2022年01月15日
上田慎一郎監督は、1984年、滋賀県のお生まれです。
中学生の頃から自主映画を撮りはじめ、高校卒業後も独学で映画を学ばれます。
2009年、映画製作団体を結成し、
『お米とおっぱい。』『恋する小説家』『テイク8』等、10本の映画を監督。
国内外の映画祭で、20のグランプリを含む46冠を獲得されました。
その後、2018年、初の劇場用長編映画『カメラを止めるな!』が
2館から350館以上へ拡大する異例の大ヒットを記録し、
興行収入31億円を突破した、映画業界、最注目の監督でいらっしゃいます。
その上田監督の待望の最新作『ポプラン』が、現在、全国で公開されています。
──失敗のリスクがないと作れない
茂木:監督は日本の映画界で占めている位置というのが本当にユニークで、すごいですよね。ご自身としてはどう見てらっしゃるんですか?
上田:いえいえ…! 逆に茂木さんにお聞きしたかったんですが、自分は“逆境フェチ”と言うか、挑戦とか実験がないとものづくりができないみたいなところがあって(笑)。つまり、「こんなの映画になるのか?」「こんなのお話になるのか?」というところからスタートすると不安じゃないですか。よくあるような話とかよく見るような話には、リスクがないのであんまり興味を持てないんですね。
それは、人間の脳的な何かがあるのかな?、ということとか…。
茂木:監督のおっしゃった「なんでチャレンジすることを求めてしまうのか」ということを脳科学的に言うと、元々報酬系のドーパミンという物質は、成功すると分かっていることよりもリスクを取ることの方が、出やすいんですよ。
ただ、今は安心安全と言われていて、なかなかそのリスクを取りにくい世の中でもあるんですけど、上田監督は表現の世界で言ったら『冒険者』。山へ行ったりとか、どんどん冒険する人はいるじゃないですか。あれをやらないと物足りないんでしょうね。
上田:そうそう(笑)。それは人によって個人差があるんですか?
茂木:あります! つまり、“そのドーパミンの報酬系をどう活かすか”というのは、周りの脳の回路が、これまでの経験とか人格とか…。
上田:それは生まれつきもあるけど…?
茂木:育ち方ですね。恐らく原体験があるはずなんですよ。最初に“チャレンジして冒険したら、もの凄く楽しかった”とか…そういう原体験はありますか?
上田:17歳の頃には手作りいかだで琵琶湖を横断しようとやってますので…。それまでも、中学校ぐらいから冒険することが好きだったんです。はっきり認識したのは、20歳ぐらいの時に岡本太郎さんの本を読んで、『死に近づいた時が一番生命が燃え盛る』というところにすごく共感して(笑)。自分も、「死に近づいた時が一番生きてる」、「生を実感できる」、みたいな(笑)。だから、何かものづくりする時に、自分を少しでも死に近づけないといけないんです(笑)。
茂木:なるほど。映画作品で言うと、“失敗しちゃう”というような、ギリギリのところを…。
上田:そうです。“失敗のリスクがないと作れない”というのはあると思うんですよね。
茂木:皆さんはやっぱり『カメラを止めるな!』で上田監督を知って、あれが大好きだという方が多いと思うんですけど、監督の作品は常にフルスイングしてますよね。『カメラを止めるな!』は大ヒットしましたけど、毎回すごくチャレンジしてますね。
上田:そうですね。だからもう、毎回ヘトヘトです…(笑)。
茂木:絶対に同じような作品は作らないですもんね。
上田:でも、一回『かめ止め!』の後に、ちょっとスランプになったことがあったんです。その時はあらゆる声を聞き過ぎて、自分が本当はどうしたいのか分からなくなってしまった時がありました。つまり、「また『カメ止め!』みたいなものをお願いします」と言ってくる人もいるし、「『カメ止め!』とはまた違うのをお願いします」と言ってくる人もいますし。それで作品を作っても、「『カメ止め!』と同じだったな」と言う人もいるし、「『カメ止め!』とはまた違った」と言う人もいるし…。
茂木:他人の声が気になってしまった時期があったと。
上田:他人の声が気になり過ぎて、「本当に自分はどう思っているんだっけな」と分からなくなるようなことはありましたね。
茂木:そういう意味においては、今回の『ポプラン』はやりきってますね(笑)。
上田:そうですね(笑)。でも、その時の悩みとかが滲み込んでもいると思います。
茂木:そうですか。そういう意味で言うと、ちょっと味わい深い作品になってますね。
上田:そうかもしれないですね。自分が誰なのか分からなくなっている人にも観て欲しいな、という話でもあると言うか。
茂木:『ポプラン』は、まさに自分探しの映画ですもんね。
(『カメラを止めるな!』で)あれだけの大ヒットをして、皆が知る監督になって、でもこの時点で一度自分の原点を振り返りたいなという気持ちがあったということですかね?
上田:潜在的にそうかもしれないですね。やっぱり毎回、映画作りは“自分を探す旅”でもあるんです。自分がどう思っているかがすごく出てしまうものなので、今回の映画作りも、主人公と一緒に自分を探す旅でしたね。
■プレゼントのお知らせ
番組でご紹介しました、現在、全国公開中!
映画『ポプラン』の劇場鑑賞券を、3組6名の方にプレゼント致します。
ご希望の方は、お名前やご住所、電話番号など、必要事項を明記の上、
メッセージフォームより、ご応募ください。
茂木さんに聞きたい事や相談したい事など、
一緒にを添えていただけると嬉しいです。
尚、当選者の発表は、商品の発送をもってかえさせていただきます。
たくさんのご応募、お待ちしております。
●上田慎一郎 Twitter(@shin0407)
●映画『ポプラン』 公式ホームページ
●映画『ポプラン』公式Twitter(@cinemalab_jp)
●映画『ポプラン』予告 - YouTube
中学生の頃から自主映画を撮りはじめ、高校卒業後も独学で映画を学ばれます。
2009年、映画製作団体を結成し、
『お米とおっぱい。』『恋する小説家』『テイク8』等、10本の映画を監督。
国内外の映画祭で、20のグランプリを含む46冠を獲得されました。
その後、2018年、初の劇場用長編映画『カメラを止めるな!』が
2館から350館以上へ拡大する異例の大ヒットを記録し、
興行収入31億円を突破した、映画業界、最注目の監督でいらっしゃいます。
その上田監督の待望の最新作『ポプラン』が、現在、全国で公開されています。
──失敗のリスクがないと作れない
茂木:監督は日本の映画界で占めている位置というのが本当にユニークで、すごいですよね。ご自身としてはどう見てらっしゃるんですか?
上田:いえいえ…! 逆に茂木さんにお聞きしたかったんですが、自分は“逆境フェチ”と言うか、挑戦とか実験がないとものづくりができないみたいなところがあって(笑)。つまり、「こんなの映画になるのか?」「こんなのお話になるのか?」というところからスタートすると不安じゃないですか。よくあるような話とかよく見るような話には、リスクがないのであんまり興味を持てないんですね。
それは、人間の脳的な何かがあるのかな?、ということとか…。
茂木:監督のおっしゃった「なんでチャレンジすることを求めてしまうのか」ということを脳科学的に言うと、元々報酬系のドーパミンという物質は、成功すると分かっていることよりもリスクを取ることの方が、出やすいんですよ。
ただ、今は安心安全と言われていて、なかなかそのリスクを取りにくい世の中でもあるんですけど、上田監督は表現の世界で言ったら『冒険者』。山へ行ったりとか、どんどん冒険する人はいるじゃないですか。あれをやらないと物足りないんでしょうね。
上田:そうそう(笑)。それは人によって個人差があるんですか?
茂木:あります! つまり、“そのドーパミンの報酬系をどう活かすか”というのは、周りの脳の回路が、これまでの経験とか人格とか…。
上田:それは生まれつきもあるけど…?
茂木:育ち方ですね。恐らく原体験があるはずなんですよ。最初に“チャレンジして冒険したら、もの凄く楽しかった”とか…そういう原体験はありますか?
上田:17歳の頃には手作りいかだで琵琶湖を横断しようとやってますので…。それまでも、中学校ぐらいから冒険することが好きだったんです。はっきり認識したのは、20歳ぐらいの時に岡本太郎さんの本を読んで、『死に近づいた時が一番生命が燃え盛る』というところにすごく共感して(笑)。自分も、「死に近づいた時が一番生きてる」、「生を実感できる」、みたいな(笑)。だから、何かものづくりする時に、自分を少しでも死に近づけないといけないんです(笑)。
茂木:なるほど。映画作品で言うと、“失敗しちゃう”というような、ギリギリのところを…。
上田:そうです。“失敗のリスクがないと作れない”というのはあると思うんですよね。
茂木:皆さんはやっぱり『カメラを止めるな!』で上田監督を知って、あれが大好きだという方が多いと思うんですけど、監督の作品は常にフルスイングしてますよね。『カメラを止めるな!』は大ヒットしましたけど、毎回すごくチャレンジしてますね。
上田:そうですね。だからもう、毎回ヘトヘトです…(笑)。
茂木:絶対に同じような作品は作らないですもんね。
上田:でも、一回『かめ止め!』の後に、ちょっとスランプになったことがあったんです。その時はあらゆる声を聞き過ぎて、自分が本当はどうしたいのか分からなくなってしまった時がありました。つまり、「また『カメ止め!』みたいなものをお願いします」と言ってくる人もいるし、「『カメ止め!』とはまた違うのをお願いします」と言ってくる人もいますし。それで作品を作っても、「『カメ止め!』と同じだったな」と言う人もいるし、「『カメ止め!』とはまた違った」と言う人もいるし…。
茂木:他人の声が気になってしまった時期があったと。
上田:他人の声が気になり過ぎて、「本当に自分はどう思っているんだっけな」と分からなくなるようなことはありましたね。
茂木:そういう意味においては、今回の『ポプラン』はやりきってますね(笑)。
上田:そうですね(笑)。でも、その時の悩みとかが滲み込んでもいると思います。
茂木:そうですか。そういう意味で言うと、ちょっと味わい深い作品になってますね。
上田:そうかもしれないですね。自分が誰なのか分からなくなっている人にも観て欲しいな、という話でもあると言うか。
茂木:『ポプラン』は、まさに自分探しの映画ですもんね。
(『カメラを止めるな!』で)あれだけの大ヒットをして、皆が知る監督になって、でもこの時点で一度自分の原点を振り返りたいなという気持ちがあったということですかね?
上田:潜在的にそうかもしれないですね。やっぱり毎回、映画作りは“自分を探す旅”でもあるんです。自分がどう思っているかがすごく出てしまうものなので、今回の映画作りも、主人公と一緒に自分を探す旅でしたね。
■プレゼントのお知らせ
番組でご紹介しました、現在、全国公開中!
映画『ポプラン』の劇場鑑賞券を、3組6名の方にプレゼント致します。
ご希望の方は、お名前やご住所、電話番号など、必要事項を明記の上、
メッセージフォームより、ご応募ください。
茂木さんに聞きたい事や相談したい事など、
一緒にを添えていただけると嬉しいです。
尚、当選者の発表は、商品の発送をもってかえさせていただきます。
たくさんのご応募、お待ちしております。
●上田慎一郎 Twitter(@shin0407)
●映画『ポプラン』 公式ホームページ
●映画『ポプラン』公式Twitter(@cinemalab_jp)
●映画『ポプラン』予告 - YouTube