Dream Heart(ドリームハート)

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Dream HEART vol.367 ニューヨーク州弁護士の山口真由さん・著書「思い通りに伝わるアウトプット術」

2020年04月11日

今週ゲストにお迎えしたのは、ニューヨーク州弁護士で、現在、テレビを中心に、コメンテーターとしてもご活躍中でいらっしゃいます山口真由さんです。

山口さんは、1983年、北海道札幌市のお生まれです。

東京大学法学部3年生の時に、司法試験に合格。
4年生の時に、国家公務員?種試験に合格されました。

2006年、東京大学を卒業後、財務省に入省し、
主に国際課税を含む、租税政策に従事されます。

その後、日本での弁護士経験を経て、ハーバード大学のロー・スクールに留学、
修了し、ニューヨーク州の弁護士資格を取得されました。

今年3月には、東京大学大学院 法学政治学研究科を修了し、
博士号を取得、テレビのコメンテーターや執筆などで、ご活躍中でいらっしゃいます。


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──好感と抵抗感の割合は「8:2」

茂木:インプット型人間だった、というのはどういうことですか?

山口:学生時代って、インプットとアウトプットの比率が圧倒的にインプットが多いじゃないですか。テストは年に2回とかですよね。
私はすごいインプットが得意だったんですけど、どうもアウトプットの勘が悪いんですよね。
で、社会人になったら、インプットとアウトプットの比率が全然変わっちゃって…。アウトプットの機会がすごく増えた時に伸び悩みを経験しました。

茂木:これは、まず財務省の時ですか? どういう場面でアウトプットが失敗したな、と感じたんですか?

山口:私はまずはじめの方向性づけがすごく下手だったんです。
「麹町を出たら、四谷に行くか、半蔵門に行くか、まずそこを相談してほしい」と(官僚の先輩に)言われたんですよ。それで「君は四谷に行かなきゃいけないのに、今、半蔵門をはるかに通り越して桜田門にいる」。
「方向性が違うまま走り始める。それがひたすら速いから、ジグザグ走を繰り返してる」と言われました。

茂木:財務省と言えば官庁の中の官庁と言われる、本当に優秀な方が集まってると思うんですけど。その優秀なことが前提の上で、「方向性を決めた方がいいよ」というようなアドバイスがあったという…。

山口:そうなんです。できる人たちは、はじめに上司に相談するタイミングとか、その時の資料とかがすごく上手ですけど、私はとにかく“怒られたくないな”と思って自分の中で一生懸命準備した結果、全然逆方向に行って、全然違う、ということが結構多くて。

茂木:今回の「思い通りに伝わるアウトプット術」の中でも、“資料とかはちょっとラフな段階で一度上司に見せた方がいいよ”、みたいなことも書かれてますが。

山口:そうなんです。一生懸命きっちり調べてやった資料って、上司からするとやや攻撃的と言うか、“あなたのコメントの余地はありません”のようにガチガチに作っちゃうと、ちょっとムッとするじゃないですか。
それよりも、8割方煮詰めておいて、“いただいたコメントのお陰でブラッシュアップできました”と言う方がいいのかな、と思います。

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茂木:今、一般の社会でも、ひじょうに短い時間の中でちょっと印象的なことを言ったりとか、要点を伝えなくちゃいけない場面がたくさんあると思うので、その辺りはみんなのヒントになるのかな、と思うんですけど。コメンテーターとして並んでいて、どんなことが一番大事か、お伝えいただけますか?

山口:私は、「準備すること」、「準備をしたことを忘れること」がすごく大事だと思いました。
私はそうなんですけど、準備をするとすごく執着しちゃって逆にうまくいかなくなっちゃうところがあるので、準備を全部した上でそれに対して執着しない、という心持はすごく大事だな、と思います。

茂木:徹底的にインプットして、それをいったん忘れちゃうということですか?

山口:そうですね。

茂木:忘れるんだけど、インプットすることはやっぱり大事、と。

山口:準備をしておかない、というのはやっぱりすごく良くないと思います。できないことは悪くないと思うんですけど、ちゃんと頑張らないことは、私は良くないと思うんですよね。

茂木:この「思い通りに伝わるアウトプット術」の中でいろいろお書きになってるんですけど、「好感と抵抗感の割合は『8:2』」とは、どういうことですか?

山口:みんな好かれようと思うと、意見は尖ったところもなくなると思うんですよね。だから、2割に嫌われるぐらいのエッジを立てて言ってもいいかな、と思っているんです。

茂木:山口さんはこれだけテレビに出ていらして、山口さんに反発する人とかいらっしゃるんですか?

山口:どうなんです? 私、ネットとか一切見られないんですけど、あれ見られます?

茂木:僕は見ないですけど、山口さんはどうなんでしょう。

山口:私は全然駄目で、反発されるとメンタルにドーン、と来ちゃうんです。嫌われるのすごい怖いじゃないですか……。

茂木:怖いんですね!

山口:私はすごく小心者なんですよ(笑)。
私は本当に気にしちゃうんです。人に悪い印象を抱かれたくないというのを満遍なく気にしちゃうんですけど、そんなの無理だな、と思って。

茂木:それでも、やはり2割ぐらいは抵抗感があるぐらいのしゃべりがいい、と。

山口:(2割は)敵に回す覚悟で、ある程度方向性を持っておいた方がいい。ドーン!

茂木:それは何故ですか?

山口:「9:1」だと当たり障りがなさ過ぎて薄いと思うんですよ。薄い意見って聞き流しちゃうじゃないですか。
それよりも、何かひとつぐらい刺さる方がいいのかな、と思うんですよね。

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