2018年08月18日
今週ゲストにお迎えしたのは、先週に引き続き、デジタルアート集団「チームラボ」の代表・猪子寿之さんです。
1977年、徳島市出身。
1年間の渡米を経て、2001年、東京大学工学部 計数工学科卒業と同時にチームラボを創業、代表取締役に就任されました。
大学では確率・統計モデルを、大学院では自然言語処理とアートを研究。
2017年、芸術選奨新人賞受賞をされ
チームラボは国内外で、インタラクティブアート作品をリリースし続けていらっしゃいます。
今までチームラボが行った展覧会は世界21カ国で開催され、現在、大変注目を浴びています。
──何十億年かの連続性
茂木:猪子さん一押しのチームラボの展示があるんですよね?
猪子:はい、2つあるんですけど(笑)。
1つはパリで大きな展覧会をやっているんですけど、すっごい人が来てくれているんですね。パリはなかなか行けないと思うのでその話は置いておいて(笑)。
茂木:パリはいつまでやっているんですか?
猪子:9月上旬までですね、1日5、6000人くらい来ていただいてて、パリでチームラボの話題で盛り上がっているそうんですよ。
茂木:もう1つはどこですか?
猪子:もう1つが九州 佐賀の武雄っていう、武雄温泉というところがあって。そこに御船山楽園という本当に古〜い森と、森の一部が江戸後期に日本庭園になった場所があって。
茂木:はい。
猪子:森と古い庭園を使った展覧会「かみさまがすまう森」を、今回4回目なんですけど以前は池だけだったんですよ。
去年大きくして、今年バージョンアップさせてやっているんですね。去年、世界中のアートインスタレーションの1位になったんですよ。
茂木:すごい! これはすごいですよ!
猪子:どれぐらい古い森かというと、樹齢3000年の大楠があったりするような森で、古い森と江戸時代にお庭になった部分とが少し境界ない形で続いていて。
茂木:うんうん。
猪子:奈良の大仏を作った行基とかも、1300年前に「五百羅漢」を掘ったりしてる洞穴だったり。
茂木:なるほど〜。
猪子:時代時代に合わせて、自分を超越した存在に対して意味を勝手に見出して…五百羅漢を掘ったり、お庭にしてみたり…そういう場だと僕は勝手に思っていて。
縁があってその場にたどり着いて、自分の生命って何十億年かの連続性の上にあるわけですよね。
今、生きてる瞬間っていうのも、いろんな連続性のもとに存在できてるわけですけども。
茂木:はい。
猪子:人間ってそんなに賢くなくて、長い時間とか、複雑な連続性を認知できないんだと思うんですね。
でも、何かそういう長い自然の営みと、人の営みが続いてきた場所で何かをすることによって、その認知の限界を超えられるんじゃないか、何か感じさせられることができるんじゃないか、みたいなことを思っていて。
その場で自分が何ができるか分からないんだけど、何年か続けていく中でそういうことを何か感じれるような場にすることができたらいいなと思って続けているんですね。
茂木:いろんな人から、武雄の展示はすごいと聞いているので、僕自身も機会があったら行きたいですし。
猪子:茂木さん、機会は作るものですよ(笑)。
茂木:わかりました(笑)機会を作って行きたいと思います。
夜、やっているということですね。
猪子:はい、夜ですね。本当に場所がいいんです、森もいいし、お庭もね。
ちょっとマニアックな話をすると、近代を作ったお殿様の教育係だった人間がめちゃくちゃな人だったんですけど。
めちゃくちゃ過ぎて何度も左遷されるんですけど、最後左遷されて“もう戻ることはない”ってなって作ったお庭なんです。
茂木:なるほど〜!
猪子:天才が、近代を作った人間を育てた人が作ったようなお庭なんですね。
茂木:何かあるんだろうね、そこでチームラボがやってるということは。
猪子さんが技術的に、論理的に緻密な部分と、ぶっ飛んでる部分の同居がすごいよね(笑)。
猪子:分からないですね、逆に聞きたいですね。あまり考えてないです(笑)。
茂木:チームラボの中では、みんな猪子さんのことなんて言ってるんですか?
猪子:なんて言ってるんですかね〜?
茂木:他人が自分のことをどう言ってるかあまり気にならない?
猪子:気になるね、そう言われると。気になるんだけどなんて言われてるか知らない(笑)。
茂木:猪子さんの夢はなんですか?
猪子:いま、こうやって何かを作れてることは本当にラッキーだと思ってるし。それが作ることを通して、もっと人間を知りたいし、人間にとって世界とは何かっていうのをほんのちょっとでも知れたらいいなって思っています。そういうことはこれからも継続できたらいいなと思ってるんですね。
人生を通して、ほんのちょっとでも人類にとって意味があるようなことができたらいいなと思っています。
【チームラボ かみさまがすまう森】
●「teamLab / チームラボ」公式ホームページ
●猪子寿之 INOKO Toshiyuki (@inoko21) | Twitter
来週は、レストラン「イヌア」のヘッドシェフ トーマス・フレベルさんをお迎えします。
どうぞお楽しみに。
1977年、徳島市出身。
1年間の渡米を経て、2001年、東京大学工学部 計数工学科卒業と同時にチームラボを創業、代表取締役に就任されました。
大学では確率・統計モデルを、大学院では自然言語処理とアートを研究。
2017年、芸術選奨新人賞受賞をされ
チームラボは国内外で、インタラクティブアート作品をリリースし続けていらっしゃいます。
今までチームラボが行った展覧会は世界21カ国で開催され、現在、大変注目を浴びています。
──何十億年かの連続性
茂木:猪子さん一押しのチームラボの展示があるんですよね?
猪子:はい、2つあるんですけど(笑)。
1つはパリで大きな展覧会をやっているんですけど、すっごい人が来てくれているんですね。パリはなかなか行けないと思うのでその話は置いておいて(笑)。
茂木:パリはいつまでやっているんですか?
猪子:9月上旬までですね、1日5、6000人くらい来ていただいてて、パリでチームラボの話題で盛り上がっているそうんですよ。
茂木:もう1つはどこですか?
猪子:もう1つが九州 佐賀の武雄っていう、武雄温泉というところがあって。そこに御船山楽園という本当に古〜い森と、森の一部が江戸後期に日本庭園になった場所があって。
茂木:はい。
猪子:森と古い庭園を使った展覧会「かみさまがすまう森」を、今回4回目なんですけど以前は池だけだったんですよ。
去年大きくして、今年バージョンアップさせてやっているんですね。去年、世界中のアートインスタレーションの1位になったんですよ。
茂木:すごい! これはすごいですよ!
猪子:どれぐらい古い森かというと、樹齢3000年の大楠があったりするような森で、古い森と江戸時代にお庭になった部分とが少し境界ない形で続いていて。
茂木:うんうん。
猪子:奈良の大仏を作った行基とかも、1300年前に「五百羅漢」を掘ったりしてる洞穴だったり。
茂木:なるほど〜。
猪子:時代時代に合わせて、自分を超越した存在に対して意味を勝手に見出して…五百羅漢を掘ったり、お庭にしてみたり…そういう場だと僕は勝手に思っていて。
縁があってその場にたどり着いて、自分の生命って何十億年かの連続性の上にあるわけですよね。
今、生きてる瞬間っていうのも、いろんな連続性のもとに存在できてるわけですけども。
茂木:はい。
猪子:人間ってそんなに賢くなくて、長い時間とか、複雑な連続性を認知できないんだと思うんですね。
でも、何かそういう長い自然の営みと、人の営みが続いてきた場所で何かをすることによって、その認知の限界を超えられるんじゃないか、何か感じさせられることができるんじゃないか、みたいなことを思っていて。
その場で自分が何ができるか分からないんだけど、何年か続けていく中でそういうことを何か感じれるような場にすることができたらいいなと思って続けているんですね。
茂木:いろんな人から、武雄の展示はすごいと聞いているので、僕自身も機会があったら行きたいですし。
猪子:茂木さん、機会は作るものですよ(笑)。
茂木:わかりました(笑)機会を作って行きたいと思います。
夜、やっているということですね。
猪子:はい、夜ですね。本当に場所がいいんです、森もいいし、お庭もね。
ちょっとマニアックな話をすると、近代を作ったお殿様の教育係だった人間がめちゃくちゃな人だったんですけど。
めちゃくちゃ過ぎて何度も左遷されるんですけど、最後左遷されて“もう戻ることはない”ってなって作ったお庭なんです。
茂木:なるほど〜!
猪子:天才が、近代を作った人間を育てた人が作ったようなお庭なんですね。
茂木:何かあるんだろうね、そこでチームラボがやってるということは。
猪子さんが技術的に、論理的に緻密な部分と、ぶっ飛んでる部分の同居がすごいよね(笑)。
猪子:分からないですね、逆に聞きたいですね。あまり考えてないです(笑)。
茂木:チームラボの中では、みんな猪子さんのことなんて言ってるんですか?
猪子:なんて言ってるんですかね〜?
茂木:他人が自分のことをどう言ってるかあまり気にならない?
猪子:気になるね、そう言われると。気になるんだけどなんて言われてるか知らない(笑)。
茂木:猪子さんの夢はなんですか?
猪子:いま、こうやって何かを作れてることは本当にラッキーだと思ってるし。それが作ることを通して、もっと人間を知りたいし、人間にとって世界とは何かっていうのをほんのちょっとでも知れたらいいなって思っています。そういうことはこれからも継続できたらいいなと思ってるんですね。
人生を通して、ほんのちょっとでも人類にとって意味があるようなことができたらいいなと思っています。
【チームラボ かみさまがすまう森】
●「teamLab / チームラボ」公式ホームページ
●猪子寿之 INOKO Toshiyuki (@inoko21) | Twitter
来週は、レストラン「イヌア」のヘッドシェフ トーマス・フレベルさんをお迎えします。
どうぞお楽しみに。