Dream Heart(ドリームハート)

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Dream HEART vol.480 クラシック・ギタリスト 木村大さん 「父親にありがとうと伝えたい」

2022年06月11日

木村大さんは、1982年、茨城県のお生まれ。

5歳より、父・義輝さんに師事し、ギターと音楽理論を学び、
小学1年で、第13回Guitar Leaders Club全国学生ギターコンクール小学校低学年の部優勝。
そして、14歳の時、ギターのコンクールでは世界最高水準と言われる、
第39回東京国際ギターコンクールで見事優勝されました。

また、1996年、バルセロナ音楽祭に招待されヨーロッパデビューし、
17歳の時に、アルバム『ザ・カデンツァ17』でCDデビュー。
このデビューアルバムが異例の大ヒットを記録し、日本を代表するギタリストとして、
スペイン王立セビリア交響楽団全国ツアー(14公演)に、ソリストとして参加されます。

2002年より、英国王立音楽院に留学し、2004年、帰国第一弾として、
ソリストとしては異例のNHK交響楽団と3夜連続共演されました。

これまでソニーから9枚のアルバムと、キングレコードから5枚のアルバムを発表。
様々なジャンルのアーティストとも共演し、国内外から注目を集める、
唯一無二のギタリストとして、今後のさらなる活躍が期待されていらっしゃいます。


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──クラシックギターの英才教育

茂木:お父様はかなり厳しかったんですよね。

木村:うちの父は、『星一徹』です(笑)。

茂木:ギター界の『星一徹』(笑)。そして、ご兄弟があとお二人でしたっけ?

木村:家族構成をお伝えしますと、父と母がいまして、姉がいて、兄がいて、僕がいて、弟がいます。

茂木:皆、ギターの英才教育を受けたと。

木村:うちは歴史のない歌舞伎座みたいな、“ギター座”になっていて(笑)、もうとにかく全員がギターを弾いています。今は、僕はアーティスト活動をすることができているんですけど、皆はアーティスト活動と言うよりは、講師であったりとか、自分のスクール…学校を持ってプライベートのレッスンだったりとか、そういったところで後進の指導に当たっているというような状況ですね。

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茂木:お父様の義輝さんとしては、子供の頃から「息子はプロデビューさせるぞ」と思っていたんですかね?

木村:そうみたいですね。なので、僕たちは小学校1年生の時に『20歳までの目標』を全部書きました(笑)。「〇歳までにこのコンクール」、「〇歳までにこうする」で、「17歳の時にソニーからCDを出す」というのを(書いていた)。

茂木:そこまで決まっていたんですか! では『ザ・カデンツァ17』は、もうその通りになったということですか。

木村:本当にその通りになりました。

茂木:他のご兄弟もそのルートだったわけでしょう?

木村:他の兄弟はそのルートじゃなかったんですよ。

茂木:では、大さんだけが目を掛けられたんですか? 何でですかね?

木村:小学校1年生の時に、遊び半分でコンクール(Guitar Leaders Club全国学生ギターコンクール)に出たんですね。それで優勝してしまって、その日から父が変わったんですよ(笑)。

茂木:スイッチが入ってしまったんですか(笑)。僕は映像観ましたけど、なんで子供の時から大人のサイズのギターを弾いてるんですか?

木村:あれは、「本物の音を早く知れ」という、うちの父からの教えでして(笑)。ギターと言う楽器は、小さいミニチュアサイズのギターよりも大人用のサイズの方が、ハンドメイドで作られていて、木材ひとつとっても歴史がありまして。そういう組み合わせでてきているという中で、「本物の音を知って欲しい」ということで、小学校1年生になる前ぐらいから、値段で言うと60万円するギターを使っていました。

茂木:ええー!

木村:本当にびっくりなんですけど。いまだにそのギターはお家にあるんですよ。

茂木:すごいですね! でも正直、体が小さいから大変だったでしょう?

木村:届かないんですけど、そういう時子供は、届くように何とかするんですよね(笑)。そこが凄いな、と今になって思うんですけど。

茂木:サイズ感で言うと、チェロとかコントラバスを弾いてるんじゃないかな、みたいな。では、優勝した時はかなり嬉しかったですか?

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木村:嬉しかったんですけど、翌日から父が豹変したのが…。もうスケジューリングされてしまって、「毎日〇時に練習をする」という時間が組み込まれて。

茂木:お父様ご自身もプロになりたかったんですか?

木村:そうですね。色々“流し”でやっていたみたいですよ(笑)。今は“父”と言えていますけど、ある年齢までは“お父さん”“父親”というよりは、“先生”というところが強かったんです。ただバランスとしては、“先生”と“お父さん”の両方を兼ね備えていたんですよ。だから僕にとっては非情にありがたかったと言うか、「ありがとう」と言いたいですね(笑)。

茂木:写真を見ると、お父様の教室にはホールみたいものがあるじゃないですか。あれは何ですか?

木村:そうなんですよ。あれは僕が小学校6年生の時なので、今から30年ぐらい経ちます。コンサートホールと言うか、一つのサロンにしたかったみたいで、地域の人たちも含めて「色んなアーティストを集めたい」という気持ちが強くて。
うちの父が主宰している教室というのはとても変な教室でして(笑)。それと言うのも、昼の1時から日を跨いで夜中の2時とか、そのぐらいまで開放しているんですよ。

茂木:あの辺りはのんびりしたところでしょう? そこに音楽のサロンが…。

木村:はい。クラシックギターのトッププレーヤーたちが日本に来る時は、必ずそこに来ています。70人ぐらい入るんですよ。凄いなと今になって思うんですけど、少年だった僕の目の前で、そういうトッププレーヤーたちの演奏を観たりしました。

茂木:ええ! アンドリュー・ヨークさんとはデビューしてから会ったんじゃなくて、子供の時に会ってるんですか?

木村:子供の時からずっと出入りしていましたね。(アンドリュー・ヨークさんに会ったのは)小学校高学年から中学生にかけてぐらいだと思います。

茂木:どうしてそんなご縁が?

木村:アンドリュー・ヨークがLAGQ…ロサンジェルス・ギター・カルテットというメンバーで来日した時のプロモーターの方が、僕のことを子供の時から知ってくれていて、会わせたかったという感じだったとは思うんですけど。

茂木:じゃあ、アンドリュー・ヨークの弟子でもあるということですか?

木村:そうです。だからアンディは、僕の中では、ギターヒーローでもあるんですけど、アメリカのロスのお父さんでもあったり、ちょっとしたライバルでもあったり、色々な関係なんです。

茂木:すごい…! 聞けば聞くほど、木村大という人…そして育んだ環境が凄まじいなと思います。

木村:本当にこれは両親に感謝です(笑)。

茂木:そして、7月3日(日)14時から、東京・まほろ座MACHIDAにて、フルート奏者の坂上領さんと一緒に『七夕の夜、君に逢いたい vol.6』が行われるということで…。これはどんなライブになりそうですか?

木村:これは、毎年1回、“七夕の日に僕が会いたいアーティストと一緒に演奏する”というステージになっているので、「皆さんにとって素敵な1日になって欲しい」という願いを込めながら、せっかくなので食事もしながら、という形です。

茂木:これは楽しみですね。現在チケット発売中です。有料配信チケットもあるそうなので、詳しくは木村大さんの公式ホームページをご覧ください。

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