2018年01月27日
今週お迎えしたのは、株式会社メドレーの代表取締役医師の豊田 剛一郎さんです。
豊田さんは、1984年生まれ。
東京大学医学部を卒業後、脳神経外科医として国内の病院に勤務。
その後渡米し、ミシガン小児病院にて脳研究に従事。
日米での経験を通じて、日本の医療の将来に対する危機感を強く持ち、
医療を変革するために臨床現場を離れることを決意。
マッキンゼー・アンド・カンパニーにて、
主にヘルスケア業界の戦略コンサルティングを経験後、
2015年2月より株式会社メドレーの共同代表に就任。
オンライン医療事典「MEDLEY」、オンライン診療アプリ「CLINICS」などの
医療分野サービスの立ち上げを行い、現在に至ります。
今週は、株式会社メドレーに携わるきっかけになった「出会い」についてお話を伺っていきました。
──患者さんのために作る事典
茂木:この「メドレー」という会社、具体的にどんな事を行っている会社なのでしょうか?
豊田:ITベンチャーの部類に入るんですけれども、医療介護や医療ヘルスケアの分野でサービスを展開しています。
なので、私が代表を務めているというのもあるんですけれども、例えば、医療介護って課題がいっぱいある中で、それをインターネットの力で色々と効率化したり、情報を提供することで皆が納得したり、満足したりする体験っていうのを増やせるんじゃないのかな、という風に思ってそんなサービスをしています。
茂木:豊田さんは、ある「出会い」から現在の会社、メドレーに携わる訳ですが、きっかけはなんだったんですか?
豊田:もともと、このメドレーの社長が瀧口という男で、彼が小学校の塾の塾友だったんですね。中高大とか、それこそ28歳ぐらいの時に再び連絡とるようになったんですけど、それまでは全然一切連絡もとってもいなくて。
Facebookを通じてメッセージをやり取りして、アメリカ時代やマッキンゼーに入っても連絡を取ったりしていて、そんな縁があり、いつのまにかメドレーに入ることになったというきっかけですね。
茂木:メドレーの代表取締役社長でいらっしゃる、瀧口さんと、今は共同経営をされているんですよね。
豊田:そうですね。彼が社長で、私が共同代表としてやっています。
茂木:そして、オンライン医療事典「MEDLEY」を作ろうと思われたのは、どういうきっかけだったんですか?
豊田:私が入社したとほぼ同時に立ち上がったサービスなんですけれども、もともと医療の課題を解決したいなあ、と思ってたんですけど、医療ってあまり知られてないんですね。病気になったりとか、家族が病気になるといきなり身近になるんですよ。
茂木:皆さん検索しますからね。
豊田:医療のことって調べないと全然わからないし、知らないじゃないですか。
茂木:みんな、病気のことあまり考えたくないんでしょうね。
豊田:そうなんですよ。ほぼみんな病院で生まれていますし、まだまだ病院で亡くなる方とか、少なくとも亡くなる時は医者が絡むことがほとんどですし、
出産などのイベントでも医療って絶対関わってくるのに、制度の面でも、病気のことも、全然知られてないなっていう思いがすごく強くあるんですよね。
茂木:しかも、検索すると信頼性がどうなんだろう、っていう情報も出てくるんですよね。
豊田:そうですね。それもすごく問題…。藁をもすがる思いでインターネットで医療情報を調べると、「これが(検索結果の)上位に来ちゃうの?」ってことが多いんです。
医者ってGoogleで調べないんですよ。なので、私もいざ自分で調べたりするとびっくりしちゃうんですよね。
茂木:調べてみて、一見、中立的な立場で書かれてるような記事なんだけど、よく見てみたらステマだった!ってこと、よくありますよね。
豊田:あります。あります。
茂木:そういう状況の中、信頼できる場所を作ろうっていうのがオンライン医療事典「MEDLEY」の狙いなんですよね。これなんと、書かれているのはほぼ、お医者さんなんですよね!
豊田:ほぼ全て医者ですね。必ず医者のダブルチェックが入ってますし、今は600人ぐらいのドクターが協力してくれています。
医者が患者さんのために作るWikipediaみたいなイメージで、常に新しくなったり、情報も更新されなきゃいけないので、そう言ったこととかも担保して編集体制とかを社内で作っています。
茂木:なるほど。
豊田:病気を知りたい時に、まず入り口としてまずここを見てくれたらな、と思っています。
少なくとも病気の情報を知る1歩目として、ここはすごくいい場所だよって胸張って言える場所を日本で1個くらい作りたいなと思ったんです。
──スマホで病院に行けるという選択肢
茂木:オンライン医療事典、これは本当に素晴らしいお仕事ですし、みんなが必要としていたことだと思います。
ただ、お医者さんに執筆していただくということについてはかなり苦労があったと思われますが…。
豊田:そうですね。今でこそ医療界隈内ではメドレーっていう名前が広がっていただいたんですけど、立ち上げた時は私と話して分かってくれたドクター数人で立ち上げたので、頼んでも「何の意味があるか分からない」とか、「インターネット怖い」とか…(笑)。
そもそも、私が依頼したんですけど、メールしたら「本当に豊田なの?」って聞かれたり…。色んな人から”よく分からない”という言葉をもらいながら最初は立ち上げましたね。
茂木:でも、そのおかげで医療事典ができたわけですからね。
そしてもう一つ、オンライン診療アプリ「CLINICS」も大変興味深いですね!
豊田:これは、2016年の2月からスタートしたサービスなんですけれども…。
茂木:かなり話題になりましたよね!
オンラインでお医者さんに診てもらえて、薬も処方してもらえて、代金もクレジットカードかなんかで払えると。
豊田:そうですね。アプリにクレジットカードを登録しておけば、診察料も引き落としになります。なので、病院に行かなくていい、お会計待ちもない。
薬の場合は処方箋が送られてくる場合が多いので調剤薬局に行くことが必要だったんですけど、今までの医療体験に新しい体験が追加されるっていうようなサービスになってます。
茂木:これ、特に慢性疾患で定期的に薬を必要としている患者さんなんかはかなり助かっていますよね。
豊田:そうだと思います。実際、頑張って病院に行けている方はいいんですけど、病院に行くのが面倒くさくてやめちゃうって人がすごくいっぱいいるんですよね。
今までは面倒くさくて病院んい行かなくなるのは患者さんのせいだったんですよ。医者の責任じゃないと思っていたんですけど、そういう仕組みから変える何かがあっても良いよな、と思って、スマホで病院に行けるっていう選択肢もあって良いかなと思ってやっていますね
。
茂木:豊田さんは、本当に日本の医療を変えてくれる人だなあ、という気がして来ますね!
豊田:ありがとうございます(笑)。
茂木:でも、豊田さんの構想の中ではまだ始まりにしか過ぎないですよね。
豊田:そうですね。やりたいことはいっぱいあります。
茂木:そして、豊田さんはかんき出版より、ご著書「ぼくらの未来をつくる仕事」を発売されております。
豊田さんご自身のこともよくわかるし、日本の医療の現状や、これからの課題が分かる1冊になっていますので、ぜひ手にとってみてください!
この「ぼくらの未来をつくる仕事」については、来週、詳しくお話しを伺いたいと思います。
●ぼくらの未来をつくる仕事
(Amazon)
●株式会社メドレー
●医師たちがつくるオンライン医療事典 MEDLEY(メドレー)
来週も引き続き、株式会社メドレーの代表取締役医師・豊田 剛一郎さんをお迎えします。
どうぞお楽しみに。
豊田さんは、1984年生まれ。
東京大学医学部を卒業後、脳神経外科医として国内の病院に勤務。
その後渡米し、ミシガン小児病院にて脳研究に従事。
日米での経験を通じて、日本の医療の将来に対する危機感を強く持ち、
医療を変革するために臨床現場を離れることを決意。
マッキンゼー・アンド・カンパニーにて、
主にヘルスケア業界の戦略コンサルティングを経験後、
2015年2月より株式会社メドレーの共同代表に就任。
オンライン医療事典「MEDLEY」、オンライン診療アプリ「CLINICS」などの
医療分野サービスの立ち上げを行い、現在に至ります。
今週は、株式会社メドレーに携わるきっかけになった「出会い」についてお話を伺っていきました。
──患者さんのために作る事典
茂木:この「メドレー」という会社、具体的にどんな事を行っている会社なのでしょうか?
豊田:ITベンチャーの部類に入るんですけれども、医療介護や医療ヘルスケアの分野でサービスを展開しています。
なので、私が代表を務めているというのもあるんですけれども、例えば、医療介護って課題がいっぱいある中で、それをインターネットの力で色々と効率化したり、情報を提供することで皆が納得したり、満足したりする体験っていうのを増やせるんじゃないのかな、という風に思ってそんなサービスをしています。
茂木:豊田さんは、ある「出会い」から現在の会社、メドレーに携わる訳ですが、きっかけはなんだったんですか?
豊田:もともと、このメドレーの社長が瀧口という男で、彼が小学校の塾の塾友だったんですね。中高大とか、それこそ28歳ぐらいの時に再び連絡とるようになったんですけど、それまでは全然一切連絡もとってもいなくて。
Facebookを通じてメッセージをやり取りして、アメリカ時代やマッキンゼーに入っても連絡を取ったりしていて、そんな縁があり、いつのまにかメドレーに入ることになったというきっかけですね。
茂木:メドレーの代表取締役社長でいらっしゃる、瀧口さんと、今は共同経営をされているんですよね。
豊田:そうですね。彼が社長で、私が共同代表としてやっています。
茂木:そして、オンライン医療事典「MEDLEY」を作ろうと思われたのは、どういうきっかけだったんですか?
豊田:私が入社したとほぼ同時に立ち上がったサービスなんですけれども、もともと医療の課題を解決したいなあ、と思ってたんですけど、医療ってあまり知られてないんですね。病気になったりとか、家族が病気になるといきなり身近になるんですよ。
茂木:皆さん検索しますからね。
豊田:医療のことって調べないと全然わからないし、知らないじゃないですか。
茂木:みんな、病気のことあまり考えたくないんでしょうね。
豊田:そうなんですよ。ほぼみんな病院で生まれていますし、まだまだ病院で亡くなる方とか、少なくとも亡くなる時は医者が絡むことがほとんどですし、
出産などのイベントでも医療って絶対関わってくるのに、制度の面でも、病気のことも、全然知られてないなっていう思いがすごく強くあるんですよね。
茂木:しかも、検索すると信頼性がどうなんだろう、っていう情報も出てくるんですよね。
豊田:そうですね。それもすごく問題…。藁をもすがる思いでインターネットで医療情報を調べると、「これが(検索結果の)上位に来ちゃうの?」ってことが多いんです。
医者ってGoogleで調べないんですよ。なので、私もいざ自分で調べたりするとびっくりしちゃうんですよね。
茂木:調べてみて、一見、中立的な立場で書かれてるような記事なんだけど、よく見てみたらステマだった!ってこと、よくありますよね。
豊田:あります。あります。
茂木:そういう状況の中、信頼できる場所を作ろうっていうのがオンライン医療事典「MEDLEY」の狙いなんですよね。これなんと、書かれているのはほぼ、お医者さんなんですよね!
豊田:ほぼ全て医者ですね。必ず医者のダブルチェックが入ってますし、今は600人ぐらいのドクターが協力してくれています。
医者が患者さんのために作るWikipediaみたいなイメージで、常に新しくなったり、情報も更新されなきゃいけないので、そう言ったこととかも担保して編集体制とかを社内で作っています。
茂木:なるほど。
豊田:病気を知りたい時に、まず入り口としてまずここを見てくれたらな、と思っています。
少なくとも病気の情報を知る1歩目として、ここはすごくいい場所だよって胸張って言える場所を日本で1個くらい作りたいなと思ったんです。
──スマホで病院に行けるという選択肢
茂木:オンライン医療事典、これは本当に素晴らしいお仕事ですし、みんなが必要としていたことだと思います。
ただ、お医者さんに執筆していただくということについてはかなり苦労があったと思われますが…。
豊田:そうですね。今でこそ医療界隈内ではメドレーっていう名前が広がっていただいたんですけど、立ち上げた時は私と話して分かってくれたドクター数人で立ち上げたので、頼んでも「何の意味があるか分からない」とか、「インターネット怖い」とか…(笑)。
そもそも、私が依頼したんですけど、メールしたら「本当に豊田なの?」って聞かれたり…。色んな人から”よく分からない”という言葉をもらいながら最初は立ち上げましたね。
茂木:でも、そのおかげで医療事典ができたわけですからね。
そしてもう一つ、オンライン診療アプリ「CLINICS」も大変興味深いですね!
豊田:これは、2016年の2月からスタートしたサービスなんですけれども…。
茂木:かなり話題になりましたよね!
オンラインでお医者さんに診てもらえて、薬も処方してもらえて、代金もクレジットカードかなんかで払えると。
豊田:そうですね。アプリにクレジットカードを登録しておけば、診察料も引き落としになります。なので、病院に行かなくていい、お会計待ちもない。
薬の場合は処方箋が送られてくる場合が多いので調剤薬局に行くことが必要だったんですけど、今までの医療体験に新しい体験が追加されるっていうようなサービスになってます。
茂木:これ、特に慢性疾患で定期的に薬を必要としている患者さんなんかはかなり助かっていますよね。
豊田:そうだと思います。実際、頑張って病院に行けている方はいいんですけど、病院に行くのが面倒くさくてやめちゃうって人がすごくいっぱいいるんですよね。
今までは面倒くさくて病院んい行かなくなるのは患者さんのせいだったんですよ。医者の責任じゃないと思っていたんですけど、そういう仕組みから変える何かがあっても良いよな、と思って、スマホで病院に行けるっていう選択肢もあって良いかなと思ってやっていますね
。
茂木:豊田さんは、本当に日本の医療を変えてくれる人だなあ、という気がして来ますね!
豊田:ありがとうございます(笑)。
茂木:でも、豊田さんの構想の中ではまだ始まりにしか過ぎないですよね。
豊田:そうですね。やりたいことはいっぱいあります。
茂木:そして、豊田さんはかんき出版より、ご著書「ぼくらの未来をつくる仕事」を発売されております。
豊田さんご自身のこともよくわかるし、日本の医療の現状や、これからの課題が分かる1冊になっていますので、ぜひ手にとってみてください!
この「ぼくらの未来をつくる仕事」については、来週、詳しくお話しを伺いたいと思います。
●ぼくらの未来をつくる仕事
(Amazon)
●株式会社メドレー
●医師たちがつくるオンライン医療事典 MEDLEY(メドレー)
来週も引き続き、株式会社メドレーの代表取締役医師・豊田 剛一郎さんをお迎えします。
どうぞお楽しみに。