2021年07月03日
シオリーヌさんは、1991年、神奈川県のお生まれ。
助産師として総合病院の産婦人科病棟で勤務ののち、
精神科の児童思春期病棟で、若者の心理的ケアを学ばれます。
2017年より性教育に関する発信活動をはじめ、
2019年2月よりYouTubeチャンネルで動画投稿を開始され、
たちまち10代、20代から支持を集め、現在のチャンネル登録数は、
(この収録時点で)14万7000人と、人気を集めていらっしゃいます。
──“普通”にできないと自分を責める子供たち
茂木:『こどもジェンダー』の本は本当に素晴らしいと思うんですけど、例えば、女性がスカートを履くのは当たり前なんだけど、「男の子でもスカートを履いてみたいという子がいたら、どうしたらいいか?」というね。そういう子はいますもんね。
シオリーヌ:はい、いらっしゃると思います。それこそ日本の学校では、制服を選ぶ時に、トランスジェンダーの方でも、そうでなくても、自分の定められた制服じゃない方を着たいと思う方もいらっしゃると思います。その時に、女子生徒がズボンを履くことというのは結構許容されていくんですけど、男子生徒がスカートを履くという選択肢が用意されないことが非常に多くて。「日本の社会では、男の子がスカートを着るという服装に対しての許容度がすごく低い」ということは、制服の中でもとても問題視されているところだったりもするので、わざわざそこに境界線を設けなくてもいいのではないかな、と思います。
もちろん“男の子で「スカートを履きたい」=「女の子になりたい」子なのか?”、というとそうでもなかったりするんですよね。男の子として生きているけれども、“女性の着る服が着たいだけ”というセクシュアリティの方ももちろんいらっしゃいます。だから、ひとりひとり自分の体に自分が着たい物を着る権利というのがあると思うので、人の権利を奪わない・選択肢を狭めない雰囲気づくりをしていきたいなと思っていますね。
茂木:シオリーヌさんの『こどもジェンダー』を読んでいると、我々は「男らしさ」「女らしさ」というのに囚われてしまっているんだな、と思うんですけど、シオリーヌさんはどうやってここに来たんですか? 今まで働いてこられた現場で、こういった問題に出会ったんですか?
シオリーヌ:それも大きいかなと思います。私は助産師として産婦人科に勤務した後に、精神科の“児童思春期病棟”という病棟でも働いていたことがあるんです。
心のトラブルや課題を抱えていらっしゃるようなお子さんたちと、たくさんお話をする機会があったんですけど、そこで思い悩んでいる子供たちの中には、「普通はこうじゃなきゃいけないのに」とか、「女の子ってこうじゃなきゃいけないのに」とか、“人から押し付けられている枠の中に自分が当てはまらない”ということで悩んでいるお子さんがすごく多かったんですよ。
茂木:そうなんだ。
シオリーヌ:「これが普通なのに、普通にできない自分」のことをすごく責めてしまっていたりだとか、ということがとても多かったんです。でも出会ってきた子供たちを見ていると、本当にみんなオリジナルの魅力がたくさんあって、「そんな枠に囚われず、あなたの素敵なところを伸ばして行けばいいのに」と思うような出会いがたくさんあったんですけど、そうはさせてくれない社会というのがあって。やっぱりその社会の方を大人が変えていかなきゃならないんじゃないかな、とすごく考えていたので、それが今の私の活動の一つのルーツになっているかもしれないな、と思います。
茂木:素敵ですよね。『こどもジェンダー』というこの一冊の本が出ることで、救われる人がたくさんいるでしょうしね。たくさんの人に読んで頂いて、社会の意識が変わっていくといいですよね。
シオリーヌ:本当にそう思いますね。この本は子供向けに書いた本ではありますけど、これを読み聞かせしている大人の方に、聞いて欲しいという考えもすごくあるんです。子供に対して読み聞かせているうちに、自分の中にあった固定概念とか、自分が持っていた偏見みたいなものに、ちょっとでいいから気が付いてもらえるような体験になってくれるといいな、という思いもあります。
茂木:シオリーヌさんがYouTuberとして発信されてることは、本当に大事なことだと思うんですけど、日本の社会はこれからどう変わっていって欲しいですか?
シオリーヌ:今はこうやって、一人のYouTuberだったりとか様々な民間の企業だったりが、学校で届けられていない性の情報というのを子供たちにきちんと伝えるために色んな発信を頑張って、すごく増えてきたと思っているんですけど、やっぱり根本は、学校での教育できちんと性教育が届けられて欲しい、という思いはずっとあります。
ネットにある情報に辿り着ける子というのも限られた人数かなと思うので、日本全国どの地域のどんな学校に通っている子でも、性に関する情報が当たり前に学べる社会になって欲しいです。最終的には、国の教育システムが変わってくれることを願って、そこに届くまで活動を頑張らないとな、と思っています。
茂木:今の子たちはYouTubeを観るんだけど、国の中でそういうことを決めていらっしゃる先生方とかは、ちょっと違う文化圏ですもんね。
シオリーヌ:そうですね。それこそ、ご自身も性教育というものを受けたことがない世代の方もとても多いと思うので、「いざ性教育をしたい」と言われても、それが子供に伝えるべきでないような情報…卑猥なことだとかを伝えようとしているんじゃないか、という偏見がある方がまだまだ多いと思います。まずは、“今、子供たちに必要だと私たちが声を上げている『性教育』というものが、どういう中身なのか”ということを知って頂くところから始めないといけないな、と思っています。
■プレゼントのお知らせ
ご紹介してきた、シオリーヌさんが「ジェンダー・セクシュアリティ」について
書かれた絵本『こどもジェンダー』に、直筆サインを入れて、
3名の方にプレゼントいたします。
ご希望の方は、お名前やご住所、電話番号など、必要事項を明記の上、
メッセージフォームより、ご応募ください。
茂木さんに聞きたい事や相談したい事など、
一緒にを添えていただけると嬉しいです。
尚、当選者の発表は、商品の発送をもってかえさせていただきます。
たくさんのご応募、お待ちしております。
●【性教育YouTuber】シオリーヌ - YouTube
●シオリーヌ (@shiori_mw) ・Twitter
●こどもジェンダー / シオリーヌ(著)(Amazon)
●シオリーヌ公式サイト
●CHOICE 自分で選びとるための「性」の知識 / シオリーヌ(著)(Amazon)
助産師として総合病院の産婦人科病棟で勤務ののち、
精神科の児童思春期病棟で、若者の心理的ケアを学ばれます。
2017年より性教育に関する発信活動をはじめ、
2019年2月よりYouTubeチャンネルで動画投稿を開始され、
たちまち10代、20代から支持を集め、現在のチャンネル登録数は、
(この収録時点で)14万7000人と、人気を集めていらっしゃいます。
──“普通”にできないと自分を責める子供たち
茂木:『こどもジェンダー』の本は本当に素晴らしいと思うんですけど、例えば、女性がスカートを履くのは当たり前なんだけど、「男の子でもスカートを履いてみたいという子がいたら、どうしたらいいか?」というね。そういう子はいますもんね。
シオリーヌ:はい、いらっしゃると思います。それこそ日本の学校では、制服を選ぶ時に、トランスジェンダーの方でも、そうでなくても、自分の定められた制服じゃない方を着たいと思う方もいらっしゃると思います。その時に、女子生徒がズボンを履くことというのは結構許容されていくんですけど、男子生徒がスカートを履くという選択肢が用意されないことが非常に多くて。「日本の社会では、男の子がスカートを着るという服装に対しての許容度がすごく低い」ということは、制服の中でもとても問題視されているところだったりもするので、わざわざそこに境界線を設けなくてもいいのではないかな、と思います。
もちろん“男の子で「スカートを履きたい」=「女の子になりたい」子なのか?”、というとそうでもなかったりするんですよね。男の子として生きているけれども、“女性の着る服が着たいだけ”というセクシュアリティの方ももちろんいらっしゃいます。だから、ひとりひとり自分の体に自分が着たい物を着る権利というのがあると思うので、人の権利を奪わない・選択肢を狭めない雰囲気づくりをしていきたいなと思っていますね。
茂木:シオリーヌさんの『こどもジェンダー』を読んでいると、我々は「男らしさ」「女らしさ」というのに囚われてしまっているんだな、と思うんですけど、シオリーヌさんはどうやってここに来たんですか? 今まで働いてこられた現場で、こういった問題に出会ったんですか?
シオリーヌ:それも大きいかなと思います。私は助産師として産婦人科に勤務した後に、精神科の“児童思春期病棟”という病棟でも働いていたことがあるんです。
心のトラブルや課題を抱えていらっしゃるようなお子さんたちと、たくさんお話をする機会があったんですけど、そこで思い悩んでいる子供たちの中には、「普通はこうじゃなきゃいけないのに」とか、「女の子ってこうじゃなきゃいけないのに」とか、“人から押し付けられている枠の中に自分が当てはまらない”ということで悩んでいるお子さんがすごく多かったんですよ。
茂木:そうなんだ。
シオリーヌ:「これが普通なのに、普通にできない自分」のことをすごく責めてしまっていたりだとか、ということがとても多かったんです。でも出会ってきた子供たちを見ていると、本当にみんなオリジナルの魅力がたくさんあって、「そんな枠に囚われず、あなたの素敵なところを伸ばして行けばいいのに」と思うような出会いがたくさんあったんですけど、そうはさせてくれない社会というのがあって。やっぱりその社会の方を大人が変えていかなきゃならないんじゃないかな、とすごく考えていたので、それが今の私の活動の一つのルーツになっているかもしれないな、と思います。
茂木:素敵ですよね。『こどもジェンダー』というこの一冊の本が出ることで、救われる人がたくさんいるでしょうしね。たくさんの人に読んで頂いて、社会の意識が変わっていくといいですよね。
シオリーヌ:本当にそう思いますね。この本は子供向けに書いた本ではありますけど、これを読み聞かせしている大人の方に、聞いて欲しいという考えもすごくあるんです。子供に対して読み聞かせているうちに、自分の中にあった固定概念とか、自分が持っていた偏見みたいなものに、ちょっとでいいから気が付いてもらえるような体験になってくれるといいな、という思いもあります。
茂木:シオリーヌさんがYouTuberとして発信されてることは、本当に大事なことだと思うんですけど、日本の社会はこれからどう変わっていって欲しいですか?
シオリーヌ:今はこうやって、一人のYouTuberだったりとか様々な民間の企業だったりが、学校で届けられていない性の情報というのを子供たちにきちんと伝えるために色んな発信を頑張って、すごく増えてきたと思っているんですけど、やっぱり根本は、学校での教育できちんと性教育が届けられて欲しい、という思いはずっとあります。
ネットにある情報に辿り着ける子というのも限られた人数かなと思うので、日本全国どの地域のどんな学校に通っている子でも、性に関する情報が当たり前に学べる社会になって欲しいです。最終的には、国の教育システムが変わってくれることを願って、そこに届くまで活動を頑張らないとな、と思っています。
茂木:今の子たちはYouTubeを観るんだけど、国の中でそういうことを決めていらっしゃる先生方とかは、ちょっと違う文化圏ですもんね。
シオリーヌ:そうですね。それこそ、ご自身も性教育というものを受けたことがない世代の方もとても多いと思うので、「いざ性教育をしたい」と言われても、それが子供に伝えるべきでないような情報…卑猥なことだとかを伝えようとしているんじゃないか、という偏見がある方がまだまだ多いと思います。まずは、“今、子供たちに必要だと私たちが声を上げている『性教育』というものが、どういう中身なのか”ということを知って頂くところから始めないといけないな、と思っています。
■プレゼントのお知らせ
ご紹介してきた、シオリーヌさんが「ジェンダー・セクシュアリティ」について
書かれた絵本『こどもジェンダー』に、直筆サインを入れて、
3名の方にプレゼントいたします。
ご希望の方は、お名前やご住所、電話番号など、必要事項を明記の上、
メッセージフォームより、ご応募ください。
茂木さんに聞きたい事や相談したい事など、
一緒にを添えていただけると嬉しいです。
尚、当選者の発表は、商品の発送をもってかえさせていただきます。
たくさんのご応募、お待ちしております。
●【性教育YouTuber】シオリーヌ - YouTube
●シオリーヌ (@shiori_mw) ・Twitter
●こどもジェンダー / シオリーヌ(著)(Amazon)
●シオリーヌ公式サイト
●CHOICE 自分で選びとるための「性」の知識 / シオリーヌ(著)(Amazon)