2021年07月24日
Microさんは、1980年、東京都のお生まれ。
お父さまがサーフショップを経営されていた関係で、
幼少期からハワイに頻繁に通い、サーフィンの腕を磨かれます。
Def Techとしては、デビューした2005年に、NHK紅白歌合戦に初出場し、2007年に解散。
解散後は、新人発掘のプロデュース業や、映画監督、俳優など、活躍の場を広げられます。
その後、2010年に、Def Techを再結成し、昨年、デビュー15周年を迎えられ、
現在は、新ユニットWSTとソロ活動を並行しながら、ご活躍中でいらっしゃいます。
──夢・希望が詰まった移民街の群像劇
茂木:Microさんは、2014年と今年の『IN THE HEIGHTS(イン・ザ・ハイツ)』の日本版で主役を務められました。Microさん、主役を演じたわけですけど、『イン・ザ・ハイツ』は、ずばりどんな作品ですか?
Micro:世の中で言う“ラップミュージカル”というのは、たぶんこれが初めてになるんじゃないですかね。日本人の僕たちが海外の移民の物語を演じるというのはなかなか難しいんですけど、群像劇…主役が主役ではなくて、僕のウスナビという役は、ナビゲーターで物語を繋いでいくんです。
僕自身は、自分の人生とすごくクロスオーバーした作品でした。
茂木:そうですか。ウスナビと重なりますか?
Micro:重なりましたね。僕は、東京生まれ・東京育ちで、「“ストリートカルチャー”はファッションじゃなくて、都会の格差の中から生まれてくるものだな」と感じていました。小学校の時はよく分からないんですけど、高学年になってくると、団地の子がいて、目の前にはマイホームの子がいて。2億3億の豪邸の子がいれば、またアパートの子がいて、というそんなものがぐっと集まってきて、大きくなるとだんだんこの格差が離れて行ったりして。
その中で僕自身の夢が、「絶対にこの地元でスターになってやる。このラップで世界に…」という想いがあって、この東京から世界に発信しようと思ったんです。
なので、このウスナビくんの気持ちはすごく分かるんですよね。しかも、この「地元に帰って来たい」というところが、僕が共感できたところですね。
茂木:ドミニカ共和国からの移民さんが、ニューヨークの“ワシントン・ハイツ”にいるんだけど、でも最後の方に「実はニューヨークもふるさとである」みたいなことが、最後の方に見えてきたりしますね。
『イン・ザ・ハイツ』の世界観とMicroさんの目指してきた音楽性が、すごく重なっている気がします。実は、Def Techの曲を聴いて…、Def Techの音楽性は“パシフィック”ですよね?
Micro:“環太平洋ミュージック”という感じですよね。
茂木:ですよね! それと、今回の『イン・ザ・ハイツ』の音楽性がすごく地続きのような気がするんです。主役を演じてみていかがでしたか?
Micro:嬉しいです。演じることについて、全然役者もやってきていないので、“演じる”と言うよりも“自分の中にあるものをどう出すか?”という感じでした。ただ自分が培ってきたラップに関しては、ちょうどKREVAくんが日本の訳詞をしてくださったのもあって、全く違和感なくできたというのがありますね。
茂木:ウスナビの生き方は、恋愛と言うか憧れた女性がいて、コミュニティの皆も大事にしていて。何よりも、故郷のお父様の足跡とかそういうものも大事にしている。そこら辺の人間性の描き方というのは、どうですか?
Micro:僕、(映画を観て)5回泣いちゃったんですよね(笑)。試写に行かせて頂いて、ど頭から感動しちゃって…。
ミュージカルをやっていても、いくら台本を読んでいても、この“行間”とかは映画になってやっと分かった部分が多くて。もちろんブロードウェイも映像で観させて頂いたんですけど、それでも間の文脈はなかなか分からなかったんですよね。それが今回映画化されたことで辻褄が合ったので、自分の場合、2時間45分のミュージカルの間、間の解釈も含めて、もっと飛ばされていたなと思いました。
5回泣いたのは初めてです(笑)。本当にこんなに感動したことはないかも(笑)。
今までできなかったことですよね。白人至上主義からようやくこのヒスパニックの人たちにスポットが当たって、それでブロードウェイが映画化されるという、やっと市民権を得た作品だな、と改めて今思いました。
茂木:そうですよね。こういう移民の方々が主人公のエンタメは、今までアメリカだとなかなか成立しにくかったですもんね。
Micro:だからLAとかに行っても、デリとかスーパーのようなところではヒスパニックの方が働かれていて、本当にアメリカ中がウスナビくんだらけだな、とは思いますね。
茂木:確かにそうですね。今まで彼らの物語が語られることがなかったんだけど、逆にエンターテインメントというのはこういう形でそういうところに焦点を当てられるということがすごいですね。
Micro:すごい夢があるし、すごい希望の作品だと思いますね。
茂木:大停電だとか、文明に対する批評みたいなものもちゃんと入っていますしね。
Micro:そうですね。自分は“ブラックアウト”がなかなか自分の中に落とし込めなくて。日本で停電は余りないじゃないですか。ただ、東日本の震災とかを自分の中でもう一度蘇えらせて、「その前後にあったストーリーはどうなんだろう?」という、自然災害ないし人災ですけど、それなら出てくるな、と。
移民街の話なんですけど、対岸の火事ではなくて、1つ1つ自分たちの出来事に置き換えられるのはすごいなと思いますね。
茂木:Microさんは、こういうミュージカルを観ていると、自分で作りたくなっちゃうんじゃないかな、と思うんですけど…。
Micro:やりたいです! 脚本から携わりたいですね。
茂木:やりたいですよね。全部やって、主役もできるわけだから。
Micro:模倣じゃないですけど、日本でもこの『イン・ザ・ハイツ』をベースに、ルーツにした、3・4日間の出来事というのは描けるんじゃないかな。コロナのことだったり、震災のこと、ここ最近で言うと熱海のこともそうですし、人災・自然災害を絡めた風化させてはいけないメッセージがたくさんあるな、と思いますね。
茂木:Microさん、改めて、『イン・ザ・ハイツ』の推薦の言葉をお願いします。
Micro:絶対に観てください! 今この時代に必要なメッセージがふんだんに詰まっていますし、主役それぞれの群像劇ですね。絶対に来週から観てください!
茂木:しかも、これはエンドクレジットの後が油断していてはいけないんですよね。
Micro:油断してちゃいけないです! クレジットの最後まで席を立っちゃ駄目ですよ!
茂木:ぜひ最後まで味わってください。
●映画『イン・ザ・ハイツ』 7月30日(金) 全国ロードショー!
© 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved
配給:ワーナー・ブラザース映画
●映画『イン・ザ・ハイツ』公式サイト
↑7月30日(金)から全国公開!
上映している映画館など、詳しくは公式サイトをご確認ください。
●Def Tech 公式サイト
↑Microさんの今後の予定などは、公式サイトをご覧ください!
●WST(ダブスト) 公式サイト
お父さまがサーフショップを経営されていた関係で、
幼少期からハワイに頻繁に通い、サーフィンの腕を磨かれます。
Def Techとしては、デビューした2005年に、NHK紅白歌合戦に初出場し、2007年に解散。
解散後は、新人発掘のプロデュース業や、映画監督、俳優など、活躍の場を広げられます。
その後、2010年に、Def Techを再結成し、昨年、デビュー15周年を迎えられ、
現在は、新ユニットWSTとソロ活動を並行しながら、ご活躍中でいらっしゃいます。
──夢・希望が詰まった移民街の群像劇
茂木:Microさんは、2014年と今年の『IN THE HEIGHTS(イン・ザ・ハイツ)』の日本版で主役を務められました。Microさん、主役を演じたわけですけど、『イン・ザ・ハイツ』は、ずばりどんな作品ですか?
Micro:世の中で言う“ラップミュージカル”というのは、たぶんこれが初めてになるんじゃないですかね。日本人の僕たちが海外の移民の物語を演じるというのはなかなか難しいんですけど、群像劇…主役が主役ではなくて、僕のウスナビという役は、ナビゲーターで物語を繋いでいくんです。
僕自身は、自分の人生とすごくクロスオーバーした作品でした。
茂木:そうですか。ウスナビと重なりますか?
Micro:重なりましたね。僕は、東京生まれ・東京育ちで、「“ストリートカルチャー”はファッションじゃなくて、都会の格差の中から生まれてくるものだな」と感じていました。小学校の時はよく分からないんですけど、高学年になってくると、団地の子がいて、目の前にはマイホームの子がいて。2億3億の豪邸の子がいれば、またアパートの子がいて、というそんなものがぐっと集まってきて、大きくなるとだんだんこの格差が離れて行ったりして。
その中で僕自身の夢が、「絶対にこの地元でスターになってやる。このラップで世界に…」という想いがあって、この東京から世界に発信しようと思ったんです。
なので、このウスナビくんの気持ちはすごく分かるんですよね。しかも、この「地元に帰って来たい」というところが、僕が共感できたところですね。
茂木:ドミニカ共和国からの移民さんが、ニューヨークの“ワシントン・ハイツ”にいるんだけど、でも最後の方に「実はニューヨークもふるさとである」みたいなことが、最後の方に見えてきたりしますね。
『イン・ザ・ハイツ』の世界観とMicroさんの目指してきた音楽性が、すごく重なっている気がします。実は、Def Techの曲を聴いて…、Def Techの音楽性は“パシフィック”ですよね?
Micro:“環太平洋ミュージック”という感じですよね。
茂木:ですよね! それと、今回の『イン・ザ・ハイツ』の音楽性がすごく地続きのような気がするんです。主役を演じてみていかがでしたか?
Micro:嬉しいです。演じることについて、全然役者もやってきていないので、“演じる”と言うよりも“自分の中にあるものをどう出すか?”という感じでした。ただ自分が培ってきたラップに関しては、ちょうどKREVAくんが日本の訳詞をしてくださったのもあって、全く違和感なくできたというのがありますね。
茂木:ウスナビの生き方は、恋愛と言うか憧れた女性がいて、コミュニティの皆も大事にしていて。何よりも、故郷のお父様の足跡とかそういうものも大事にしている。そこら辺の人間性の描き方というのは、どうですか?
Micro:僕、(映画を観て)5回泣いちゃったんですよね(笑)。試写に行かせて頂いて、ど頭から感動しちゃって…。
ミュージカルをやっていても、いくら台本を読んでいても、この“行間”とかは映画になってやっと分かった部分が多くて。もちろんブロードウェイも映像で観させて頂いたんですけど、それでも間の文脈はなかなか分からなかったんですよね。それが今回映画化されたことで辻褄が合ったので、自分の場合、2時間45分のミュージカルの間、間の解釈も含めて、もっと飛ばされていたなと思いました。
5回泣いたのは初めてです(笑)。本当にこんなに感動したことはないかも(笑)。
今までできなかったことですよね。白人至上主義からようやくこのヒスパニックの人たちにスポットが当たって、それでブロードウェイが映画化されるという、やっと市民権を得た作品だな、と改めて今思いました。
茂木:そうですよね。こういう移民の方々が主人公のエンタメは、今までアメリカだとなかなか成立しにくかったですもんね。
Micro:だからLAとかに行っても、デリとかスーパーのようなところではヒスパニックの方が働かれていて、本当にアメリカ中がウスナビくんだらけだな、とは思いますね。
茂木:確かにそうですね。今まで彼らの物語が語られることがなかったんだけど、逆にエンターテインメントというのはこういう形でそういうところに焦点を当てられるということがすごいですね。
Micro:すごい夢があるし、すごい希望の作品だと思いますね。
茂木:大停電だとか、文明に対する批評みたいなものもちゃんと入っていますしね。
Micro:そうですね。自分は“ブラックアウト”がなかなか自分の中に落とし込めなくて。日本で停電は余りないじゃないですか。ただ、東日本の震災とかを自分の中でもう一度蘇えらせて、「その前後にあったストーリーはどうなんだろう?」という、自然災害ないし人災ですけど、それなら出てくるな、と。
移民街の話なんですけど、対岸の火事ではなくて、1つ1つ自分たちの出来事に置き換えられるのはすごいなと思いますね。
茂木:Microさんは、こういうミュージカルを観ていると、自分で作りたくなっちゃうんじゃないかな、と思うんですけど…。
Micro:やりたいです! 脚本から携わりたいですね。
茂木:やりたいですよね。全部やって、主役もできるわけだから。
Micro:模倣じゃないですけど、日本でもこの『イン・ザ・ハイツ』をベースに、ルーツにした、3・4日間の出来事というのは描けるんじゃないかな。コロナのことだったり、震災のこと、ここ最近で言うと熱海のこともそうですし、人災・自然災害を絡めた風化させてはいけないメッセージがたくさんあるな、と思いますね。
茂木:Microさん、改めて、『イン・ザ・ハイツ』の推薦の言葉をお願いします。
Micro:絶対に観てください! 今この時代に必要なメッセージがふんだんに詰まっていますし、主役それぞれの群像劇ですね。絶対に来週から観てください!
茂木:しかも、これはエンドクレジットの後が油断していてはいけないんですよね。
Micro:油断してちゃいけないです! クレジットの最後まで席を立っちゃ駄目ですよ!
茂木:ぜひ最後まで味わってください。
●映画『イン・ザ・ハイツ』 7月30日(金) 全国ロードショー!
© 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved
配給:ワーナー・ブラザース映画
●映画『イン・ザ・ハイツ』公式サイト
↑7月30日(金)から全国公開!
上映している映画館など、詳しくは公式サイトをご確認ください。
●Def Tech 公式サイト
↑Microさんの今後の予定などは、公式サイトをご覧ください!
●WST(ダブスト) 公式サイト