Dream Heart(ドリームハート)

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REPORT 最新のオンエアレポート

Dream HEART vol.253 株式会社メドレー 代表取締役医師・豊田 剛一郎さん

2018年02月03日

先週に引き続きお迎えしたのは、株式会社メドレーの代表取締役医師の豊田 剛一郎さんです。

豊田さんは、1984年生まれ。
東京大学医学部を卒業後、脳神経外科医として国内の病院に勤務。
その後渡米し、ミシガン小児病院にて脳研究に従事。

日米での経験を通じて、日本の医療の将来に対する危機感を強く持ち、
医療を変革するために臨床現場を離れることを決意。

マッキンゼー・アンド・カンパニーにて、
主にヘルスケア業界の戦略コンサルティングを経験後、
2015年2月より株式会社メドレーの共同代表に就任。

オンライン医療事典「MEDLEY」、オンライン診療アプリ「CLINICS」などの
医療分野サービスの立ち上げを行い、現在に至ります。

そんな豊田さんに、お話を伺っていきました。


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──医学の発達

茂木:開成中学校・高等学校を卒業後、東大医学部というエリートコースに進んで、
脳神経外科医として国内の病院に勤務したあと、渡米。その中で、日本の医療に対する危機感を強く持たれて、マッキンゼー&カンパニーに華麗なる転身を遂げますね。

豊田:はい(笑)。

茂木:すごいプロフィールですね、弱点とかないですか?

豊田:それで言うとプライベート、土日とかずっと引きこもっている時ありますし。
1人で海外ドラマをずっと見てるときとかありますし(笑)。お菓子買い込んで食べながら見たりとか。

茂木:ジャンキー化してるんですね(笑)。

豊田:エンディングが、”次見ないと!”っていうエンディングで終わってくるのですごいなって思って(笑)。

茂木:今回の著書「ぼくらの未来をつくる仕事」にもいろいろ書かれているんですけど。
日本の医療の問題点、課題っていろいろあると思うんですけど、どんな課題があるんですか?

豊田:日本の医療の制度の話もそうですし、医学が発達して、いろんな治療法とか人生が選べるようになっていますよね。
患者さんが知らないと選べない事とかがいっぱい出てきていて。

茂木:昔は「お医者さんに任せます」っていうのがあったじゃないですか?

豊田:それが、そういう時代ではなくなってきてると思います。
僕が現場にいた頃も、”先生にお願いします”というよりは、患者さんに「どうしますか?」と聞いて、患者さんやご家族が、「こうしたいです」と言って、それを医者がやるっていう関係性に近付きつつあって、今後もどんどんそうなっていくと思うんですね。

茂木:患者側のイメージでは、お医者さんの治療方針に対して
「私は、こういう風に思います」と言うと、怒られちゃうんじゃないかと思うんですよ。
それはどうなんですか?

豊田:一部にはそういうドクターがいるのも事実だと思うんですけど、若手のドクターとか、理解あるドクターは、患者さんが不安に思ってることだと思うので、患者さんがその不安に思ってることを伝えて、何か嫌な感情を抱くとか、怒るというドクターはいないと思います。

茂木:なるほど。

豊田:忙しくてなかなか説明できないという、そっちの方が問題かなと思いますけどね。

茂木:逆に、患者さんがインターネットで、あまり信頼できない情報を調べてきて
医者から見ると間違ってるんだけど「ネットに書いてありました」みたいなことあるじゃないですか?

豊田:今って、あまりにも皆さんがスマートホンとかで情報をとるので、知のデフォルトがインターネットになってるんだと思うんですよね。

茂木:そうですね。

豊田:「インターネットにこう書いてありました」と、僕がギリギリ感じ始めた世代だと思うんですね。
「あなたの場合は違うんです」という説明が、どっちかっていうと”医者がわかってないんじゃないか?”っていうことになっちゃう時もあるんですよね。
インターネットの方が正しいと信じちゃうときもあって。

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──医者と患者の信頼関係

茂木:お医者さんはお忙しいので、限られた診療時間の中で医療的な知識を含め、全部を説明するのは難しいですね。

豊田:難しいですね、厳しいこととか、夢ばっかりを言えないこともあるので。
そうすると、聞きたくない情報って拒否反応が起こると思っているんですね。インターネット上の、自分にとって耳障りのいい情報に寄ってしまうというのは、本当に病気で苦しんでいる患者さん、ご家族にはあるよなと思っていましたね。

茂木:そのような時代背景の中で、「オンライン医療事典 メドレー」が出てきたということで
これは、かなり多くの病気をカバーしてるんですか?

豊田:そうですね、まだまだ浅い情報もあるんですけど。一応1500弱くらいの疾患を、この医療事典では病気と定義していますね。

茂木:病気って、そんなにあるんですね。

豊田:まだまだありますよ、キリがないんですよ。病気っていろんなタイプがあるので、今後、増えることもあります。

茂木:我々、病名がよくわからないで、”なんか頭が痛い、お腹が痛い”という時はどうすればいいんですか?

豊田:”オンラインで診断ができますよ”という話じゃないんですけど、症状から病気を探したいという人もいっぱいいらっしゃるので。
うちのサイト上、Facebookにもあるんですけど、「お腹痛い」と言うと、「どういう痛みですか?」「下痢の症状がありますか?」という追加質問が来て
あなたが今言ってる症状に当てはまる病気って、こういう病気ですよ、読んでみたらどうですか?という、サジェストというか検索機能は作ってます。

茂木:それ、とても便利じゃないですか!そうなってくると人工知能とかの領域に近付いていくと思うんですけど。

豊田:診断の部分ですよね、医療って、診断したりとか、患者が納得して治療するとかいろんなフェーズがあるんですけど。
診断っていうのはAIが強い部分があって、画像診断では医者を超えているという論文も出てたりするんですよ

茂木:はい。

豊田:診断のところは、今後、検査とかで人の手がかかることはありますけど。AIとかが、医療において最初に入ってくる場所だろうなと思っていますね。

茂木:メドレーはお医者さんが書かれていますし、ダブルチェックもしていて、非常に信頼できるということで、現場のお医者さんも患者さんが「メドレーにこういうことが書いてあったから、私、勉強してきたんですけど」と仰る分には…。

豊田:今、ポストイットを作って配ってるんですけど。
ドクターが最後、「この病気のことで、もっと知りたかったらここで調べてね」と、うちのサイトを紹介してくれてるドクターがけっこうな数いて。
すると患者さんが調べて、ドクターが言ってた通りのことがちゃんと書いてある、という安心だったり、”あれ?これちょっと違うんだけど”となったときに、翌週、「これが違うと思ったんですけど」といって、「あなたの場合はこのタイプじゃなくて、こっちだからこうなんだよ」みたいな話ができると、より患者さんが学んでくれて、納得してくれるんですね。

茂木:やりとりができるっていうのがいいですね。

豊田:「何を聞いたらいいかわからない」と患者さんがよく仰るので、”何を聞いたらいいか”みたいなことを、ちょっとでも伝えたりとか、患者さんが知るだけでも、医者と患者の信頼関係は変わるだろうなと思っています。

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■プレゼントのお知らせ

かんき出版より発売中の、豊田剛一郎さんの著書、「ぼくらの未来をつくる仕事」を3名の方にプレゼントいたします。

ご希望の方は、必要事項を明記の上、番組ホームページのメッセージフォームより、ご応募ください。
番組へのご意見など、メッセージを添えていただけると嬉しいです。

尚、当選者の発表は、商品の発送をもってかえさせていただきます。
たくさんのご応募お待ちしています。



●ぼくらの未来をつくる仕事


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株式会社メドレー


医師たちがつくるオンライン医療事典 MEDLEY(メドレー)


来週は、シンガーソングライターの半崎美子さんをお迎えします。
どうぞお楽しみに。