2019年06月01日
今週ゲストにお迎えしたのは、先週に引き続き
先日発表された「世界が尊敬する日本人100人」に選ばれた、遺伝子解析サービスを行っている、「ジーンクエスト」の代表、高橋祥子さんです。
高橋祥子さんは、1988年大阪府のご出身。
2010年、京都大学農学部をご卒業。
2013年、東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程在籍中に、
株式会社ジーンクエストを設立。
生活習慣病など疾患のリスクや体質の特徴など、300項目以上におよぶ
遺伝子を調べ、病気や形質に関係する遺伝子をチェックできるベンチャービジネスを展開。
現在は、株式会社ユーグレナ執行役員、
個人遺伝情報取扱協議会理事も務めていらっしゃる、
今、注目の若手起業家のお一人でいらっしゃいます。
今週も、高橋祥子さんにお話を伺っていきました。
──研究とビジネスのバランス
茂木:高橋さんは、幼い頃から勉強できる方だったんですよね?
高橋:勉強しなくて出来る人ではなくて、勉強していた人っていう感じですかね(笑)。
茂木:でも、京都大学に入られて、その後に東大の院で、よく京大と東大は比較されますけど、両方行かれたわけですけど、どうですか?
高橋:私の印象ですけど、東大生は本当に真面目な人が多いなという印象で。自分が好きじゃないことも頑張れる真面目な人が多いなと。
京大生は自分の好きじゃないことは本当に頑張れないんだけど、好きなことには、ものすごい集中力が発揮される人が多いなという印象でした。
茂木:高橋さんはどちらのタイプなんですか?
高橋:基本的に好きなことは休まず頑張れるタイプなんですけど。
茂木:科学技術分野ではジェンダーの比率というか、女性が男性に比べるとそんなにいない印象があるんですけど。
高橋さんは、ジェンダーは全く関係なく活躍されていらっしゃるんですけど。女性として、こういう分野で活躍する時に大変だったこととか、心がけたことはありますか?
高橋:実は“女性だから”という理由で大変だったことがなくて。
というのも、高校も理系クラスだったので、クラスメイトの女の子も全員理系だったんですよね。大学も何故かクラスが9割ぐらい女性で。
茂木:そうだったんですか(笑)。
高橋:東大も京大も、女性比率はそこまで高くないんですけど。私が行った農学部っていうのは比較的理系学部の中でも女性比率が高い学部で。
たまたま私のクラスとか私の研究室が9割くらい女性の環境だったんですね。
今、会社を立ち上げて会社のメンバーも女性の方が多いですし、5割以上ですね。
研究をやっているチームでも女性の方が多いんですよね。なので、あまり男性の中の環境ということがなくて、正直、あまり苦労したことは無いですね。
茂木:素晴らしいですね。
研究とビジネスのバランスというか、その両方を見なくちゃいけないんだと思うんですけど、その辺りはいかがですか?
高橋:けっこう苦労しましたね。
自分の中の折り合いのつけ方として苦労したのが、研究とビジネスの同じところは人と技術と資本を投資して、得られるものがその学術的な成果なのか、経済的な価値なのかという、そこの違いなんですけど。
ビジネスを進めるために、この生命科学を使うのか、生命科学の分野を進めるためにビジネスの力を使うのかという、まったくやることが違ってくるんですね。
その相反するものを持つっていうのが自分の中で葛藤があったんですけど。
茂木:うんうん。
高橋:とある経営者の先輩から、「葛藤がある時には、葛藤から何かを学べ」と、必ず新しいものが生み出せるからということで、何を学ぶのかということを考えると、結局、生命科学もビジネスもどっちかていう話ではなくて、両方進めることで新しい世界が見えるということを、私はやりたかったんだということを思い出しまして。
それは矛盾する部分はあるけど、全体で見ると矛盾するわけではなくて。
経営者でいる時も、研究者でいる時もモチベーションの源泉って変わってなくて。この生命科学の力を使って世界を前進させたいっていう思いでやっているので。抽象化して考えるとひとつのことだなと、ということで、その葛藤を乗り越えることができました。
茂木:今、日本の若者は元気がないと言われたりするんですけど、高橋さんの「ジーンクエスト」の元気の秘密は何ですかね?
高橋:そもそも元気がないというのが本当なのかと疑問はあるんですけど。
元気がない人が目立っているだけなんじゃないかと思うんですよね、私の周りでも学生起業している人ってすごく多いんですけど、当たり前になっているというか。
元気の表現方法が違ってきてるだけなんじゃないかと思います。
●Genequest【ジーンクエスト】
●高橋祥子 (@Shokotan_takaha) | Twitter
●ゲノム解析は「私」の世界をどう変えるのか?
生命科学のテクノロジーによって生まれうる未来 / 高橋 祥子 (著)
来週は、ジャーナリストの津田大介さんをお迎えしてお送りいたします。
お楽しみに!
先日発表された「世界が尊敬する日本人100人」に選ばれた、遺伝子解析サービスを行っている、「ジーンクエスト」の代表、高橋祥子さんです。
高橋祥子さんは、1988年大阪府のご出身。
2010年、京都大学農学部をご卒業。
2013年、東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程在籍中に、
株式会社ジーンクエストを設立。
生活習慣病など疾患のリスクや体質の特徴など、300項目以上におよぶ
遺伝子を調べ、病気や形質に関係する遺伝子をチェックできるベンチャービジネスを展開。
現在は、株式会社ユーグレナ執行役員、
個人遺伝情報取扱協議会理事も務めていらっしゃる、
今、注目の若手起業家のお一人でいらっしゃいます。
今週も、高橋祥子さんにお話を伺っていきました。
──研究とビジネスのバランス
茂木:高橋さんは、幼い頃から勉強できる方だったんですよね?
高橋:勉強しなくて出来る人ではなくて、勉強していた人っていう感じですかね(笑)。
茂木:でも、京都大学に入られて、その後に東大の院で、よく京大と東大は比較されますけど、両方行かれたわけですけど、どうですか?
高橋:私の印象ですけど、東大生は本当に真面目な人が多いなという印象で。自分が好きじゃないことも頑張れる真面目な人が多いなと。
京大生は自分の好きじゃないことは本当に頑張れないんだけど、好きなことには、ものすごい集中力が発揮される人が多いなという印象でした。
茂木:高橋さんはどちらのタイプなんですか?
高橋:基本的に好きなことは休まず頑張れるタイプなんですけど。
茂木:科学技術分野ではジェンダーの比率というか、女性が男性に比べるとそんなにいない印象があるんですけど。
高橋さんは、ジェンダーは全く関係なく活躍されていらっしゃるんですけど。女性として、こういう分野で活躍する時に大変だったこととか、心がけたことはありますか?
高橋:実は“女性だから”という理由で大変だったことがなくて。
というのも、高校も理系クラスだったので、クラスメイトの女の子も全員理系だったんですよね。大学も何故かクラスが9割ぐらい女性で。
茂木:そうだったんですか(笑)。
高橋:東大も京大も、女性比率はそこまで高くないんですけど。私が行った農学部っていうのは比較的理系学部の中でも女性比率が高い学部で。
たまたま私のクラスとか私の研究室が9割くらい女性の環境だったんですね。
今、会社を立ち上げて会社のメンバーも女性の方が多いですし、5割以上ですね。
研究をやっているチームでも女性の方が多いんですよね。なので、あまり男性の中の環境ということがなくて、正直、あまり苦労したことは無いですね。
茂木:素晴らしいですね。
研究とビジネスのバランスというか、その両方を見なくちゃいけないんだと思うんですけど、その辺りはいかがですか?
高橋:けっこう苦労しましたね。
自分の中の折り合いのつけ方として苦労したのが、研究とビジネスの同じところは人と技術と資本を投資して、得られるものがその学術的な成果なのか、経済的な価値なのかという、そこの違いなんですけど。
ビジネスを進めるために、この生命科学を使うのか、生命科学の分野を進めるためにビジネスの力を使うのかという、まったくやることが違ってくるんですね。
その相反するものを持つっていうのが自分の中で葛藤があったんですけど。
茂木:うんうん。
高橋:とある経営者の先輩から、「葛藤がある時には、葛藤から何かを学べ」と、必ず新しいものが生み出せるからということで、何を学ぶのかということを考えると、結局、生命科学もビジネスもどっちかていう話ではなくて、両方進めることで新しい世界が見えるということを、私はやりたかったんだということを思い出しまして。
それは矛盾する部分はあるけど、全体で見ると矛盾するわけではなくて。
経営者でいる時も、研究者でいる時もモチベーションの源泉って変わってなくて。この生命科学の力を使って世界を前進させたいっていう思いでやっているので。抽象化して考えるとひとつのことだなと、ということで、その葛藤を乗り越えることができました。
茂木:今、日本の若者は元気がないと言われたりするんですけど、高橋さんの「ジーンクエスト」の元気の秘密は何ですかね?
高橋:そもそも元気がないというのが本当なのかと疑問はあるんですけど。
元気がない人が目立っているだけなんじゃないかと思うんですよね、私の周りでも学生起業している人ってすごく多いんですけど、当たり前になっているというか。
元気の表現方法が違ってきてるだけなんじゃないかと思います。
●Genequest【ジーンクエスト】
●高橋祥子 (@Shokotan_takaha) | Twitter
●ゲノム解析は「私」の世界をどう変えるのか?
生命科学のテクノロジーによって生まれうる未来 / 高橋 祥子 (著)
来週は、ジャーナリストの津田大介さんをお迎えしてお送りいたします。
お楽しみに!