見るものがないんですよね。だから、お風呂の中で文庫本を読むというのは意外と集中できるので、“自分の周りに、本以外に気になる・気が散るものがないような環境を作る”というのが一つのやり方です。
あとは、“布団に寝転がって読む”とか。
これは電子書籍なんかでもいいかと思いますが、そういうやり方があるんです。
基本的には、脳は、本を読む時だけではなく、「集中力は引き算だ」ということなんですね。ですから、本に集中しようと思ったら、本以外のことはなるべく引き算して、頭の中に浮かばせないようにするといい。その為の方法論が、僕の場合は“お風呂で読んじゃう”とか“寝転がって読んじゃう”ということなんです。
ただ、あさがおさんの『内容が難しいとか、身近にない言葉が使われている時に、多い気がする』というのは、とても素晴らしい…これを「メタ認知」と言うんですけど、自分自身の脳の癖をそのように捉えていらっしゃるということなので。
ですから、どうでしょう? 例えば一つのやり方としては、“音読をする”とか。あとは“身近に辞書を置いておいて、言葉が分からなかったらすぐに調べる”とか。あるいは、“メモを取りながら本を読む”、“線を引きながら本を読む”など、色々な集中力を高める方法があると思います。
ですので、纏めると、脳の仕組みとしては、色々気が散ることは色んな発想や連想に繋がって行くので、それ自体は必ずしも悪いことではないです。ですが、もし本に集中したいという気持ちがどうしてもあるんだということでしたら、“お風呂で読む”、“ベッドで横になって読む”、場合によっては、“音読したり、線を引いたりして読む”とか、他のことも含めた集中の工夫をされると、内容がサーッと入って来るのではないかな、と思います。
いずれにせよ、今日頂いたメールのように、「自分自身の脳の癖はこうだよ」と気付くことは、脳科学的には「メタ認知」と言ってとてもかけがえのない脳の働きなので、あさがおさん、ぜひこれからも、大いに「メタ認知」なさってください。
──声の周波数と脳の関係
茂木:続きまして、福岡県 ラジオネーム <ライフ丸>さんからのメッセージです。
茂木さんに聞きたいことがあります。それは「声の周波数」についてです。
昔、学者の人が、「人間の声には周波数があって、その周波数の中には、聞いただけで思わず笑ってしまう周波数がある」と発言されました。
茂木さん、声の周波数について何かご存知ですか?
茂木:我々もちろん、声を解析する時には、周波数の分析をして、「こういう周波数がこれだけ成分として入っている」というような分析をします。
そんな中で、例えば高めの周波数というのは、子供にとってはお母さんの声だったり、あるいは低めの周波数だと、男の人の声だったりします。そのようにして、周波数の高さや低さによってある種の印象があったり、メッセージがあったりすることがあるんですけれども。
ただ、“特定の周波数が「聞いただけで笑ってしまう」というようなことはない”んですね。
恐らく、この学者さんが『人間の声には周波数があって』というのは、物理的な意味での周波数ではなくて、そこに乗った気持ちだとか、その人の人柄とか、そういうものを我々は「周波数(波長)が合っている」と言うじゃないですか。そういう意味でおっしゃったんだと思うんです。
それだと、確かにあるんです。元々、昔のお笑い番組というのは、スタジオの笑い声を入れたりとかね。あるいは、テレビの収録なんかでも、いわゆる『スタッフ笑い』と言って、収録をしているスタッフが笑ったりするんですけど、そのように他人が笑っているとその感情が聞いている人にも伝わって、やっぱり何か可笑しくなってしまう。
ですから、“感情というものが、声を通して、聞いている人にも影響を与える”という意味においては、いわゆる「例えとしての周波数」というものがあると思うんですね。そういう意味においては、例えば、悲しい声だと悲しさが伝わって聞く方も悲しくなりますし、楽しい声だとその楽しさが伝わって聞く方も楽しくなるということで…。
このような声の持っている魅力と言うか、声の持っているメッセージ性というのが、私もこのようなラジオ番組をやらせて頂いて、いつも感じるところです。
人間は、楽しそうに話すとか、嬉しそうに話すというのが一番いいと思うんです。そうすると楽しさや嬉しさが伝わってきますので。
私もこのTOKYO FMのスタジオに入る時には、“心の周波数”と言うか“感情の周波数”を整えて、とにかくリスナーの皆さんにいい情報をお伝えしたいなという気持ちでお伝えしております。ですので、“心の周波数”“声の周波数”というのは、一つの心構えとしては大事なのかなと思います。
ちなみに、インドネシアのガムラン音楽のように、聴いているととても気分が高まっていく音楽があります。実は、人間の耳は2万ヘルツ以上の音は聞こえないとされているんですけども、このガムラン音楽などに含まれている2万ヘルツ以上の部分…ここはCDなどではカットされている部分なんですが、これは体に直接作用して、耳を通してではなく体を通して、ガムラン音楽の魅力が伝わるんだということを、“芸能山城組”と言う、インドネシアのケチャダンスなどもやっていらっしゃる大橋力さんという脳科学者の方が解明されていらっしゃいます。
ですから、そういう意味においては、耳に聞こえないような周波数も、実は我々の心や体に影響を与えていて、インドネシアのガムラン音楽はそこを上手く使っている、ということも、分かっています。
ですので、周波数と脳の関係というのは奥が深くて、面白いなぁと思います。
──自分の中の不安を希望に変える
茂木:では続きまして、東京都 ラジオネーム <ダメダメ母さん>さんからのメッセージです。
初めてお便りします。
私は心配性で、悪いことが起きる前から心配し過ぎ、気分が落ち込んだり体調が悪くなったりします。
老後のためにと、50代になってから2つ資格を取りましたが、いざ働こうと思っても自信がなく踏み出せません。
どうしたらこの心配性が治りますでしょうか?
茂木:でもまず、ダメダメ母さんは50代になってから2つ資格を取るなんて、素晴らしいじゃないですか! 素晴らしい! 僕はそういう風に、「新しいことを学ぼう」「少しでも自分を別のステージに持っていこう」という、そういう方は本当に素晴らしいと思うので、心から応援したいと思うんですけども。
なんで資格を取ったのに踏み出せないのかな、という時に、実は「自分というものが大丈夫なんだ」と(考える)。例えば新しい所で働くとなると、色々と不確実なこともあるわけですよね。何があるか分からないですよね。そうすると不安になってしまう。これは脳の感情の自然な働きなんです。
でも、“不安という感情のすぐ傍に、希望という感情もある”わけですね。“不安と希望は紙一重”なんですけども。
では、ダメダメ母さんの場合、何故、心配や不安の方が先になってしまうのかと言うと、“根拠のない自信”。これが大事なんですね。
根拠のない自信があれば、不安を希望に変えることができるんですが、じゃあ「根拠のない自信とはどういうことか」、ということですね。これは一言で言うと、「自分を受け入れる」ということです。
資格を取られたことは素晴らしいことなんですけど、でもダメダメ母さんが“資格を取ったから素晴らしいのではない”んです。“資格を取る前から素晴らしい”んです。
ですから、人間というものが「何か資格を取ったから」とか、「どこかでいい成績を納めたから」とか、そういうことで大丈夫になるのではなくて、「生まれた瞬間から、人間は大丈夫だ」と。これが、“根拠のない自信”ということなんです。
“丸裸の自分”と言うんでしょうか。飾らないありのままの自分が、実は他の人にとっては色々役に立っている、素晴らしい素質や個性があるんだと気付くこと。これが、根拠のない自信ということなんですね。
世の中で様々な資格試験とかあることは、僕はいいことだと思うんです。そのことによって色々と技術が身に付きますし、知識も増えていきますし、とてもいいことだと思うんですけど。
ただ、資格試験とかそういうものは、決してその資格試験に受かるとその人の価値が上がるというものではなくて、その前から、チャレンジする、そういう人のあり方そのものが、素晴らしい、と。そのことに気付くことが、根拠のない自信を持つということかな、と思います。
ダメダメ母さんは、素晴らしい、チャレンジする精神を持っているわけですから、「今のままでいいんだ」と、「今までの自分でいいんだ」という、根拠のない自信を持って、ぜひ、自分の中の不安を希望へと変えて頂けたらな、と思います。
●今夜ご紹介したような、茂木さんへのご質問メールは、
すべてメッセージフォームにお送りください。
お待ちしております!
●音声配信アプリ「AuDee」では、「茂木健一郎のポジティブ脳教室」を配信中です。
こちらでも、みなさんからのご質問にお答えしています。
(毎週・土曜日、夜10:30に更新)
●茂木健一郎(@kenichiromogi) Twitter
みなさんからお送りいただいたメッセージを、番組パーソナリティの茂木健一郎が、脳科学者として答えていきます!
──本を集中して読む方法
茂木:ではまずは、こちらのメッセージから。東京都 ラジオネーム <あさがお>さんです。
初めてメッセージ送らせていただきます。
私は本を読む時に、その時々によって集中できる時と、文章は追っているのに、頭では別のことを考えてしまうことがあって、内容が頭に入ってこない事があります。
内容が難しい時や、自分の身近にない言葉が使われている時に多い気がします。
これは集中力のせいでしょうか、理解力のせいでしょうか、それとも別のことによるものでしょうか。
どうすれば、内容がちゃんと頭に入ってくるように本を読むことができるでしょうか。
お聴きしたいです。
茂木:とてもとても分かります。僕もよく本を読んでいる時に、専門的には「マインドワンダリング」と言うんですけれど、まさに、脳が色々な連想をしたり周りのことが気になったりとかして、他のことを考えるという現象はあるんです。
これは僕もあります。脳の働きとしては自然なことなんですけど、ただ、せっかく読んでいる本なので、集中して読みたいという気持ちももちろんあると思います。
まず、僕がやっているとても凄いソリューションと言うか、やり方は、実はね、“お風呂で本を読む”んですよ…!
ちょうど今、夏の季節、お水のように冷ためのお風呂で、夏目漱石『坊ちゃん』を読んでるんですけど、お風呂だと本以外に見るものがないんですよね。だから、お風呂の中で文庫本を読むというのは意外と集中できるので、“自分の周りに、本以外に気になる・気が散るものがないような環境を作る”というのが一つのやり方です。
あとは、“布団に寝転がって読む”とか。
これは電子書籍なんかでもいいかと思いますが、そういうやり方があるんです。
基本的には、脳は、本を読む時だけではなく、「集中力は引き算だ」ということなんですね。ですから、本に集中しようと思ったら、本以外のことはなるべく引き算して、頭の中に浮かばせないようにするといい。その為の方法論が、僕の場合は“お風呂で読んじゃう”とか“寝転がって読んじゃう”ということなんです。
ただ、あさがおさんの『内容が難しいとか、身近にない言葉が使われている時に、多い気がする』というのは、とても素晴らしい…これを「メタ認知」と言うんですけど、自分自身の脳の癖をそのように捉えていらっしゃるということなので。
ですから、どうでしょう? 例えば一つのやり方としては、“音読をする”とか。あとは“身近に辞書を置いておいて、言葉が分からなかったらすぐに調べる”とか。あるいは、“メモを取りながら本を読む”、“線を引きながら本を読む”など、色々な集中力を高める方法があると思います。
ですので、纏めると、脳の仕組みとしては、色々気が散ることは色んな発想や連想に繋がって行くので、それ自体は必ずしも悪いことではないです。ですが、もし本に集中したいという気持ちがどうしてもあるんだということでしたら、“お風呂で読む”、“ベッドで横になって読む”、場合によっては、“音読したり、線を引いたりして読む”とか、他のことも含めた集中の工夫をされると、内容がサーッと入って来るのではないかな、と思います。
いずれにせよ、今日頂いたメールのように、「自分自身の脳の癖はこうだよ」と気付くことは、脳科学的には「メタ認知」と言ってとてもかけがえのない脳の働きなので、あさがおさん、ぜひこれからも、大いに「メタ認知」なさってください。
──声の周波数と脳の関係
茂木:続きまして、福岡県 ラジオネーム <ライフ丸>さんからのメッセージです。
茂木さんに聞きたいことがあります。それは「声の周波数」についてです。
昔、学者の人が、「人間の声には周波数があって、その周波数の中には、聞いただけで思わず笑ってしまう周波数がある」と発言されました。
茂木さん、声の周波数について何かご存知ですか?
茂木:我々もちろん、声を解析する時には、周波数の分析をして、「こういう周波数がこれだけ成分として入っている」というような分析をします。
そんな中で、例えば高めの周波数というのは、子供にとってはお母さんの声だったり、あるいは低めの周波数だと、男の人の声だったりします。そのようにして、周波数の高さや低さによってある種の印象があったり、メッセージがあったりすることがあるんですけれども。
ただ、“特定の周波数が「聞いただけで笑ってしまう」というようなことはない”んですね。
恐らく、この学者さんが『人間の声には周波数があって』というのは、物理的な意味での周波数ではなくて、そこに乗った気持ちだとか、その人の人柄とか、そういうものを我々は「周波数(波長)が合っている」と言うじゃないですか。そういう意味でおっしゃったんだと思うんです。
それだと、確かにあるんです。元々、昔のお笑い番組というのは、スタジオの笑い声を入れたりとかね。あるいは、テレビの収録なんかでも、いわゆる『スタッフ笑い』と言って、収録をしているスタッフが笑ったりするんですけど、そのように他人が笑っているとその感情が聞いている人にも伝わって、やっぱり何か可笑しくなってしまう。
ですから、“感情というものが、声を通して、聞いている人にも影響を与える”という意味においては、いわゆる「例えとしての周波数」というものがあると思うんですね。そういう意味においては、例えば、悲しい声だと悲しさが伝わって聞く方も悲しくなりますし、楽しい声だとその楽しさが伝わって聞く方も楽しくなるということで…。
このような声の持っている魅力と言うか、声の持っているメッセージ性というのが、私もこのようなラジオ番組をやらせて頂いて、いつも感じるところです。
人間は、楽しそうに話すとか、嬉しそうに話すというのが一番いいと思うんです。そうすると楽しさや嬉しさが伝わってきますので。
私もこのTOKYO FMのスタジオに入る時には、“心の周波数”と言うか“感情の周波数”を整えて、とにかくリスナーの皆さんにいい情報をお伝えしたいなという気持ちでお伝えしております。ですので、“心の周波数”“声の周波数”というのは、一つの心構えとしては大事なのかなと思います。
ちなみに、インドネシアのガムラン音楽のように、聴いているととても気分が高まっていく音楽があります。実は、人間の耳は2万ヘルツ以上の音は聞こえないとされているんですけども、このガムラン音楽などに含まれている2万ヘルツ以上の部分…ここはCDなどではカットされている部分なんですが、これは体に直接作用して、耳を通してではなく体を通して、ガムラン音楽の魅力が伝わるんだということを、“芸能山城組”と言う、インドネシアのケチャダンスなどもやっていらっしゃる大橋力さんという脳科学者の方が解明されていらっしゃいます。
ですから、そういう意味においては、耳に聞こえないような周波数も、実は我々の心や体に影響を与えていて、インドネシアのガムラン音楽はそこを上手く使っている、ということも、分かっています。
ですので、周波数と脳の関係というのは奥が深くて、面白いなぁと思います。
──自分の中の不安を希望に変える
茂木:では続きまして、東京都 ラジオネーム <ダメダメ母さん>さんからのメッセージです。
初めてお便りします。
私は心配性で、悪いことが起きる前から心配し過ぎ、気分が落ち込んだり体調が悪くなったりします。
老後のためにと、50代になってから2つ資格を取りましたが、いざ働こうと思っても自信がなく踏み出せません。
どうしたらこの心配性が治りますでしょうか?
茂木:でもまず、ダメダメ母さんは50代になってから2つ資格を取るなんて、素晴らしいじゃないですか! 素晴らしい! 僕はそういう風に、「新しいことを学ぼう」「少しでも自分を別のステージに持っていこう」という、そういう方は本当に素晴らしいと思うので、心から応援したいと思うんですけども。
なんで資格を取ったのに踏み出せないのかな、という時に、実は「自分というものが大丈夫なんだ」と(考える)。例えば新しい所で働くとなると、色々と不確実なこともあるわけですよね。何があるか分からないですよね。そうすると不安になってしまう。これは脳の感情の自然な働きなんです。
でも、“不安という感情のすぐ傍に、希望という感情もある”わけですね。“不安と希望は紙一重”なんですけども。
では、ダメダメ母さんの場合、何故、心配や不安の方が先になってしまうのかと言うと、“根拠のない自信”。これが大事なんですね。
根拠のない自信があれば、不安を希望に変えることができるんですが、じゃあ「根拠のない自信とはどういうことか」、ということですね。これは一言で言うと、「自分を受け入れる」ということです。
資格を取られたことは素晴らしいことなんですけど、でもダメダメ母さんが“資格を取ったから素晴らしいのではない”んです。“資格を取る前から素晴らしい”んです。
ですから、人間というものが「何か資格を取ったから」とか、「どこかでいい成績を納めたから」とか、そういうことで大丈夫になるのではなくて、「生まれた瞬間から、人間は大丈夫だ」と。これが、“根拠のない自信”ということなんです。
“丸裸の自分”と言うんでしょうか。飾らないありのままの自分が、実は他の人にとっては色々役に立っている、素晴らしい素質や個性があるんだと気付くこと。これが、根拠のない自信ということなんですね。
世の中で様々な資格試験とかあることは、僕はいいことだと思うんです。そのことによって色々と技術が身に付きますし、知識も増えていきますし、とてもいいことだと思うんですけど。
ただ、資格試験とかそういうものは、決してその資格試験に受かるとその人の価値が上がるというものではなくて、その前から、チャレンジする、そういう人のあり方そのものが、素晴らしい、と。そのことに気付くことが、根拠のない自信を持つということかな、と思います。
ダメダメ母さんは、素晴らしい、チャレンジする精神を持っているわけですから、「今のままでいいんだ」と、「今までの自分でいいんだ」という、根拠のない自信を持って、ぜひ、自分の中の不安を希望へと変えて頂けたらな、と思います。
●今夜ご紹介したような、茂木さんへのご質問メールは、
すべてメッセージフォームにお送りください。
お待ちしております!
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こちらでも、みなさんからのご質問にお答えしています。
(毎週・土曜日、夜10:30に更新)
●茂木健一郎(@kenichiromogi) Twitter