Dream Heart(ドリームハート)

土曜22:00-22:30 TOKYO FM/全国38局でON AIR 各局放送時間

REPORT 最新のオンエアレポート

Dream HEART vol.202 兼高かおるさん

2017年02月12日

今週は、先週に引き続き、トラベルライターの兼高かおるさんをお迎えしました。

兼高さんは、1928年生まれで、現在88歳。
日本の高校を卒業後、ロサンゼルス市立大学に留学され、
帰国後は、トラベルライターとしてジャパンタイムズなどで活躍されます。

兼高さんといえば、1959年から1990年まで放送されたテレビ番組、
「兼高かおる 世界の旅」で、ご存知の方も多いことでしょう。
番組では、レポーター、ナレーター、ディレクター兼プロデューサーと、
全て1人で務められ、放送当時、海外旅行に馴染のなかった日本人にとって、
その取材内容は、多くの視聴者に親しまれていました。

今夜は、兼高かおるさんの夢について伺いました。






──日本に教わったこと


茂木:よく聞かれるご質問だと思うんですけど、兼高さんがお好きな国はどこですか?

兼高:昔から比べるとほとんどの国が変わりましたから、昔良くても、今はそんなでもないということもありますから…難しいですね。
好きというのは、私がそこで味わう時間、日にち、食べ物、人、あと建物なんかは好きですね。見ているだけで、1人でいて退屈しない、そういうのは好きですね。

茂木:機内ではどう過ごしますか?

兼高:読むか、書くか、寝ているかですね(笑)。

茂木:衣裳とかも多いんですか?

兼高:面白いことに、着ている物を注意して見ていらっしゃるんですよ。水着やお洋服も、買い物のシーンを撮る時に買うんですよね。
あまり高価でない服、ボタンを外すのが難しいのは、なるべく買わないです。

茂木:そうなんですね。

兼高:そして、アフリカの場合なんかは、取材地で着たお洋服をあげちゃうんですよ。
村に行って、向こうも珍しい人間が来たと思って見にくる、私が白とピンクの入ったお洋服を着てるとアフリカのサンシャインに映えるでしょ?
その時に私が脱いで着替えて、おばあちゃんにあげたりするわけ。
そうすると、おばあちゃんも喜ぶし、村中喜ぶので撮影しやすくなるんですよね。

茂木:現地の方とのコミュニケーションの仕方も、番組を拝見しててお上手だなというか…。

兼高:これも、やはり日本で教わったことですよ。
知らない人の間でもお辞儀をして通りますし、少しは笑いますし、威張り散らかしているような生活をしてたら出てこない事ですよ。

茂木:先週も日本の女性の立ち振る舞いの美しさは、国際的に魅力的と仰っていましたが、日本で人間関係の基礎を身に付けると海外でも役に立ちますか?

兼高:その通りですね。人間同士なんですから、お互いが分かり合おうとしてる…それが国際的と言うんですかね、自分の今までないような環境に行った時でも、知っていれば何とか切り抜けることができるんですよね。



──世界中を旅して


茂木:いろんな国に行かれたと思うんですが、今でもよく旅行は行くんですか?

兼高:最近、よくは行きませんけど、今行きたいと思っているのは船ですね。
お金持ちにならないとできない夢なんですけど、小さい船じゃなくて大きい船を買ってちょうだい(笑)。

茂木:客船に乗るんじゃなくて、自分で船で行きたいということなんですね(笑)。

兼高:その船に先生と生徒を乗せます。そして、航海をしながら勉強するんです。
いろんな国をまわりながら、島に着いたらその島の習慣とか産物とか、そういうものを見て試して。大金持ちにならないとできないから、言うだけでおしまいです(笑)。

茂木:教育について非常に関心を持たれているっていうのは、関西看護医療大学、ここで奨学金も出されているという記事があるんですけど。
「一般財団法人 兼高かおる基金」を設立されているということで、これは学生の何人かに、実際に奨学金を給付されているということなんですね。
こちらは、何かご縁があって?

兼高:日本人って頭がいいでしょ?そして、覚えるのが早い。若い世代に教えていけば、若い世代はどこでも飛んできますから役に立つだろうと。
役に立つような日本人を育てあげて、そして世界中に行ってもらったら、日本の人にもいいし、外国の人も助かるんじゃないかと思っています。

茂木:素晴らしいですね。

兼高:役立つだけじゃなくて、日本の立ち振る舞いの美しさを残したいですね。
せっかくきれいな文化がある国ですから、率先して、世界を美しく、仲良く、綺麗に、と思ってもらいたいですね。




●「わたくしたちの旅のかたち」
兼高かおる, 曽野綾子



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来週は、猿田彦珈琲オーナーの大塚朝之さんをお迎えしてお話をうかがっていきます。
どうぞお楽しみに。