2018年08月11日
今週ゲストにお迎えしたのは、デジタルアート集団「チームラボ」の代表・猪子寿之さんです。
1977年、徳島市出身。
1年間の渡米を経て、2001年、東京大学工学部 計数工学科卒業と同時にチームラボを創業、代表取締役に就任されました。
大学では確率・統計モデルを、大学院では自然言語処理とアートを研究。
2017年、芸術選奨新人賞受賞をされ
チームラボは国内外で、インタラクティブアート作品をリリースし続けていらっしゃいます。
今までチームラボが行った展覧会は世界21カ国で開催され、現在、大変注目を浴びています。
──ボーダレスとプラネッツ
茂木:大学院では自然言語処理とアートを研究していたんですけどやめちゃったんですよね?大学院をやめちゃったのは忙しくなったからですか?
猪子:そうですね(笑)。
茂木:チームラボの活動は評価されていまして、2017年 芸術選奨新人賞受賞をされたと。
そして、国内外でインタラクティブアート作品をリリースされていて、ニューヨークのペースギャラリー?これはどういったギャラリーなんですか?
猪子:世界の三大ギャラリーと言われているようなところですね。
茂木:そこと契約してるんですよね。
猪子:そうですね。
茂木:ということは、チームラボの作品はペースギャラリーから買えるんですよね。どういう方が買うんですか?
猪子:インターネットを発明したマーク・アンドリーセンとか、シリコンバレーで大きい展覧会をやっていたんですけど、それはグーグルの創業者だったり。時代を作った、変えた人たちがなぜかチームラボのアートが好きなんですよね。
茂木:自宅に置いてあるの?
猪子:事務所のエントランスだったりですね。
茂木:現時点で世界21カ国で展覧会を開催されているわけですけど、猪子さんも世界を飛び回っているわけですよね、パスポートとかよく忘れませんね(笑)。
猪子:ずっとカバンの中に入れっぱなしなので(笑)。
茂木:みなさん、猪子さんっていう方は本当に不思議な方なんですよ(笑)。
今回、お台場の「チームラボボーダレス」そして豊洲の「チームラボ プラネッツ」というミュージアムがオープンしたということで、おめでとうございます!
猪子:ありがとうございます!
茂木:私も先日、「チームラボボーダレス」に行ってきたんですけどビックリしたね。
スペースの使い方、いろんな要素がお互いにボーダレスに侵入していって振る舞いが変わるという…あれはすごくないですか?
猪子:境界のない世界っていうのを作りたかったんですよね。特に人間が作ったものだけの都市にいるとすべてが境界だらけで、何もかも境界があるというのが当たり前になっていて。
でも、本来世界には境界ってひとつもなくて、例えば地球と宇宙って現象も概念も何もかも違うんですけど。じゃあ境界がありますか?っていうと、境界はないですよね。
茂木:うんうん。
猪子:森に行っても自然の状態がいい状態であればあるほど、境界のない状態になっていって。
生きるっていうのは境界なく連続してる存在なんですね、でも都市にいるとそういうのを忘れちゃって、自分が独立してる存在であるかのような……境界があることが少なくとも前提になっちゃって。境界のない美しい世界を作りたかったんですね。
茂木:チームラボの会社自体ボーダレスな感じありますよね。
猪子:そうですね。僕がアートっていう名の下にアート的なものを作っているんですけど。
アートっていうのも、フレームだったり、独立した作品は一個一個境界がありますよね。
茂木:はい。
猪子:そういう境界を取っ払って、独立してるんだけども境界が曖昧なアート群。
茂木:アート作品としてナンバーはついてる感じするけどエージェントがそこを移動していってますもんね。
猪子:一個一個も境界が曖昧で、今まであった作品も境界を曖昧にしていって例えば「花と人」っていう作品があるんですけど。
それも境界が曖昧でどこまでも花が咲いていくし、滝の作品は昔からあるんですけど滝がくるならば花は散っていくし。独立した2つの作品の境界が互いに影響を受け合う。そういう繋がってるようなひとつの世界を作りたかったし、生きてる人たちもその世界を彷徨って、短期的な目的とかをなくして、この世界にいることそのものを楽しんでもらう。
茂木:そうですね。
猪子:この世界に自分が存在していることそのものを肯定して、楽しんでもらうような状況を作りたかったし。他者も同時に、同じ空間に存在するっていうことを楽しんでもらいたいなって。
自分と作品の境界もなくしたかったし、他者との境界も……連続的な存在だっていうことをわかりやすく認識させたかったんですよね。
茂木:現代社会における重要なことをメッセージとして伝えてくださっているなっていうのは僕も感じたんですけど。
もう一個の「チームラボプラネッツ」これはまた画期的で新しかったですね。
猪子:あれは一個一個わかりやすく大きく作って、その中で自分と世界との境界をなくすような体験をしてもらいたいなと思って。
茂木:これもボーダレスというか…。
猪子:究極的にはそうなんですよ。いろいろある境界っていう概念をなくしたくて。
ボーダレスは、境界のないひとつの世界を作りたかったんです。プラネッツは、自分と世界との境界を考え直す体験をさせたかったんですよね。
なので、作品の中に体ごと没入させて作品と体の境界をなくすような、そういう体験を作りたかったんです。
●「teamLab / チームラボ」公式ホームページ
●猪子寿之 INOKO Toshiyuki (@inoko21) | Twitter
来週も引き続き、チームラボ代表の猪子寿之さんをお迎えします。
どうぞお楽しみに。
1977年、徳島市出身。
1年間の渡米を経て、2001年、東京大学工学部 計数工学科卒業と同時にチームラボを創業、代表取締役に就任されました。
大学では確率・統計モデルを、大学院では自然言語処理とアートを研究。
2017年、芸術選奨新人賞受賞をされ
チームラボは国内外で、インタラクティブアート作品をリリースし続けていらっしゃいます。
今までチームラボが行った展覧会は世界21カ国で開催され、現在、大変注目を浴びています。
──ボーダレスとプラネッツ
茂木:大学院では自然言語処理とアートを研究していたんですけどやめちゃったんですよね?大学院をやめちゃったのは忙しくなったからですか?
猪子:そうですね(笑)。
茂木:チームラボの活動は評価されていまして、2017年 芸術選奨新人賞受賞をされたと。
そして、国内外でインタラクティブアート作品をリリースされていて、ニューヨークのペースギャラリー?これはどういったギャラリーなんですか?
猪子:世界の三大ギャラリーと言われているようなところですね。
茂木:そこと契約してるんですよね。
猪子:そうですね。
茂木:ということは、チームラボの作品はペースギャラリーから買えるんですよね。どういう方が買うんですか?
猪子:インターネットを発明したマーク・アンドリーセンとか、シリコンバレーで大きい展覧会をやっていたんですけど、それはグーグルの創業者だったり。時代を作った、変えた人たちがなぜかチームラボのアートが好きなんですよね。
茂木:自宅に置いてあるの?
猪子:事務所のエントランスだったりですね。
茂木:現時点で世界21カ国で展覧会を開催されているわけですけど、猪子さんも世界を飛び回っているわけですよね、パスポートとかよく忘れませんね(笑)。
猪子:ずっとカバンの中に入れっぱなしなので(笑)。
茂木:みなさん、猪子さんっていう方は本当に不思議な方なんですよ(笑)。
今回、お台場の「チームラボボーダレス」そして豊洲の「チームラボ プラネッツ」というミュージアムがオープンしたということで、おめでとうございます!
猪子:ありがとうございます!
茂木:私も先日、「チームラボボーダレス」に行ってきたんですけどビックリしたね。
スペースの使い方、いろんな要素がお互いにボーダレスに侵入していって振る舞いが変わるという…あれはすごくないですか?
猪子:境界のない世界っていうのを作りたかったんですよね。特に人間が作ったものだけの都市にいるとすべてが境界だらけで、何もかも境界があるというのが当たり前になっていて。
でも、本来世界には境界ってひとつもなくて、例えば地球と宇宙って現象も概念も何もかも違うんですけど。じゃあ境界がありますか?っていうと、境界はないですよね。
茂木:うんうん。
猪子:森に行っても自然の状態がいい状態であればあるほど、境界のない状態になっていって。
生きるっていうのは境界なく連続してる存在なんですね、でも都市にいるとそういうのを忘れちゃって、自分が独立してる存在であるかのような……境界があることが少なくとも前提になっちゃって。境界のない美しい世界を作りたかったんですね。
茂木:チームラボの会社自体ボーダレスな感じありますよね。
猪子:そうですね。僕がアートっていう名の下にアート的なものを作っているんですけど。
アートっていうのも、フレームだったり、独立した作品は一個一個境界がありますよね。
茂木:はい。
猪子:そういう境界を取っ払って、独立してるんだけども境界が曖昧なアート群。
茂木:アート作品としてナンバーはついてる感じするけどエージェントがそこを移動していってますもんね。
猪子:一個一個も境界が曖昧で、今まであった作品も境界を曖昧にしていって例えば「花と人」っていう作品があるんですけど。
それも境界が曖昧でどこまでも花が咲いていくし、滝の作品は昔からあるんですけど滝がくるならば花は散っていくし。独立した2つの作品の境界が互いに影響を受け合う。そういう繋がってるようなひとつの世界を作りたかったし、生きてる人たちもその世界を彷徨って、短期的な目的とかをなくして、この世界にいることそのものを楽しんでもらう。
茂木:そうですね。
猪子:この世界に自分が存在していることそのものを肯定して、楽しんでもらうような状況を作りたかったし。他者も同時に、同じ空間に存在するっていうことを楽しんでもらいたいなって。
自分と作品の境界もなくしたかったし、他者との境界も……連続的な存在だっていうことをわかりやすく認識させたかったんですよね。
茂木:現代社会における重要なことをメッセージとして伝えてくださっているなっていうのは僕も感じたんですけど。
もう一個の「チームラボプラネッツ」これはまた画期的で新しかったですね。
猪子:あれは一個一個わかりやすく大きく作って、その中で自分と世界との境界をなくすような体験をしてもらいたいなと思って。
茂木:これもボーダレスというか…。
猪子:究極的にはそうなんですよ。いろいろある境界っていう概念をなくしたくて。
ボーダレスは、境界のないひとつの世界を作りたかったんです。プラネッツは、自分と世界との境界を考え直す体験をさせたかったんですよね。
なので、作品の中に体ごと没入させて作品と体の境界をなくすような、そういう体験を作りたかったんです。
●「teamLab / チームラボ」公式ホームページ
●猪子寿之 INOKO Toshiyuki (@inoko21) | Twitter
来週も引き続き、チームラボ代表の猪子寿之さんをお迎えします。
どうぞお楽しみに。