2020年01月11日
今週ゲストにお迎えしたのは、先週に引き続き、祥伝社から「ビジネスの武器としての『デザイン』」を発売された、工業デザイナーの奥山清行さんです。
奥山さんは、1959年 山形県生まれ。
1982年に海外に移住して以来、ゼネラルモーターズ社のチーフデザイナー。
ポルシェのシニアデザイナー。イタリア ピニンファリーナ社のデザインディレクター。
アメリカ合衆国 アートセンター・カレッジ・オブ・デザインの工業デザイン学部長などを歴任されています。
フェラーリエンツォ、マセラティ、クアトロポルテなどの代表作をはじめ、世界的企業の工業デザインや、ブランディングを手がけられました。
そして、2007年よりKEN OKUYAMA DESIGNを立ち上げられ、その代表として山形・東京・ロサンゼルスを拠点にデザインコンサルティングのほか、
日本そして海外で、有名ブランドのデザインをされるなどご活躍中でいらっしゃいます。
──クリエイティブに必要なことは
茂木:奥山さんの著書「ビジネスの武器としての『デザイン』」の中で、「良いアイディアを得るためには、自分の手で目の前の紙に絵を描くことが大事だ」とおっしゃっていますね。
奥山:よく皆さん勘違いされているんですが、デザインというのは特殊技能で、プロの方だけがやるものと思っておるかもしれませんが、全然そうじゃないんです。
今はスマホでもデザインできますし、誰でもデザインができる時代なんです。ただ、アイデアって実は頭の中にあるんじゃなくて、いろんなヒントを外から得なくてはいけないんです。
脳科学者の茂木さんなんかはよくお分かりだと思いますけれども、自分の中に貯めたものをどういう手法で出していって、落とし込んでいくのか。そしてそれを編集する。それが僕の場合だと手書きの絵なんです。
コンピューターと違って手はいろんなところに動きますし、正円って描けないんです。
そうすると、それを冷静に見てるもう一人の自分が頭の中にいて、肩から先がある時点から勝手に動き始めるんですね。
それを見ていて、“当初予定していたのと違うな”と思ってやめたらそれで終わりなんですけども、“ちょっと面白いからもうちょっとやらせてみよう”って思って描いていくと、自分が当初思ってたものよりも良いものが出てくるんです。そのときにすごい興奮するんです!
茂木:肩から先が勝手に動くんですね!
奥山:ブレストとかすると、担当者が当初考えたところから離れていったときが面白いブレストで。部下でも勝手な事ばかりやって全然言うこと聞かない奴がいるじゃないですか。でも、そいつが面白いことやるんですよね。
ただ、90%は使えないものなので、それを頭の中の自分が冷静に見ていて、“これは使えそう。これはこうやればいいな”っていう判断を常にしている。そういう対話がクリエイティビティの中で大切だと思います。
クリエイティブな人ほど道具をたくさん持ってますよね。
茂木:そんな、きらぼしの様な叡智が「ビジネスの武器としての『デザイン』」にはたくさん書かれているんですね。これは皆さん役に立ちますよね。
奥山:そう思って、かなり分かりやすくしましたので、逆にデザイナーじゃない人に読んでもらいたいデザイン本ですね。
茂木:奥山さんはフェラーリやマセラティなど、日本を超えた世界的な超一流デザインを手がけていらっしゃいますが、その奥山さんが最近は秋田新幹線、東北新幹線、そして大阪メトロのデザインディレクターをやっているんですよね。
奥山:はい。チーフデザインオフィサーという役職を頂きまして、今年度で15駅。それ以外の駅や車両も含めて、だいたい2025年ぐらいまでにかけて作り直しが必要なところをやっています。
茂木:2025年というのは、万博が行われる年ですね!
奥山:そうです。夢洲で行われるんですが、今、夢洲はあまり使われてないんですよね。コンテナのターミナルとかありますけれども、そこに新しい街を作って人の暮らしぶりとか技術とか、そういうものが集まった街を作ろうっていうところに参加しています。
その中で、大阪メトロがそこに新しい駅を作るんです。その駅にできる商業施設のデザインなどもやっています。
茂木:そして、JR東日本のフラッグシップトレインとして開業した『TRAIN SUITE 四季島』も超豪華列車ですね!
奥山:僕もなかなか抽選が当たらないので2回しか乗ったことがないんです(笑)。
茂木:奥山さん本人が当たらないんですか?(笑)
奥山:待ってらっしゃる方がすごく多いので、僕なんかとても乗せてくれって言えないですから。そこはJR東日本さんは公平です(笑)。
茂木:この『四季島』という名前は、どういった理由でつけられたんですか?
奥山:日本って四季がすごく綺麗なので、季節に沿った食材で料理したりとか、東日本から北海道にかけて風景をずっと見ていただきたいということで、僕が名前を提案して皆さんで決めました。
茂木:とてもいい名前だと思うんですけど、奥山さんからご覧になって、ジャパンブランドをさらに高めていくために何が必要ですか?
奥山:これからの100年っていうのは間違いなくアジアの1世紀になります。
例えば、19世紀がヨーロピアンナイゼーションで、20世紀がアメリカナイゼーション。21世紀がアジアナイゼーションだと言われています。
そういう意味だと、ウォンツとニーズの話をしましたけれど、ウォンツを具現化するアジアの高級ブランドというのが意外とないんですよ。みんなヨーロッパのブランドじゃないですか。
アジアからしてみるとそろそろ自分たちでブランドを作って、自分たちの文化を活かした物作りとか、その結果としての商品を出していきたい。だけど、それがないんです。
そこの一番最先端を走っているのが、日本なんです。
茂木:なるほど!
奥山:例えば、アジアの中でのブランド作りでは、リーダー格の日本が高級なブランドをこれから作っていく時代になります。
三宅一生さんなんかは本当にその辺りものすごく上手にビジネスにしていらっしゃいますね。僕が一番お手本にしているのがイッセイ ミヤケブランドなんです。
■プレゼントのお知らせ
番組でご紹介してきました、奥山清行さんのご著書、
『ビジネスの武器としての「デザイン」』に
奥山さんの直筆サインを入れて、
3名さまにプレゼントします!
ご希望の方は、必要事項を明記の上、
メッセージフォームより、ご応募ください。
茂木さんに聞きたい事や相談したい事など、
一緒にを添えていただけると嬉しいです。
尚、当選者の発表は、
商品の発送をもってかえさせていただきます。
たくさんのご応募、お待ちしております。
●KEN OKUYAMA DESIGN
●ビジネスの武器としての「デザイン」/ 奥山清行
(Amazon)
●祥伝社
奥山さんは、1959年 山形県生まれ。
1982年に海外に移住して以来、ゼネラルモーターズ社のチーフデザイナー。
ポルシェのシニアデザイナー。イタリア ピニンファリーナ社のデザインディレクター。
アメリカ合衆国 アートセンター・カレッジ・オブ・デザインの工業デザイン学部長などを歴任されています。
フェラーリエンツォ、マセラティ、クアトロポルテなどの代表作をはじめ、世界的企業の工業デザインや、ブランディングを手がけられました。
そして、2007年よりKEN OKUYAMA DESIGNを立ち上げられ、その代表として山形・東京・ロサンゼルスを拠点にデザインコンサルティングのほか、
日本そして海外で、有名ブランドのデザインをされるなどご活躍中でいらっしゃいます。
──クリエイティブに必要なことは
茂木:奥山さんの著書「ビジネスの武器としての『デザイン』」の中で、「良いアイディアを得るためには、自分の手で目の前の紙に絵を描くことが大事だ」とおっしゃっていますね。
奥山:よく皆さん勘違いされているんですが、デザインというのは特殊技能で、プロの方だけがやるものと思っておるかもしれませんが、全然そうじゃないんです。
今はスマホでもデザインできますし、誰でもデザインができる時代なんです。ただ、アイデアって実は頭の中にあるんじゃなくて、いろんなヒントを外から得なくてはいけないんです。
脳科学者の茂木さんなんかはよくお分かりだと思いますけれども、自分の中に貯めたものをどういう手法で出していって、落とし込んでいくのか。そしてそれを編集する。それが僕の場合だと手書きの絵なんです。
コンピューターと違って手はいろんなところに動きますし、正円って描けないんです。
そうすると、それを冷静に見てるもう一人の自分が頭の中にいて、肩から先がある時点から勝手に動き始めるんですね。
それを見ていて、“当初予定していたのと違うな”と思ってやめたらそれで終わりなんですけども、“ちょっと面白いからもうちょっとやらせてみよう”って思って描いていくと、自分が当初思ってたものよりも良いものが出てくるんです。そのときにすごい興奮するんです!
茂木:肩から先が勝手に動くんですね!
奥山:ブレストとかすると、担当者が当初考えたところから離れていったときが面白いブレストで。部下でも勝手な事ばかりやって全然言うこと聞かない奴がいるじゃないですか。でも、そいつが面白いことやるんですよね。
ただ、90%は使えないものなので、それを頭の中の自分が冷静に見ていて、“これは使えそう。これはこうやればいいな”っていう判断を常にしている。そういう対話がクリエイティビティの中で大切だと思います。
クリエイティブな人ほど道具をたくさん持ってますよね。
茂木:そんな、きらぼしの様な叡智が「ビジネスの武器としての『デザイン』」にはたくさん書かれているんですね。これは皆さん役に立ちますよね。
奥山:そう思って、かなり分かりやすくしましたので、逆にデザイナーじゃない人に読んでもらいたいデザイン本ですね。
茂木:奥山さんはフェラーリやマセラティなど、日本を超えた世界的な超一流デザインを手がけていらっしゃいますが、その奥山さんが最近は秋田新幹線、東北新幹線、そして大阪メトロのデザインディレクターをやっているんですよね。
奥山:はい。チーフデザインオフィサーという役職を頂きまして、今年度で15駅。それ以外の駅や車両も含めて、だいたい2025年ぐらいまでにかけて作り直しが必要なところをやっています。
茂木:2025年というのは、万博が行われる年ですね!
奥山:そうです。夢洲で行われるんですが、今、夢洲はあまり使われてないんですよね。コンテナのターミナルとかありますけれども、そこに新しい街を作って人の暮らしぶりとか技術とか、そういうものが集まった街を作ろうっていうところに参加しています。
その中で、大阪メトロがそこに新しい駅を作るんです。その駅にできる商業施設のデザインなどもやっています。
茂木:そして、JR東日本のフラッグシップトレインとして開業した『TRAIN SUITE 四季島』も超豪華列車ですね!
奥山:僕もなかなか抽選が当たらないので2回しか乗ったことがないんです(笑)。
茂木:奥山さん本人が当たらないんですか?(笑)
奥山:待ってらっしゃる方がすごく多いので、僕なんかとても乗せてくれって言えないですから。そこはJR東日本さんは公平です(笑)。
茂木:この『四季島』という名前は、どういった理由でつけられたんですか?
奥山:日本って四季がすごく綺麗なので、季節に沿った食材で料理したりとか、東日本から北海道にかけて風景をずっと見ていただきたいということで、僕が名前を提案して皆さんで決めました。
茂木:とてもいい名前だと思うんですけど、奥山さんからご覧になって、ジャパンブランドをさらに高めていくために何が必要ですか?
奥山:これからの100年っていうのは間違いなくアジアの1世紀になります。
例えば、19世紀がヨーロピアンナイゼーションで、20世紀がアメリカナイゼーション。21世紀がアジアナイゼーションだと言われています。
そういう意味だと、ウォンツとニーズの話をしましたけれど、ウォンツを具現化するアジアの高級ブランドというのが意外とないんですよ。みんなヨーロッパのブランドじゃないですか。
アジアからしてみるとそろそろ自分たちでブランドを作って、自分たちの文化を活かした物作りとか、その結果としての商品を出していきたい。だけど、それがないんです。
そこの一番最先端を走っているのが、日本なんです。
茂木:なるほど!
奥山:例えば、アジアの中でのブランド作りでは、リーダー格の日本が高級なブランドをこれから作っていく時代になります。
三宅一生さんなんかは本当にその辺りものすごく上手にビジネスにしていらっしゃいますね。僕が一番お手本にしているのがイッセイ ミヤケブランドなんです。
■プレゼントのお知らせ
番組でご紹介してきました、奥山清行さんのご著書、
『ビジネスの武器としての「デザイン」』に
奥山さんの直筆サインを入れて、
3名さまにプレゼントします!
ご希望の方は、必要事項を明記の上、
メッセージフォームより、ご応募ください。
茂木さんに聞きたい事や相談したい事など、
一緒にを添えていただけると嬉しいです。
尚、当選者の発表は、
商品の発送をもってかえさせていただきます。
たくさんのご応募、お待ちしております。
●KEN OKUYAMA DESIGN
●ビジネスの武器としての「デザイン」/ 奥山清行
(Amazon)
●祥伝社