2022年05月07日
根本宗子さんは、1989年、東京都のお生まれです。
19歳で、劇団、月刊「根本宗子」を旗揚げ。
以降、劇団公演全ての作品の作・演出を務められ、
そのほかにも、様々なプロデュース公演の作・演出も担当されていらっしゃいます。
ご自身が手がけた作品では、「演劇界の芥川賞」と称される、
岸田國士戯曲賞に4度ノミネートされ、
また、近年では、清竜人さん、チャラン・ポ・ランタンさんなど
様々なアーティストとタッグを組み、
完全オリジナルの音楽劇を積極的に生み出していらっしゃいます。
常に演劇界で新しい仕掛けを考える根本さんは、
今月、4月21日に初の長編小説『今、出来る、精一杯。』を
小学館より発売されていらっしゃいます。
──観客の心に届く音
茂木:演劇界がすごく面白いなと思っていて、『今、出来る、精一杯。』でもその一端が窺えるんですけれども、最近は乃木坂46などアイドルの方が出る舞台なんかも随分されていますね。アイドルの方が出る舞台はどうですか?
根本:はい。元々アイドルの文化が好きだったので…。すごく興味がある方に役を書きたいので、その人の本業が何であるかというのは、自分の中で余り関係ないんです。なので、アイドルの方とご一緒する時も「アイドルに書くぞ」という感じは余りなく、「どういう方なのかな?」と知りたくてお喋りしています。初めて書かせて頂く時は、なるべく会って、30分でも喋る時間を頂くんですけど、喋ってみて「あ、こういう喋り方なのか」とか、言葉遣いの癖みたいなのをキャッチして、喋りやすい口調で書いたりとかします。
茂木:今、『口癖』や『言葉の使い方』とおっしゃいましたけど、役者さんのどういう所を見るんですか? キャスティングする時のポイントは何ですか?
根本:ミュージカルとは別なんですけど、セリフ劇の場合は、“ちょっと口の音が特殊な人”が好きなんです。ちょっとだけ、何かが喋り辛そう、みたいな音の人の方が、セリフを必死に喋るので、客席に届くものが大きい気がして。
茂木:深いなぁ〜!
根本:アナウンサーの方は、綺麗に言葉を喋って届けることがお仕事だからすごく聴きやすいんですけど、感情を飛ばす職業ではないので、その人の感情は飛んで来ないじゃないですか。それが、口の中にちょっと喋りづらさがある人の方が、感情的なセリフとか抒情的なことを言わせた時に、残るものがあるという持論があって(笑)。
茂木:経験上、そういう方を選んでいるんですか?
根本:いえ、選んでいる人の統計を取ったらそうだったんです(笑)。20代後半の時に「どういう人が好きなんですか?」というような質問を受けて…。余りこだわりのポイントがないと思っていたんですけど、「“長いセリフを、ちょっと頑張って喋ってる感じがある人”が好きなのかも」と気付きました。
小説『今、出来る、精一杯。』に出てくる“坂本さん”という役を初演でやった方は、本当にそういう感じです。漫画であったら、喋るだけで汗を掻いてしまっている、みたいな感じに見える人がいいんです。もちろん役にもよるんですけどね。
茂木:オーディションの時は、そういう所を見たりするんですか?
根本:あと、ちょっと“特殊な音が口から出ている人”(笑)。私の耳の加減なんですけど、「『えっ?』と言ってください」というように、『えっ?』とか『へっ?』とかの疑問の一言などを聞いて決めたりする時はあります。
茂木:すごく高度な話ですね…!
──作品作りの物差しは、高校の時の自分
茂木:今、コロナでもそうなんですけど、日本の演劇を取り巻く環境というのはどうなんでしょうか?
根本:コロナ禍になる前は、休みがあればロンドンに演劇を観に行くのが趣味だったんです。向こうは、ひとつの劇場でロングランする年数も全然違うし、劇場自体がその演目の為に作られたりもしているので、日常的に、お仕事が終わってふらっと演劇を観に行く、みたいな文化もあって全然違います。そしてアプリひとつで席が取れて、それを見せれば入ることができる…みたいなことが、日本とは違うなとは思っていたんです。「もっと身近に感じてもらうには、どうしたらいいんだろうな?」というのは常に考えます。
茂木:なんで、向こうだとロングランができるんですかね?
根本:予算が全然違うな、とは思いますね(笑)。
茂木:ご自身から見て、自分の才能はどこにあると思われます?
根本:全然天才肌ではないと思うんですけど、ひとつ好きになったことを突き詰める力があると思います。モーグルの時も、演劇の時も、「これ!」と決めたものをずっと続ける力だけはあるのかもしれないです。
茂木:ある動画で、「私には才能がないから努力する」みたいなことをおっしゃっていましたが、鬼気迫るその姿が才能じゃないかと思ったりもしましたよ。
根本:言ってましたね(笑)。でも、そうですね。“続ける力”と“好き”という、“演劇の力を信じている力”が強かったんだと思います。
茂木:そして、もう役者を封印して、これからは演出家の方に専念するということなんですが、これからどんな感じで舞台をやっていこうと思われていますか?
根本:常に、自分が今一番観たいものと言うか、高校の時に年間120本ぐらい観ていたんですけど、“それを観ていた自分に見せたら興奮するもの”というのが、自分の物差しの中にあるんです。それを作り続けたいな、というのは変わらないんですけど。最終的に、自分の劇場ができたらいいなとは思います。
茂木:おお!
根本:“常にそこに行けば観れる”という場所が欲しいです。
■プレゼントのお知らせ
小学館より発売中の根本宗子さんの初の長編小説
『今、出来る、精一杯。』に根本さんのサインを入れて、
3名の方にプレゼントいたします。
ご希望の方は、お名前やご住所、電話番号など、必要事項を明記の上、
メッセージフォームより、ご応募ください。
茂木さんに聞きたい事や相談したい事など、
一緒にを添えていただけると嬉しいです。
尚、当選者の発表は、商品の発送をもってかえさせていただきます。
たくさんのご応募、お待ちしております。
●月刊「根本宗子」 公式サイト
●根本宗子 (@nemoshuu)・Twitter
●根本宗子(@nemochimaki)・Instagram
●今、出来る、精一杯。/ 根本宗子(著)
(Amazon)
●小学館 公式ホームページ
★番組でご紹介した、第25回文化庁メディア芸術祭 エンターテインメント部門の新人賞を受賞した、根本宗子さんが手がけた『20歳の花』は、LINE NEWS VISIONの公式ページにて、全10話の閲覧が可能です。
・SNSミュージカル!!「20歳の花」
19歳で、劇団、月刊「根本宗子」を旗揚げ。
以降、劇団公演全ての作品の作・演出を務められ、
そのほかにも、様々なプロデュース公演の作・演出も担当されていらっしゃいます。
ご自身が手がけた作品では、「演劇界の芥川賞」と称される、
岸田國士戯曲賞に4度ノミネートされ、
また、近年では、清竜人さん、チャラン・ポ・ランタンさんなど
様々なアーティストとタッグを組み、
完全オリジナルの音楽劇を積極的に生み出していらっしゃいます。
常に演劇界で新しい仕掛けを考える根本さんは、
今月、4月21日に初の長編小説『今、出来る、精一杯。』を
小学館より発売されていらっしゃいます。
──観客の心に届く音
茂木:演劇界がすごく面白いなと思っていて、『今、出来る、精一杯。』でもその一端が窺えるんですけれども、最近は乃木坂46などアイドルの方が出る舞台なんかも随分されていますね。アイドルの方が出る舞台はどうですか?
根本:はい。元々アイドルの文化が好きだったので…。すごく興味がある方に役を書きたいので、その人の本業が何であるかというのは、自分の中で余り関係ないんです。なので、アイドルの方とご一緒する時も「アイドルに書くぞ」という感じは余りなく、「どういう方なのかな?」と知りたくてお喋りしています。初めて書かせて頂く時は、なるべく会って、30分でも喋る時間を頂くんですけど、喋ってみて「あ、こういう喋り方なのか」とか、言葉遣いの癖みたいなのをキャッチして、喋りやすい口調で書いたりとかします。
茂木:今、『口癖』や『言葉の使い方』とおっしゃいましたけど、役者さんのどういう所を見るんですか? キャスティングする時のポイントは何ですか?
根本:ミュージカルとは別なんですけど、セリフ劇の場合は、“ちょっと口の音が特殊な人”が好きなんです。ちょっとだけ、何かが喋り辛そう、みたいな音の人の方が、セリフを必死に喋るので、客席に届くものが大きい気がして。
茂木:深いなぁ〜!
根本:アナウンサーの方は、綺麗に言葉を喋って届けることがお仕事だからすごく聴きやすいんですけど、感情を飛ばす職業ではないので、その人の感情は飛んで来ないじゃないですか。それが、口の中にちょっと喋りづらさがある人の方が、感情的なセリフとか抒情的なことを言わせた時に、残るものがあるという持論があって(笑)。
茂木:経験上、そういう方を選んでいるんですか?
根本:いえ、選んでいる人の統計を取ったらそうだったんです(笑)。20代後半の時に「どういう人が好きなんですか?」というような質問を受けて…。余りこだわりのポイントがないと思っていたんですけど、「“長いセリフを、ちょっと頑張って喋ってる感じがある人”が好きなのかも」と気付きました。
小説『今、出来る、精一杯。』に出てくる“坂本さん”という役を初演でやった方は、本当にそういう感じです。漫画であったら、喋るだけで汗を掻いてしまっている、みたいな感じに見える人がいいんです。もちろん役にもよるんですけどね。
茂木:オーディションの時は、そういう所を見たりするんですか?
根本:あと、ちょっと“特殊な音が口から出ている人”(笑)。私の耳の加減なんですけど、「『えっ?』と言ってください」というように、『えっ?』とか『へっ?』とかの疑問の一言などを聞いて決めたりする時はあります。
茂木:すごく高度な話ですね…!
──作品作りの物差しは、高校の時の自分
茂木:今、コロナでもそうなんですけど、日本の演劇を取り巻く環境というのはどうなんでしょうか?
根本:コロナ禍になる前は、休みがあればロンドンに演劇を観に行くのが趣味だったんです。向こうは、ひとつの劇場でロングランする年数も全然違うし、劇場自体がその演目の為に作られたりもしているので、日常的に、お仕事が終わってふらっと演劇を観に行く、みたいな文化もあって全然違います。そしてアプリひとつで席が取れて、それを見せれば入ることができる…みたいなことが、日本とは違うなとは思っていたんです。「もっと身近に感じてもらうには、どうしたらいいんだろうな?」というのは常に考えます。
茂木:なんで、向こうだとロングランができるんですかね?
根本:予算が全然違うな、とは思いますね(笑)。
茂木:ご自身から見て、自分の才能はどこにあると思われます?
根本:全然天才肌ではないと思うんですけど、ひとつ好きになったことを突き詰める力があると思います。モーグルの時も、演劇の時も、「これ!」と決めたものをずっと続ける力だけはあるのかもしれないです。
茂木:ある動画で、「私には才能がないから努力する」みたいなことをおっしゃっていましたが、鬼気迫るその姿が才能じゃないかと思ったりもしましたよ。
根本:言ってましたね(笑)。でも、そうですね。“続ける力”と“好き”という、“演劇の力を信じている力”が強かったんだと思います。
茂木:そして、もう役者を封印して、これからは演出家の方に専念するということなんですが、これからどんな感じで舞台をやっていこうと思われていますか?
根本:常に、自分が今一番観たいものと言うか、高校の時に年間120本ぐらい観ていたんですけど、“それを観ていた自分に見せたら興奮するもの”というのが、自分の物差しの中にあるんです。それを作り続けたいな、というのは変わらないんですけど。最終的に、自分の劇場ができたらいいなとは思います。
茂木:おお!
根本:“常にそこに行けば観れる”という場所が欲しいです。
■プレゼントのお知らせ
小学館より発売中の根本宗子さんの初の長編小説
『今、出来る、精一杯。』に根本さんのサインを入れて、
3名の方にプレゼントいたします。
ご希望の方は、お名前やご住所、電話番号など、必要事項を明記の上、
メッセージフォームより、ご応募ください。
茂木さんに聞きたい事や相談したい事など、
一緒にを添えていただけると嬉しいです。
尚、当選者の発表は、商品の発送をもってかえさせていただきます。
たくさんのご応募、お待ちしております。
●月刊「根本宗子」 公式サイト
●根本宗子 (@nemoshuu)・Twitter
●根本宗子(@nemochimaki)・Instagram
●今、出来る、精一杯。/ 根本宗子(著)
(Amazon)
●小学館 公式ホームページ
★番組でご紹介した、第25回文化庁メディア芸術祭 エンターテインメント部門の新人賞を受賞した、根本宗子さんが手がけた『20歳の花』は、LINE NEWS VISIONの公式ページにて、全10話の閲覧が可能です。
・SNSミュージカル!!「20歳の花」