2017年08月05日
今週お迎えしたのは、先週に引き続き、株式会社和える(aeru) 代表取締役の矢島里佳さんです。
矢島さんは東京都生まれ、職人と伝統の魅力に惹かれ、19歳の頃から全国を回り、
慶應義塾大学 法学部政治学科在学中に、日本の伝統文化・産業の情報発信の仕事を始められます。
「日本の伝統を次世代につなぎたい」という想いから、
大学4年在学中の2011年3月、株式会社和えるを創業しました。
そして、翌年、2012年3月、幼少期から職人の手仕事に触れられる環境を創出すべく、
赤ちゃん・子どもたちのための日用品を、日本全国の職人と共につくる、
“0から6歳の伝統ブランドaeru(あえる)”を立ち上げられます。
現在は、日本の伝統や先人の智慧を、暮らしの中で活かしながら次世代につなぐために様々な事業を展開されています。
今夜は、矢島さんが先日、キノブックスから発売された書籍、
「やりがいから考える自分らしい働き方」について、お話を伺いました。
──ひとりひとりの人間を大事にする
茂木:著書の「やりがいから考える自分らしい働き方」
ここに、矢島さんならではの働き方の色んなヒントが出てまして、一般の方も非常に参考になることが多いと思うんですよ。
矢島:はい。
茂木:今やられている「株式会社和える(aeru) 」の志願者が、「産休はどれくらいもらえるんですか?」と聞かれた時に
矢島さんはどういう答え方をするんでしたっけ?
矢島:産休はもちろんあるし、規定日数を決めるんですけど「人によって必要な日数は違いますよね」と。
茂木:話し合うってことですね。
矢島:そうなんですよね。
茂木:これが面白いですね。世間ではルールがあって、人がそれに合わせると思いがちなんですけど、矢島さんはそれぞれの事情に合わせて……。
矢島:一緒に生きていくということですね。
もうひとつよく聞かれるのが、「和える(aeru) 」は東京と京都に拠点があるので、「入社したら、どっちで働くんですか?」と聞かれるんですよ。
茂木:それは、志願者からしたら”会社が決めることに従うんだ”という前提があるということですよね。
矢島さんは、その時にどう答えるんですか?
矢島:「どちらで働いたら幸せですか?」と。
茂木:まさか会社にそんなことを聞かれると思ってないんですよね(笑)。
矢島:私も、まさか聞かれると思ってなかったので”それは私が決めることなの?”と思って(笑)。
茂木:そこらへんから見えてくる矢島さんの哲学は、ひとりひとりの人間を大事にするということだと思うんですよね。
矢島:そうですね。究極、「生きる」と「働く」を天秤にかけて悩んでる方って、今すごく多いのかなと思うんですよ。
「生きる」の中に「働く」があると、私は考えているんですよ。
──休日は「学びの日」
茂木:本の中ですごく面白いなと思ったのは、仕事している日と、休日のことを聞かれると困ると仰ってたじゃないですか?
これはどういうことですか?
矢島:「仕事の日」、「休日の日」皆さんはっきり分けようとされると思うんですけど。
私の中では休日って「学びの日」と言い換えていて、掃除するのも学びがあるし、料理するのも学びがあるし、美術館に行ってインスピレーションを得るのも学びがある。
休日というのは、普段の仕事とは違う分野に出かけたり、挑戦してみたりして学ぶと……それは自分の人生の成長にも繋がるし、「和える(aeru) 」で仕事してる時の自分にも、何かしら影響を与えてくれる日だと思うんですよ。
茂木:ということは、「生きる」ということの中にすべてあるわけだから、働くことも…学びもそうだし、そのバランスなんですね。
矢島:そうですね。休日だからといって、働いてる時の自分をオフにしてしまうと繋がらなくなってしまうので、限られた人生の時間が狭められていくような気がして。そこが、一緒に生きているとなると、全部の時間が「生きる」に変わっていくのかなと思うんですけどね。
茂木:「他人と比較しても意味がない」という章なんですけど、どうしても人間って比較しがちじゃないですか?
同じ年齢くらいだと、あっちの方がどうだとか。
矢島:どれだけ似てると言っても、SF映画のクローンじゃない限り一緒ってありえないと思ってて、自分以外に、自分と同じ人間は存在し得ないんですね。
茂木:自分のことは自分が一番知ってるし、比較してもしょうがないっていうことなんですね。
矢島:そうなんですよね。もし比較したければ昨日の自分と今日の自分とか、去年の自分より今年の自分とか、それはもしかしたら意味があるかもしれないですよね。
茂木:そうですね。
矢島:成長を感じられるじゃないですか?昨日できなかったことが今日できるようになったとか、大人になっても絶対あると思うんですよね。それをちゃんと気付いて、自分で褒めてあげることが大事だと思っていて。
大人になると、出来て当たり前だと思ってしまうことって、すごく多いんですけど。
大人になっても小さな成長を繰り返しているので、それに自分で気付いてあげて、自分で褒められるかどうかと、毎日成功体験を繰り返せる人と、そうでない人と、また変わっていくのかなと思います。
茂木:矢島さんが特別な人であるということではなくて、誰でも実行できるようなことが……特別な人だとは思うんですけど(笑)。
誰でも実行できるような働き方のヒントが、この本にはありますよね。
矢島:考え方を少し変えてみるだけで、普段というものは変わる気がするという、そのヒントを感じていただけたら嬉しいなと思います。
●「株式会社和える(aeru) オフィシャルサイト」
●やりがいから考える自分らしい働き方 / 矢島里佳
(Amazon)
来週は、ピアニストの北村朋幹さんをお迎えしてお話をうかがっていきます。
どうぞお楽しみに。
矢島さんは東京都生まれ、職人と伝統の魅力に惹かれ、19歳の頃から全国を回り、
慶應義塾大学 法学部政治学科在学中に、日本の伝統文化・産業の情報発信の仕事を始められます。
「日本の伝統を次世代につなぎたい」という想いから、
大学4年在学中の2011年3月、株式会社和えるを創業しました。
そして、翌年、2012年3月、幼少期から職人の手仕事に触れられる環境を創出すべく、
赤ちゃん・子どもたちのための日用品を、日本全国の職人と共につくる、
“0から6歳の伝統ブランドaeru(あえる)”を立ち上げられます。
現在は、日本の伝統や先人の智慧を、暮らしの中で活かしながら次世代につなぐために様々な事業を展開されています。
今夜は、矢島さんが先日、キノブックスから発売された書籍、
「やりがいから考える自分らしい働き方」について、お話を伺いました。
──ひとりひとりの人間を大事にする
茂木:著書の「やりがいから考える自分らしい働き方」
ここに、矢島さんならではの働き方の色んなヒントが出てまして、一般の方も非常に参考になることが多いと思うんですよ。
矢島:はい。
茂木:今やられている「株式会社和える(aeru) 」の志願者が、「産休はどれくらいもらえるんですか?」と聞かれた時に
矢島さんはどういう答え方をするんでしたっけ?
矢島:産休はもちろんあるし、規定日数を決めるんですけど「人によって必要な日数は違いますよね」と。
茂木:話し合うってことですね。
矢島:そうなんですよね。
茂木:これが面白いですね。世間ではルールがあって、人がそれに合わせると思いがちなんですけど、矢島さんはそれぞれの事情に合わせて……。
矢島:一緒に生きていくということですね。
もうひとつよく聞かれるのが、「和える(aeru) 」は東京と京都に拠点があるので、「入社したら、どっちで働くんですか?」と聞かれるんですよ。
茂木:それは、志願者からしたら”会社が決めることに従うんだ”という前提があるということですよね。
矢島さんは、その時にどう答えるんですか?
矢島:「どちらで働いたら幸せですか?」と。
茂木:まさか会社にそんなことを聞かれると思ってないんですよね(笑)。
矢島:私も、まさか聞かれると思ってなかったので”それは私が決めることなの?”と思って(笑)。
茂木:そこらへんから見えてくる矢島さんの哲学は、ひとりひとりの人間を大事にするということだと思うんですよね。
矢島:そうですね。究極、「生きる」と「働く」を天秤にかけて悩んでる方って、今すごく多いのかなと思うんですよ。
「生きる」の中に「働く」があると、私は考えているんですよ。
──休日は「学びの日」
茂木:本の中ですごく面白いなと思ったのは、仕事している日と、休日のことを聞かれると困ると仰ってたじゃないですか?
これはどういうことですか?
矢島:「仕事の日」、「休日の日」皆さんはっきり分けようとされると思うんですけど。
私の中では休日って「学びの日」と言い換えていて、掃除するのも学びがあるし、料理するのも学びがあるし、美術館に行ってインスピレーションを得るのも学びがある。
休日というのは、普段の仕事とは違う分野に出かけたり、挑戦してみたりして学ぶと……それは自分の人生の成長にも繋がるし、「和える(aeru) 」で仕事してる時の自分にも、何かしら影響を与えてくれる日だと思うんですよ。
茂木:ということは、「生きる」ということの中にすべてあるわけだから、働くことも…学びもそうだし、そのバランスなんですね。
矢島:そうですね。休日だからといって、働いてる時の自分をオフにしてしまうと繋がらなくなってしまうので、限られた人生の時間が狭められていくような気がして。そこが、一緒に生きているとなると、全部の時間が「生きる」に変わっていくのかなと思うんですけどね。
茂木:「他人と比較しても意味がない」という章なんですけど、どうしても人間って比較しがちじゃないですか?
同じ年齢くらいだと、あっちの方がどうだとか。
矢島:どれだけ似てると言っても、SF映画のクローンじゃない限り一緒ってありえないと思ってて、自分以外に、自分と同じ人間は存在し得ないんですね。
茂木:自分のことは自分が一番知ってるし、比較してもしょうがないっていうことなんですね。
矢島:そうなんですよね。もし比較したければ昨日の自分と今日の自分とか、去年の自分より今年の自分とか、それはもしかしたら意味があるかもしれないですよね。
茂木:そうですね。
矢島:成長を感じられるじゃないですか?昨日できなかったことが今日できるようになったとか、大人になっても絶対あると思うんですよね。それをちゃんと気付いて、自分で褒めてあげることが大事だと思っていて。
大人になると、出来て当たり前だと思ってしまうことって、すごく多いんですけど。
大人になっても小さな成長を繰り返しているので、それに自分で気付いてあげて、自分で褒められるかどうかと、毎日成功体験を繰り返せる人と、そうでない人と、また変わっていくのかなと思います。
茂木:矢島さんが特別な人であるということではなくて、誰でも実行できるようなことが……特別な人だとは思うんですけど(笑)。
誰でも実行できるような働き方のヒントが、この本にはありますよね。
矢島:考え方を少し変えてみるだけで、普段というものは変わる気がするという、そのヒントを感じていただけたら嬉しいなと思います。
●「株式会社和える(aeru) オフィシャルサイト」
●やりがいから考える自分らしい働き方 / 矢島里佳
(Amazon)
来週は、ピアニストの北村朋幹さんをお迎えしてお話をうかがっていきます。
どうぞお楽しみに。