2016年09月04日
今夜も、初のビジネスエッセイ集「魔法のコンパス 道なき道の歩き方」を、
主婦と生活社より刊行されました、漫才コンビ キングコングの西野亮廣さんをお迎えしました。
西野さんは、1999年に梶原雄太さんと、キングコングを結成。
現在は、芸人活動だけでなく3冊の絵本執筆、ソロのトークライブや、
舞台脚本の執筆を手がけ、海外でも個展やライブ活動を行っています。
今夜は、新しい挑戦をし続ける西野亮廣さんの素顔と本音に迫っていきました。
──お金より信用が大事
茂木:今回発売になりました、「魔法のコンパス 道なき道の歩き方」
これを読んで、西野さんの印象が良くなったという人もいるんじゃないですか?
西野:いるのかな〜(笑)。でも、正直に書いたんですよ。
机の上で考えて書いたみたいなことではなくて、自分が試してみて”これ上手くいった”、”これ失敗したよ”っていう、実験ノート的に書いたんですよ。
茂木:この中に重大なことが書いてあって、絵本を描き始めたきっかけがタモリさんなんですか?
西野:2週間に1回くらい飲みに行ってて、「おまえの性格だったら絵が描けるから、描け」っていう…。
茂木:性格っていうのはどういうことですか?
西野:分かんないです(笑)。あの人も酔っ払ってる時に言ってるので、あんまり覚えてないんですけど
僕も酔っ払っていましたし。
でも、絵を見て”筋がいい”みたいなことじゃないんですよ。僕はそもそも、絵は興味がないので。
茂木:この本には、「向かい風」「お金」「革命の起こし方」「未来について」と、4つのテーマに分かれていますね。
西野:お金の話もキチンとしようと思ったんですよ。結局、そこでみんなブレーキを踏んでることが多い、学校の先生も教えてくれないので。
茂木:あんまり、そういう話はしないんじゃない?学校の先生についても、いろいろ言ってましたね(笑)。
勉強がつまらないのは……なんだっけ?(笑)
西野:先生の喋りが面白くないっていう(笑)。
茂木:また炎上してるわ(笑)。
西野:でも、お金のことを汚いというのは、やめたほうがいいと思うんですよ。親も先生も、小学生とかにお金の話を教えないじゃないですか?それは、どこかで直面するから。
そこの知識がないから、”叶えたい夢を諦めないといけない”みたいになっているのが、横で見てて歯がゆくて。
だったら、”お金ってこういう仕組みだよ”とか、”物を売ろうと思ったら、こういうことにお金がかかって、実はこれは省けるところなんだよ”っていうことを、書いちゃおうと思って。
茂木:例えば、クラウドファンディングの赤裸々なやり方とか、参考になる人も多いんじゃないかな。
あと、”お金より信用が大事”っていう、あれ面白いですよね。
西野:ホームレスの小谷ですね。ホームレスの小谷が、何でも屋で1日50円でやるっていう……普通の感覚で言うと、日給50円って誰も納得しないと思うんですよ。やっぱり、7000円、8000円、10000円ちょうだいってなるところを、50円で売っちゃって、何でもする。
「草むしりして」って言われたら、朝から一生懸命草むしりして、小谷を買った人が”さすがに、それは申し訳ない”となって、昼飯をご馳走するんですよ。で、小谷はまた一生懸命草むしって…そしたら50円で買った人は、”大の大人を50円で、朝から晩まで草むしりさせるなんて申し訳ない”ってなっちゃって、夜ご飯もご馳走するんですよ。
昼夜を共にしたら仲良くなっちゃって、「小谷さん、飲みに行きます?」みたいになって、飲み代も出すんですよ。
結局、この人が払ってるお金は7、8000円くらい払ってるんじゃないかと思うんですけど。
茂木:はいはい(笑)。
西野:感覚としては、小谷に対して50円しか払ってないから、しかも、「50円でこんなに働いてくれて、ありがとうね!」みたいな。すっごい感謝されて、恩を積んでいって、毎日その生活をしてて半年後くらいに小谷が結婚したいって言い出すんです。
50円ですから、マックス働いても月1500円、6ヶ月働いても結婚式なんて挙げられないから。だったらクラウドファンディングで結婚式をやっちゃおうみたいな。
浅草の花やしき貸し切って、ド派手にやっちゃおう、1000人呼んでみたいな。それで、2〜3週間で250万円くらい集まっちゃったんですよ。
茂木:集まっちゃったんだ!
西野:誰が小谷に支援をしたかというと、これまで小谷くんを50円で買った人が「あの小谷くんが結婚するんだったら、それは入れるよ!」っていうことで集まったんですよ。
茂木:嬉しいですよね。
西野:小谷っていうのは、お金持ちではないけど信用持ちで。お金っていうのは信用を数値化したものだなっていう説明をするときに、小谷はすごい便利でそのことを書いたんですよ。
茂木:いい話だわ(笑)。逆に、いまの世の中、お金はあるけど信用ない人もいっぱいいるもんな〜。
そういう意味では、どっちが長続きするかっていったら、こっちだよね。
西野:今は特に、例えばクラウドファンディング、オンラインサロン、信用をマネタイズする選択肢が昔に比べて増えたので。信用を稼ぎにいったほうが、しかも、マネタイズのタイミングを後ろにずらしたほうが、より純粋に人を楽しませることができるし。
茂木:マネタイズのタイミングを後ろにずらすっていうのは、回収をなかなかしないっていうことね。
西野:”なんで、無償でこんな楽しいことやってくれるの?”っていう、とにかく無茶苦茶感謝されて、信用されて、恩を作っておいたほうが、あとでいくらでも回収できるから。
だから、いまは信用をとりにいったほうがいいよっていう話を書きました。
茂木:なんで、こんな良いことを言う人が、世間から嫌われて……(笑)。
西野:テレビでも、文章で書くと切り取られちゃうんですよ(笑)。今の話の中にも……(笑)」
茂木:炎上ネタが入ってるんだ(笑)。
西野:入ってるんですよ、「お金稼ぐやつはバカ」とか言ってるんですよ。そこだけを切り取られてやられちゃうから、脇はすごい甘いですね(笑)。
茂木:そういうキャラができちゃってるんだな(笑)。この本が、西野さんのイメージが変わるきっかけになればいいよね。
──人を楽しませること
西野:出版社の方がいたら怒られるかもしれないんですけど、売るつもりは一切なくて。
茂木:え!?
西野:こんなことを言ったら本当にダメなんですけど、本を売るのはダサいと思ったんですよ。
それは、マネタイズが早いと思ったんです。本を作って、売るまでが早過ぎる。
茂木:マネタイズはもっと後でいいと。
西野:例えば、僕はいま「えんとつ町のプペル」という絵本を作ってるんですけど。作品を作ったとき、我々は最後の男であろうとするじゃないですか。
そっちじゃなくて、人は原体験に一生振り回されるから、そうなった時に、最後のところを狙いにいくんじゃなくて、原体験をとりにいったほうがいいと思って。
東南アジアの国って、すごい影響あるじゃないですか。一方ですごく貧しい子もいて、あの子達ってお金がないからエンタメを経験できないんですよ。
茂木:その子たちに届けたいんだ。
西野:0円で届けてあげて、0円で見られるようにしてあげて、この子たちは絶対に10年後、15年後とかに物を買えるようになるから、そこで回収すればいいと思ってるんですよ。
茂木:息の長い話ですね(笑)。
西野:10万部売れるよりも、10億人が知ってる事のほうが、はるかに価値がある。
茂木:それはそうですね、お金より信用にちょっと近いね。
西野:「えんとつ町のプペル」は、1冊も売れなくてよくて。10億人が知ってる方がいいと思ったんです。
こんなこと怒られるかもしれないけど、YouTubeにまるっと全部、文章も絵もアップしてやろうかなと思ってるんですよ(笑)。
10億人が知っていたら、勝手に「えんとつ町のプペルカレー」の話とか、「えんとつ町のプペルTシャツ」の話がきて、そこで回収すればいいと思うんです。
茂木:出版社には儲からないけど(笑)。
西野:お金もあげますから(笑)。まず知られて、人を楽しませていたら、あとでいくらでもマネタイズできるんだから。
本を売るのをやめようぜっていう(笑)。本の宣伝で来てて、こんなこと言ったら終わってるんですけど、そういうことです(笑)。
茂木:西野さんの夢は何ですか?
西野:「情熱大陸」に出たいっていう(笑)。
茂木:なんでですか(笑)。
西野:かっこいいじゃないですか(笑)。
茂木:芸人さんらしい、素敵なオチがつきましたね(笑)。
●
(Amazon)
「主婦と生活社」オフィシャルサイト
「おとぎ町」オフィシャルサイト
来週は、いま注目のピアノトリオ・H ZETTRIOからH ZETT Mさんをお迎えします。
どうぞお楽しみに。
主婦と生活社より刊行されました、漫才コンビ キングコングの西野亮廣さんをお迎えしました。
西野さんは、1999年に梶原雄太さんと、キングコングを結成。
現在は、芸人活動だけでなく3冊の絵本執筆、ソロのトークライブや、
舞台脚本の執筆を手がけ、海外でも個展やライブ活動を行っています。
今夜は、新しい挑戦をし続ける西野亮廣さんの素顔と本音に迫っていきました。
──お金より信用が大事
茂木:今回発売になりました、「魔法のコンパス 道なき道の歩き方」
これを読んで、西野さんの印象が良くなったという人もいるんじゃないですか?
西野:いるのかな〜(笑)。でも、正直に書いたんですよ。
机の上で考えて書いたみたいなことではなくて、自分が試してみて”これ上手くいった”、”これ失敗したよ”っていう、実験ノート的に書いたんですよ。
茂木:この中に重大なことが書いてあって、絵本を描き始めたきっかけがタモリさんなんですか?
西野:2週間に1回くらい飲みに行ってて、「おまえの性格だったら絵が描けるから、描け」っていう…。
茂木:性格っていうのはどういうことですか?
西野:分かんないです(笑)。あの人も酔っ払ってる時に言ってるので、あんまり覚えてないんですけど
僕も酔っ払っていましたし。
でも、絵を見て”筋がいい”みたいなことじゃないんですよ。僕はそもそも、絵は興味がないので。
茂木:この本には、「向かい風」「お金」「革命の起こし方」「未来について」と、4つのテーマに分かれていますね。
西野:お金の話もキチンとしようと思ったんですよ。結局、そこでみんなブレーキを踏んでることが多い、学校の先生も教えてくれないので。
茂木:あんまり、そういう話はしないんじゃない?学校の先生についても、いろいろ言ってましたね(笑)。
勉強がつまらないのは……なんだっけ?(笑)
西野:先生の喋りが面白くないっていう(笑)。
茂木:また炎上してるわ(笑)。
西野:でも、お金のことを汚いというのは、やめたほうがいいと思うんですよ。親も先生も、小学生とかにお金の話を教えないじゃないですか?それは、どこかで直面するから。
そこの知識がないから、”叶えたい夢を諦めないといけない”みたいになっているのが、横で見てて歯がゆくて。
だったら、”お金ってこういう仕組みだよ”とか、”物を売ろうと思ったら、こういうことにお金がかかって、実はこれは省けるところなんだよ”っていうことを、書いちゃおうと思って。
茂木:例えば、クラウドファンディングの赤裸々なやり方とか、参考になる人も多いんじゃないかな。
あと、”お金より信用が大事”っていう、あれ面白いですよね。
西野:ホームレスの小谷ですね。ホームレスの小谷が、何でも屋で1日50円でやるっていう……普通の感覚で言うと、日給50円って誰も納得しないと思うんですよ。やっぱり、7000円、8000円、10000円ちょうだいってなるところを、50円で売っちゃって、何でもする。
「草むしりして」って言われたら、朝から一生懸命草むしりして、小谷を買った人が”さすがに、それは申し訳ない”となって、昼飯をご馳走するんですよ。で、小谷はまた一生懸命草むしって…そしたら50円で買った人は、”大の大人を50円で、朝から晩まで草むしりさせるなんて申し訳ない”ってなっちゃって、夜ご飯もご馳走するんですよ。
昼夜を共にしたら仲良くなっちゃって、「小谷さん、飲みに行きます?」みたいになって、飲み代も出すんですよ。
結局、この人が払ってるお金は7、8000円くらい払ってるんじゃないかと思うんですけど。
茂木:はいはい(笑)。
西野:感覚としては、小谷に対して50円しか払ってないから、しかも、「50円でこんなに働いてくれて、ありがとうね!」みたいな。すっごい感謝されて、恩を積んでいって、毎日その生活をしてて半年後くらいに小谷が結婚したいって言い出すんです。
50円ですから、マックス働いても月1500円、6ヶ月働いても結婚式なんて挙げられないから。だったらクラウドファンディングで結婚式をやっちゃおうみたいな。
浅草の花やしき貸し切って、ド派手にやっちゃおう、1000人呼んでみたいな。それで、2〜3週間で250万円くらい集まっちゃったんですよ。
茂木:集まっちゃったんだ!
西野:誰が小谷に支援をしたかというと、これまで小谷くんを50円で買った人が「あの小谷くんが結婚するんだったら、それは入れるよ!」っていうことで集まったんですよ。
茂木:嬉しいですよね。
西野:小谷っていうのは、お金持ちではないけど信用持ちで。お金っていうのは信用を数値化したものだなっていう説明をするときに、小谷はすごい便利でそのことを書いたんですよ。
茂木:いい話だわ(笑)。逆に、いまの世の中、お金はあるけど信用ない人もいっぱいいるもんな〜。
そういう意味では、どっちが長続きするかっていったら、こっちだよね。
西野:今は特に、例えばクラウドファンディング、オンラインサロン、信用をマネタイズする選択肢が昔に比べて増えたので。信用を稼ぎにいったほうが、しかも、マネタイズのタイミングを後ろにずらしたほうが、より純粋に人を楽しませることができるし。
茂木:マネタイズのタイミングを後ろにずらすっていうのは、回収をなかなかしないっていうことね。
西野:”なんで、無償でこんな楽しいことやってくれるの?”っていう、とにかく無茶苦茶感謝されて、信用されて、恩を作っておいたほうが、あとでいくらでも回収できるから。
だから、いまは信用をとりにいったほうがいいよっていう話を書きました。
茂木:なんで、こんな良いことを言う人が、世間から嫌われて……(笑)。
西野:テレビでも、文章で書くと切り取られちゃうんですよ(笑)。今の話の中にも……(笑)」
茂木:炎上ネタが入ってるんだ(笑)。
西野:入ってるんですよ、「お金稼ぐやつはバカ」とか言ってるんですよ。そこだけを切り取られてやられちゃうから、脇はすごい甘いですね(笑)。
茂木:そういうキャラができちゃってるんだな(笑)。この本が、西野さんのイメージが変わるきっかけになればいいよね。
──人を楽しませること
西野:出版社の方がいたら怒られるかもしれないんですけど、売るつもりは一切なくて。
茂木:え!?
西野:こんなことを言ったら本当にダメなんですけど、本を売るのはダサいと思ったんですよ。
それは、マネタイズが早いと思ったんです。本を作って、売るまでが早過ぎる。
茂木:マネタイズはもっと後でいいと。
西野:例えば、僕はいま「えんとつ町のプペル」という絵本を作ってるんですけど。作品を作ったとき、我々は最後の男であろうとするじゃないですか。
そっちじゃなくて、人は原体験に一生振り回されるから、そうなった時に、最後のところを狙いにいくんじゃなくて、原体験をとりにいったほうがいいと思って。
東南アジアの国って、すごい影響あるじゃないですか。一方ですごく貧しい子もいて、あの子達ってお金がないからエンタメを経験できないんですよ。
茂木:その子たちに届けたいんだ。
西野:0円で届けてあげて、0円で見られるようにしてあげて、この子たちは絶対に10年後、15年後とかに物を買えるようになるから、そこで回収すればいいと思ってるんですよ。
茂木:息の長い話ですね(笑)。
西野:10万部売れるよりも、10億人が知ってる事のほうが、はるかに価値がある。
茂木:それはそうですね、お金より信用にちょっと近いね。
西野:「えんとつ町のプペル」は、1冊も売れなくてよくて。10億人が知ってる方がいいと思ったんです。
こんなこと怒られるかもしれないけど、YouTubeにまるっと全部、文章も絵もアップしてやろうかなと思ってるんですよ(笑)。
10億人が知っていたら、勝手に「えんとつ町のプペルカレー」の話とか、「えんとつ町のプペルTシャツ」の話がきて、そこで回収すればいいと思うんです。
茂木:出版社には儲からないけど(笑)。
西野:お金もあげますから(笑)。まず知られて、人を楽しませていたら、あとでいくらでもマネタイズできるんだから。
本を売るのをやめようぜっていう(笑)。本の宣伝で来てて、こんなこと言ったら終わってるんですけど、そういうことです(笑)。
茂木:西野さんの夢は何ですか?
西野:「情熱大陸」に出たいっていう(笑)。
茂木:なんでですか(笑)。
西野:かっこいいじゃないですか(笑)。
茂木:芸人さんらしい、素敵なオチがつきましたね(笑)。
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来週は、いま注目のピアノトリオ・H ZETTRIOからH ZETT Mさんをお迎えします。
どうぞお楽しみに。