2021年01月09日
岩合光昭さんは、1950年、東京都のお生まれです。
お父さまは、日本における動物写真家の草分け的存在と言える、岩合徳光さん。
19歳のときに、お父さまの助手として訪れた、
ガラパゴス諸島の自然の驚異に圧倒され、動物写真家としての道を歩み始められます。
それ以来、地球上のあらゆる地域をフィールドに撮影を続け、ご活躍中です。
1979年には、『海からの手紙』で、写真界の芥川賞と言われる、木村伊兵衛写真賞を受賞。
岩合さんの写真は、美しく、想像力をかきたてる作品として、世界的に高く評価されています。
その一方で、身近な猫を半世紀以上、ライフワークとして撮り続けていらっしゃいます。
──自然の中に入ると、自分の体が染まっていく
茂木:お父さまの岩合光昭さんは、新聞社に勤めてらして、その後動物写真家になられたということで…。そして一緒にガラパゴスに行かれたそうですが、ガラパゴスはいかがでしたか?
岩合:行く前は『ビーグル号航海記』だとか、ガラパゴスについて勉強させられるんですけど、行ったら、そんなに驚く島じゃなかったんですよ。
というのも、イグアナもゾウガメも、本当にゴツゴツした溶岩の中に溶け込んでいて、むしろ違和感を感じるのは僕達観光客と言うか。皆さんは奇異な動物がいるというイメージでいらっしゃるかもしれない。でも全然、奇異なのは僕達だけだという感じがします(笑)。
茂木:島と一体となって…。
岩合:はい。動物たちは、そのままで、本当にあるがままに生きてるので、「こういうところに来れるんだったら素晴らしい職業じゃないかな」と僕は思ったんですよね。
茂木:息子を連れて行ったというのは、どういう意味だったんですかね?
岩合:鞄持ちで便利だからですよ。
茂木:あ、そっちだったんですか(笑)。じゃあ、「動物写真家を継がせよう」とかそういうことではなかった?
岩合:全く。まぁ、本人は思っていたかもしれませんが、僕には「継ぐ」とか「継がない」とかいう話はされてなかったと思います。
茂木:色々教えたりとか、そういうことは…?
岩合:なかったですね。
父が晩年になって言ったのは、「僕は教えなくて良かったんだよね。本当に自然…ネイチャーが君を教えたんだよね」ということを言ったのが、“ああ、いい言葉だな”と思いました。
茂木:それで動物写真家を始められて、色んなフィールドに行かれていると思うんですけど…。例えば、セレンゲティは何回行かれてるんですか?
岩合:回数はそれほどじゃないと思いますね。たぶん、2年近く暮らしたことがあるので。
茂木:ええ? 2年! 世界の動物を愛する人の憧れの地ですけど、セレンゲティはどんな感じなんですか?
岩合:360度地平線で、慣れてくると、360度地平線の中に入っても、方角が分かってくるんです。それは、空を見れば、とか。あんまり山がないんです。だから、今みたいにGPSがあるわけではなかったし、暗くなったら自分の方向感覚に頼るんですよ。
僕はむしろこの東京では道に迷うんですけど、セレンゲティでは迷わない自信があるんですよね。
茂木:東京では迷うけど、セレンゲティでは迷わない!
岩合:隔たりがないところにいると、人間は自然に還ることができるんじゃないかな、と思うんですよね。
茂木:岩合さんはナチュラルな感覚があるということですかね?
岩合:セレンゲティでも、平原に立つと、地平の方から吹いてくる風に恐怖感を覚えることがあるんです。それはすごくとても大切なことじゃないかな、と思うんですね。地球が大きくても人の小ささと言うか、それがやっぱり自然に対して畏怖を抱くことになるんじゃないかなと思いますし、それが動物たちへの敬愛にもなるし。そう言った意味では、ずっと僕は自然の中に入って行くと、いつも“自分の体が染まっていく”ことが大切で。
岩合:ブラジルのパンタナール(世界最大の熱帯性の湿原)と言うところでジャガーを撮ってたんですけど、ジャガーが現れない時にカイマン(ワニ)を撮ってたんです。カイマンを撮るのに水の中に入って撮っていたら、目の前の50センチぐらいのところに、口を開いたカイマンが来たので(笑)、それを撮ったんですね。
茂木:え? 危険とか感じなかったんですか?
岩合:感じないんですよね。でも爬虫類は話してもなかなか分かってくれないところがあって、目の動きとか体の動きで判断するしかないんです。
茂木:今お話を伺っていて…、やっぱり動物写真家は危険な職業なんですかね?
岩合:本人が危険だと感じると、危険を伴ってくるんです。ライオンと対峙していても、ライオンを怖いと思ったら相手を怖がらせてしまうんですね。
こちらが怖いと思うと、ライオンも怖いと感じる。
茂木:感情が伝わるんだ。
岩合:伝わります。だから、「ライオンさん大丈夫だよ。僕は君に危害を与えないよ」と言いながら、撮影をしています。
■プレゼントのお知らせ
現在公開中のドキュメンタリー映画、
『劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き あるがままに、水と大地のネコ家族』
こちらのオリジナル・ポストカードセットを、3名の方にプレゼントいたします。
ご希望の方は、必要事項を明記の上、
メッセージフォームより、ご応募ください。
茂木さんに聞きたい事や相談したい事など、
一緒にを添えていただけると嬉しいです。
尚、当選者の発表は、
商品の発送をもってかえさせていただきます。
たくさんのご応募、お待ちしております。
●1/8(金)から全国順次公開!「劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き あるがままに、水と大地のネコ家族」公式サイト
↑前売りチケットや劇場情報など、詳しくは公式サイトをご覧ください!
●劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き 公式Twitter(@nekoaruki_movie)
●岩合光昭 (@lion007) Twitter
●劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き あるがままに、水と大地のネコ家族 / 岩合光昭
(Amazon)
↑劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き 第2弾の写真集も発売中です!
お父さまは、日本における動物写真家の草分け的存在と言える、岩合徳光さん。
19歳のときに、お父さまの助手として訪れた、
ガラパゴス諸島の自然の驚異に圧倒され、動物写真家としての道を歩み始められます。
それ以来、地球上のあらゆる地域をフィールドに撮影を続け、ご活躍中です。
1979年には、『海からの手紙』で、写真界の芥川賞と言われる、木村伊兵衛写真賞を受賞。
岩合さんの写真は、美しく、想像力をかきたてる作品として、世界的に高く評価されています。
その一方で、身近な猫を半世紀以上、ライフワークとして撮り続けていらっしゃいます。
──自然の中に入ると、自分の体が染まっていく
茂木:お父さまの岩合光昭さんは、新聞社に勤めてらして、その後動物写真家になられたということで…。そして一緒にガラパゴスに行かれたそうですが、ガラパゴスはいかがでしたか?
岩合:行く前は『ビーグル号航海記』だとか、ガラパゴスについて勉強させられるんですけど、行ったら、そんなに驚く島じゃなかったんですよ。
というのも、イグアナもゾウガメも、本当にゴツゴツした溶岩の中に溶け込んでいて、むしろ違和感を感じるのは僕達観光客と言うか。皆さんは奇異な動物がいるというイメージでいらっしゃるかもしれない。でも全然、奇異なのは僕達だけだという感じがします(笑)。
茂木:島と一体となって…。
岩合:はい。動物たちは、そのままで、本当にあるがままに生きてるので、「こういうところに来れるんだったら素晴らしい職業じゃないかな」と僕は思ったんですよね。
茂木:息子を連れて行ったというのは、どういう意味だったんですかね?
岩合:鞄持ちで便利だからですよ。
茂木:あ、そっちだったんですか(笑)。じゃあ、「動物写真家を継がせよう」とかそういうことではなかった?
岩合:全く。まぁ、本人は思っていたかもしれませんが、僕には「継ぐ」とか「継がない」とかいう話はされてなかったと思います。
茂木:色々教えたりとか、そういうことは…?
岩合:なかったですね。
父が晩年になって言ったのは、「僕は教えなくて良かったんだよね。本当に自然…ネイチャーが君を教えたんだよね」ということを言ったのが、“ああ、いい言葉だな”と思いました。
茂木:それで動物写真家を始められて、色んなフィールドに行かれていると思うんですけど…。例えば、セレンゲティは何回行かれてるんですか?
岩合:回数はそれほどじゃないと思いますね。たぶん、2年近く暮らしたことがあるので。
茂木:ええ? 2年! 世界の動物を愛する人の憧れの地ですけど、セレンゲティはどんな感じなんですか?
岩合:360度地平線で、慣れてくると、360度地平線の中に入っても、方角が分かってくるんです。それは、空を見れば、とか。あんまり山がないんです。だから、今みたいにGPSがあるわけではなかったし、暗くなったら自分の方向感覚に頼るんですよ。
僕はむしろこの東京では道に迷うんですけど、セレンゲティでは迷わない自信があるんですよね。
茂木:東京では迷うけど、セレンゲティでは迷わない!
岩合:隔たりがないところにいると、人間は自然に還ることができるんじゃないかな、と思うんですよね。
茂木:岩合さんはナチュラルな感覚があるということですかね?
岩合:セレンゲティでも、平原に立つと、地平の方から吹いてくる風に恐怖感を覚えることがあるんです。それはすごくとても大切なことじゃないかな、と思うんですね。地球が大きくても人の小ささと言うか、それがやっぱり自然に対して畏怖を抱くことになるんじゃないかなと思いますし、それが動物たちへの敬愛にもなるし。そう言った意味では、ずっと僕は自然の中に入って行くと、いつも“自分の体が染まっていく”ことが大切で。
岩合:ブラジルのパンタナール(世界最大の熱帯性の湿原)と言うところでジャガーを撮ってたんですけど、ジャガーが現れない時にカイマン(ワニ)を撮ってたんです。カイマンを撮るのに水の中に入って撮っていたら、目の前の50センチぐらいのところに、口を開いたカイマンが来たので(笑)、それを撮ったんですね。
茂木:え? 危険とか感じなかったんですか?
岩合:感じないんですよね。でも爬虫類は話してもなかなか分かってくれないところがあって、目の動きとか体の動きで判断するしかないんです。
茂木:今お話を伺っていて…、やっぱり動物写真家は危険な職業なんですかね?
岩合:本人が危険だと感じると、危険を伴ってくるんです。ライオンと対峙していても、ライオンを怖いと思ったら相手を怖がらせてしまうんですね。
こちらが怖いと思うと、ライオンも怖いと感じる。
茂木:感情が伝わるんだ。
岩合:伝わります。だから、「ライオンさん大丈夫だよ。僕は君に危害を与えないよ」と言いながら、撮影をしています。
■プレゼントのお知らせ
現在公開中のドキュメンタリー映画、
『劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き あるがままに、水と大地のネコ家族』
こちらのオリジナル・ポストカードセットを、3名の方にプレゼントいたします。
ご希望の方は、必要事項を明記の上、
メッセージフォームより、ご応募ください。
茂木さんに聞きたい事や相談したい事など、
一緒にを添えていただけると嬉しいです。
尚、当選者の発表は、
商品の発送をもってかえさせていただきます。
たくさんのご応募、お待ちしております。
●1/8(金)から全国順次公開!「劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き あるがままに、水と大地のネコ家族」公式サイト
↑前売りチケットや劇場情報など、詳しくは公式サイトをご覧ください!
●劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き 公式Twitter(@nekoaruki_movie)
●岩合光昭 (@lion007) Twitter
●劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き あるがままに、水と大地のネコ家族 / 岩合光昭
(Amazon)
↑劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き 第2弾の写真集も発売中です!