Dream Heart(ドリームハート)

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Dream HEART vol.481 クラシック・ギタリスト 木村大さん 「ギターを続けようと思った言葉」

2022年06月18日

木村大さんは、1982年、茨城県のお生まれ。

5歳より、父・義輝さんに師事し、ギターと音楽理論を学び、
小学1年で、第13回Guitar Leaders Club全国学生ギターコンクール小学校低学年の部優勝。
そして、14歳の時、ギターのコンクールでは世界最高水準と言われる、
第39回東京国際ギターコンクールで見事優勝されました。

また、1996年、バルセロナ音楽祭に招待されヨーロッパデビューし、
17歳の時に、アルバム『ザ・カデンツァ17』でCDデビュー。
このデビューアルバムが異例の大ヒットを記録し、日本を代表するギタリストとして、
スペイン王立セビリア交響楽団全国ツアー(14公演)に、ソリストとして参加されます。

2002年より、英国王立音楽院に留学し、2004年、帰国第一弾として、
ソリストとしては異例のNHK交響楽団と3夜連続共演されました。

これまでソニーから9枚のアルバムと、キングレコードから5枚のアルバムを発表。
様々なジャンルのアーティストとも共演し、国内外から注目を集める、
唯一無二のギタリストとして、今後のさらなる活躍が期待されていらっしゃいます。


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──青春を謳歌したロンドン

茂木:木村さん、英国王立音楽院には、どういう経緯で留学されたんですか?

木村:僕はアメリカに留学するか、ヨーロッパ…イギリスに留学するか、迷いまして。それと言うのも、日本の中に芸大を含めてギター科というものがないんですよね。僕もずっとお家でギターを弾いたり練習したり活動していくうちに、一回は大学生活を味わってみたいと思ったんです(笑)。
これは本当に失礼な話なんですけど、アメリカはベースボールじゃないですか。ヨーロッパはサッカーじゃないですか。

茂木:あ、サッカーで選んだと言うことですか?

木村:そうです(笑)。僕はサッカーのフリークなので(笑)。

茂木:サッカーのためだったんですね(笑)。サッカーフリークとは、どの程度のフリークなんですか?

木村:それがないと生きていけないぐらいです(笑)。だから十代の時の活動資金を全部遊びに使ってしまったんですよね(笑)。サッカーと、大学の方も2週間ぐらいで嫌になってしまって(笑)。語学学校の友達とか、皆ビーチに行くのが好きだから…。

茂木:そのお友達は木村さんがギタリストだと知っていたんですか?

木村:いや、知らないんです。たまにスイスから来た子がギターを担いで来て、「一緒に弾こうよ」と言って、一緒にギターを弾きました。

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茂木:それは皆びっくりするでしょ?

木村:はい。皆びっくりしました。でもたまにすごく上手な子がいたりするから、その子と一緒に弾いたりするのがすごく楽しくて。

茂木:本当に普通に青春を謳歌していたんですね。時々ギターを弾くとバレてしまう、という。

木村:その時だけ、「ロイヤルアカデミーに行ってる」ということを言うんですけど、「でも2週間で行けなくなっちゃったー」みたいな。まぁ、若気の至りですね(笑)。

茂木:逆に言うと、ロンドンで青春した経験も、今後の…と言うか既に、木村さんの音楽に生きているでしょうし、生かされそうですね。

木村:そうですね。はじめて「なんでギターを弾いているのか」というのを考える時間になりました。

茂木:それまではお父様のもとで、とにかく弾いていたから。

木村:だから、3年間ずっと、「僕はこれから何をするんだろう?」みたいなことを考える時間を貰えました。僕の中では限りある時間…やっぱりお金が尽きてきたので、「何かをしなくちゃいけない」という(笑)。

茂木:じゃあロンドンの3年間というのは、大事な3年間でしたね。

木村:僕の中では、とても大事でした。

茂木:だってそれまでは、東京国際ギターコンクールで優勝という、ある意味ではギター養成ギブスを着けられたような環境でしたからね。コンクールで優勝するための練習というのが、またあるわけでしょう?

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木村:ありますね。でも、色んな方とお話する時にはやっぱり1位というのがフォーカスされると思うんですけど、東京国際コンクールに優勝する前年度にも、1回受けているんです。その時に初めて、人の背中を見たんですよ。3位になりまして。

茂木:自分より上手い人に初めて会ったんですか。

木村:いや、僕が失敗しちゃったんです。それが僕の中で、たぶんギターを続けられた理由にもなるんですけど、2位が2人で、3位が僕で、1位がなしだったんです。

茂木:じゃあ、ミスさえしなければ1位だったんですね。

木村:はい。半年ぐらい虚無感で、もう何もやる気が起きなかったです。

茂木:じゃあむしろ、14歳で優勝というのは、木村さんにとっては挫折なんですね。

木村:そうですね。その後に、もう亡くなってしまったんですが、父の友人の奥さんが、僕に「来年、あなたが1位を獲るから、この1位の席が空いているのよ」と言われたんです。これは本当に初めて外から言われて、僕の中で関係性を作ることができたと言うか。人としてもそうだし、ギターをやって行こうと。

茂木:そんな木村大さんなんですが…。
9月11日(日)に、茨城の、クラフトシビックホール土浦にて、『木村大×啼鵬(バンドネオン) コンサート』があるということなんです。そして更に、10月15日(土) 茨城県水戸にある、ザ・ヒロサワ・シティ会館にて、『木村大&榊原大 コンサート』があるということで…。ライブのチケットの詳細など、詳しくは木村大さんの公式ホームページをご覧ください。
最後に、ファンの方に一言お願いできますか?

木村:ギターは本当にどこで持って行けるし、どこでも弾けるし、というとても魅力的な楽器なので、聴くこともいいんですけど、ぜひ皆さんもギターを弾いて欲しいなと思います。倉庫に眠っているギターがあったら、皆さん弾いてください!

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■プレゼントのお知らせ

今週は、図書カード3,000円分を3名さまにプレゼントします!

ご希望の方は、お名前やご住所、電話番号など、必要事項を明記の上、
メッセージフォームより、ご応募ください。

茂木さんに聞きたい事や相談したい事など、
一緒にを添えていただけると嬉しいです。

尚、当選者の発表は、商品の発送をもってかえさせていただきます。
たくさんのご応募、お待ちしております。



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