Dream Heart(ドリームハート)

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REPORT 最新のオンエアレポート

Dream HEART vol.299 中田敦彦さん

2018年12月22日

今週ゲストにお迎えしたのは、宝島社から刊行されました「僕たちはどう伝えるか」の著者、オリエンタルラジオの中田敦彦さんです。

中田敦彦さんは、1982年 大阪府のご出身。
慶應義塾大学経済学部を卒業されていますが、大学在学中の2005年にお笑いコンビ・オリエンタルラジオとしてデビューされます。

2016年、音楽ユニット RADIO FISHによる楽曲「PERFECT HUMAN」が大ヒット。
その年のNHK紅白歌合戦にも出場されました。
また、第58回日本レコード大賞の企画賞も受賞されています。

今週は、中田敦彦さんの著書「僕たちはどう伝えるか」を中心にお話し伺いました。


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──タイトルと表紙

茂木:「僕たちはどう伝えるか」の表紙には中田さんの顔と、「心は、つかめる」というキャッチコピーがありますが、この本すごく良い本じゃないですか!

中田:本当ですか!ありがとうございます!表紙は完全にジョブズの完コピの顔です(笑)。
ジョブズの写真を見ながらスタジオでみんなで撮りました。

茂木:手の位置も顎に当てていて。

中田:そうなんです。ジョブズの一番有名な写真をコピーしたんですけど、結構この手が不思議な形をしていて、親指だけをちょっと立てて顎にチョンと乗せたりとか、肩の位置的に右肩をだいぶ上げているんですよ。

茂木:へぇー!

中田:ジョブズって、リラックスした感じというよりは、自分の中で決めた顔だったんだなっていうことが分かりましたね。
有名人が本を出すときって顔をジャケットにするのが一番なんですけど、プレゼントいえばジョブズみたいなイメージが大きい中で、それを完コピしてやってみようとか、
タイトルも「君たちはどう生きるか」を模倣してるんですよね。

茂木:やっぱりそうなんですね。

中田:この模倣タイトルっていうのがビジネス書では結構アリになっているという現実が面白いなって思っていて。
阿川佐和子さんの「聞く力」という本が出ていますけど、その前年度に池上さんの「伝える力」が売れていたり、似たタイトルがめちゃくちゃ氾濫するんですよね。
今、西野さんと堀江さんで「バカとは付き合うな」っていう本が出ていますけど、ランキングの一個上には「アホとは戦うな」っていう本があって。
ビジネス界隈ってそういうのアリなんだ、っていうのを面白がりたくてこういう表紙とタイトルにしてあるんです。

茂木:なるほど!本当に面白かったです。
特に、芸人になるって言った時にお父さんにどうプレゼンしたかとか。具体的な経験に基づいているので説得力がありました。
僕、お風呂で本を読むのが癖なんですけど、お風呂の中で読んじゃいました。

中田:何分くらいで読み終えました?

茂木:本には30分で読めるっていう風に書いてありますよね。僕、おそらく30分より早かったかも。

中田:やっぱり。本を読み慣れている方はそうだと思います。それぐらいで読みきれる本っていうのを価値にしていて。
プレゼンとかお話も、長い段階でつまらないっていうか、
長い段階でダメなお話って思っているので、本も出す側になると急に出版社さんが分厚いのを出したがるんですよ。
でも、読む側の感想って「これ、すぐ読みきれるよ」って言って皆にシェアするじゃないですか。そのギャップすごいなぁと思っていて。

茂木:なるほど。

中田:結構出版社さんとも戦って、もっと字を増やそうってなっていたところを、これぐらいにしましょう。余白も多くしましょう。イラストも入れましょう。すぐ読めるっていう価値を伝えたいっていうことでお話しさせていただいたんですね。

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──良い緊張と悪い緊張

茂木:中田さんは、テレビ朝日系列の番組「しくじり先生」で、授業スタイルやプレゼンが上手いと評判になり、
プレゼンの名手ということで、今回この「僕たちはどう伝えるか」を発売されたわけなんですけど、(言葉の)絞り方が上手いですよね。字数にするとどれくらいなんですかね。

中田:どれくらいなんでしょうね。ギュッとしたら半分くらいになる気もします。余白も多いですからね。

茂木:例えば、「最悪の禁じ手は謙遜に見せかけた言い訳」とか「ハードルを下げる人間の言うことは誰も聞かない」とか。本当にそうですよね!

中田:学生さんのゼミを見たときに、準備不足と自分の実力不足を2分間ぐらいかけて最初に説明したプレゼンが一番嫌だったんですよ。

茂木:分かります。無駄な時間だし、こちらの期待が下がっちゃいますよね。

中田:そうなんです。だったら頑張ってこいよって思ってしまうので…(笑)。
特に、日本のカルチャーに『TED(世界中の著名人によるさまざまな講演会を開催・配信している非営利団体)』とかが海外より根付き辛いなと思ったのが、
そういうプッシュとか自信を持ってやるんだよっていうことよりも、謙遜したり、ハードル下げようとする文化の方が強いからかな、とは思ったんですよね。

茂木:あと「緊張には良い緊張と悪い緊張の2種類がある」って言うのも、その通りだなと思いました。

中田:ありがとうございます。これも、お笑い芸人やっていて一番思ったことで。
人前で何かやるという職業なので、その中で一番感じたことですね。僕自身も、準備不足だったりして、侮って出る場合の緊張の仕方と、準備万端で出る場合の緊張の仕方でかなり変わるなと思ったんです。
準備万端で出る場合は出番直前が一番緊張するんですよね。ところが、出たら緊張はフッと溶けると。

茂木:良い緊張とは、しっかり準備したのだから失敗したくないという緊張だと。

中田:そうです。これ、アスリートの方もよく言われるんですよね。ゾーンに入るとか。直前まですごく緊張してるけど本番では大丈夫。
でも、侮った時の緊張っていうのは、あんまり緊張しないで本番に行くんですけど、本番になった瞬間に緊張がMAXに行くっていう…。誰しもが人生で一度や二度経験したことはあると思うんですけど、頭が真っ白になっちゃうっていう現象ですね。
ゾーンに入る現象と、真っ白になってしまって本来の動きができなくなる現象を比較した章になりますね。

茂木:本文は短い言葉で書かれていますけど、中田さんのこれまでの元手がかかっているじゃないですか。

中田:確かに、人生や芸人をやってきた経験がかかってますね。

茂木:だから、この本はすごく価値があるというか。この本自体が最高のプレゼンっていう感じがしましたね。

中田:ありがとうございます!
最初にこの本を作るときに、語り下ろしにしようと思ったんですよ。ライターさんに話を聞いてもらって、書き起こしてもらう。その形にしたら結構ボリューミーになってしまって。
しかも、いらないところも多かったんです。宝島社さんからすると内容が多い方がお得感があるだろうなと思ってそうして頂いたと思うんですけど、
僕のプレゼンテーションで言っている技術と、この本の佇まいが矛盾していたんです。
まずは掴みが大事だとか、短さが大事だとか、平易な言葉が大事だということを、この本自体が体現していないといけないなと思って、そうさせて頂いたんですよね。

茂木:こうやってお話を伺っていると、やはりアーティストですよね。作品の作り込みとかをすごく気にされているじゃないですか。本当に素晴らしいと思います!

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「Nkt official site: 中田敦彦」


●僕たちはどう伝えるか / 中田敦彦

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