2019年07月20日
今週ゲストにお迎えしたのは、7月20日から、渋谷ユーロスペースを皮切りに、
全国で順次公開されます、映画「五億円のじんせい」の監督、ムン・ソンホさんです。
ムン・ソンホ監督は、広島県のご出身。高校卒業後、韓国に留学されました。
弘益大学校視覚デザイン学科で映像を学ばれ、その後日本に戻りコマーシャルやイベント映像などの映像制作に従事する傍ら、自主制作短編映画にも取り組まれました。
2013年、文化庁委託事業『ndjc:若手映画作家育成プロジェクト』にて製作実施研修作家に選出されて『ミチずレ』を監督されました。
そして今回、動画配信サービスGYAOと芸能プロダクションのアミューズによる映画制作オーディション「ニューシネマプロジェクト」の第1回グランプリ受賞作品として
ムン・ソンホ監督の『五億円のじんせい』が選ばれ、7月20日から渋谷ユーロスペースを皮切りに全国で順次公開されます。
【五億円のじんせい あらすじ】
主人公は幼い頃に善意の募金5億円により、難病の手術に成功し命を救われた17歳の少年。
健康に成長して高校生になった主人公は、5億円にふさわしい人生を送るために周囲からの期待を引き受けてマスコミにさらされる、ある意味では窮屈な青春を送っていました。
ところがある日、ある出来事をきっかけに生きる意味を見失ってしまい、SNSで自殺を宣言します。
そこに見知らぬアカウントから「死ぬなら5億円返してから死ね」というメッセージが届いて少年は家を飛び出してしまいます。
お金と人生に向き合う旅に出るのですが、その旅には思わぬ出会いが待っていました。
少年が旅から見つけたものとは、一体何だったのか──。
──映画『五億円のじんせい』
茂木:ムン監督にとって、今回の映画「五億円のじんせい」は初の長編作品になります。大変素晴らしい作品なんですけど、実は今回すごい企画だったんですよね。
ムン:そうですね。「ニューシネマプロジェクト」というので選んで頂いた形です。
茂木:この「五億円のじんせい」は、動画配信サービスのGYAOと芸能プロダクションのアミューズがコラボしまして、今後の時代を担う新たな才能の発掘を目指し、オリジナル映画の企画・出演者・ミュージシャンをオーディションで選出しながら作品を完成させるという「ニューシネマプロジェクト」から生まれました。
要するに、コンペだったということですよね。手元の資料によりますと、343件の応募があり、それのトップになったということですよねですね。すごくないですか!
ムン:ありがたいことですね。
茂木:その結果生まれたのがこの映画「五億円のじんせい」なんですけども、作り方からしてもちょっと新しい映画ですね。
ムン:そうですね。試みとしては面白い試みだと思います。
茂木:今回の映画、一言で言うとどんな映画ですか?
ムン:望月歩くんが主演なんですけど、彼が出ずっぱりの映画です。
茂木:確かに望月歩さん、本当に素敵な演技でぴったりの役柄なんですけど、当て書きではないんですよね。
ムン:そうですね。望月さんは主演としてオーディションをさせてもらった上で見つけたというか、お会いできたので、ラッキーでした!
茂木:映画『五億円のじんせい』は、テーマが大変現代的ですね。
ムン:「ニューシネマプロジェクト」の企画を募集されるときに、SNSとかインターネットを絡めたものという規定が最初にあったんです。SNSとかのくだりも、そういうことで入ったみたいな感じなんです。
茂木:なるほど。あらすじからすると、みんな心に刺さるなあと思うんですけれど、脚本家の蛭田直美
さんとファミリーレストランで食事を2回するぐらい長く話し込んだということだったですけども、もともとはどこからこの発想が出てきたんですか?
ムン:心臓移植の子ってその後どうなっているのかっていうのが話に出て。そういう子って多分第一ボタンも開けちゃダメなんでしょうね。みたいな感じでわりと話が盛り上がったんですよ。
茂木:映画の中でとても印象的に使われてますもんね。
ムン:そうですね。それは最終的に表現の方にも残ってはいるので、あそこの部分だけ、お客さんとは違うところで感慨深く見てしまいます。
それと別で蛭田さんが生まれてから死ぬまでに稼ぐお金と、使うお金っていうのの差が200万円しかないみたいな記事を何かで見かけたみたいで。
たった200万円のために頑張ってるんだっていうのがなんか心に残ってたらしいんですよ。
それが、心臓移植を受けた男の子の話にも使えるんじゃないですかね、と言われて。
茂木:お金から入るところが面白いですよね。生涯に使うお金も稼ぐお金も、ほぼ2億3000万ぐらいの計算になるっていうことですもんね。
でも、心臓移植の手術代5億円という設定もまたこれ絶妙ですね。
ムン:一応、いろいろ調べたら実際に心臓移植をされている方は1億円台から3億円台ぐらいをよくお見かけした感じなんですけど、5億円にしたのは、実際に募金を集めた方々とあまりにもリンクできるような金額にしちゃうと、思いださせ過ぎちゃうかっていうのもあって。
茂木:これはあくまでもフィクションですよ、という配慮があったんですね。
茂木:主演の望月歩さん、素晴らしい演技ですね!映画と本当に一体化していて、奇跡ってあるんですね。
ムン:そうですね。高月望来っていう役にすごいシンクロ、ユニゾンしてるなぁっていうのは感じていたので、すごいなぁと思ってましたね。
茂木:最初の方の美談の主人公としてちょっとそれらしいこと言ってるときのおじさんも素晴らしいですが、その後、5億円を稼ぐために色々と闇バイトみたいなことをするじゃないですか。
あのあたりの体当たりの演技がすごくいいですよね。
ムン:本人はその辺はすごく楽しんでやってた感じでしたね。アトラクションを体験してるみたいな感じでした。
茂木:映画の中での設定の望来くんは17歳で、望月さんも撮影当時、本当に17歳だったということで、
等身大で演技をしたということなんですかね。
ムン:そうですね。彼も長編初出演ということで、彼の初主演をいただいていいんですかっていう感じですごくありがたかったですね。
茂木:そして、漫画「ワンピース」が大変印象的な使われ方をしてるんですけど、あれは正式に協力をお願いしたんですか?
ムン:そうです。許可をいただきました。
茂木:今回、長編初監督ということで、大手の会社がついているとは言いながら、制作費とか苦労されなかったんですか?
ムン:プロデューサー方は苦労されたんだと思いますけど、できるだけ予算を感じさせないような作り方をしようということでやっていただいたので。
茂木:出来上がった映画を観ると、低予算映画には見えないですよね。作り込みとかが素晴らしいので…。
ムン:スタッフがみんな頑張ってくれたんだと思います。
茂木:第2回は決定しているみたいですけど、1回目の作品の成功具合がかなり大事ですもんね。
ムン:そうですね。でも、恥ずかしくないものは作っているつもりです。
茂木:本日から劇場公開なんですけど、今の想いをお聞かせください。
ムン:ドキドキですね。やっぱり仲間内で観てもらうのとは全く違うものですし、仲間内のために作っているわけはないので…。
自分が知らない映画というもので、初めて関係性が生まれる人たちに観てもらうために作ってるので、今日からSNSはすごく見ちゃうでしょうね(笑)。
茂木:是非、映画を見て、皆さんも率直な感想をお書きください!
最後に、リスナーの皆さんにメッセージをお願いできますか。
ムン:自分は映画を作ったことで望月歩さんに会えて良かったなって思いますし、
それを作品を通して感じられると思うんですよね。もちろん、映画も面白いと思うのでぜひ観てほしいなと思います!
●映画「五億円のじんせい」 公式サイト
↑全国で順次ロードショー!公開日や上映の映画館、予告など、こちらでチェック!
● 映画「五億円のじんせい」Twitter(@509jinsei_movie)
来週も引き続き7月20日から、渋谷ユーロスペースを皮切りに、全国で順次公開されます、
映画「五億円のじんせい」の監督、ムン・ソンホさんをお迎えしてお送りいたします。
お楽しみに!
全国で順次公開されます、映画「五億円のじんせい」の監督、ムン・ソンホさんです。
ムン・ソンホ監督は、広島県のご出身。高校卒業後、韓国に留学されました。
弘益大学校視覚デザイン学科で映像を学ばれ、その後日本に戻りコマーシャルやイベント映像などの映像制作に従事する傍ら、自主制作短編映画にも取り組まれました。
2013年、文化庁委託事業『ndjc:若手映画作家育成プロジェクト』にて製作実施研修作家に選出されて『ミチずレ』を監督されました。
そして今回、動画配信サービスGYAOと芸能プロダクションのアミューズによる映画制作オーディション「ニューシネマプロジェクト」の第1回グランプリ受賞作品として
ムン・ソンホ監督の『五億円のじんせい』が選ばれ、7月20日から渋谷ユーロスペースを皮切りに全国で順次公開されます。
【五億円のじんせい あらすじ】
主人公は幼い頃に善意の募金5億円により、難病の手術に成功し命を救われた17歳の少年。
健康に成長して高校生になった主人公は、5億円にふさわしい人生を送るために周囲からの期待を引き受けてマスコミにさらされる、ある意味では窮屈な青春を送っていました。
ところがある日、ある出来事をきっかけに生きる意味を見失ってしまい、SNSで自殺を宣言します。
そこに見知らぬアカウントから「死ぬなら5億円返してから死ね」というメッセージが届いて少年は家を飛び出してしまいます。
お金と人生に向き合う旅に出るのですが、その旅には思わぬ出会いが待っていました。
少年が旅から見つけたものとは、一体何だったのか──。
──映画『五億円のじんせい』
茂木:ムン監督にとって、今回の映画「五億円のじんせい」は初の長編作品になります。大変素晴らしい作品なんですけど、実は今回すごい企画だったんですよね。
ムン:そうですね。「ニューシネマプロジェクト」というので選んで頂いた形です。
茂木:この「五億円のじんせい」は、動画配信サービスのGYAOと芸能プロダクションのアミューズがコラボしまして、今後の時代を担う新たな才能の発掘を目指し、オリジナル映画の企画・出演者・ミュージシャンをオーディションで選出しながら作品を完成させるという「ニューシネマプロジェクト」から生まれました。
要するに、コンペだったということですよね。手元の資料によりますと、343件の応募があり、それのトップになったということですよねですね。すごくないですか!
ムン:ありがたいことですね。
茂木:その結果生まれたのがこの映画「五億円のじんせい」なんですけども、作り方からしてもちょっと新しい映画ですね。
ムン:そうですね。試みとしては面白い試みだと思います。
茂木:今回の映画、一言で言うとどんな映画ですか?
ムン:望月歩くんが主演なんですけど、彼が出ずっぱりの映画です。
茂木:確かに望月歩さん、本当に素敵な演技でぴったりの役柄なんですけど、当て書きではないんですよね。
ムン:そうですね。望月さんは主演としてオーディションをさせてもらった上で見つけたというか、お会いできたので、ラッキーでした!
茂木:映画『五億円のじんせい』は、テーマが大変現代的ですね。
ムン:「ニューシネマプロジェクト」の企画を募集されるときに、SNSとかインターネットを絡めたものという規定が最初にあったんです。SNSとかのくだりも、そういうことで入ったみたいな感じなんです。
茂木:なるほど。あらすじからすると、みんな心に刺さるなあと思うんですけれど、脚本家の蛭田直美
さんとファミリーレストランで食事を2回するぐらい長く話し込んだということだったですけども、もともとはどこからこの発想が出てきたんですか?
ムン:心臓移植の子ってその後どうなっているのかっていうのが話に出て。そういう子って多分第一ボタンも開けちゃダメなんでしょうね。みたいな感じでわりと話が盛り上がったんですよ。
茂木:映画の中でとても印象的に使われてますもんね。
ムン:そうですね。それは最終的に表現の方にも残ってはいるので、あそこの部分だけ、お客さんとは違うところで感慨深く見てしまいます。
それと別で蛭田さんが生まれてから死ぬまでに稼ぐお金と、使うお金っていうのの差が200万円しかないみたいな記事を何かで見かけたみたいで。
たった200万円のために頑張ってるんだっていうのがなんか心に残ってたらしいんですよ。
それが、心臓移植を受けた男の子の話にも使えるんじゃないですかね、と言われて。
茂木:お金から入るところが面白いですよね。生涯に使うお金も稼ぐお金も、ほぼ2億3000万ぐらいの計算になるっていうことですもんね。
でも、心臓移植の手術代5億円という設定もまたこれ絶妙ですね。
ムン:一応、いろいろ調べたら実際に心臓移植をされている方は1億円台から3億円台ぐらいをよくお見かけした感じなんですけど、5億円にしたのは、実際に募金を集めた方々とあまりにもリンクできるような金額にしちゃうと、思いださせ過ぎちゃうかっていうのもあって。
茂木:これはあくまでもフィクションですよ、という配慮があったんですね。
茂木:主演の望月歩さん、素晴らしい演技ですね!映画と本当に一体化していて、奇跡ってあるんですね。
ムン:そうですね。高月望来っていう役にすごいシンクロ、ユニゾンしてるなぁっていうのは感じていたので、すごいなぁと思ってましたね。
茂木:最初の方の美談の主人公としてちょっとそれらしいこと言ってるときのおじさんも素晴らしいですが、その後、5億円を稼ぐために色々と闇バイトみたいなことをするじゃないですか。
あのあたりの体当たりの演技がすごくいいですよね。
ムン:本人はその辺はすごく楽しんでやってた感じでしたね。アトラクションを体験してるみたいな感じでした。
茂木:映画の中での設定の望来くんは17歳で、望月さんも撮影当時、本当に17歳だったということで、
等身大で演技をしたということなんですかね。
ムン:そうですね。彼も長編初出演ということで、彼の初主演をいただいていいんですかっていう感じですごくありがたかったですね。
茂木:そして、漫画「ワンピース」が大変印象的な使われ方をしてるんですけど、あれは正式に協力をお願いしたんですか?
ムン:そうです。許可をいただきました。
茂木:今回、長編初監督ということで、大手の会社がついているとは言いながら、制作費とか苦労されなかったんですか?
ムン:プロデューサー方は苦労されたんだと思いますけど、できるだけ予算を感じさせないような作り方をしようということでやっていただいたので。
茂木:出来上がった映画を観ると、低予算映画には見えないですよね。作り込みとかが素晴らしいので…。
ムン:スタッフがみんな頑張ってくれたんだと思います。
茂木:第2回は決定しているみたいですけど、1回目の作品の成功具合がかなり大事ですもんね。
ムン:そうですね。でも、恥ずかしくないものは作っているつもりです。
茂木:本日から劇場公開なんですけど、今の想いをお聞かせください。
ムン:ドキドキですね。やっぱり仲間内で観てもらうのとは全く違うものですし、仲間内のために作っているわけはないので…。
自分が知らない映画というもので、初めて関係性が生まれる人たちに観てもらうために作ってるので、今日からSNSはすごく見ちゃうでしょうね(笑)。
茂木:是非、映画を見て、皆さんも率直な感想をお書きください!
最後に、リスナーの皆さんにメッセージをお願いできますか。
ムン:自分は映画を作ったことで望月歩さんに会えて良かったなって思いますし、
それを作品を通して感じられると思うんですよね。もちろん、映画も面白いと思うのでぜひ観てほしいなと思います!
●映画「五億円のじんせい」 公式サイト
↑全国で順次ロードショー!公開日や上映の映画館、予告など、こちらでチェック!
● 映画「五億円のじんせい」Twitter(@509jinsei_movie)
来週も引き続き7月20日から、渋谷ユーロスペースを皮切りに、全国で順次公開されます、
映画「五億円のじんせい」の監督、ムン・ソンホさんをお迎えしてお送りいたします。
お楽しみに!