2019年09月07日
今週ゲストにお迎えしたのは、講談社から『食べた! 見た! 死にかけた! 「運び屋女子」一人旅』を発売されたハンドキャリー・プロバックパッカーの片岡恭子さんです。
片岡恭子さんは、1968年京都府の生まれ。
同志社大学文学研究科修士課程を修了後、同志社大学の図書館の司書さんとして勤められた後に、
スペインのコンプルテンセ大学に留学して、その後、中南米を3年にわたって放浪されました。
帰国後、偶然手にした職業ハンドキャリーが話題となってテレビや雑誌など様々なメディアに取り上げられて、現在に至ります。
──ハンドキャリーという仕事
茂木:世界を股にかける素敵な人生になったわけですけどこの。
いいって言うね職業なんですけど今回の本ですね食べた見た死にかけた運び屋ハンドキャリー女子一人旅って庫の運びあって超日本語では知ってるんですけどどういう仕事なんでしょうか。
片岡:都内にバイク便とかあるじゃないですか。急ぎの荷物をバイクで運んでもらうという。それの国際版で、飛行機の国際線に乗ってお届けに行くっていう感じですね。
茂木:何か大切なものを人が届ける仕事をハンドキャリーと。
もちろん、届けるためのサービスはあるんだけど、それでは間に合わないからということですね。
片岡:明日の朝までに現地に届かないと向こうの工場が止まっちゃうよっていう状態の時に私が呼ばれて持っていきます。
茂木:困っている人を助ける、すごくいい仕事じゃないですか。お話を伺っていると、突然依頼が来るということですか?
片岡:そうですね。依頼専用の電話を持っていて、電話が来たら行くという感じです。
茂木:ハンドキャリーというお仕事をしてることが背景なんですけど、すごい旅してますよね。
片岡:ハンドキャリーになる前ではあるんですけどね。中南米一周しているので(笑)。
3年ぐらい中南米にいて、スペインも留学して1年いて。なんやかんやでスペイン語喋るところに5年ぐらいいたんですよ。
茂木:一番ビックリしたのが、「ボリビアの高地で耳がもげた」これはどういうことですか?
片岡:ホテルの部屋に帰ってシャワーを浴びようとしたら床に耳が落ちていて、最初は耳が取れたんだと思ったんです。
耳に手を当てたら耳はちゃんとあったんだけど、血がべったりついていて。なんだろうと思って床に落ちてる自分の耳と思しき物を拾いあげたら、耳の皮だったんです。
茂木:耳の皮!?
片岡:日焼けで耳の形の通りに皮が剥けたんです。
茂木:ボリビアは高地で紫外線が強いから!
片岡:耳だけ日焼け止めクリームを塗り忘れちゃってて、耳の形通りに日に焼けて、耳の形通りに皮が剥けて……。
茂木:今回の本『食べた! 見た! 死にかけた! 「運び屋女子」一人旅』には本当に信じられないようなことがいっぱい書いてあるんですけども、
その一方で食べ物が美味しそうに書いてあるんですよね。
ブエノスアイレスで食べたソウルフード、チョリパン。これ美味しそうですね!
片岡:これは、ものすごいハイレベルなホットドッグという感じですね。
茂木:ハイレベルというのはどういうことでしょう?
片岡:ソーセージが全然違うんです。私達が思う、日本のスーパーで買うようなソーセージではなくてチョリソーなんですよ。
肉汁がウワッと出てくるようなジューシーな合挽きのチョリソーが使われていて、ソーセージとは違うんですよね。
茂木:ハンドキャリーというお仕事には、どういう能力が求められるんですかね? 語学力とか?
片岡:いや、英語が上手じゃなくてもハンドキャリーをやってる人いましたからね。
英語上手じゃなくても現地語ができなくても、なんか知らないけどコミュニケーション取れたらそれでいいわけだから、コミュニケーション能力が高いことが要求されると思うんですよ。
茂木:片岡さんはそこの鍛え方が違いますもんね。
片岡:どうでしょう(笑)。スペイン語は一応できるので、スペイン語圏はそんなに困らないですけど……。
茂木:実はスペイン語圏広いですからね。そういう意味においてハンドキャリーとしてはスペイン語ができるっていうのかなり強いのかなと思います。
ちなみに、どれくらいお給料をもらえるのかって思っている人もいると思うんですけど……。
片岡:たくさんお金がもらえたらすごい良い仕事なんですけどね。そうはいかないんですよね(笑)。
茂木:1回あたりいくらっていう感じなんですか?
片岡:そうですね。暇な時期というのがやっぱりあって、そういう時期は全然仕事がなかったりするので、そうすると普通にコンビニでバイトしていた方が多分お金はいいと思うんですよね。
茂木:逆に言うと、忙しい時期は帰ってきたらまたすぐに海外に行くという感じになるんですか?
片岡:帰ってきたらすぐに行きます。朝、アメリカから帰ってきて夜にまたカナダに行っちゃうとか。
仕事で行かせてもらって、向こうで空き時間ができたらその辺ブラブラして、何か面白いなと思ったことを写真に撮ったり文章に書いたりできるので、私にとっては一石二鳥で都合のいい仕事ですね。
茂木:今回の本に書かれてることは運び屋さんになる前の事が中心ですけれども、「メキシコでは赤信号で止まってはいけない」というのがある?
片岡:メキシコだけじゃなくて、それは中南米全般に言えることですね。
夜、人通りとか車の通りがあんまりないようなところで赤信号だからって止まっちゃうと、暗がりから人がわらわら出てきてフロントガラスを叩き割られてしまうというような強盗が起こります。
止まらないと言っても、エンジンを止めちゃダメなんです。逃げられるようにしなくちゃいけないから、ちょっとずつでも進めばいいので。
エンジンをストップさせたらアウトなので止まっちゃダメだよ、と。
茂木:片岡さんは淡々とお話しされていますけれど、3年間放浪されていたときから度胸が据わっていたんですか?
片岡:中南米に行く前にスペインにお金を取りに帰ったんですよ。そしたらスペインで強盗にやられたので、ここから先はスペインどころじゃないぐらい治安の悪いとこに行くわけだから、もっと気をつけようと思いましたね。
茂木:今、若い世代を中心に海外旅行に行かなくなっちゃってるという話も聞きますけど、楽しいところもありますよね。
片岡:そうですね。見られるものはなんでも見ておいたらいいと思います!
●『食べた! 見た! 死にかけた! 「運び屋女子」一人旅』(講談社)
(Amazon)
●片岡恭子さんのブログ「秘境散歩」
●片岡恭子さん
(@kiokitok) ·Twitter
来週も引き続きハンドキャリー・プロバックパッカーの片岡恭子さんをお迎えしてお送りいたします。
お楽しみに!
片岡恭子さんは、1968年京都府の生まれ。
同志社大学文学研究科修士課程を修了後、同志社大学の図書館の司書さんとして勤められた後に、
スペインのコンプルテンセ大学に留学して、その後、中南米を3年にわたって放浪されました。
帰国後、偶然手にした職業ハンドキャリーが話題となってテレビや雑誌など様々なメディアに取り上げられて、現在に至ります。
──ハンドキャリーという仕事
茂木:世界を股にかける素敵な人生になったわけですけどこの。
いいって言うね職業なんですけど今回の本ですね食べた見た死にかけた運び屋ハンドキャリー女子一人旅って庫の運びあって超日本語では知ってるんですけどどういう仕事なんでしょうか。
片岡:都内にバイク便とかあるじゃないですか。急ぎの荷物をバイクで運んでもらうという。それの国際版で、飛行機の国際線に乗ってお届けに行くっていう感じですね。
茂木:何か大切なものを人が届ける仕事をハンドキャリーと。
もちろん、届けるためのサービスはあるんだけど、それでは間に合わないからということですね。
片岡:明日の朝までに現地に届かないと向こうの工場が止まっちゃうよっていう状態の時に私が呼ばれて持っていきます。
茂木:困っている人を助ける、すごくいい仕事じゃないですか。お話を伺っていると、突然依頼が来るということですか?
片岡:そうですね。依頼専用の電話を持っていて、電話が来たら行くという感じです。
茂木:ハンドキャリーというお仕事をしてることが背景なんですけど、すごい旅してますよね。
片岡:ハンドキャリーになる前ではあるんですけどね。中南米一周しているので(笑)。
3年ぐらい中南米にいて、スペインも留学して1年いて。なんやかんやでスペイン語喋るところに5年ぐらいいたんですよ。
茂木:一番ビックリしたのが、「ボリビアの高地で耳がもげた」これはどういうことですか?
片岡:ホテルの部屋に帰ってシャワーを浴びようとしたら床に耳が落ちていて、最初は耳が取れたんだと思ったんです。
耳に手を当てたら耳はちゃんとあったんだけど、血がべったりついていて。なんだろうと思って床に落ちてる自分の耳と思しき物を拾いあげたら、耳の皮だったんです。
茂木:耳の皮!?
片岡:日焼けで耳の形の通りに皮が剥けたんです。
茂木:ボリビアは高地で紫外線が強いから!
片岡:耳だけ日焼け止めクリームを塗り忘れちゃってて、耳の形通りに日に焼けて、耳の形通りに皮が剥けて……。
茂木:今回の本『食べた! 見た! 死にかけた! 「運び屋女子」一人旅』には本当に信じられないようなことがいっぱい書いてあるんですけども、
その一方で食べ物が美味しそうに書いてあるんですよね。
ブエノスアイレスで食べたソウルフード、チョリパン。これ美味しそうですね!
片岡:これは、ものすごいハイレベルなホットドッグという感じですね。
茂木:ハイレベルというのはどういうことでしょう?
片岡:ソーセージが全然違うんです。私達が思う、日本のスーパーで買うようなソーセージではなくてチョリソーなんですよ。
肉汁がウワッと出てくるようなジューシーな合挽きのチョリソーが使われていて、ソーセージとは違うんですよね。
茂木:ハンドキャリーというお仕事には、どういう能力が求められるんですかね? 語学力とか?
片岡:いや、英語が上手じゃなくてもハンドキャリーをやってる人いましたからね。
英語上手じゃなくても現地語ができなくても、なんか知らないけどコミュニケーション取れたらそれでいいわけだから、コミュニケーション能力が高いことが要求されると思うんですよ。
茂木:片岡さんはそこの鍛え方が違いますもんね。
片岡:どうでしょう(笑)。スペイン語は一応できるので、スペイン語圏はそんなに困らないですけど……。
茂木:実はスペイン語圏広いですからね。そういう意味においてハンドキャリーとしてはスペイン語ができるっていうのかなり強いのかなと思います。
ちなみに、どれくらいお給料をもらえるのかって思っている人もいると思うんですけど……。
片岡:たくさんお金がもらえたらすごい良い仕事なんですけどね。そうはいかないんですよね(笑)。
茂木:1回あたりいくらっていう感じなんですか?
片岡:そうですね。暇な時期というのがやっぱりあって、そういう時期は全然仕事がなかったりするので、そうすると普通にコンビニでバイトしていた方が多分お金はいいと思うんですよね。
茂木:逆に言うと、忙しい時期は帰ってきたらまたすぐに海外に行くという感じになるんですか?
片岡:帰ってきたらすぐに行きます。朝、アメリカから帰ってきて夜にまたカナダに行っちゃうとか。
仕事で行かせてもらって、向こうで空き時間ができたらその辺ブラブラして、何か面白いなと思ったことを写真に撮ったり文章に書いたりできるので、私にとっては一石二鳥で都合のいい仕事ですね。
茂木:今回の本に書かれてることは運び屋さんになる前の事が中心ですけれども、「メキシコでは赤信号で止まってはいけない」というのがある?
片岡:メキシコだけじゃなくて、それは中南米全般に言えることですね。
夜、人通りとか車の通りがあんまりないようなところで赤信号だからって止まっちゃうと、暗がりから人がわらわら出てきてフロントガラスを叩き割られてしまうというような強盗が起こります。
止まらないと言っても、エンジンを止めちゃダメなんです。逃げられるようにしなくちゃいけないから、ちょっとずつでも進めばいいので。
エンジンをストップさせたらアウトなので止まっちゃダメだよ、と。
茂木:片岡さんは淡々とお話しされていますけれど、3年間放浪されていたときから度胸が据わっていたんですか?
片岡:中南米に行く前にスペインにお金を取りに帰ったんですよ。そしたらスペインで強盗にやられたので、ここから先はスペインどころじゃないぐらい治安の悪いとこに行くわけだから、もっと気をつけようと思いましたね。
茂木:今、若い世代を中心に海外旅行に行かなくなっちゃってるという話も聞きますけど、楽しいところもありますよね。
片岡:そうですね。見られるものはなんでも見ておいたらいいと思います!
●『食べた! 見た! 死にかけた! 「運び屋女子」一人旅』(講談社)
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●片岡恭子さんのブログ「秘境散歩」
●片岡恭子さん
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来週も引き続きハンドキャリー・プロバックパッカーの片岡恭子さんをお迎えしてお送りいたします。
お楽しみに!