2021年02月27日
CANDLE JUNE(キャンドル・ジュン)さんは、長野県のご出身で、
1994年に、キャンドル制作を始められます。
「灯す場所」にこだわり、様々なフィールドで空間演出を行い、
キャンドルデコレーションというジャンルを確立。
2001年に、原爆の残り火とされる「平和の火」を広島で灯してから、
「Candle Odyssey」という、悲しみの地を巡る旅を続けていらっしゃいます。
そして、2011年、東日本大震災を受けて
「一般社団法人LOVE FOR NIPPON」を発足、支援活動を始められます。
また、毎月、月命日の11日には、福島の各地でキャンドルナイトを行い、
3月11日には「SONG OF THE EARTH 311 FUKUSHIMA」を開催されるなど、
継続的に被災地の支援活動をされていらっしゃいます。
──「大地のメッセージ」
茂木:3月10と11日に行われる「SONG OF THE EARTH 311 FUKUSHIMA 2021」というイベントなんですが、今年はどういう形で開催されるんですか?
CANDLE JUNE:「SONG OF THE EARTH」自体は、3月10日〜13日までという長い内容にはしているんですが、3月10日は、福島の原発事故の記録を伝承して伝えていく、『東日本大震災・原子力災害 伝承館』という建物で、キャンドルナイトと凧あげをします。
キャンドルナイトは毎月ずっとやっていて、“福島の皆さんの想いと子供たちの夢を灯そう”とやってきているんですけど、3月11日の黙とうが14時台という昼間の時間帯なんです。その黙とうのところをメディアの方たちに取り上げて貰う時には、まだキャンドルナイトは準備中みたいになっちゃうんです。
会場の(ナショナルトレーニングセンター)Jヴィレッジは、サッカーのプレイコートのピッチがたくさんある広いところなんですけど、そこのいつも空が広くて大きく見える中で、黙とうして目を閉じて目を開けたら、みんな空を見上げるんですよね。「あれはどういう行為なのかな?」というか、宗教とかを越えて、黙とうした後にみんな空を見上げてるなと思った時に、「じゃあ、子供たちの夢をキャンドルのカップに書くだけじゃなくて、夢を大きい凧に書いて凧あげをしよう」と考えました。
茂木:そうですか〜。
CANDLE JUNE:ここに至るまでには色々経緯があります。楢葉町と広野町という両方の町の間にJヴィレッジがあるんですけど、楢葉町とは色んなことで関わっているんですが広野町ではあまり関わっていなかったんです。
広野町の産物を聞くと、これまで原発で働く方たちのホームタウンみたいな感じだったので、特別な産物がそんなになかったらしいんですけど、イオングループさんなどが、「『日本最北端でできるバナナ』を広野町で作ろう」ということで、バナナを生産しているんです。「そのバナナの茎を和紙に変えよう」ということで、『遠野和紙』というところが和紙にしてくれているんだよ、という話を聞いた時に、“その和紙を使って何かできないかな”というのと、この黙とう時間のことが自分の中でアイデアが固まって、「凧をあげよう」となりました。
その凧あげを去年やったんですけど、今年は福島の7ブロックの子供たち全員に夢を書いてもらって、大きい凧をあげようかなと考えています。
茂木:いいですね。この1年、みんな辛かったでしょうしね。色々大変なこともあったから、ちょうど10周年という節目にそういうことができたら、本当にいいですね。
CANDLE JUNE:キャンドルナイトも凧あげも、自分じゃないとできない、じゃなくて、“福島の皆さんと一緒にやらないとできない”ということが、徐々に、これから3月11日に自発的に福島でもそういうアクションが広がっていってくれたらいいな、という部分と。
「SONG OF THE EARTH」自体は新潟の中越地震に3年間仮設に通った後の4年目からスタートしたフェスティバルなんですけど、地震という表現を英語で「earthquake」ではなくて、「SONG OF THE EARTH」という『大地のメッセージ』というか『大地の歌』だよ、というふうに表現していけたらいいなと思って新潟から始めました。
その新潟のメンバーも福島の支援に一緒に入ってくれていた中では、新潟で活動を10年続けて、「じゃあそろそろ福島に引っ越そうか」ということで、福島でも「SONG OF THE EARTH」というフェスを開催するようになりました。
今年はそのフェスティバルを3月11日にやるんですけど、12・13日は、環境省さんと一緒にシンポジウムを開催することにしていて、そのシンポジウムが、ある意味今年一番の肝になると言うか。
“10年で一区切り”と言われがちですが、終わっていくことも多々ある中で、10年の纏めをしていないなと思っていて。その10年の良かったこと・悪かったことの反省を纏めて、これから先の街づくりに活かしていくべきじゃないかな、と思って12日・13日にシンポジウムを開催するんです。
茂木:先ほど、CANDLE JUNEさんが凧あげを思いついた時のインスピレーションについてお話いただいたんですが、アーティストとしてひらめくのはどういう時ですか?
CANDLE JUNE:自分の中でのアートは、“アート業界での価格がつけられるもの”よりは、今の世の中にはまだないんだけれども、“ちょっと新しいものを生み出した人”が自分がかっこいいなと思うアーティストだなと思います。今の構造体やシステムが変だということに対して“違うよね”と一歩前に出す人もアーティストだと思うんですけど。
ここまでの自分はサービス業だと思っていて、キャンドルのデコレーションは、実は自分がどうしたい・こうしたい、ではなく、そのイベントがどんな趣旨で、どんな場所で、どんな人が来て、という情報を全部入れて、入れた上で、危なくないとかどうしたら効果的かということを導き出してやっているので、サービスに近いんです。
茂木:なるほど。
CANDLE JUNE:だから、凧とかにしても、“こんな素材があるよ”とか。冷蔵庫の残り物で美味しいご飯を作れる人というか(笑)、それが今までの自分でした。
ただ、自分が憧れるアーティストというのは、やっぱり今言ったような人だな、と思うと、自分が支援活動という名目でしているものの、自分が今までやってきたことを全部踏まえて、「これからやっていくアクション自体が自分のアート活動だ」と言いたいなと思うんですよね。
茂木:本当にとても素晴らしいイベントになると思います。これは参加するためにはどうすればいいんですか?
CANDLE JUNE:3月11日は平日なんですけども、皆さんお休みを取って頂いて、福島に来てください、ということですね(笑)。
茂木:申し込みとかはありますか?
CANDLE JUNE:無料のイベントなので、そんなに呼んでたくさん来ちゃったらどうしよう、という感じなんですけど、一部配信もしていくので、配信も観て貰えたらな、と思います。
●CANDLE JUNE − 公式サイト
↑オンラインショップ「WEBDNACS」も、こちらから!
●SONG OF THE EARTH 311 − 公式サイト
●SONG OF THE EARTH 311 (@SOTE_2014) Twitter
●LOVE FOR NIPPON − 公式サイト
●LOVE FORNIPPON(@LOVEFORNIPPON)Twitter
1994年に、キャンドル制作を始められます。
「灯す場所」にこだわり、様々なフィールドで空間演出を行い、
キャンドルデコレーションというジャンルを確立。
2001年に、原爆の残り火とされる「平和の火」を広島で灯してから、
「Candle Odyssey」という、悲しみの地を巡る旅を続けていらっしゃいます。
そして、2011年、東日本大震災を受けて
「一般社団法人LOVE FOR NIPPON」を発足、支援活動を始められます。
また、毎月、月命日の11日には、福島の各地でキャンドルナイトを行い、
3月11日には「SONG OF THE EARTH 311 FUKUSHIMA」を開催されるなど、
継続的に被災地の支援活動をされていらっしゃいます。
──「大地のメッセージ」
茂木:3月10と11日に行われる「SONG OF THE EARTH 311 FUKUSHIMA 2021」というイベントなんですが、今年はどういう形で開催されるんですか?
CANDLE JUNE:「SONG OF THE EARTH」自体は、3月10日〜13日までという長い内容にはしているんですが、3月10日は、福島の原発事故の記録を伝承して伝えていく、『東日本大震災・原子力災害 伝承館』という建物で、キャンドルナイトと凧あげをします。
キャンドルナイトは毎月ずっとやっていて、“福島の皆さんの想いと子供たちの夢を灯そう”とやってきているんですけど、3月11日の黙とうが14時台という昼間の時間帯なんです。その黙とうのところをメディアの方たちに取り上げて貰う時には、まだキャンドルナイトは準備中みたいになっちゃうんです。
会場の(ナショナルトレーニングセンター)Jヴィレッジは、サッカーのプレイコートのピッチがたくさんある広いところなんですけど、そこのいつも空が広くて大きく見える中で、黙とうして目を閉じて目を開けたら、みんな空を見上げるんですよね。「あれはどういう行為なのかな?」というか、宗教とかを越えて、黙とうした後にみんな空を見上げてるなと思った時に、「じゃあ、子供たちの夢をキャンドルのカップに書くだけじゃなくて、夢を大きい凧に書いて凧あげをしよう」と考えました。
茂木:そうですか〜。
CANDLE JUNE:ここに至るまでには色々経緯があります。楢葉町と広野町という両方の町の間にJヴィレッジがあるんですけど、楢葉町とは色んなことで関わっているんですが広野町ではあまり関わっていなかったんです。
広野町の産物を聞くと、これまで原発で働く方たちのホームタウンみたいな感じだったので、特別な産物がそんなになかったらしいんですけど、イオングループさんなどが、「『日本最北端でできるバナナ』を広野町で作ろう」ということで、バナナを生産しているんです。「そのバナナの茎を和紙に変えよう」ということで、『遠野和紙』というところが和紙にしてくれているんだよ、という話を聞いた時に、“その和紙を使って何かできないかな”というのと、この黙とう時間のことが自分の中でアイデアが固まって、「凧をあげよう」となりました。
その凧あげを去年やったんですけど、今年は福島の7ブロックの子供たち全員に夢を書いてもらって、大きい凧をあげようかなと考えています。
茂木:いいですね。この1年、みんな辛かったでしょうしね。色々大変なこともあったから、ちょうど10周年という節目にそういうことができたら、本当にいいですね。
CANDLE JUNE:キャンドルナイトも凧あげも、自分じゃないとできない、じゃなくて、“福島の皆さんと一緒にやらないとできない”ということが、徐々に、これから3月11日に自発的に福島でもそういうアクションが広がっていってくれたらいいな、という部分と。
「SONG OF THE EARTH」自体は新潟の中越地震に3年間仮設に通った後の4年目からスタートしたフェスティバルなんですけど、地震という表現を英語で「earthquake」ではなくて、「SONG OF THE EARTH」という『大地のメッセージ』というか『大地の歌』だよ、というふうに表現していけたらいいなと思って新潟から始めました。
その新潟のメンバーも福島の支援に一緒に入ってくれていた中では、新潟で活動を10年続けて、「じゃあそろそろ福島に引っ越そうか」ということで、福島でも「SONG OF THE EARTH」というフェスを開催するようになりました。
今年はそのフェスティバルを3月11日にやるんですけど、12・13日は、環境省さんと一緒にシンポジウムを開催することにしていて、そのシンポジウムが、ある意味今年一番の肝になると言うか。
“10年で一区切り”と言われがちですが、終わっていくことも多々ある中で、10年の纏めをしていないなと思っていて。その10年の良かったこと・悪かったことの反省を纏めて、これから先の街づくりに活かしていくべきじゃないかな、と思って12日・13日にシンポジウムを開催するんです。
茂木:先ほど、CANDLE JUNEさんが凧あげを思いついた時のインスピレーションについてお話いただいたんですが、アーティストとしてひらめくのはどういう時ですか?
CANDLE JUNE:自分の中でのアートは、“アート業界での価格がつけられるもの”よりは、今の世の中にはまだないんだけれども、“ちょっと新しいものを生み出した人”が自分がかっこいいなと思うアーティストだなと思います。今の構造体やシステムが変だということに対して“違うよね”と一歩前に出す人もアーティストだと思うんですけど。
ここまでの自分はサービス業だと思っていて、キャンドルのデコレーションは、実は自分がどうしたい・こうしたい、ではなく、そのイベントがどんな趣旨で、どんな場所で、どんな人が来て、という情報を全部入れて、入れた上で、危なくないとかどうしたら効果的かということを導き出してやっているので、サービスに近いんです。
茂木:なるほど。
CANDLE JUNE:だから、凧とかにしても、“こんな素材があるよ”とか。冷蔵庫の残り物で美味しいご飯を作れる人というか(笑)、それが今までの自分でした。
ただ、自分が憧れるアーティストというのは、やっぱり今言ったような人だな、と思うと、自分が支援活動という名目でしているものの、自分が今までやってきたことを全部踏まえて、「これからやっていくアクション自体が自分のアート活動だ」と言いたいなと思うんですよね。
茂木:本当にとても素晴らしいイベントになると思います。これは参加するためにはどうすればいいんですか?
CANDLE JUNE:3月11日は平日なんですけども、皆さんお休みを取って頂いて、福島に来てください、ということですね(笑)。
茂木:申し込みとかはありますか?
CANDLE JUNE:無料のイベントなので、そんなに呼んでたくさん来ちゃったらどうしよう、という感じなんですけど、一部配信もしていくので、配信も観て貰えたらな、と思います。
●CANDLE JUNE − 公式サイト
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