Dream Heart(ドリームハート)

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REPORT 最新のオンエアレポート

Dream HEART vol.451 俳優 津田寛治さん 「現場を楽しんでやること」

2021年11月20日

津田寛治さんは、1965年、福井県のお生まれです。

1993年、北野武監督の映画『ソナチネ』で映画デビュー。
以降、『模倣犯』、『トウキョウソナタ』、『シン・ゴジラ』など、多数出演。

また、『水戸黄門』、『特捜9』、『ラーメン刑事』、大河ドラマ『晴天を衝け』など、ドラマの出演や、
ご自身の脚本・監督作『カタラズのまちで』、『あのまちの夫婦』が公開されるなど、
多方面でご活躍されていらっしゃいます。


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──映画の演技は“お芝居をしない”

茂木:北野武監督の『ソナチネ』で映画デビューされましたが、北野監督の演出などはどうでしたか?

津田:まず、「お芝居をするな」ということを徹底して言われましたね。最初はドキドキしているから、芝居をすることもなく、カメラの前で緊張しているのが立ってるじゃないですか。「ああ、その感じいいよ」と言われるんですね。で、しばらくやっていくうちにこっちも慣れてくるから、ちょっとお芝居を始めちゃうんですね。そうすると監督補の方が来て、「津田君、お芝居が始まっちゃってるよ」とひとこと言うんです(笑)。「芝居はしちゃ駄目。ただ立ってるだけでいんだから」と(笑)。それがまた、最初に教わった“映画の演技”なんですよ。
その後、『キッズ・リターン』の時に若い二人に付けている芝居を見ていたら、監督が言ったのが「悔しいからと言って悔しい芝居はする必要ないから。映画はテレビと違ってもの凄くでかいスクリーンにかけるから、心で思うだけでもそれがお客さんに伝わるんだよ。だから表現する必要はないんだよ。思うだけでいいから」。

茂木:凄くいい話ですね。

津田:そう。それを聞いて、俺は今すごい大事なことを聞いたなと思って。いまだにそれはお芝居する時に心の中で大事にしてますね。

茂木:津田さんは、業界では『困った時の津田寛治』と言われているという一部情報がありまして。

津田:(笑)。そんなことを言われてるんですか(笑)。

茂木:本当に色んな役がお出来になる、と。

津田:出来ると言うか、色んな役をやらせてもらえる運命にはなりましたよね。俳優としては一番幸せなことなんですけれども、まぁたまたまですよね。悪い役から良い役から、色々やらせてもらう俳優にはなりましたね。

茂木:それと同時に、若い時には所謂“下積み”もあって、ついにカンヌのオープニング作品の主演をするところまで来たわけですけど…。その下積みなどと言われるような苦労する時期を、乗り越える秘訣と言うか、心の持ち方は何なんでしょう?

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津田:それはたぶん、“楽しんでやること”だと思います。大杉漣さんもよく「下積みなんかないよ」とおっしゃってたんですが、それは僕もすごく良く分かるんです。やっぱり楽しい思い出しかないんですよね。
バイトしているのは辛かったです。でも、バイトしている辛さを乗り越えられるのは、1年に3回でもいいから現場に行けること。その経験があるからバイトも頑張ってできる、みたいなところがあって。「いつの日か、バイトもせず、ずーっとこの楽しい”現場に行く”ということだけをやっていればいい日が来るのかな」と思いながら生きていて、いつの間にかそれだけで生活できるようになる。こんなに幸せなことは僕の中ではなかったです。
「今までどんな現場が大変でしたか?」と聞かれても、大変で辛いという現場は思いつかないんですよね。今こうやって現場で茂木さんと喋っていること自体もすごく楽しいし、毎回毎回、頂く仕事は本当に奇跡なんですよ。茂木さんとお会いしてこうやって喋れるような日が来ることなんて想像付かなかったですから(笑)。

茂木:いえいえ、こちらこそ本当に光栄です。…ということは、(乗り越える秘訣は)“目の前のお仕事を楽しむこと”なんですね。

津田:そうですね。本当に「楽しい」、「こんな幸せな人生で良かったな」と思っていれば、どんどんいい方向になっていくとは思いますね。

──ガツガツしない

茂木:津田さんは、北野武監督の『ソナチネ』に出演された時もそうですし、今回の『ONODA 一万夜を越えて』の主演を掴まれた時もそうですけど、チャンスを掴む力がある気がします。これは何か秘訣や秘密があるんですか?

津田:う〜ん、掴んでるのかな…? ただ、余りガツガツはしていないかな、というところはありますね。『ONODA』の時もそう思っていたんですけど、「例え俺に決まらなくてもいいから、いい映画になって欲しいな。それを観客として観られる日が来たら幸せだな」と思ってたんですよね(笑)。そうしたら(役が)決まってびっくりしたという(笑)。

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茂木:無欲なのがいいんですかね? ガツガツしちゃうと駄目ですか?

津田:余りガツガツするのは、これからの時代には合っていないような気がしますね。やっぱり「自分は参加できなくてもいいものになって欲しい」とか…。自分一人で掴む幸せはそんなに幸せでもないんですよね。「皆一緒に幸せになれるんだったら、自分はそんなに思った通りにいってなくてもいいかな」ぐらいでやっていると、気が付くと「あれ? 夢叶っちゃってるな」みたいなことが多いですよ(笑)。

茂木:(笑)。ぜひ津田寛治の『自然体で夢を掴む方法』みたいな本が読みたいです(笑)。

津田:いやいや(笑)。

茂木:『ONODA 一万夜を越えて』は色んな要素が合わさってとても素敵な映画になったと思うんですけど、改めてこの映画について、これから観られる方へメッセージがありましたらお願いします。

津田:この『ONODA 一万夜を越えて』の中で描かれている日本軍というのは、これまでに描かれたことのない日本軍になっていると思うんです。世界が描く日本軍だと“悪役としての日本軍”で、日本が描く日本軍だと“滅茶苦茶テンションの高い大和魂を背負った日本軍”になっていたりするんですけれども。この映画で描かれている日本軍というのは、そのどちらでもない、“もの凄くクールな日本軍”として描かれているんですね。だからこそ、日本兵も皆“人”であったし、ちゃんと色んなことを冷静に考えて動いている兵士だったんだということが描かれています。
そう言った中で、人はどう「自分は何のために生きているのか」という永遠のテーマと向き合っていくのか、ということがこの映画の一つの大きな見どころだと思います。だからこそ、これから先、この大変な時代を生きていく若い人たちにこの映画を観て頂きたいと思いますね。

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■プレゼントのお知らせ

番組でご紹介しました、
現在、全国公開中の映画『ONODA 一万夜を越えて』の劇場鑑賞券と、
津田寛治さんの直筆サイン入り前売り特典のリーフレットをセットにして、
2組4名の方にプレゼントいたします。

※チケットは、オンラインで座席予約ができる、ムビチケとなります。

ご希望の方は、お名前やご住所、電話番号など、必要事項を明記の上、
メッセージフォームより、ご応募ください。

茂木さんに聞きたい事や相談したい事など、
一緒にを添えていただけると嬉しいです。

尚、当選者の発表は、商品の発送をもってかえさせていただきます。
たくさんのご応募、お待ちしております。



●映画『ONODA 一万夜を越えて』予告編



 2021年10月8日(金)全国公開
 配給:エレファントハウス
 @cbathysphere ‐ To Be Continued ‐ Ascent film ‐ Chipangu ‐ Frakas Productions ‐ Pandora Film Produktion ‐ Arte France Cinéma


映画『ONODA 一万夜を越えて』公式サイト
 ↑現在上映中の映画館など、詳しい情報は公式サイトでご確認ください。


映画「ONODA」公式Twitter (@OfficialOnoda)


津田寛治 公式サイト