2017年11月25日
今週お迎えしたのは、先週に引き続き
ポストデジタルアーティストで、NPO法人Jomonism(ジョウモニズム)の代表・小林武人さんです。
小林さんは、山梨県のご出身。
慶應義塾大学 環境情報学部をご卒業後、
東京工科大学クリエイティブ・ラボのアニメーションスタジオ、株式会社ゴンゾを経てフリーランスに。
3DCGモデリング、デザインのスペシャリストとして、目に見えないモノ、感情、エネルギー、意識の次の次元などを、
カタチにすることをミッションに掲げ、現在、世界中で活動をされていらっしゃいます。
また、縄文時代の価値観をアートを通じて発信するNPO法人、「ジョウモニズム」の代表としても、ご活躍中であります。
今週も、小林武人さんにお話を伺いました。
──日本のサブカルチャー
茂木:「ジョウモニズム」のメンバーは何人くらいいるんですか?
小林:コアメンバーが10名くらいですね。
茂木:全員アーティストですか?
小林:アーティストもいるし、ライターもいるし…必ずしもアーティストではないんですけど、縄文が好きという。
だから、それぞれ縄文の好きな部分も違うんですよ。それぞれスタンスが違うから面白いと思っています。
茂木:「ジョウモニズム」の活動の一環として、今年、縄文文化と現代アートを融合したイベントをマレーシアで行われましたね。
展示の内容なんですけど、縄文時代と日本独特のサブカルチャーとの関係性など、太古と現代の繋がりを体感できるアートイベントだったということですが、縄文とサブカルチャーって面白いですね。
小林:「ARTs of JOMON」というイベントなんですけど、マレーシアではハイパーサブカルチャーというのがメインタイトルだったんです。
日本のサブカルチャーがどうして独特かって、例えば仮面ライダーにしても、マスクをつけて人間が人間以上の力を持ったものにトランスフォーメーションするっていう考え方って、シャーマニックな考え方だし。
ウルトラマンにもトライバル紋様が入ってますし、すごいアニミズム的な感覚を持ってるから日本のサブカルチャーって独特なんですね。
茂木:なるほど。
小林:マジンガーZとかって、”うおー!”と言うと、キャラクターが強くなるじゃないですか。
それってただの機械じゃなくて、人間より大きな力を受け入れるための依り代として描かれていて。
茂木:ということは、縄文の精神と繋がっているんですか?
小林:そうですね、そこでアニミズムなところと直結してるんですね。
かい摘んで言うと、縄文時代に生まれた色々なものに対して魂が宿っているという精神が、日本文化の底流を流れていて。現在ではサブカルチャーとしてカムバックしてきてるっていうのが僕の理論。それを表すためにやったのが、このハイパーサブカルチャーというアート展です。
茂木:小林さんはどんな作品を出したんですか?
小林:個人のものとしては、阿修羅をモチーフにした3Dプリントの仏像ですね。
茂木:現地の方の反応はいかがでしたか?
小林:どこの国に行ってもそうですけど、「これ、3Dプリントなんだ?」っていう反応がまずあって、「こんなのできるんだ」っていう感じですね。
僕はテクノロジーの可能性を自分の形で示してあげるっていうのも、 3Dプリンタをデジタルアートとして使っているひとつの目標です。
──文化を広める
茂木:縄文という非常にスピリチュアルな太古の世界があるって、こっちは世界では認識されてないと思うんですけど。
そこも気付いてもらうきっかけになるんですかね?
小林:これから、日本が何を発信していくかといったら文化しかないと思うんですね。
人口も減っていって経済も伸び代がないと思うんです、例えば文化と言っても”もったいない”っていう精神もそうだし、それってすごいアニミズムだと思うんですよ。
日本人だと「もったいない」と言えば、みんなそれが理解できる。
茂木:日本の良い文化を世界に広めていけば、もっと良くなるんじゃないかなと思うんですよね。
日本の文化って世界的に注目されていますけど、アニメとか漫画とか、その背後にある縄文っていうことを伝えていくっていうことはかなり意義のあることですよね。
小林:そう思ってやっていて、それを汲んでくれるのはすごく嬉しいですね。まさにそういうことです。
茂木:我々、日本人自体がそこを忘れちゃってるところありますよね。
小林:だから僕は、海外でやってるのはわりと戦略的にやっていて。
海外で流行らせたら日本人は輸入物が好きなので、海外で縄文流行ってるよっていうのができたらいいなと思いますね。
本で読んだり、教科書で読むとほとんどの人が楽しくないじゃないですか?
それを楽しくやることが「ジョウモニズム」の目標で、アート展とか、音楽フェスとか、Tシャツとか、そういうカルチャーで伝えていくことが大切だと思います。
茂木:フェスという意味においては、三内丸山遺跡で音楽フェスみたいなやつですか?
小林:そうですね。
茂木:考古学的には、縄文時代の音楽って何かわかってるんですか?
小林:考古学的にはわかっていないと思いますけど楽器は出てますね。
茂木:縄文の音楽って、どんな音楽なんですかね?
小林:トランスなんじゃないですかね(笑)。
茂木:これがちょっとキーワードになりそうですね。
『Quantum Reality -量子現実-』
2017 ナイロン樹脂、塗装
3Dプリント supported by:株式会社アイジェット
『ASURA(阿修羅)』
2017 ナイロン樹脂、漆仕上げ
漆仕上げ by 伊良原満美
3Dプリント supported by:株式会社アイジェット
●「小林武人 オフィシャルInstagram」
●「Jomonism 公式サイト」
来週は、マガジンハウスから発売されている、今話題の「漫画 君たちはどう生きるか」を書かれた、羽賀翔一さんです。
ポストデジタルアーティストで、NPO法人Jomonism(ジョウモニズム)の代表・小林武人さんです。
小林さんは、山梨県のご出身。
慶應義塾大学 環境情報学部をご卒業後、
東京工科大学クリエイティブ・ラボのアニメーションスタジオ、株式会社ゴンゾを経てフリーランスに。
3DCGモデリング、デザインのスペシャリストとして、目に見えないモノ、感情、エネルギー、意識の次の次元などを、
カタチにすることをミッションに掲げ、現在、世界中で活動をされていらっしゃいます。
また、縄文時代の価値観をアートを通じて発信するNPO法人、「ジョウモニズム」の代表としても、ご活躍中であります。
今週も、小林武人さんにお話を伺いました。
──日本のサブカルチャー
茂木:「ジョウモニズム」のメンバーは何人くらいいるんですか?
小林:コアメンバーが10名くらいですね。
茂木:全員アーティストですか?
小林:アーティストもいるし、ライターもいるし…必ずしもアーティストではないんですけど、縄文が好きという。
だから、それぞれ縄文の好きな部分も違うんですよ。それぞれスタンスが違うから面白いと思っています。
茂木:「ジョウモニズム」の活動の一環として、今年、縄文文化と現代アートを融合したイベントをマレーシアで行われましたね。
展示の内容なんですけど、縄文時代と日本独特のサブカルチャーとの関係性など、太古と現代の繋がりを体感できるアートイベントだったということですが、縄文とサブカルチャーって面白いですね。
小林:「ARTs of JOMON」というイベントなんですけど、マレーシアではハイパーサブカルチャーというのがメインタイトルだったんです。
日本のサブカルチャーがどうして独特かって、例えば仮面ライダーにしても、マスクをつけて人間が人間以上の力を持ったものにトランスフォーメーションするっていう考え方って、シャーマニックな考え方だし。
ウルトラマンにもトライバル紋様が入ってますし、すごいアニミズム的な感覚を持ってるから日本のサブカルチャーって独特なんですね。
茂木:なるほど。
小林:マジンガーZとかって、”うおー!”と言うと、キャラクターが強くなるじゃないですか。
それってただの機械じゃなくて、人間より大きな力を受け入れるための依り代として描かれていて。
茂木:ということは、縄文の精神と繋がっているんですか?
小林:そうですね、そこでアニミズムなところと直結してるんですね。
かい摘んで言うと、縄文時代に生まれた色々なものに対して魂が宿っているという精神が、日本文化の底流を流れていて。現在ではサブカルチャーとしてカムバックしてきてるっていうのが僕の理論。それを表すためにやったのが、このハイパーサブカルチャーというアート展です。
茂木:小林さんはどんな作品を出したんですか?
小林:個人のものとしては、阿修羅をモチーフにした3Dプリントの仏像ですね。
茂木:現地の方の反応はいかがでしたか?
小林:どこの国に行ってもそうですけど、「これ、3Dプリントなんだ?」っていう反応がまずあって、「こんなのできるんだ」っていう感じですね。
僕はテクノロジーの可能性を自分の形で示してあげるっていうのも、 3Dプリンタをデジタルアートとして使っているひとつの目標です。
──文化を広める
茂木:縄文という非常にスピリチュアルな太古の世界があるって、こっちは世界では認識されてないと思うんですけど。
そこも気付いてもらうきっかけになるんですかね?
小林:これから、日本が何を発信していくかといったら文化しかないと思うんですね。
人口も減っていって経済も伸び代がないと思うんです、例えば文化と言っても”もったいない”っていう精神もそうだし、それってすごいアニミズムだと思うんですよ。
日本人だと「もったいない」と言えば、みんなそれが理解できる。
茂木:日本の良い文化を世界に広めていけば、もっと良くなるんじゃないかなと思うんですよね。
日本の文化って世界的に注目されていますけど、アニメとか漫画とか、その背後にある縄文っていうことを伝えていくっていうことはかなり意義のあることですよね。
小林:そう思ってやっていて、それを汲んでくれるのはすごく嬉しいですね。まさにそういうことです。
茂木:我々、日本人自体がそこを忘れちゃってるところありますよね。
小林:だから僕は、海外でやってるのはわりと戦略的にやっていて。
海外で流行らせたら日本人は輸入物が好きなので、海外で縄文流行ってるよっていうのができたらいいなと思いますね。
本で読んだり、教科書で読むとほとんどの人が楽しくないじゃないですか?
それを楽しくやることが「ジョウモニズム」の目標で、アート展とか、音楽フェスとか、Tシャツとか、そういうカルチャーで伝えていくことが大切だと思います。
茂木:フェスという意味においては、三内丸山遺跡で音楽フェスみたいなやつですか?
小林:そうですね。
茂木:考古学的には、縄文時代の音楽って何かわかってるんですか?
小林:考古学的にはわかっていないと思いますけど楽器は出てますね。
茂木:縄文の音楽って、どんな音楽なんですかね?
小林:トランスなんじゃないですかね(笑)。
茂木:これがちょっとキーワードになりそうですね。
『Quantum Reality -量子現実-』
2017 ナイロン樹脂、塗装
3Dプリント supported by:株式会社アイジェット
『ASURA(阿修羅)』
2017 ナイロン樹脂、漆仕上げ
漆仕上げ by 伊良原満美
3Dプリント supported by:株式会社アイジェット
●「小林武人 オフィシャルInstagram」
●「Jomonism 公式サイト」
来週は、マガジンハウスから発売されている、今話題の「漫画 君たちはどう生きるか」を書かれた、羽賀翔一さんです。