2016年10月16日
今夜は、芥川賞作家の村田沙耶香さんをお迎えしました。
村田さんは、千葉県出身。
玉川大学文学部芸術文化コースを卒業後、2003年「授乳」で、第46回群像新人文学賞優秀作を受賞してデビューしました。
そして、最新作「コンビニ人間」で、第155回芥川龍之介賞を受賞されました。
今夜は、最新作「コンビニ人間」のお話はもちろん
”村田さんは一体どんな方なのか?”その人間像に迫っていきました。
──『自分のことを単細胞だと思うんですよね』
茂木:今回の受賞で、世間では新人賞三冠と言われているんですけど、経済的にコンビニで働く必要はあったんですか?
村田:経済的にはないと思います。
茂木:じゃあ、本当に好きなんですね。
村田:好きというのと、自分は本来、なまけ者な性格なので。コンビニでバイトしないで専業でやってしまうと、小説をさぼってしまうんですよ(笑)。
コンビニでアルバイトしてる日は小説を書くんですけど、アルバイトしてない日はサボってしまうので、「バイトを増やして、もっと小説を書いてください」と、編集さんに言われたこともあります(笑)。
茂木:巷の噂では、コンビニでバイトされる日は書いて、それ以外の日は書かないみたいな噂も…(笑)。
村田:そうですね。言い訳のようですが、コンビニでバイトしてる日はすごく書いてるんです(笑)。
茂木:「コンビニ人間」、皆さんの反響はいかがですか?
村田:ヘンテコな小説だから、読みづらいんじゃないかと思ったんですけど、「読みやすかった、主人公の気持ちが分かる」と仰ってくださる方が多くてビックリしています。
茂木:かなり変わった主人公ですよね。村田さん自身の内面も投影されているんですか?
村田:私は内気過ぎるほうなので、性格はだいぶ違うと思います。書きながら”変わった人だな”と思っていました。
茂木:文藝春秋から、小説の単行本って初めてなんですね。
村田:わたし、依頼を受けた順に1本ずつしか書けないんです。
茂木:文藝春秋は順番待ちしていたんですか!?
村田:何年も順番を待っていただいて、その間に担当さんも5人くらい変わって…(笑)。
1本ずつ書いていて、なかなかたどり着けずにいて、やっとたどり着けました。
茂木:その間の版元が、集英社、新潮社、朝日新聞出版、講談社、川田書房新書…これ全部注文を?
村田:1個ずつ依頼を受けた順番に、バカみたいに書いていました(笑)。
茂木:面白すぎるんですけど(笑)。良い意味でも、悪い意味でも、ご自身の不器用さはどう思われますか?
村田:自分のことを単細胞だと思うんですよね。”大人としてどうなんだろう?”と思う面もあるんですが、小説家としては単純なことが丈夫なことでもあるような気がして。
ブレずに、急かされても全く気にせず1個1個書いてきたので、のんびりした性格で良かったような気がします。
──物語の描きかた
茂木:今回の「コンビニ人間」は、文明批評的にはかなり刺さりますね。コンビニというシステムに適応する人じゃないと人間として…これは1つの象徴じゃないですか?あれってすごくないですか?”普通である”っていうことの押し付けであるというか。
村田:そうですね。書いていて、ちょっと怖いような気がしました。
普通ということが、書きながらどんどん分からなくなるというか。
茂木:あの主人公は特別な人であると同時に、我々ひとりひとりの事というか…コンビニというものを別のものに置きかえると、我々、同じようにシステムに適応して生きてるわけですよね。
村田:そういう怖さを感じていました。一方で、自分が主人公に普通を押し付ける側に回っているかもしれない、そういう自分を突き詰めたい、問いただしたい気持ちもあって書いてました。
茂木:いろんな意味でコンビニエンスストアって、今の日本のあり方を象徴するような存在なので。そう考えると、ザラザラっと…。
村田:自分にとっても、書いていて不思議な小説でしたね。
茂木:今まで沢山書いてきた中で、「コンビニ人間」で芥川賞を受けるという結果についてどう思われますか?
村田:とても嬉しかったです。自分の小説は候補になった事もないので、芥川賞という賞は……。
茂木:どうして芥川賞向きじゃないと思っていたんですか?
村田:不足してる部分がいっぱいあるんだろうなって、自分の中に架空のおじさんがいて。わたし、賞のシステムとか分かってないんですけど”ここがダメだ”とか、思ってくださっているんだろうなと思っていました。
茂木:架空のおじさんが(笑)。
村田:なので、候補になったときに架空のおじさんが”今回は…まぁ、良し!”って言ってくれた気がする…みたいな話を中村文則くんとしていて、笑われました(笑)。
茂木:同じ作家仲間からも笑われるくらい、変わってるんだなということですよね(笑)。
村田:そうですかね?自分では変わっていると思わないんですけどね。
茂木:そうですね。脳科学的には、変わっている方は、本人は変わっていると思わないんですよ(笑)。
●文芸春秋「コンビニ人間 / 村田沙耶香」
来週も引き続き、芥川賞作家の村田沙耶香さんをお迎えして、お話をうかがっていきます。
どうぞお楽しみに。
村田さんは、千葉県出身。
玉川大学文学部芸術文化コースを卒業後、2003年「授乳」で、第46回群像新人文学賞優秀作を受賞してデビューしました。
そして、最新作「コンビニ人間」で、第155回芥川龍之介賞を受賞されました。
今夜は、最新作「コンビニ人間」のお話はもちろん
”村田さんは一体どんな方なのか?”その人間像に迫っていきました。
──『自分のことを単細胞だと思うんですよね』
茂木:今回の受賞で、世間では新人賞三冠と言われているんですけど、経済的にコンビニで働く必要はあったんですか?
村田:経済的にはないと思います。
茂木:じゃあ、本当に好きなんですね。
村田:好きというのと、自分は本来、なまけ者な性格なので。コンビニでバイトしないで専業でやってしまうと、小説をさぼってしまうんですよ(笑)。
コンビニでアルバイトしてる日は小説を書くんですけど、アルバイトしてない日はサボってしまうので、「バイトを増やして、もっと小説を書いてください」と、編集さんに言われたこともあります(笑)。
茂木:巷の噂では、コンビニでバイトされる日は書いて、それ以外の日は書かないみたいな噂も…(笑)。
村田:そうですね。言い訳のようですが、コンビニでバイトしてる日はすごく書いてるんです(笑)。
茂木:「コンビニ人間」、皆さんの反響はいかがですか?
村田:ヘンテコな小説だから、読みづらいんじゃないかと思ったんですけど、「読みやすかった、主人公の気持ちが分かる」と仰ってくださる方が多くてビックリしています。
茂木:かなり変わった主人公ですよね。村田さん自身の内面も投影されているんですか?
村田:私は内気過ぎるほうなので、性格はだいぶ違うと思います。書きながら”変わった人だな”と思っていました。
茂木:文藝春秋から、小説の単行本って初めてなんですね。
村田:わたし、依頼を受けた順に1本ずつしか書けないんです。
茂木:文藝春秋は順番待ちしていたんですか!?
村田:何年も順番を待っていただいて、その間に担当さんも5人くらい変わって…(笑)。
1本ずつ書いていて、なかなかたどり着けずにいて、やっとたどり着けました。
茂木:その間の版元が、集英社、新潮社、朝日新聞出版、講談社、川田書房新書…これ全部注文を?
村田:1個ずつ依頼を受けた順番に、バカみたいに書いていました(笑)。
茂木:面白すぎるんですけど(笑)。良い意味でも、悪い意味でも、ご自身の不器用さはどう思われますか?
村田:自分のことを単細胞だと思うんですよね。”大人としてどうなんだろう?”と思う面もあるんですが、小説家としては単純なことが丈夫なことでもあるような気がして。
ブレずに、急かされても全く気にせず1個1個書いてきたので、のんびりした性格で良かったような気がします。
──物語の描きかた
茂木:今回の「コンビニ人間」は、文明批評的にはかなり刺さりますね。コンビニというシステムに適応する人じゃないと人間として…これは1つの象徴じゃないですか?あれってすごくないですか?”普通である”っていうことの押し付けであるというか。
村田:そうですね。書いていて、ちょっと怖いような気がしました。
普通ということが、書きながらどんどん分からなくなるというか。
茂木:あの主人公は特別な人であると同時に、我々ひとりひとりの事というか…コンビニというものを別のものに置きかえると、我々、同じようにシステムに適応して生きてるわけですよね。
村田:そういう怖さを感じていました。一方で、自分が主人公に普通を押し付ける側に回っているかもしれない、そういう自分を突き詰めたい、問いただしたい気持ちもあって書いてました。
茂木:いろんな意味でコンビニエンスストアって、今の日本のあり方を象徴するような存在なので。そう考えると、ザラザラっと…。
村田:自分にとっても、書いていて不思議な小説でしたね。
茂木:今まで沢山書いてきた中で、「コンビニ人間」で芥川賞を受けるという結果についてどう思われますか?
村田:とても嬉しかったです。自分の小説は候補になった事もないので、芥川賞という賞は……。
茂木:どうして芥川賞向きじゃないと思っていたんですか?
村田:不足してる部分がいっぱいあるんだろうなって、自分の中に架空のおじさんがいて。わたし、賞のシステムとか分かってないんですけど”ここがダメだ”とか、思ってくださっているんだろうなと思っていました。
茂木:架空のおじさんが(笑)。
村田:なので、候補になったときに架空のおじさんが”今回は…まぁ、良し!”って言ってくれた気がする…みたいな話を中村文則くんとしていて、笑われました(笑)。
茂木:同じ作家仲間からも笑われるくらい、変わってるんだなということですよね(笑)。
村田:そうですかね?自分では変わっていると思わないんですけどね。
茂木:そうですね。脳科学的には、変わっている方は、本人は変わっていると思わないんですよ(笑)。
●文芸春秋「コンビニ人間 / 村田沙耶香」
来週も引き続き、芥川賞作家の村田沙耶香さんをお迎えして、お話をうかがっていきます。
どうぞお楽しみに。