2018年01月20日
今週お迎えしたのは、先週に引き続き、特殊メイクアップアーティストのJIROさんです。
JIROさんは、東京芸術大学卒業後、
「代々木アニメーション学院・スペシャルメイクアップアーティスト科」に進学。
その後、特殊メイクの道に入り、有限会社自由廊を設立。
現在は特殊メイク・造形製作にとどまらず、クリエイティブディレクターとして、
映画、ドラマ、CM等、映像の業界にとどまらず多方面で活躍をされています。
独自の哲学に基づいた豊かな表現力と、確固たる技術力は、
国内外を問わず高く評価されており、フェイスペイントと特殊メイク、
造型とアート界の改革者として注目を浴びていらっしゃいます。
また、世界70カ国で読まれている『Make-up Artist Magazine』にて、
「世界の注目アーティスト10人」に選出。
最先端のペイント技術を用いた作品制作を手掛けており、その発想力とクオリティの高さで世界を魅了しています。
そんなJIROさんにお話を伺っていきました。
──アナログとデジタルの狭間で
茂木:世界70カ国で読まれているメイクアップアーティストマガジン「世界の注目アーティスト10人」に選ばれたJIROさんですけど。
発想のオリジナリティ、クオリティの高さ、そう評価されることについてはどう思いますか?
JIRO:技術を評価されるのは嬉しいですけど、どちらかというと、自分なりの表現にこだわってる部分があるので、そこらへんを驚いてもらえると嬉しいですね。
茂木:「Amazing JIRO 〜SPECIAL MAKEUP〜」の中では、JIROさんとお仕事された方のコメントが掲載されていて。
その中に、映画「シン・ゴジラ」の樋口真嗣さんのコメントも掲載されていたんですけど、「シン・ゴジラ」ではどのようなお仕事をされたんですか?
JIRO:最初は特撮で撮る方向で進んでいたんですね、その時に、実際に2〜3メートルくらいのシンゴジラを製作しました。
最終的な映画の中では、フルCGでゴジラが動いているんですけど。
茂木:JIROさんが発言されている中で深いなと思ったんですけど、「特殊メイクアップはもともと映画からスタートした。今、映画から離れようとしてる」
一方で、ピクサーのドキュメントを見ると、デジタルと言いながら基本になっているのは人間のデッサン力、出力だったりするじゃないですか?
JIRO:そうですね。
茂木:これから、デジタルとアナログの関係って、どうなっていくと思いますか?
JIRO:デジタルで何でもできるようになっていくと思いますけど。これからは、デジタルで入る人がほとんどになってくるわけですよね。
僕らは粘土から作ったりとか、アナログの技術からデジタルに移行していく移り変わりを見ているので。
茂木:はい。
JIRO:そういった意味では、僕らのアナログを極めてからデジタルに移行するとか、デジタルっていうものを取り入れるっていうことは、今後生まれにくいというか。
茂木:そういう世代がいなくなっちゃうっていうことですよね。
JIRO:僕らはそこを自分たちの持ってるメリットとして活用していかなきゃいけないし、そういうことをやっていくべきだと思っています。
茂木:デジタルとアナログの融合、その狭間でとてつもなく面白いことが生まれる予感もするんですけど。
JIRO:僕の場合は、アナログベースでデジタルをどう生かすかっていう考え方なので。
基本、アナログで表現するものの良さっていうのは体感してきてるので、それを上手くデジタルの力も借りながら、面白く、僕らの世代でしかできないものを生み出していけるのかなって思います。
──究極の夢
茂木:JIROさんのお話を伺ってて「Amazing JIRO 〜SPECIAL MAKEUP〜」は、素晴らしい初期JIROの記録なんですけど。
ここに留まる人じゃないですよね?
JIRO:僕自身、次から次にやりたいことが出て来ちゃうので(笑)。
茂木:次の作品集では全く違った世界になっちゃってると思うんですよ。ご本人にも予測できないと思うんですけど、どういう方向にいくと予感されていますか?
JIRO:特殊メイクの世界はデジタルとの融合でどうなっていくのか、正直わからない部分でもあるんですけど。
せっかくアナログを極めたからには、僕らしかできないものを生み出していくっていうのが当面の課題だと思っているんです。
茂木:なるほど。
JIRO:そこも日々変わっていくと思うんですけど。フェイスペイントに関しては、まだこういうフェイスペイントをやったら面白いっていうものが、ネタとしていっぱいあるので。とりあえずそれを消費していかないといけないんです。
茂木:まだまだ、実際には作ってないフェイスペイントがあるんですね。
JIRO:正直、飽き性でもあるのでどこかでまた違った面白いことを見つけたら、いま蓄積した自分の経験を生かしながら、そっちに移行していくのかなと思います。
茂木:JIROさんの究極の夢って何ですか?
JIRO:聞かれるといつも困るんですけど、結局、一歩歩むと違う景色が見えていくので。
常にその時にやりたいものとか、発想って、その先のことってわからないので。
結果、僕は常に人がやっていないことを、その都度一歩進んだらその時点で探して…ということを繰り返していくと思うんですよね。
茂木:じゃあ、常に夢はひとつ先にある。追いかけていったらとんでもないところに行きそうですね。
JIRO:どうなるかはわからないですけど、最近は世界の人に賞賛を受けるようになってきたので、もっと世界を見ていきたいというのはあります。
いろいろ行ってみたい、挑戦してみたいというのはありますね。
〈Bloom〉『Amazing JIRO -SPECIAL MAKEUP-』より
●Amazing JIRO 〜SPECIAL MAKEUP〜
(Amazon)
●特殊メイク・造形工房『自由廊』
●「Amazing Jiro - YouTube」
来週は、株式会社メドレーの代表取締役医師・豊田 剛一郎さんをお迎えします。
どうぞお楽しみに。
JIROさんは、東京芸術大学卒業後、
「代々木アニメーション学院・スペシャルメイクアップアーティスト科」に進学。
その後、特殊メイクの道に入り、有限会社自由廊を設立。
現在は特殊メイク・造形製作にとどまらず、クリエイティブディレクターとして、
映画、ドラマ、CM等、映像の業界にとどまらず多方面で活躍をされています。
独自の哲学に基づいた豊かな表現力と、確固たる技術力は、
国内外を問わず高く評価されており、フェイスペイントと特殊メイク、
造型とアート界の改革者として注目を浴びていらっしゃいます。
また、世界70カ国で読まれている『Make-up Artist Magazine』にて、
「世界の注目アーティスト10人」に選出。
最先端のペイント技術を用いた作品制作を手掛けており、その発想力とクオリティの高さで世界を魅了しています。
そんなJIROさんにお話を伺っていきました。
──アナログとデジタルの狭間で
茂木:世界70カ国で読まれているメイクアップアーティストマガジン「世界の注目アーティスト10人」に選ばれたJIROさんですけど。
発想のオリジナリティ、クオリティの高さ、そう評価されることについてはどう思いますか?
JIRO:技術を評価されるのは嬉しいですけど、どちらかというと、自分なりの表現にこだわってる部分があるので、そこらへんを驚いてもらえると嬉しいですね。
茂木:「Amazing JIRO 〜SPECIAL MAKEUP〜」の中では、JIROさんとお仕事された方のコメントが掲載されていて。
その中に、映画「シン・ゴジラ」の樋口真嗣さんのコメントも掲載されていたんですけど、「シン・ゴジラ」ではどのようなお仕事をされたんですか?
JIRO:最初は特撮で撮る方向で進んでいたんですね、その時に、実際に2〜3メートルくらいのシンゴジラを製作しました。
最終的な映画の中では、フルCGでゴジラが動いているんですけど。
茂木:JIROさんが発言されている中で深いなと思ったんですけど、「特殊メイクアップはもともと映画からスタートした。今、映画から離れようとしてる」
一方で、ピクサーのドキュメントを見ると、デジタルと言いながら基本になっているのは人間のデッサン力、出力だったりするじゃないですか?
JIRO:そうですね。
茂木:これから、デジタルとアナログの関係って、どうなっていくと思いますか?
JIRO:デジタルで何でもできるようになっていくと思いますけど。これからは、デジタルで入る人がほとんどになってくるわけですよね。
僕らは粘土から作ったりとか、アナログの技術からデジタルに移行していく移り変わりを見ているので。
茂木:はい。
JIRO:そういった意味では、僕らのアナログを極めてからデジタルに移行するとか、デジタルっていうものを取り入れるっていうことは、今後生まれにくいというか。
茂木:そういう世代がいなくなっちゃうっていうことですよね。
JIRO:僕らはそこを自分たちの持ってるメリットとして活用していかなきゃいけないし、そういうことをやっていくべきだと思っています。
茂木:デジタルとアナログの融合、その狭間でとてつもなく面白いことが生まれる予感もするんですけど。
JIRO:僕の場合は、アナログベースでデジタルをどう生かすかっていう考え方なので。
基本、アナログで表現するものの良さっていうのは体感してきてるので、それを上手くデジタルの力も借りながら、面白く、僕らの世代でしかできないものを生み出していけるのかなって思います。
──究極の夢
茂木:JIROさんのお話を伺ってて「Amazing JIRO 〜SPECIAL MAKEUP〜」は、素晴らしい初期JIROの記録なんですけど。
ここに留まる人じゃないですよね?
JIRO:僕自身、次から次にやりたいことが出て来ちゃうので(笑)。
茂木:次の作品集では全く違った世界になっちゃってると思うんですよ。ご本人にも予測できないと思うんですけど、どういう方向にいくと予感されていますか?
JIRO:特殊メイクの世界はデジタルとの融合でどうなっていくのか、正直わからない部分でもあるんですけど。
せっかくアナログを極めたからには、僕らしかできないものを生み出していくっていうのが当面の課題だと思っているんです。
茂木:なるほど。
JIRO:そこも日々変わっていくと思うんですけど。フェイスペイントに関しては、まだこういうフェイスペイントをやったら面白いっていうものが、ネタとしていっぱいあるので。とりあえずそれを消費していかないといけないんです。
茂木:まだまだ、実際には作ってないフェイスペイントがあるんですね。
JIRO:正直、飽き性でもあるのでどこかでまた違った面白いことを見つけたら、いま蓄積した自分の経験を生かしながら、そっちに移行していくのかなと思います。
茂木:JIROさんの究極の夢って何ですか?
JIRO:聞かれるといつも困るんですけど、結局、一歩歩むと違う景色が見えていくので。
常にその時にやりたいものとか、発想って、その先のことってわからないので。
結果、僕は常に人がやっていないことを、その都度一歩進んだらその時点で探して…ということを繰り返していくと思うんですよね。
茂木:じゃあ、常に夢はひとつ先にある。追いかけていったらとんでもないところに行きそうですね。
JIRO:どうなるかはわからないですけど、最近は世界の人に賞賛を受けるようになってきたので、もっと世界を見ていきたいというのはあります。
いろいろ行ってみたい、挑戦してみたいというのはありますね。
〈Bloom〉『Amazing JIRO -SPECIAL MAKEUP-』より
●Amazing JIRO 〜SPECIAL MAKEUP〜
(Amazon)
●特殊メイク・造形工房『自由廊』
●「Amazing Jiro - YouTube」
来週は、株式会社メドレーの代表取締役医師・豊田 剛一郎さんをお迎えします。
どうぞお楽しみに。