2017年01月08日
今夜お迎えしたのは、神の手”を持つドクターと呼ばれる、
ニューヨーク在住の外科医、加藤友朗さんです。
加藤さんは、東京都のご出身。
東京大学薬学部、大阪大学医学部を卒業後 1995年に渡米。
現在は、ニューヨーク、コロンビア大学医学部、外科の教授を務めていらっしゃいます。
加藤さんは多臓器移植の世界的第一人者であり、技術的に大変困難と言われていた腫瘍切除手術を
世界で初めて成功させたことでも知られていらっしゃいます。
今週は、そんな加藤先生をお迎えしてお話を伺いました
──コミュニケーションが大事
茂木:今回いらしていただいのは、TOKYO FMとFM OSAKAで「ENGLISH JUKE BOX」という番組をやってらっしゃるんですよね。
これ、どういうことですか?
加藤:僕はアメリカに行ったときに英語が喋れなくて、すごく苦労したんですよ。
日本では出来ると思っていて、いざ向こうに行ったらダメなんですよね。
茂木:学歴的に見ても、英語ができる学歴ですけどね。
加藤:旅行とか、外国人が日本に来てるときはちょっと手加減してくれるじゃないですか。
僕の場合は病院だったので、患者さんを診なければいけない。日本で、仮に病院にかかって、ドクターが日本語がしどろもどろだったら嫌でしょ?
そこで手加減して話そうなんて思わないですよね(笑)。
茂木:確かに! オペ室は真剣勝負ですもんね。
いきなり、英語の厳しい状況に追い込まれちゃったんですか。
加藤:当たり前なんですけど、向こうで仕事するってそういうことですから。
”なんでこんなに苦労したのかな?”と考えたときに、英語の勉強の仕方が日本では喋べるところにつながらないんですよね。
茂木:受験英語としては最高レベルだったと思うんですけど、それでもダメでしたか?
加藤:受験英語じゃ話せないんですよね。いろんなところで、僕もずっと誤解してたところがあって。
アメリカに行って20年になりますから、ある程度喋れるようになった段階で相当回り道をしてたなと思うんですよね。
茂木:どうすればいいんですか?
加藤:アメリカに10年くらい住んでいても、洋楽って聞き取れないんですよ。
聞き取れる人間と、聞き取れない人間の間にだいぶ差があって、聞き取れる人間は英語力が伸びるんですね。
茂木:へ〜〜。
加藤:ポップスの曲って、ほとんど普通の会話のような言葉ですから、聞き取れないっていうのは本当はおかしいじゃないですか?
歌で勉強するのがすごくいいなと思って、自分自身でもやっていたんですね。ラジオで音楽のTOP40のチャンネルをずっと聞いてたんですね。
茂木:最初は聞き取れないわけですよね? それが、どうやって聞き取れるようになるんですか?
加藤:歌詞カードを見て、聞き取れるようにとやっていたんですけど、だんだん分かってきたんですけど歌詞カードを見て理解しても、いざ、かかった曲を聞いても聞き取れないんですよ。それくらい僕らの頭の中は、耳から入ってくる英語と目で見る英語が違うんですね。
茂木:そうなんですか、違うんですね。
加藤:そのときに思ったのが、全然聞き取れなかった英語の歌詞を、看護師さんが病棟で口ずさんでることがあるんですね。その口ずさんでいる歌は聞き取れるんですよ。
だから、馴染みのある声で喋ってるか、または歌を聞いた瞬間に”聞き取れなくてもいい”という頭がスタートしてしまっていて、本当は聞き取れる能力がないわけじゃないと思うんですよね。
茂木:なるほど。
加藤:もう一つ大事なのは、歌詞を読んで聞き取るのと、誰かに言ってもらって聞き取るのでは、誰かに言ってもらって聞き取ったときのほうが次に歌を聞いたときに、絶対に聞き取れるんですよ。
それは、読んで覚えたわけではないので、目で追ってないので、これはラジオでやるのに意味があるなと思ったんですね。
茂木:加藤先生から見て、日本人が英語ができないということは、グローバルな世界の中で問題だと感じてらっしゃいますか?
加藤:問題だと思うんですよね。コミュニケーションって直接話さないと、分かり合えないじゃないですか? アメリカでいろんな国の人と話すんですよね。
イラク戦争をしているときに、僕の病棟にはイラク人で働いてる人もいたんですね。当然「家族は大丈夫?」と聞くわけですよ。
なんとなくそういう会話ができる、そうするとその瞬間に、イラクにいる人たちの家族と気持ちがつながるじゃないですか? そういうのって、すごく大事なんですよね。
──「ENGLISH JUKE BOX」オンエアー!
茂木:洋楽による英語習得の実践的な曲は、何がいいんですか?
加藤:Taylor Swiftの「We Are Never Ever Getting Back Together」という曲なんですけど。
茂木:タイトルの意味は?
加藤:「絶対にヨリなんか戻さないよ」っていう意味なんですけど、英語の習得にはすごくいいんですよ。
この歌詞は、ほとんど会話調の歌詞がそのまま出てくるんです。
茂木:この楽曲は、歌詞についてどういう特徴があるんですか?
加藤:サビの部分の「We Are Never Ever Getting Back Together」はみんなよく知っているので、聞き取れるっていう人は多いと思うんですけど。
茂木:会話としては普通の会話をしているんですか?
加藤:ごく普通の会話ですね。皆さんに経験をしてもらうと一番いいんですけど。
最初の部分を、読んで解説したものを聴いてもらって、もう一度聞き直すと全然違うんです。
茂木:なるほど〜。
加藤:最初の出だしが、「I remember when we broke up the first time」
「first time」は”初めて”。「broke up」は、「break up」の過去形ですから「初めて、break upしたときのことを覚えてる?」っていうことですよね。
茂木:そういう風に歌っていたんですね。
加藤:「remember」という言葉は、日本語で訳すときに「覚えてる」と「思い出す」の両方を含めた英語なんですね。
これはどっちに考えてもらっていいんです。というよりも、英語では「remember」という言葉だっていうことを理解してもらうようにして。
「覚えてる」と「思い出す」に関してはどっちでもいい単語で、そんな風に英語を理解してくれるということも大事で。歌の勉強って、英語を日本語に訳さずに考えるっていうことの、出だしにもなるんですね。
茂木:こういう授業あったらいいですよね。
加藤:学生さんとかも聞いてくださるといいと思いますね。
高校の先生にも、ぜひ、オススメしたい番組ですね(笑)。
茂木:加藤先生は、この方法で何年くらい勉強したんですか?
加藤:自分自身が洋楽を聴くようになってから10年弱くらいですね。
茂木:実際に英語は変わりましたか?
加藤:変わりますね。
普通の会話で話すこととか、人に訴えかける言葉っていうのは、単純な言葉なんですよね。
一般に使われてる言葉ができないと打ち解けた会話にならないし、打ち解けただけじゃなくてリーダーとして他の人に語るときに、実は本当にできる人はそういう言葉を使うんですね。
堅苦しい言葉で、演説みたいなことを言っても人の心に響かないんですよね。じゃあ、そういう言葉を日本の高校で教えてくれるかっていうと、かなり教えてくれないんですよ。
茂木:「ENGLISH JUKE BOX」という番組でやってらっしゃるメソッド、いいじゃないですか! だって、今の英語ですもんね。
加藤:そうですね。あとは、普通の会話で使えるのがいいと思います。
●加藤友朗さんが、洋楽から生きた英会話を教えてくれる!「ENGLISH JUKE BOX (イングリッシュ ジューク ボックス)」公式ホームページ
来週のゲストも引き続き、外科医の加藤友朗さんをお迎えしてお話をうかがっていきます。
どうぞお楽しみに。
ニューヨーク在住の外科医、加藤友朗さんです。
加藤さんは、東京都のご出身。
東京大学薬学部、大阪大学医学部を卒業後 1995年に渡米。
現在は、ニューヨーク、コロンビア大学医学部、外科の教授を務めていらっしゃいます。
加藤さんは多臓器移植の世界的第一人者であり、技術的に大変困難と言われていた腫瘍切除手術を
世界で初めて成功させたことでも知られていらっしゃいます。
今週は、そんな加藤先生をお迎えしてお話を伺いました
──コミュニケーションが大事
茂木:今回いらしていただいのは、TOKYO FMとFM OSAKAで「ENGLISH JUKE BOX」という番組をやってらっしゃるんですよね。
これ、どういうことですか?
加藤:僕はアメリカに行ったときに英語が喋れなくて、すごく苦労したんですよ。
日本では出来ると思っていて、いざ向こうに行ったらダメなんですよね。
茂木:学歴的に見ても、英語ができる学歴ですけどね。
加藤:旅行とか、外国人が日本に来てるときはちょっと手加減してくれるじゃないですか。
僕の場合は病院だったので、患者さんを診なければいけない。日本で、仮に病院にかかって、ドクターが日本語がしどろもどろだったら嫌でしょ?
そこで手加減して話そうなんて思わないですよね(笑)。
茂木:確かに! オペ室は真剣勝負ですもんね。
いきなり、英語の厳しい状況に追い込まれちゃったんですか。
加藤:当たり前なんですけど、向こうで仕事するってそういうことですから。
”なんでこんなに苦労したのかな?”と考えたときに、英語の勉強の仕方が日本では喋べるところにつながらないんですよね。
茂木:受験英語としては最高レベルだったと思うんですけど、それでもダメでしたか?
加藤:受験英語じゃ話せないんですよね。いろんなところで、僕もずっと誤解してたところがあって。
アメリカに行って20年になりますから、ある程度喋れるようになった段階で相当回り道をしてたなと思うんですよね。
茂木:どうすればいいんですか?
加藤:アメリカに10年くらい住んでいても、洋楽って聞き取れないんですよ。
聞き取れる人間と、聞き取れない人間の間にだいぶ差があって、聞き取れる人間は英語力が伸びるんですね。
茂木:へ〜〜。
加藤:ポップスの曲って、ほとんど普通の会話のような言葉ですから、聞き取れないっていうのは本当はおかしいじゃないですか?
歌で勉強するのがすごくいいなと思って、自分自身でもやっていたんですね。ラジオで音楽のTOP40のチャンネルをずっと聞いてたんですね。
茂木:最初は聞き取れないわけですよね? それが、どうやって聞き取れるようになるんですか?
加藤:歌詞カードを見て、聞き取れるようにとやっていたんですけど、だんだん分かってきたんですけど歌詞カードを見て理解しても、いざ、かかった曲を聞いても聞き取れないんですよ。それくらい僕らの頭の中は、耳から入ってくる英語と目で見る英語が違うんですね。
茂木:そうなんですか、違うんですね。
加藤:そのときに思ったのが、全然聞き取れなかった英語の歌詞を、看護師さんが病棟で口ずさんでることがあるんですね。その口ずさんでいる歌は聞き取れるんですよ。
だから、馴染みのある声で喋ってるか、または歌を聞いた瞬間に”聞き取れなくてもいい”という頭がスタートしてしまっていて、本当は聞き取れる能力がないわけじゃないと思うんですよね。
茂木:なるほど。
加藤:もう一つ大事なのは、歌詞を読んで聞き取るのと、誰かに言ってもらって聞き取るのでは、誰かに言ってもらって聞き取ったときのほうが次に歌を聞いたときに、絶対に聞き取れるんですよ。
それは、読んで覚えたわけではないので、目で追ってないので、これはラジオでやるのに意味があるなと思ったんですね。
茂木:加藤先生から見て、日本人が英語ができないということは、グローバルな世界の中で問題だと感じてらっしゃいますか?
加藤:問題だと思うんですよね。コミュニケーションって直接話さないと、分かり合えないじゃないですか? アメリカでいろんな国の人と話すんですよね。
イラク戦争をしているときに、僕の病棟にはイラク人で働いてる人もいたんですね。当然「家族は大丈夫?」と聞くわけですよ。
なんとなくそういう会話ができる、そうするとその瞬間に、イラクにいる人たちの家族と気持ちがつながるじゃないですか? そういうのって、すごく大事なんですよね。
──「ENGLISH JUKE BOX」オンエアー!
茂木:洋楽による英語習得の実践的な曲は、何がいいんですか?
加藤:Taylor Swiftの「We Are Never Ever Getting Back Together」という曲なんですけど。
茂木:タイトルの意味は?
加藤:「絶対にヨリなんか戻さないよ」っていう意味なんですけど、英語の習得にはすごくいいんですよ。
この歌詞は、ほとんど会話調の歌詞がそのまま出てくるんです。
茂木:この楽曲は、歌詞についてどういう特徴があるんですか?
加藤:サビの部分の「We Are Never Ever Getting Back Together」はみんなよく知っているので、聞き取れるっていう人は多いと思うんですけど。
茂木:会話としては普通の会話をしているんですか?
加藤:ごく普通の会話ですね。皆さんに経験をしてもらうと一番いいんですけど。
最初の部分を、読んで解説したものを聴いてもらって、もう一度聞き直すと全然違うんです。
茂木:なるほど〜。
加藤:最初の出だしが、「I remember when we broke up the first time」
「first time」は”初めて”。「broke up」は、「break up」の過去形ですから「初めて、break upしたときのことを覚えてる?」っていうことですよね。
茂木:そういう風に歌っていたんですね。
加藤:「remember」という言葉は、日本語で訳すときに「覚えてる」と「思い出す」の両方を含めた英語なんですね。
これはどっちに考えてもらっていいんです。というよりも、英語では「remember」という言葉だっていうことを理解してもらうようにして。
「覚えてる」と「思い出す」に関してはどっちでもいい単語で、そんな風に英語を理解してくれるということも大事で。歌の勉強って、英語を日本語に訳さずに考えるっていうことの、出だしにもなるんですね。
茂木:こういう授業あったらいいですよね。
加藤:学生さんとかも聞いてくださるといいと思いますね。
高校の先生にも、ぜひ、オススメしたい番組ですね(笑)。
茂木:加藤先生は、この方法で何年くらい勉強したんですか?
加藤:自分自身が洋楽を聴くようになってから10年弱くらいですね。
茂木:実際に英語は変わりましたか?
加藤:変わりますね。
普通の会話で話すこととか、人に訴えかける言葉っていうのは、単純な言葉なんですよね。
一般に使われてる言葉ができないと打ち解けた会話にならないし、打ち解けただけじゃなくてリーダーとして他の人に語るときに、実は本当にできる人はそういう言葉を使うんですね。
堅苦しい言葉で、演説みたいなことを言っても人の心に響かないんですよね。じゃあ、そういう言葉を日本の高校で教えてくれるかっていうと、かなり教えてくれないんですよ。
茂木:「ENGLISH JUKE BOX」という番組でやってらっしゃるメソッド、いいじゃないですか! だって、今の英語ですもんね。
加藤:そうですね。あとは、普通の会話で使えるのがいいと思います。
●加藤友朗さんが、洋楽から生きた英会話を教えてくれる!「ENGLISH JUKE BOX (イングリッシュ ジューク ボックス)」公式ホームページ
来週のゲストも引き続き、外科医の加藤友朗さんをお迎えしてお話をうかがっていきます。
どうぞお楽しみに。