Dream Heart(ドリームハート)

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REPORT 最新のオンエアレポート

Dream HEART vol.362 山崎聡一郎さん「ミュージカルで法律を学ぶ」

2020年03月07日

今週ゲストにお迎えしたのは、先週に引き続き、著書「こども六法」が話題となっています、山崎聡一郎さんです。

山崎さんは、1993年生まれ。
慶應義塾大学 総合政策学部を卒業後、一橋大学大学院 社会学研究科 修士課程を修了しました。

2013年、慶応大学2年生の時より、「法教育といじめ問題解決」をテーマに、研究活動を開始。
その後、オックスフォード大学に短期留学し、政治教育への演劇的手法の導入方法を学んで単位を取得。

現在は、教育研究者として、いじめ問題に関する研究、情報発信を行いながら、劇団四季「ノートルダムの鐘」に出演するなど
ミュージカル俳優としても活動の幅を広げています。


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──音楽との出会い


茂木:山崎さんはミュージカル俳優でもいらっしゃるんですね。
劇団四季の「ノートルダムの鐘」というミュージカルにも出演されているんですが、こちらはどういう作品なんですか?

山崎:これは、有名なディズニー映画を元にしているという作品で、元を辿っていけばヴィクトル・ユーゴーというフランスの作家が描いた「ノートルダム・ド・パリ」という小説を原作にしたミュージカルなんです。アラン・メンケンの曲でその物語が綴られるという作品になっています。

茂木:山崎さんはどちらで音楽や歌というのを身につけられたんですか?

山崎:実は、高校生の頃から男声合唱をやってまして、慶応大学にはワグネル・ソサィエティー男声合唱団という合唱団があるんですが、大学でも四年間やっていました。

茂木:その頃から音楽も本当に大事な人生の一部分だったということですね。

山崎:そうですね。本気で取り組んできました。

茂木:ミュージカルというのは歌うことに加えて演技力も必要とされると思うんですけども……。

山崎:やはり作品に出るときに、ただ歌がうまければいいというわけじゃなくて物語の一部にならないといけないわけです。
オクスフォード大学というイギリスの大学に短期で留学をしたことがあるんですけど、そのときのプログラムの中にお芝居があったのでそこである程度は勉強をしたというか、体験をしましたね。

茂木:日本の教育には色んな課題があるんですけれど、シアターエデュケーションやドラマエデュケーションと呼ばれるような手法が日本にはないと。
オクスフォード大学のこのプログラムというのは、どういうことを学べるところだったんですか?

山崎:演劇の授業と政治教育の授業の二本立てで進行するプログラムだったんですけど、全く関係が無いわけではなくて、政治教育は特にディベートの練習をするんです。
ディベートっていうのは自分が賛成してるとか反対してるとかに関係なく、題材としたのはイギリスの歴史の中で王様とかが政治的な意思決定をします、というシーンを想定して”歴史的な意思決定はこっちだったんだけれども、実は王様のブレーンになっていた人たちがいて、片方はそれに反対し、片方はそれに賛成していました。”
そんなシーンを想定して、歴史的な情勢とかを鑑みて主張しあうということをやっていました。

茂木:話を聞いてるだけでもかなり高度なプログラムですね。
イギリスはアメリカと並んでミュージカルが大変盛んな国で、演劇の伝統もある。そこからインスピレーションを受けたところかなりありましたか?

山崎:そうですね。日本でそこまでミュージカルを観ていなかったというのもあるんですけれども、ウエスト・エンドでミュージカルを観たときに本当に胸に迫ってくる勢いというか、中身のあるお芝居と歌が胸にズドンと来たというのは原体験としてはあります、

茂木:教育研究をされている一方でミュージカル俳優もされてるわけですけど、シアターエデュケーションやドラマエデュケーションという視点から見ると一つの物になりますよね。

山崎:お互いの専門性という意味ではバラバラなように感じますけど、いい相乗作用みたいなものを発揮できるんじゃないかなという風に思ってます。

茂木:今回、「こども六法」という素晴らしいその教育啓蒙の本を書かれたんですけど、将来的には演劇的アプローチで法律について学ぶという作品とか舞台もありえますかね?

山崎:そうですね。それはあり得ると思います。
今は出張授業とか講演会とかをさせて頂いてますけど、その中では聞いている方に退屈しないような喋り方とか間の取り方とか、教える言葉の使い方とかを考えはするわけですけど、もっと本格的にお芝居とかミュージカルとして。
あくまでも説教臭い台本にならないということを大事にしながら芸術としてもちゃんと成立してるんだけれども、メッセージがきちんとあるというようなものを目指していければなという風に思っています。

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茂木:ご著書でもある「こども六法」を企画されるきっかけが、ご自身が小学校の時にいじめにあったことがきっかけということなのですが、ちょっと目立つ子がいじめの対象になるというのをよく見聞きします。やはり目立つ子だったんですか?

山崎:目立つ子供だったとは思います。一番最初のきっかけとして友達でひとり、いじめの被害あってる子がいたんです。その子がいじめられているのを庇ったというのがきっかけではあったんですけど、普段からちょっと悪目立ちするところは感じられていたのかなという風には思いますね。

茂木:子供のときって目立つというのは辛いことになっちゃうこともある。ただそうなると、個性が大事だって言ってるじゃないですか。
個性を伸ばすためにも、いじめというのは本当になくしたいですね。

山崎:そうですね。人によっては物凄く奇異に見られそうな人でも、道端を歩いていて突然誰かから殴られたりするとかは心配としてはないわけですね。そういうのを保証している法律っていう仕組みは、最低限誰もが守らなければいけないものとして浸透していた方がいいのかなという風に思いますね。

茂木:「こども六法」というとお堅いイメージがあるかもしれませんけど、表紙からしてジャケ買いしたくなります。

山崎:ありがとうございます。伊藤ハムスターさんのイラストが本当に素晴らしいんですよね。

茂木:心が温かくなるような優しい本です。

山崎:シュールさと可愛さと、ちゃんとそのシーンを描ききるというか、親しみやすさと面白さっていうのも同時にあるので伊藤さんのおかげで「こども六法」が良い本に仕上がったと思っています。


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●こども六法 / 山崎聡一郎 (著)

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山崎聡一郎 オフィシャルサイト


山崎聡一郎(やまそー) (@S_
Yamasaki1026) · Twitter



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