2017年09月09日
今週お迎えしたのは、コピーライターの佐々木圭一さんです。
佐々木さんは、1972年、神奈川県のご出身。
上智大学大学院を卒業後、1997年博報堂に入社。
カンヌ広告祭金賞をはじめ、アメリカの広告賞、
「One Show Design」のゴールド賞を日本人で初めて獲得されるなど、数々の広告賞を受賞されました。
博報堂に17年間在籍したのち、現在はコピーライター、作詞家、
株式会社ウゴカス代表として活躍されていらっしゃいます。
また、佐々木さんといえば、ダイヤモンド社から発売されたビジネス書「伝え方が9割」の著者としても知られています。
今日は、佐々木圭一さんにご自身が発見したという、「伝える技術」についてお話を伺いました。
──コミュニケーション能力
茂木:上智大学の専攻は何だったんですか?
佐々木:機械工学をやっていました。
茂木:伝え方とかあまり関係ないですよね、機械工学やってて博報堂入ったんですか。
佐々木:そうですね。なぜ広告の会社に行ったのかというと、機械の勉強してたのも人とコミュニケーションとるのが苦手だったから、快適だったんですよ(笑)。
茂木:どういう勉強をされていたんですか?
佐々木:自動改札の効率化という、一方通行と両側通行をどう組み合わせるかっていう。
茂木:改札はどうするのがいいんですかね?
佐々木:一方通行と両側通行を組み合わせた方がいいんですけど、面白いなと思ったのは、地面に矢印をつけるだけでまったく同じ自動改札の台数だけど、人が早く通ることができるようになるんですよ。
茂木:どういうことですか?
佐々木:つまり、人の流れを地面で作っちゃうんです。
そうすると、向こうからバッティングしないような流れが作れるんですよね。
機械と人を結びつける間のもの、矢印だったり色だったり、そこはまだまだ色々できるんじゃないかと思ってます。
茂木:機械工学をやっていたけど、研究内容に今のお仕事に繋がる何かを感じますね。
佐々木:博報堂に入ってからが大変でしたね。
茂木:どうしてコピーライターに行ったんですか?
佐々木:全員受けるテストがあって、「生まれ変わったら何になりたいか?」というのを作文で書けと言われて。
僕は、「女子高生の自転車のサドルになりたい」って書いたんです(笑)。
茂木:面白いですね(笑)。
佐々木:完全に下ネタなんですけど、なんでそう書いたかというと、採点してる人も”仕事めんどくさいな”と思っているだろうなと、ちょっとでもクスッと笑ってほしいなと思って書いたんですよ。
茂木:じゃあ、試験官の気持ちまで考えていたっていうことですね。
──ご家庭で味わえるプロの味
茂木:「伝え方が9割」を読んで、すごい面白いなと思ったんですけど。
普通コピーライターは感性の問題だと、感性は言葉にできないと思いがちだけど、佐々木さんがユニークなのはルールを見つけたというところですよね。
佐々木:そうなんですよね。伝え方ってセンスじゃなくて技術なんですよ。技術を知っていれば誰だって学ぶことができるんです。
茂木:技術だったら、学んだり身に付けたりできるんじゃないかと思いますよね。
佐々木:知っておいてほしい技術があるんですけど、デートの誘い方で
「驚くほど美味いパスタの店と、石釜ピザの店、どっちがいいですか?」
茂木:そう言われたら、その瞬間に心動いてますよね。
佐々木:こちらとしてはどちらでもいいんですよ、どっちか選んでくれればデートに行けるんです。
「AかBか、どっちがいいですか?」という選択肢を出してあげる、そうすると人はどっちかを選んじゃうんです。
茂木:なるほど。
佐々木:「行かないという」選択肢はあるんだけど、それを思い浮かばないと思うんですよね。
実は、茂木さんにお伺いしたかったポイントで、これは脳科学的に理由があるんですか?
茂木:おそらくですね、非常に魅力的な選択を2つ提示することによって、それ以外のものに注意がいかないという効果と、仮にどっちかを選んだとすると、その方は押し付けられて無理やり行くんじゃなくて、自分が選択してコミットしたんだという幻想を抱くとことになると思うので、デートの現場に行った時のノリが違うと思いますよ。
佐々木:なるほど〜。
茂木:よりデートを楽しもうという気持ちでいらしてると思うんですよね、よくできてますね。
本を読んで、このやり方を応用すればいいコピーも書けるんですか?それとも、コピーはそんなに甘くない?
佐々木:答えで言うと、イエスです。
例えば、自分のホームページのキャッチコピーをつけるとか、パンフレットを作る時につけるとかっていうのは、これを使えば作れちゃいます。
茂木:はいはい。
佐々木:一方でプロの領域っていうのがあって、コマーシャルとか15秒の中で、どれだけ短い言葉として、わかりやすく、音声でも伝わるかみたいな事はもう一つ上の領域であるんですけど。
簡単に言うと、この本を読めば「ご家庭で味わえるプロの味」を味わうことができるものをつくれます。
茂木:そこまでいけるっていうだけでもすごいですよね。
佐々木:知らなかったらできないですからね。
●伝え方が9割 / 佐々木 圭一
(Amazon)
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佐々木さんは、1972年、神奈川県のご出身。
上智大学大学院を卒業後、1997年博報堂に入社。
カンヌ広告祭金賞をはじめ、アメリカの広告賞、
「One Show Design」のゴールド賞を日本人で初めて獲得されるなど、数々の広告賞を受賞されました。
博報堂に17年間在籍したのち、現在はコピーライター、作詞家、
株式会社ウゴカス代表として活躍されていらっしゃいます。
また、佐々木さんといえば、ダイヤモンド社から発売されたビジネス書「伝え方が9割」の著者としても知られています。
今日は、佐々木圭一さんにご自身が発見したという、「伝える技術」についてお話を伺いました。
──コミュニケーション能力
茂木:上智大学の専攻は何だったんですか?
佐々木:機械工学をやっていました。
茂木:伝え方とかあまり関係ないですよね、機械工学やってて博報堂入ったんですか。
佐々木:そうですね。なぜ広告の会社に行ったのかというと、機械の勉強してたのも人とコミュニケーションとるのが苦手だったから、快適だったんですよ(笑)。
茂木:どういう勉強をされていたんですか?
佐々木:自動改札の効率化という、一方通行と両側通行をどう組み合わせるかっていう。
茂木:改札はどうするのがいいんですかね?
佐々木:一方通行と両側通行を組み合わせた方がいいんですけど、面白いなと思ったのは、地面に矢印をつけるだけでまったく同じ自動改札の台数だけど、人が早く通ることができるようになるんですよ。
茂木:どういうことですか?
佐々木:つまり、人の流れを地面で作っちゃうんです。
そうすると、向こうからバッティングしないような流れが作れるんですよね。
機械と人を結びつける間のもの、矢印だったり色だったり、そこはまだまだ色々できるんじゃないかと思ってます。
茂木:機械工学をやっていたけど、研究内容に今のお仕事に繋がる何かを感じますね。
佐々木:博報堂に入ってからが大変でしたね。
茂木:どうしてコピーライターに行ったんですか?
佐々木:全員受けるテストがあって、「生まれ変わったら何になりたいか?」というのを作文で書けと言われて。
僕は、「女子高生の自転車のサドルになりたい」って書いたんです(笑)。
茂木:面白いですね(笑)。
佐々木:完全に下ネタなんですけど、なんでそう書いたかというと、採点してる人も”仕事めんどくさいな”と思っているだろうなと、ちょっとでもクスッと笑ってほしいなと思って書いたんですよ。
茂木:じゃあ、試験官の気持ちまで考えていたっていうことですね。
──ご家庭で味わえるプロの味
茂木:「伝え方が9割」を読んで、すごい面白いなと思ったんですけど。
普通コピーライターは感性の問題だと、感性は言葉にできないと思いがちだけど、佐々木さんがユニークなのはルールを見つけたというところですよね。
佐々木:そうなんですよね。伝え方ってセンスじゃなくて技術なんですよ。技術を知っていれば誰だって学ぶことができるんです。
茂木:技術だったら、学んだり身に付けたりできるんじゃないかと思いますよね。
佐々木:知っておいてほしい技術があるんですけど、デートの誘い方で
「驚くほど美味いパスタの店と、石釜ピザの店、どっちがいいですか?」
茂木:そう言われたら、その瞬間に心動いてますよね。
佐々木:こちらとしてはどちらでもいいんですよ、どっちか選んでくれればデートに行けるんです。
「AかBか、どっちがいいですか?」という選択肢を出してあげる、そうすると人はどっちかを選んじゃうんです。
茂木:なるほど。
佐々木:「行かないという」選択肢はあるんだけど、それを思い浮かばないと思うんですよね。
実は、茂木さんにお伺いしたかったポイントで、これは脳科学的に理由があるんですか?
茂木:おそらくですね、非常に魅力的な選択を2つ提示することによって、それ以外のものに注意がいかないという効果と、仮にどっちかを選んだとすると、その方は押し付けられて無理やり行くんじゃなくて、自分が選択してコミットしたんだという幻想を抱くとことになると思うので、デートの現場に行った時のノリが違うと思いますよ。
佐々木:なるほど〜。
茂木:よりデートを楽しもうという気持ちでいらしてると思うんですよね、よくできてますね。
本を読んで、このやり方を応用すればいいコピーも書けるんですか?それとも、コピーはそんなに甘くない?
佐々木:答えで言うと、イエスです。
例えば、自分のホームページのキャッチコピーをつけるとか、パンフレットを作る時につけるとかっていうのは、これを使えば作れちゃいます。
茂木:はいはい。
佐々木:一方でプロの領域っていうのがあって、コマーシャルとか15秒の中で、どれだけ短い言葉として、わかりやすく、音声でも伝わるかみたいな事はもう一つ上の領域であるんですけど。
簡単に言うと、この本を読めば「ご家庭で味わえるプロの味」を味わうことができるものをつくれます。
茂木:そこまでいけるっていうだけでもすごいですよね。
佐々木:知らなかったらできないですからね。
●伝え方が9割 / 佐々木 圭一
(Amazon)
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