2021年01月23日
笠井さんは、1963年、東京都のお生まれ。
早稲田大学を卒業後、アナウンサーとしてフジテレビに入社。
「とくダネ!」など、主に情報番組でご活躍されます。
そして、2019年10月、フリーアナウンサーに転身。
直後、ステージ4の悪性リンパ腫であることが発覚し、
12月より入院、治療を始められます。
ブログで闘病の様子をつづり、また、ステイホームの呼びかけも行うなど、
自身のSNSで発信をし続け、2020年の4月に退院。
6月に完全寛解し、7月からお仕事に復帰され、
現在、ご活躍中でいらっしゃいます。
──テレビだけでは立ち行かない現実
茂木:せっかく大メディア人に来ていただいているので…。これから、テレビと映画、他のメディアとかの関係というのはどうなりますかね?
笠井:まず、テレビが電波収入だけでは立ち行かなくなっているというのは、もう厳然たる事実なんですよ。それは何故かと言うと、ネット社会がここまで大きくなって、広告収入の割合が、確かネットの方が増えてきているんですよ。テレビが牙城を築いていたにも関わらず、そこをどんどんネットの広告費が(増えている)。
そしてテレビに広告を出すよりもネットに広告を出した方が訴求力がある。何故ならば、自分が買ったりすると、今度はそれに似たものがどんどんページに出て来るじゃないですか。ネットは、そういった“人を選んだ広告”ができるので、ターゲットしやすい、と言うね。
そうなってくると、我々はテレビ広告収入だけではやっていけないので、総合エンターテインメントメディアとしてやっていくには、ネットも取り込んでいく。
茂木:なるほど。
笠井:これまで私たちが『敵』と言っていたもの。それが、自分たちもネットを始めるようになって、インターネットで紹介するようになって、ネット番組を作るようになって…、となってきました。
今、日本テレビがゴールデン番組の同時生配信を試験的に始めました。これは何が問題かと言うと、各地方局の皆さんにとって問題なんですよ。
茂木:そうか、確かにそうですね。
笠井:『ローカル枠』というものがあって、『ローカル番組』があって、自分たちの地元の番組で情報を出してるんですよ。でも、ネットというのはローカル枠がないんですよ。全部“世界一律”なんです。
ですから、ローカル枠がなくなるということは、ローカル営業と言う、地元のパン屋さんとか地元のおもちゃ屋さんとか地元のスーパーとかからもらっている営業費というのが、これからどうなるんだ、という話になってきますから。その「ローカル放送をどうしていくか」ということが大きな課題になってくるんですよ。
そこを飛び越えて、いきなりネットの同時生配信を始めて、ある意味進んでいるけれども、これからどうして行くのかをすごく注目しているんです。
茂木:メディア人としては、これからご活躍の場もどんどん変わっていくんでしょうね。
笠井:実は私、今、仕事の半分はインターネットの動画番組です。そして、もう一つは、インターネットでのオンライン配信の公演とかトークショーです。
茂木:完全にデジタルと言うか、そっちの方に行ってしまっているんですね。
笠井:ですから、今テレビだけじゃなくて、イベントができなくなってます。どんどんネットの世界で仕事が増えているんですよ。
──現場取材の大切さ
茂木:笠井さんは忘れられない経験として、『阪神大震災』、『地下鉄サリン事件』、『東日本大震災』の現場に行かれていて。あの現場の事は笠井さんの中にあるじゃないですか。
笠井:もう忘れられません。自分の中では大きな経験でありますし、人生観・死生観が変わっていく…。あれだけたくさんの亡くなった方を目の前に、現場で取材をしていますと、やっぱり色々と考えることは増えますよね。
茂木:そういう原点がおありになって、今メディアが変わっていく中で…。
笠井:ただね、そうは言っても、「現場に行って取材をする」という、ここは、基本として揺るがないものがあります。
茂木:絶対に変わらない、と。
笠井:絶対に変わらない。何故ならば…。
若いアナウンサーの後輩たちが、自分が行かなくても、インターネットで調べるだけで相当な情報が得られて、それで喋ることができるんですよ。それでも番組としては成り立つんですよね。
ただ、現場に行かなければ分からない事、空気、熱、感情があるんですよ。せっかく現場に行ってるのに、それを報告する時に、『5W1H』を纏めて、いかにもインターネットでも読めるような整然とした内容にして報告する、若いアナウンサーが多いんです。
「違う」と。「“自分がどんな感情で何を思ったのか”という事をもっとぶつけないと、現場に行っている意味がない。今の報告だったら、僕がネットで調べてスタジオでやった方が伝わる」と。よく指導していました。
茂木:笠井さんのメディア人としての魂は痺れますね。
■プレゼントのお知らせ
今夜のゲスト、フリーアナウンサーの笠井信輔さんのご著書
「生きる力 引き算の縁と足し算の縁」に、
笠井さんの直筆サインを入れて、3名の方にプレゼントいたします。
ご希望の方は、お名前やご住所、電話番号など、必要事項を明記の上、
メッセージフォームより、ご応募ください。
茂木さんに聞きたい事や相談したい事など、
一緒にを添えていただけると嬉しいです。
尚、当選者の発表は、
商品の発送をもってかえさせていただきます。
たくさんのご応募、お待ちしております。
●生きる力 引き算の縁と足し算の縁 / 笠井信輔(Amazon)
●笠井信輔オフィシャルブログ 「笠井TIMES 人生プラマイゼロがちょうどいい」
●笠井信輔official (@shinsuke.kasai) ・ Instagram
早稲田大学を卒業後、アナウンサーとしてフジテレビに入社。
「とくダネ!」など、主に情報番組でご活躍されます。
そして、2019年10月、フリーアナウンサーに転身。
直後、ステージ4の悪性リンパ腫であることが発覚し、
12月より入院、治療を始められます。
ブログで闘病の様子をつづり、また、ステイホームの呼びかけも行うなど、
自身のSNSで発信をし続け、2020年の4月に退院。
6月に完全寛解し、7月からお仕事に復帰され、
現在、ご活躍中でいらっしゃいます。
──テレビだけでは立ち行かない現実
茂木:せっかく大メディア人に来ていただいているので…。これから、テレビと映画、他のメディアとかの関係というのはどうなりますかね?
笠井:まず、テレビが電波収入だけでは立ち行かなくなっているというのは、もう厳然たる事実なんですよ。それは何故かと言うと、ネット社会がここまで大きくなって、広告収入の割合が、確かネットの方が増えてきているんですよ。テレビが牙城を築いていたにも関わらず、そこをどんどんネットの広告費が(増えている)。
そしてテレビに広告を出すよりもネットに広告を出した方が訴求力がある。何故ならば、自分が買ったりすると、今度はそれに似たものがどんどんページに出て来るじゃないですか。ネットは、そういった“人を選んだ広告”ができるので、ターゲットしやすい、と言うね。
そうなってくると、我々はテレビ広告収入だけではやっていけないので、総合エンターテインメントメディアとしてやっていくには、ネットも取り込んでいく。
茂木:なるほど。
笠井:これまで私たちが『敵』と言っていたもの。それが、自分たちもネットを始めるようになって、インターネットで紹介するようになって、ネット番組を作るようになって…、となってきました。
今、日本テレビがゴールデン番組の同時生配信を試験的に始めました。これは何が問題かと言うと、各地方局の皆さんにとって問題なんですよ。
茂木:そうか、確かにそうですね。
笠井:『ローカル枠』というものがあって、『ローカル番組』があって、自分たちの地元の番組で情報を出してるんですよ。でも、ネットというのはローカル枠がないんですよ。全部“世界一律”なんです。
ですから、ローカル枠がなくなるということは、ローカル営業と言う、地元のパン屋さんとか地元のおもちゃ屋さんとか地元のスーパーとかからもらっている営業費というのが、これからどうなるんだ、という話になってきますから。その「ローカル放送をどうしていくか」ということが大きな課題になってくるんですよ。
そこを飛び越えて、いきなりネットの同時生配信を始めて、ある意味進んでいるけれども、これからどうして行くのかをすごく注目しているんです。
茂木:メディア人としては、これからご活躍の場もどんどん変わっていくんでしょうね。
笠井:実は私、今、仕事の半分はインターネットの動画番組です。そして、もう一つは、インターネットでのオンライン配信の公演とかトークショーです。
茂木:完全にデジタルと言うか、そっちの方に行ってしまっているんですね。
笠井:ですから、今テレビだけじゃなくて、イベントができなくなってます。どんどんネットの世界で仕事が増えているんですよ。
──現場取材の大切さ
茂木:笠井さんは忘れられない経験として、『阪神大震災』、『地下鉄サリン事件』、『東日本大震災』の現場に行かれていて。あの現場の事は笠井さんの中にあるじゃないですか。
笠井:もう忘れられません。自分の中では大きな経験でありますし、人生観・死生観が変わっていく…。あれだけたくさんの亡くなった方を目の前に、現場で取材をしていますと、やっぱり色々と考えることは増えますよね。
茂木:そういう原点がおありになって、今メディアが変わっていく中で…。
笠井:ただね、そうは言っても、「現場に行って取材をする」という、ここは、基本として揺るがないものがあります。
茂木:絶対に変わらない、と。
笠井:絶対に変わらない。何故ならば…。
若いアナウンサーの後輩たちが、自分が行かなくても、インターネットで調べるだけで相当な情報が得られて、それで喋ることができるんですよ。それでも番組としては成り立つんですよね。
ただ、現場に行かなければ分からない事、空気、熱、感情があるんですよ。せっかく現場に行ってるのに、それを報告する時に、『5W1H』を纏めて、いかにもインターネットでも読めるような整然とした内容にして報告する、若いアナウンサーが多いんです。
「違う」と。「“自分がどんな感情で何を思ったのか”という事をもっとぶつけないと、現場に行っている意味がない。今の報告だったら、僕がネットで調べてスタジオでやった方が伝わる」と。よく指導していました。
茂木:笠井さんのメディア人としての魂は痺れますね。
■プレゼントのお知らせ
今夜のゲスト、フリーアナウンサーの笠井信輔さんのご著書
「生きる力 引き算の縁と足し算の縁」に、
笠井さんの直筆サインを入れて、3名の方にプレゼントいたします。
ご希望の方は、お名前やご住所、電話番号など、必要事項を明記の上、
メッセージフォームより、ご応募ください。
茂木さんに聞きたい事や相談したい事など、
一緒にを添えていただけると嬉しいです。
尚、当選者の発表は、
商品の発送をもってかえさせていただきます。
たくさんのご応募、お待ちしております。
●生きる力 引き算の縁と足し算の縁 / 笠井信輔(Amazon)
●笠井信輔オフィシャルブログ 「笠井TIMES 人生プラマイゼロがちょうどいい」
●笠井信輔official (@shinsuke.kasai) ・ Instagram