2022年03月19日
米倉豪志さんは、1975年、愛知県のお生まれ。
2000年に、データ圧縮技術の発明、開発、特許を取得。
国内最大級のモバイル検索サービスの設計を行い、
2001年より、株式会社メディアドゥ取締役に就任。
2013年に、株式会社未来少年CTOに就任後、
2016年には、株式会社オルツ取締役に就任。
現在、株式会社オルツ取締役副社長として、
技術開発、ディレクションを担当されていらっしゃいます。
──デジタルクローンが起こすマーケティング革命
茂木:米倉さんは今、カナダのバンクーバーにいらっしゃるということで、リモートでお話を伺っています。
今回、日本の某有名テレビ番組でもデジタルクローンについて取り上げられて大反響だったんですけど、日本のテレビで放送されてその後はいかがでした?
米倉:すごい反応でした。まず、一般の人たちが「デジタルクローンが実際にできるんだ」ということを知った、ということが、非常に大きいですよね。後は、研究者の方などから多くのご連絡を頂いて、「こういう使い方ができるんじゃないか」とか「ああいう使い方ができるんじゃないか」というような意見が活発化したのが、テレビ放送がきっかけでしたね。
茂木:番組では、私・茂木健一郎のデジタルクローンと、橋下徹さんのデジタルクローンを作成したんですけど…。一般の方の反応は、どういうものが多かったんですか?
米倉:まず、メディアの効果というのは非常に大きくあるな、と思いましたね。あと、一般の人たちの反応で僕が面白いと思ったのは、まず基本的に「AIって怖い」というイメージが長い間あったと思うんですけど、「デジタルクローンについても、よく分からないし怖い」、それから「できるわけない」というような意見が数年あったんですが、あの辺りから、やっと「実際に現実なんだ」と気づいたようです。
あと、一般の方たちが実はあんまり恐れていないと言うか。やっぱり茂木さんとか橋下さんを見られて、「それ自体を恐れるものではない」ということに、少し気づき始めたような印象を感じています。
茂木:今回は私と橋下さんでしたが、“パーソナル”ということは、将来的には、どなたでもご自身のデジタルクローンが作られる、そういう時代が来るということでしょうか。
米倉:はい、近い将来だと思います。
茂木:これはすごいですね…! ちょっと気が早いですが、どんなことに使えるんですかね。
米倉:色んな可能性はあると思いますけど…。例えば、今既に始まっているのが、“デジタルクローンによるアンケートシステム”というのはもう作っていて、そこには数千人のデジタルクローンが既に動いています。本人に聞かなくても、その本人と同じような回答をシステムから得られる、というような仕組みがあったりします。
茂木:数千人のデジタルクローンがもう動いてるんですか(笑)!
米倉:そうです。
茂木:実は、米倉さんがやっていらっしゃるオルツさんもそうなんですが、僕の「デジタルクローンを作りませんか」というお話を、有名な視聴率調査会社からも頂いて。「なんでテレビの視聴率を調査してる会社が、こんな話を持ってくるんだろう?」と思ったんですが、マーケティングで使えるということですね!
米倉:そうですね。一番分かりやすい例としては、そこから始まっていますね。
茂木:大手広告会社でも、人を100人集めてアンケートを取るのはもの凄い手間がかかるじゃないですか。それがもう自動化できちゃうということですか?
米倉:そういうことです。
茂木:そうすると、新商品とか新しいサービスの評判とかも、ある程度アンケートで掴めるかもしれない、と。
米倉:そういう風に使うことを想定しています。
茂木:大幅なコストダウンになりますね。
米倉:そうですね。コストダウンだけじゃなくて、スピードも速くなるし、あとは人間にはできなかったような聞き方とかもできるわけですよね。例えば、既に実際にやっていますけれども、一つの質問に対して、人間に聞けるのは一回じゃないですか。フィジカルな限界も、時間的な限界もありますし。
茂木:よく刑事さんが「もう一度聞くぞ」「もう一度聞くぞ」と、何十回も同じ質問をしたりするじゃないですか。普通、人間は嫌ですよね。でも、デジタルクローンはそれができる、と。
米倉:はい。既に今、アンケートシステムでは、同じ質問を少なくとも100回は聞いています。
茂木:答えは毎回違うんですか?
米倉:全部違います。デジタルクローンの世界から見ると、彼らは世界が分離していて、一回しか聞かれていない感覚でいます。しかし、傾向がありますので、ある程度偏ってくるわけですよね。
茂木:ということは、極端な話、デジタルクローンだったら、“質問10000ノック”とかも可能ということですか?
米倉:全然可能です。しかも一瞬で終わります。
茂木:これ凄いですね…! ということは、マーケティングの世界は革命が起こると。大前提としては、今の消費者とか視聴者の傾向が、デジタルクローンにちゃんと反映されているということですよね。そこはどうされるんですか?
米倉:その通りです。まさに、そこを今、調査会社と協同で精度を検証しているところです。
茂木:ほう…! デジタルクローンはこれからどのように我々の生活を変えていくか、社会の中に入っていくか…そういうビジョンはどのようなものをお持ちですか?
米倉:例えば、『AI議事録』のようなものというのは、元々デジタルクローンを作って行く中で生まれてきた要素技術を事業転用していくという形で、他にはない精度みたいなものをそういうところから一つ得ることができると思うんですが。更に重要なことは、人間が“外部化された自分”みたいなものと接することによって、“自分自身を知る”というきっかけになると思うんですよ。それが人間に与える影響の方が、実は大きな意味を持つんじゃないかと思っています。
茂木:我々一人一人が“デジタルクローンという鏡”を持って、自分を認識できるようになる、と。そういう未来が来るんですかね。
米倉:そういう風に考えています。
●alt プロモーションビデオ(JP)
★本日番組でご紹介した、オルツ・デジタルクローン「茂木健一郎さん」の実演は→ >こちらからご覧いただきます!
●株式会社オルツ 公式サイト
● 株式会社オルツ (@alt_inc_clone) Twitter
●米倉豪志さん Twitter(@goushiyonekura)
2000年に、データ圧縮技術の発明、開発、特許を取得。
国内最大級のモバイル検索サービスの設計を行い、
2001年より、株式会社メディアドゥ取締役に就任。
2013年に、株式会社未来少年CTOに就任後、
2016年には、株式会社オルツ取締役に就任。
現在、株式会社オルツ取締役副社長として、
技術開発、ディレクションを担当されていらっしゃいます。
──デジタルクローンが起こすマーケティング革命
茂木:米倉さんは今、カナダのバンクーバーにいらっしゃるということで、リモートでお話を伺っています。
今回、日本の某有名テレビ番組でもデジタルクローンについて取り上げられて大反響だったんですけど、日本のテレビで放送されてその後はいかがでした?
米倉:すごい反応でした。まず、一般の人たちが「デジタルクローンが実際にできるんだ」ということを知った、ということが、非常に大きいですよね。後は、研究者の方などから多くのご連絡を頂いて、「こういう使い方ができるんじゃないか」とか「ああいう使い方ができるんじゃないか」というような意見が活発化したのが、テレビ放送がきっかけでしたね。
茂木:番組では、私・茂木健一郎のデジタルクローンと、橋下徹さんのデジタルクローンを作成したんですけど…。一般の方の反応は、どういうものが多かったんですか?
米倉:まず、メディアの効果というのは非常に大きくあるな、と思いましたね。あと、一般の人たちの反応で僕が面白いと思ったのは、まず基本的に「AIって怖い」というイメージが長い間あったと思うんですけど、「デジタルクローンについても、よく分からないし怖い」、それから「できるわけない」というような意見が数年あったんですが、あの辺りから、やっと「実際に現実なんだ」と気づいたようです。
あと、一般の方たちが実はあんまり恐れていないと言うか。やっぱり茂木さんとか橋下さんを見られて、「それ自体を恐れるものではない」ということに、少し気づき始めたような印象を感じています。
茂木:今回は私と橋下さんでしたが、“パーソナル”ということは、将来的には、どなたでもご自身のデジタルクローンが作られる、そういう時代が来るということでしょうか。
米倉:はい、近い将来だと思います。
茂木:これはすごいですね…! ちょっと気が早いですが、どんなことに使えるんですかね。
米倉:色んな可能性はあると思いますけど…。例えば、今既に始まっているのが、“デジタルクローンによるアンケートシステム”というのはもう作っていて、そこには数千人のデジタルクローンが既に動いています。本人に聞かなくても、その本人と同じような回答をシステムから得られる、というような仕組みがあったりします。
茂木:数千人のデジタルクローンがもう動いてるんですか(笑)!
米倉:そうです。
茂木:実は、米倉さんがやっていらっしゃるオルツさんもそうなんですが、僕の「デジタルクローンを作りませんか」というお話を、有名な視聴率調査会社からも頂いて。「なんでテレビの視聴率を調査してる会社が、こんな話を持ってくるんだろう?」と思ったんですが、マーケティングで使えるということですね!
米倉:そうですね。一番分かりやすい例としては、そこから始まっていますね。
茂木:大手広告会社でも、人を100人集めてアンケートを取るのはもの凄い手間がかかるじゃないですか。それがもう自動化できちゃうということですか?
米倉:そういうことです。
茂木:そうすると、新商品とか新しいサービスの評判とかも、ある程度アンケートで掴めるかもしれない、と。
米倉:そういう風に使うことを想定しています。
茂木:大幅なコストダウンになりますね。
米倉:そうですね。コストダウンだけじゃなくて、スピードも速くなるし、あとは人間にはできなかったような聞き方とかもできるわけですよね。例えば、既に実際にやっていますけれども、一つの質問に対して、人間に聞けるのは一回じゃないですか。フィジカルな限界も、時間的な限界もありますし。
茂木:よく刑事さんが「もう一度聞くぞ」「もう一度聞くぞ」と、何十回も同じ質問をしたりするじゃないですか。普通、人間は嫌ですよね。でも、デジタルクローンはそれができる、と。
米倉:はい。既に今、アンケートシステムでは、同じ質問を少なくとも100回は聞いています。
茂木:答えは毎回違うんですか?
米倉:全部違います。デジタルクローンの世界から見ると、彼らは世界が分離していて、一回しか聞かれていない感覚でいます。しかし、傾向がありますので、ある程度偏ってくるわけですよね。
茂木:ということは、極端な話、デジタルクローンだったら、“質問10000ノック”とかも可能ということですか?
米倉:全然可能です。しかも一瞬で終わります。
茂木:これ凄いですね…! ということは、マーケティングの世界は革命が起こると。大前提としては、今の消費者とか視聴者の傾向が、デジタルクローンにちゃんと反映されているということですよね。そこはどうされるんですか?
米倉:その通りです。まさに、そこを今、調査会社と協同で精度を検証しているところです。
茂木:ほう…! デジタルクローンはこれからどのように我々の生活を変えていくか、社会の中に入っていくか…そういうビジョンはどのようなものをお持ちですか?
米倉:例えば、『AI議事録』のようなものというのは、元々デジタルクローンを作って行く中で生まれてきた要素技術を事業転用していくという形で、他にはない精度みたいなものをそういうところから一つ得ることができると思うんですが。更に重要なことは、人間が“外部化された自分”みたいなものと接することによって、“自分自身を知る”というきっかけになると思うんですよ。それが人間に与える影響の方が、実は大きな意味を持つんじゃないかと思っています。
茂木:我々一人一人が“デジタルクローンという鏡”を持って、自分を認識できるようになる、と。そういう未来が来るんですかね。
米倉:そういう風に考えています。
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★本日番組でご紹介した、オルツ・デジタルクローン「茂木健一郎さん」の実演は→ >こちらからご覧いただきます!
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●米倉豪志さん Twitter(@goushiyonekura)